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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

544夢見るさだめ ◆753g193UYk:2019/03/27(水) 18:00:21 ID:1qUWgLbM0
 
 エシディシは裂帛の絶叫を響かせた。呼応するように、室内の温度が上昇してゆく。もはや吹雪にリソースを割く余裕はなかった。守りは完全に夢美の十字架に任せきって、パチュリーは至近距離でエシディシに火の魔力を注ぎ続ける。
 慣れない運動で息が上がったパチュリーの体表から、汗が吹き出ては流れ落ちてゆく。最前、自らの魔法で纏った水分は、とうにエシディシから発せられる熱で暖められ、体感としては汗と変わらない。
 左腕の切断面から、更に倍の数の血管針が飛び出した。

「貴様のなまっちょろい火がおれを溶かすより先に、おれの血管針をブチ込んでくれるわ!」

 叫びとは裏腹に、血管針がパチュリーへと降り掛かることはなかった。切断面から飛び出した血管針は、もはやまともな指向性は持たず、四方八方でたらめな方向に血液を噴出するだけだ。パチュリーの身に降りかかりそうなものだけ、夢美の十字架が受け止める。
 床板へと落ちた血液が火を吹き上げるさなか、パチュリーはようやく笑った。

「あなた、もう自分の能力を制御できないんじゃない? 言ってたものね、『五百度まで』って」
「ば、馬鹿なッ……こんな! こんな馬鹿なことがぁああーーーッ!!」

 血管針が、崩壊をはじめた。同様に、筋骨隆々としていたエシディシの体が、徐々に輪郭を失いはじめているのをパチュリーは目視した。肩が不定形に崩れ、腕が垂れ下がった。関節が溶け始めて、エシディシの膝が折れた。肩や膝といった各部が落ち窪んでいる。
 エシディシの体温はとうに千度を越えている。その体が、あまりの高熱に耐えきれず溶け始めているのだ。


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