[
板情報
|
R18ランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
500
:
黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──
:2018/11/26(月) 01:42:42 ID:dCSol15U0
初めて、メリーが笑った。
その微笑みはとても脆い形ではあったが、ジョルノの心を大きく清めてくれた。
実際の所、ジョルノのブローチが八雲紫を守ったのは事実だ。
結果としてそれは、蓮子の命を散らせた直接の出来事を生んでしまったが。
もしもブローチが無ければ紫は殺され、蓮子は妖刀の呪いから解き放たれることも無かったろう。
それでは、意味が無かった。
それでは、『宇佐見蓮子』は永遠に戻ってこれなかったかもしれない。
だからこれで良かった──だなんて、言えるわけが無いけども。
七星のてんとう虫が、宇佐見蓮子を最後に『人間』へと戻し。
彼女に『秘封倶楽部』を思い出させ。
そして八雲紫も、『夢』を仰ぎながら眠った。
自分は最後まで蓮子と再会出来なかったが。
蓮子はきっと、最後に〝メリー〟と再会出来た。
メリーには、そう思えてならない。
状況証拠のみを検分し、都合の良い妄想に逃げ込もうとしているだけかもしれない。
それこそ、夢見心地に浸りたくて。
だとしても八雲紫の意志は、今やメリーに在る。一心同体なのだ。
あの人を信じるという事は、自分を信じるという事に繋がる。
蓮子を『救った』ジョルノには、感謝こそあれ。
自分を責めることなど、しないで欲しかった。
「だから、ジョルノ君にはそんな表情をして欲しくないんです。
私なら、大丈夫。……大丈夫、ですから」
大丈夫なわけがなかった。
大事な人を、一度に二人も喪ってしまったのだから。
だからこそジョルノは固く決心する。自分には責任を果たす必要がある、と。
彼女と───マエリベリーと共に『真実』に向かおう。
色々な事が起こり、多くを喪い、傷付いた少女を『導ける』のは、ここに居る自分なのだ。
自惚れかも知れなかったが、紫から受け継いだ物は正しい方向へと導かなければならない。
「───僕には、部下がいます」
ジョルノは、マエリベリーと手を取り合える距離まで足を踏み出した。
彼女は『護る対象』ではない。共に歩く相手として、正当なる関係をこれから築かなければいけないと思い、互いを知ろうと思った。
「組織のトップとして、多くの部下は居ますが……真に僕を慕う者は多くない。組織の構成上、仕方ないことではありますが。
それでも命懸けで僕を慕ってくれている彼らに対し、僕は心から嬉しく思う。そして、掛け替えのない信頼を築いていこうと尽力もしている」
ボスの娘を護る護衛チーム。ブチャラティを筆頭としたかつての少数チームが、ジョルノにとっては『始まり』であった。
その始まりは、今となっては一人だけ──此処には居ないパンナコッタ・フーゴしか残っていない。だからこそ彼との間には、深い『絆』がある。
「その絆の証明……の様なものかも知れません。彼らの中には、僕を『ジョジョ』と呼ぶ者も居ます。そう呼ぶよう、僕の方から願ったのですが」
「ジョジョ……?」
「はい。ギャングのコードネーム……とかでは全然ないんですが。
なんと言うか、そう呼ばれると安心するんです。ただそれだけ、ですけどね」
ジョジョ。そのあだ名は不思議なことに、メリーにとっても奇妙な親しみがあった。
「マエリベリー。君が良ければだけど……どうかこれからは僕を『ジョジョ』と呼んで欲しい。組織とか部下とか関係なく……それでも。
君の中に紫さんの意志が生きているとしても、僕と君との関係は『新たな信頼』からでなくてはならない。そう思うんです」
『夢』から始まった物語。
黄金のように気高い夢と、虹を見るようなささやかな夢。
少年は少女の前へと、腕を差し出した。
「私の名前はマエリベリー・ハーン。“マエリベリー”の綴りを崩して、蓮子からは『メリー』と呼ばれていました。
ジョルノ君───いえ、『ジョジョ』。そして鈴仙さんも、私の事は『メリー』と呼んで欲しいの」
少女は、決起の瞳でそれを取る。
そこに加わるのは、もう一人の少女の腕。
「もう! ジョルノ君、私のこと忘れてない!?」
「忘れてませんよ、鈴仙。……改めて、よろしく」
「……うん! よろしくね、ジョジョ!」
その笑顔は、かつての鈴仙の『負』を微塵も感じさせないくらい快活だった。
ジョルノと、メリーと、鈴仙。
三人の輪が、様々な隘路を経て繋がった。
「これからよろしくお願いします。ジョジョ。鈴仙」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板