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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

541夢見るさだめ ◆753g193UYk:2019/03/27(水) 17:51:58 ID:1qUWgLbM0
 
「ええ、そうよ。実際、私はあんたが窮地に陥っていたとしても見捨てるでしょうしね。だから、ここで私があいつに挑んだとしても、あんたは無関係を装うべきよ。まあ、あいつらが相手じゃどこまで意味があるかは分からないけど……不要な巻き添え食ってやっかいな相手を敵に回すことはないんじゃないの」

 夢美はふるふると首を横に振った。それから、どこか嬉しそうに笑った。

「もう、パチェったらまたそんな風に悪びれちゃって〜」
「あのね夢美、悪びれるとかそういうのじゃなくて」

 夢美は、人差し指の腹でパチュリーの唇を押さえ、続く言葉を遮った。

「パチェが本当はそんなひとじゃないって、私もう知ってるわ。悪ぶってるように見えるけど、ほんとうは面倒見がよくて、優しい魔法使いだってことも」
「なっ」
「だから、私は、パチェを利用して殺すかもしれない敵がいるっていうのなら……うん、やっぱり許せない」
「はあ、あのね。許せるとか許せないとかそういう話じゃなくて――」
「あのねパチェ……大切な親友を、見捨てられるわけ、ないでしょう。そんなの絶対、認められない! パチェがひとりで背負い込むことを、私はこれ以上、許可しない!」

 パチュリーの言葉を遮った夢美は、一言一言を区切るように、強い口調で宣言した。
 咄嗟に返す言葉を失った。目を見開くパチュリーに対し、夢美はなおも不敵に微笑んでみせる。

「きっと、ここにいる吉良さんも同じ。みんな怒ってるのよ、パチェをこんな風に利用されたことも……それを、パチェがひとりで抱え込んで、誰にも言おうとしなかったことも」
「馬鹿、じゃないの……そういう感情的な判断で動いてどうするの。あなた物理学者なんでしょ、だったらもうちょっと合理的に物事を考えなさいよ」

 半ば諦念混じりの吐息を零し、パチュリーは伏し目がちに言った。
 夢美はふう、と深く息を吐いたかと思うと、次の瞬間、声を張り上げた。

「この、わからず屋! パチェの方こそ、魔法使いなら、もっと夢を見なさいよ!」

 夢美はパチュリーの両肩を掴み、叫んだ。興奮のあまり、声が節々で裏返っている。

「仲間を信じなさいよ! 私を……、信じてよ、パチェ!」

 顔を赤くして怒鳴る夢美に気圧されて、パチュリーは押し黙った。
 まったくもって不条理な言葉ではあるが、それに対して、返す言葉を失ってしまったのだ。パチュリーの中の、合理的な部分ではなく、感情的な部分が、これ以上の押し問答を拒否していることを、認めなければならない。
 パチュリーは何度目になるか分からない嘆息を零したのち、顔を上げて、くすりと微笑んだ。夢美の肩からすっと力が抜けるのが、肩に置かれた手の感触から伝わった。

「ああ、もう……負けたわ、夢美。あんたって本気で怒鳴ると、けっこう迫力あるのね」

 夢美の手に自分の掌をそっと重ねたパチュリーは、そのまま手を降ろさせるように立ち上がった。
 一方のエシディシも、既に幻影を振り払ったらしく、真正面からこちらを睨みつけている。己の胆力ひとつで大妖怪の幻術を打ち破ったあたりは、敵ながら流石と言わざるを得ない。


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