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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

633Run,Araki,Run! ◆e9TEVgec3U:2020/07/28(火) 01:25:25 ID:xCgiZT7s0

そう、輩なんて居ないのだ。

なのに。



『貴方しか居ない世界で果たして誰がアナタをマトモだって証明してくれるの?』


「うるさいうるさい、マトモじゃないお前が口を挟まないでよ」


また誰かが後ろから口を挟む。自分以外ここには居ないのだから、これはきっとマボロシなんだ。そうに決まっている。
けれども手を変え品を変え、時折こうやって当たり前のような質問をされる。
同じ声で同じ語調で私に付き纏ってちっとも離れてくれやしない。私にずっと付いてくるお前の方がよっぽどマトモじゃないっての。
頭は痛むし全てが散々だし、進んでも進んでも同じような建物しかない。
少し遠くに行けば立派な色とりどりの建物があるのは見えるけど、あそこに蓬莱の薬は無い気がする。
輝夜にはあんな豪華絢爛なのは似合わない。もっとドブ臭い場所の中で蠢いていた方がアイツらしい。


「例えばこんなボロ納屋の中に居たりは〜?」


なんかそれっぽい建物の扉を開けてみる。ハズレ。ただの小屋。
ヒトの跡すら感じられない程に冷え切っていて、扉を開け放った瞬間に冷たい空気が外に流れ込んできた。
おかしいな。こんな所こそ輝夜にお似合いだし、ここに輝夜が居れば自ずと蓬莱の薬を取り戻せるはずなのに。
いや、でもたまにはこういう場所で休まないとまたさっきの誰かみたいに逃げられる様な気がする。
誰かが来て殺されるのは嫌だからあまり眠りたくはない。蓬莱の薬を取る前に死ぬのは勘弁だ。
畳に腰を下ろしたまま壁にもたれ掛かって、片膝を立てる。こうすると眠りが浅くなって何かあればすぐに起きれる。


「……?」


前もこんな体勢をした事があった気がする。よく覚えていない。
よく覚えていないのは頭痛のせいだ。私に悪いところなんてない。
生きようとしているだけなのにそれが悪いことなわけがない。


『■紅。アン……もうマ■■じゃ■……。い……■■実を見■■……』


私を糾弾するな。



…。


何も聞こえない。

何も聞きたくない。



意識を闇に溶かす。目を瞑れば光は入らない。


何も間違ってないのに。


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