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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

535夢見るさだめ ◆753g193UYk:2019/03/27(水) 17:28:22 ID:1qUWgLbM0
 


 ジョースター邸の食堂の窓から、見知らぬ参加者を引き連れて戻ってきた仗助を眺めていた吉影は、ふとした物音に振り返った。どこか顔色悪そうにテーブルに両肘をついていたぬえも、物音の方向に目線を向ける。
 テーブルの上で眠るように縮こまっていた亀の甲羅から、夢美とパチュリーが続けて飛び出してきた。夢美は、自分がテーブルの上に着地してしまったことに気付くと、勢いよく飛び降り、着地する。パチュリーもそれに続いて、テーブルの縁に座るようにしてゆっくりと地面に足を降ろした。

「おまたせ。なにか変わったことはなかったかしら」
「ついさっき仗助たちが帰ってきたところさ。外ではなにか揉め事が起こっているようだがね」
「またなの」

 パチュリーはあからさまに嫌な顔をした。しかし、それも一瞬だ。すぐになにかを思い出したように嘆息した。

「いえ、私が言える立場じゃないわね。さっきはごめん、露伴先生に対する振る舞いに関して、言い訳をするつもりはないわ……少し、冷静さを欠いていたみたい」
「パチェ、さっきは焦ってたのよね。これから康一くんの遺体を解剖しなくちゃいけないってプレッシャーかかってる時に、康一くんの親友だなんて言われたから」

 夢美が、とんとん、と優しくパチュリーの背中を叩いた。パチュリーはなにも答えようとはせず、夢美から顔を背けた。吉影の角度から見えるパチュリーの表情は、それ程夢美を拒絶しているようには見えなかった。

「そうか……それはパチュリーさん、無理もない話だと思うよ。これから心を痛めて仲間の遺体を解剖しようって時に、得体の知れない男に『自分はそいつの親友だ』なんて言われたら……わたしなら胃が痛くなる思いになるだろうからね。苛立ったり焦ったりする気持ちもわかる」
「だから、言い訳をするつもりはないってば。その話は、もういいの」
「で、爆弾のことはなにかわかったの」

 ぬえはパチュリーを刺すように見た。パチュリーの心情など心底どうでもいいと思っているのであろうことは、その表情から容易く読み取れる。というよりも、人の感情の機微にまで意識を回している余裕すらなさそうだった。額には脂汗が浮かんでいる。

「ぬえちゃん、体調大丈夫? この人になにか変なことされたの?」
「わたしはなにもしていない。物議を醸すぞ……そういう物言いは」
「あはは、ごめんなさーい」

 あまり悪びれる様子もなく夢美は笑って謝罪する。夢美がそういう人間であることは分かっていたし、そんなくだらない軽口にいちいち反応していては本当に胃がもたなくなるので、夢美の冗談は無表情のまま聞き流すことにした。
 当のぬえ本人もいたってどうでもいいという風に夢美の言を流した。

「で、解剖結果はどうだったの。爆弾の解除方法は分かったの?」
「ンン〜〜、それはおれも気になるなあ〜〜」

 部屋の入口から、聞き慣れない男の声が聞こえた。
 瞬間、食堂内にいた全員の顔色が変わる。警戒を強く顔色に出しながら、全員が部屋の入口を見た。
 古代ローマの彫刻もかくやというほどに鍛え上げられた、筋骨隆々とした肉体美を惜しげもなく晒す褐色肌の男が、入口に肩をもたれさせて、腕を組んでいる。男は口角を不敵に吊り上げて、その場の全員を睥睨した。


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