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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

616雪華に犇めくバーリトゥード ◆qSXL3X4ics:2020/07/21(火) 15:36:57 ID:Cv8akD0g0
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『博麗霊夢』
【夕方】B-5 果樹園小屋 跡地


(てゐ達は……行ったわね。後は私自身、だけども)

 静かに。
 流れる水のように自然体で立つ霊夢。
 冷静でいられる自分と、衝動に身を任せたい自分。
 相反する二人の己の境界で、彼女は自分に起こる異変へと冷静な分析を終えていた。
 そして、あくまで心の内のみで冷静であった部分も。

「どうしたのよ、魔理沙。私が気に入らないのでしょう?」

 次の瞬間には、激情を拳に乗せて目前の友人へと打ち込んだ。魔理沙は頬を打ち抜かれ、そのまま紙屑のように雪の上を転がる。
 かなりの力を込めなければ、今の魔理沙の様に吹き飛んだりしない。負傷状態であるにもかかわらず、霊夢は少女の身で人間一人を思い切りに殴り飛ばしたのだ。
 痛みはない。疲労も、この状態ではまるで感じない。羽が生えたみたいだと、皮肉気味に霊夢は笑った。

 喧嘩なんかしている場合ではない。先程、霊夢自身が魔理沙へ放った台詞だ。

「ク、ソ……っ! 畜生、やりやがった、な……!」

 それでも、仕方ないではないか。
 魔理沙の方から立ち上がり、しつこく向かって来るのだから。

 だから〝仕方ない〟。
 霊夢が友へと手を出すのは、それだけの理由であり。
 それだけで十分だとも、思えた。

「アンタ、勘違いも甚だしいわよ。私は別に、死んだジョジョを今更どうこう思ったりしてない」
「ハァ……ハァ……。私には、そうは思えんけど、な……っ」
「しつこいわね。それって、嫉妬?」
「うる、さいッ!」
「見苦しいわね」


 尚も土を蹴り、駆け出してくる魔理沙へと。

 霊夢はあくまで、静かに。

 精神の内では、激情に身を任せて。

 理由の無い暴力に縋り、浸り。

 傷付いた心を、ひたすらに慰めていた。


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