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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
606
:
雪華に犇めくバーリトゥード
◆qSXL3X4ics
:2020/07/21(火) 15:30:29 ID:Cv8akD0g0
ただでさえ、どうしようもなく苛立っていた。
完膚なきまでに叩きのめされ、死の淵を彷徨って。
靈夢の中で、ジョジョからは『博麗』を否定され。
けれども何処か、生まれ変われたようにも感じた。
矢先、夢から蘇生出来たのは私だけで。
ジョジョは、約束ほっぽり出して勝手に死んで。
代わりに、アイツの娘を名乗る女が居て。
もう、訳わかんなくなっちゃって。
表にはいつも通りの『博麗霊夢』を演じられていたけど。
心の中では、どうしようもない苛立ちが収まらなかった。
いい加減、白状するわ。
私は……、博麗霊夢は。
滅茶苦茶、ムカついていた。
「ジョジョの…………バカヤローーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!」
巫女の洗礼を受けたお祓い棒とは、本来ならば神聖なる道具だ。罪や穢れ、厄災など不浄なものを排除する神事にて使用するこの棒は、言うまでもなく人を殴る用途には間違っても使ってはならない。
博麗の力を存分に込められたお祓い棒は、悪を討伐するでもなく、妖魔を捩じ伏せるでもなく、〝ただムカついた〟から殴る為だけに振り翳された。
そこに立つ誰へでもなく、今はもうこの世に居ない男への罵倒と共に、暴力の化身として霊夢の手先となったお祓い棒。
不条理な暴力の矛先となったのは、友人の霧雨魔理沙。その冠にのさばる魔女帽の天頂目掛け、場外ホームランを狙うかの如く万力込めて。
細長い見た目のわりに、この棒は強固だ。数え切れない妖怪や神、時には人間をもシバキ倒してきた経歴をその細身に宿す神具は、何者をも砕きかねんという勢いのままに、魔理沙の背後から振り抜かれた。
「が…………ッ!? ぁ、ぐ…………痛っ、て……〜〜〜ぇッ」
観客席からリング上へと飛び乗ってきた活きのいい野次馬───巫女の不意打ちに、魔理沙は悶える。堪らず膝を折り、その無様を見下ろす霊夢の視線へと目が合った。
その上から見下す様な視線に対しても、魔理沙の心中ではフツフツと怒りが湧き上がる。不意打ちされた事にも腹が立ったが、その相手が霊夢である事にも腹が立った。上からこちらを見下す視線にも腹が立った。
だが、何より魔理沙を腹立たせるのは──
「だ……れが、ジョジョだよ……! この野郎、馬鹿巫女のクセして……ッ」
崩れた魔女帽を被り直し、ゆっくりと乱入者の顔を睨み付けながら魔理沙が立ち上がる。
双眸に宿った視線は、殺意とも取れるような壮絶な怒りの眼差しだ。
「なあ、オイ……お前に言ってるんだよ霊夢。私には『霧雨魔理沙』っつー、立派な名前があるんだぜ?」
「……」
これが何らかのスタンド攻撃による現象なのは、かろうじて理解出来る。だが今の魔理沙にとって、最早それは遥かにどうでもいい些事の一つへと変化した。
博麗霊夢。この期に及んでこの女は、とうに死んだ男の幻影など見ているというのだから。
「おーい、聞いてるかー? れ・い・む・ちゃーん?」
「うるさい」
「聞こえてるじゃんか。耳はマトモなのに目は盲目ってワケか? 何処にそのジョジョとやらが居るんだ? 私の帽子の中にはマジックアイテムしか入れてないぜ」
後頭部と拳から流血を晒す姿も相まって、くつくつと口の端を引き攣りあげる魔理沙の姿は不気味の一言である。
変わり果てた友の様子を霊夢は、静かに見つめた。
あくまで、表面上は静かに。
「ジョジョですって? 私が、いつ、ジョジョを呼んだのよ」
「さっき叫んでたろ。高らかに」
「? 耳がオカシくなってんのはアンタの方じゃないの、魔理沙?」
首を傾げる霊夢の顔面を、魔理沙のストレートが走った。骨が飛び出した方の右腕で、躊躇なく、だ。
凶器の様に鋭く皮膚から飛び出た基節骨の先端は、棒立ちでいた霊夢の左目──その三センチ下を抉り、端麗であった顔を傷物に仕立てあげた。
故意の、禁じ手である。
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