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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
477
:
黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──
:2018/11/26(月) 01:21:40 ID:dCSol15U0
これまでの何もかもが、あたかも儚き『夢』だったかのように。
別れは、突然に降ってきた。
蓮子の傷は致命傷。即死では無かったが、救う術は皆無。弱体化を受けた『境界を操る程度の能力』では、心臓を穿いた傷は塞げなかった。
地上には傷を治せるジョルノがいる。もしかしたら合流の為、すぐ近くにまで来ているのかもしれない。
(……駄目。間に合わない)
自分でも恐ろしいくらい冷静に蓮子の現状を認識し、悲劇の回避は叶わないと悟っていた。死に堕ちゆく少女の瞼は閉ざされ、止めどなく流れ続ける赤い水溜まりの中心が、二人の世界であった。
なんて、無力。
メリーはここに至って、自らの力の無さをこれ迄になく痛感する。
聡明な彼女であるからこそ、蓮子の死はどう足掻いたって避けられないと理解した。
そして、だからこそ。
自分の心の内には、こんなにも冷静でいられる自分が存在するのかと自虐する。
その冷静さが、彼女にある行動を促した。
メリーの一番の友達である宇佐見蓮子は、これから死ぬ。
残された時間は一分と無いだろう。夥しい血の量が、全てを物語っている。
少女の視覚が、聴覚が、意識が、ギリギリの所で肉体にしがみ付いているよう胸の中で願いつつ。
〝彼女〟は、今自分が最も優先して行うべき行動を、迷いなく選択した。
「蓮子!! お願い、目を覚まして!! 私よ蓮子! メリーよ!!」
傷を塞ぐ為に殆ど力の残っていない境界の能力を、悪足掻きだと理解しながらも使うか。
傷付いた蓮子の肉体を強引に背負い、地上への昇降口でも探してジョルノに引き渡すか。
どれも違う。メリーの選ぶべき行動は、成就の見込みが極めて薄っぺらい神頼みではない。
「肉の芽は消えたのよ! アヌビス神も壊したわ!
貴方(蓮子)はここに居て、私(メリー)もここに居る!!」
最後になってもいい。たった一言でもいい。
証明が、欲しかった。
「秘封倶楽部(私たち)……やっと『再会』できたのよ! だから……死なないでよぉ……っ!」
“私たちの愛した秘封倶楽部は、ここにいる”
その証明には、二人の言葉が不可欠。
〝メリー〟と〝蓮子〟……この二人が揃って言葉を交わし合う。
死を免れない親友への、せめてものレクイエム。
たった一言でも、それ以上は望まない。望んではいけない。
それが秘封倶楽部にとっては───これ以上にない最高のように思えたからだ。
「起きてよ、蓮子……もう一回、秘封倶楽部……一緒に、やり直そうよぉ……」
〝彼女〟は、そう考えた。
そして、その相方である少女も───同じことを思ったのかもしれない。
「………………ぁ、…り、が…………ううん……、」
小さな言葉は、今まさに交わされようとしていた。
あまりにもか細い声だったが、メリーの耳には確かに届いたのだ。
本当に、ただ一言の為。
蓮子は薄らと瞼を開け、自分を抱きながら涙を流す親友の姿を仰ぎ……もう一度だけ、口を開かせた。
「秘封倶楽部(私たち)は、ずっと一緒だよ。───〝メリー〟」
最期の言葉は、ハッキリと聴こえた。
そして、蓮子はメリーの片腕の中で。
嬉しそうな表情で───眠りについた。
夢見る少女のままで。親友の腕の中で。
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