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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

539夢見るさだめ ◆753g193UYk:2019/03/27(水) 17:37:23 ID:1qUWgLbM0
 
「ンン〜〜〜、試しに食らってみたが、なるほどお。カーズたちの情報は事実らしいなあ……スタンドはスタンドでなければ攻撃することはできず、また、捕食することもできない……だったか」
「なに……試しに食らってみた……だとッ」
「そういうワケだ、勘違いするなよ人間……今のはあえて『殴られた』んだ。決して『おまえがおれに攻撃した』んじゃあない」

 吉影は、両の拳にヒリついた熱を感じた。拳を見ると、エシディシの体をラッシュで殴りつけた拳頭の部分が、擦り切れたように皮が剥けていた。赤く腫れて、じわりと熱も感じる。ちょうど、拳が軽い火傷を起こしたような状態になっていた。

「なんだ……まるで炎そのものを殴りつけたように……拳が熱いぞ」
「フン、ようやく気付いたか……おれは体内の熱を五百度まで上昇させ、相手に送り込むことができるッ! おまえは攻撃しているように見えて、五百度の高熱を殴りつけていたということよ」

 突き出されたエシディシの右の五指の爪が剥がれ、そこから血管が這い出てきた。血管のひとつひとつがまるで意思をもっているかのように鎌首をもたげ、その異様な攻撃の穂先を吉影に向けている。エシディシの言葉が事実なら、あの血管すべてが五百度の熱をもった武器ということになる。それを安易にスタンドで迎撃するのは、まずい。
 脂汗を浮かべる吉影の思考を読んだのか、エシディシが不敵な笑みとともに床を蹴り、駆け出した。思考の暇はない。

「やむを得んッ、キラークイーン、迎撃しろッ!」
「くらってくたばれッ『怪焔王』の流法!!」

 五指から飛び出た五本の血管針が、射るように吉影へと殺到する。命令通りに突出したキラークイーンの拳が高速で打ち出され、血管の方向をそれぞれ逸らすが、同時に血管の先から煮えたぎった血液が噴出した。咄嗟に両腕で頭部はかばったが、それでも吉影のスーツに触れた血液は発火する。

「吉影ッ!」

 頭上から多量の水が降り注いだ。パチュリーの水の魔法だ。火はすぐに消えたが、吉影のスーツの両腕部は既に焼けて擦り切れている。吉影は思わず舌を打った。
 パチュリーに礼を言う間もなく、エシディシが飛び込んでくる。本体に触れてもダメージを与えることはできず、下手に近付けば火傷を負わされる。吉影がとれる選択肢はそう多くないが、それでもここで後退するわけにはいかない。もう一度キラークイーンを前に出し、戦闘態勢をとらせる。
 その時、エシディシが瞠目し、大きく飛び退いた。

「私の正体不明の種を使ったのよ。アイツは今、キラークイーンに対して、なにか『恐怖』する幻影を見てるはず……なに見てあんなに警戒してるのかは知らないけどね」

 ぬえは不敵に笑った。当のエシディシは、恐怖するとまでは行かないまでも、その表情に驚愕と警戒の色を強め、キラークイーンを凝視していた。


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