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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

516 ◆EPyDv9DKJs:2019/03/16(土) 03:09:29 ID:ZcI0NUco0
「此処が永遠亭ですか。」

 趣があるであろう、竹林に潜む広い屋敷
 雪すら降り始めた寒空の中、二人はやっと永遠亭へと到着した。
 ジャイロ達と別れてからも、放送を聞いてからも長い時間が過ぎている。
 時間の経過から、彼らが残っているとは思えないが、現在地が把握できただけでも大きい。
 散々迷いに迷っていたあの頃と比べれば、ずっと前に進めただろう。

「東風谷さん、少し休憩していきましょう。
 この天候では休まないと体力を奪われます。」

 先ほど休憩したものの、雪が降り始めていて気温は低い。
 この先だって体力を奪われてしまうのに、余計なもので消費したくはない。
 幸い、カセットコンロもあるため、暖を取るのは多少は楽な状態だ。 

「早くジャイロさん達に合流したいですけど・・・・・・この寒さですからね。」

 玄関を開けながら早苗は雪が降り注ぐ竹林を見て、白いため息を吐く。
 この数時間、二人はただ竹林を彷徨い続けた結果、誰とも出会っていない。
 それはつまり、現在のバトルロワイヤルの進行状況が把握できていないに等しい。
 彼らが誰とも出会わなかった時間で、多くの参加者の邂逅、或いは死亡があったはず。
 あってほしくはないが、花京院でいえば承太郎達、早苗でいえば神奈子や諏訪子たちだって、
 いかに強くとも無事でいられるかどうかは、正直なところ怪しいと思っていた。
 特に、この中だと一番の問題は神奈子だ。神奈子の暴走を早く止めなければならない。
 ───もし。もしもの話で、神奈子が既に諏訪子と出会っていて、手にかけていた場合。
 彼女とちゃんと向き合える自信は、あるとは言い切れなかった。

「しまった。」

「え!?」

 玄関を進むと、突然花京院が小さく呟く。
 敵襲かと思い強く早苗は咄嗟にスタンドを出して、身構える。
 どこに何かあるかわからず、辺りをせわしなく見ていくが、
 特に不審な点は見受けられない。

「あ、いえ。土足であがるのが基本で忘れていたんですよ。」

 そういいながら、花京院は自分の足元へと指さす。
 玄関で脱ぐはずの靴はそこにあり、文字通り土足で踏み込んで廊下に足跡を残す。
 日本で生活してるなら基本的にはないが、二カ月近く日本を離れていた彼には、
 他の文化に慣れすぎた故のミスともいえるだろう。

「とは言え、何があるかわからないこの状況なら、
 家主は申し訳ないですが、土足であがるしかないですね。」

 家主の本来の永遠亭は、これとは別のでしょうけど。
 なんて言いながら、花京院はそのまま永遠亭の中を歩きだす。
 裸足で雪が降った大地を走ることなどできたものではない。
 予期せぬ事態を想定する必要がある以上、靴を脱ぐわけもいかない。
 遠慮なく行動できるのも、スタンド使いと戦ったが故の適応力の高さか。

「ですよね。」

 思ってたよりも一般的な問題であり、肩の力が軽く抜ける。
 律儀に脱いでいた早苗は、すぐに履き直して花京院に続く。
 入り口はたいして損壊はしていなかったが、奥へ進めば進むほど戦いの跡が見受けられる。
 僅かながら焦げた臭いや跡から、炎を操る能力を用いる参加者がいることも推察できた。

(余り、あってほしくはないな。)

 炎を操ると言えば、真っ先に思いつくのはアヴドゥルのスタンド、マジシャンズ・レッド。
 ポルナレフを正面から打ち負かし、発現したばかりだが承太郎とも五分だったとも聞く。
 単純にして強い、あんなスタンドがこのバトルロワイヤルで支給されていたならば。
 かなりの強豪になるのは間違いなく、厄介極まりない存在になるだろう。
 たとえ、マジシャンズ・レッドのスタンド能力でなかったとしても。
 炎を使役できる能力。単純明快な、殺傷能力の高い能力になるのは必定。
 彼のスタンドの性質も合わせ、真正面からの戦闘は避けたいところだ。



 ある程度奥へ進むと、花京院は立ち止まってスタンドひも状にばらしてを張り巡らせる。
 星屑の十字軍で唯一の遠距離スタンドである彼にしかできない、スタンドによる索敵。
 常に移動しての旅だったのもあってか、あまり使う機会はなかったが、
 最初の時といい、こういう人探しの場面であれば、十分に役に立つ。

「やはり、いませんね。」

「ですよねー。」


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