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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
476
:
黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──
:2018/11/26(月) 01:18:25 ID:dCSol15U0
『だから待て! 頼むオレの話を聞いてくれよッ! そ、そもそもアンタら二人が戦う羽目になったのは……そ、そう! DIOのせいだ! だろ!? 諸悪の根源はあのバカみてーに真っ黄色な変態服着て王様気取ってやがるアイツだ!! オレは悪くねーってだからその右手下ろせって! なっ!? なっ!? あ、そうだ良ーこと考えた! 妙案を閃いたぜッ! お前……い、いや、お嬢ちゃん! オレと一緒に仇を討とうじゃねーかあのDIOのクソッタレによォ! オレは役に立つぜェーーマジで! う、嘘だと思うならよ! ちょっとだけ! ちょっとだけお試しで握ってみなよオレの柄を! ホント信じてくれ! 絶対にお買い得品だからよオレは! い、今ならこのアヌビス神を買ってくれたお客様にはもう一本同じアヌビス神が付いてきま───』
「去ね」
『彼』は──アヌビス神の名を賜ったそのスタンドは、世に蔓延るスタンドの中においても特別に異色である。
本体の意識を越えてスタンドそのものに意思が宿り、自己と知性を手に入れる事例は珍しいものでもない。
しかしこの妖刀が産んだ意思は、『自己の消滅』を過剰な程に恐れた。元来のスタンドの使い手であった刀鍛冶が遥か500年前に死して尚、スタンドの意思のみが現代にまで生き続けている程に。
自己の消滅───即ち『死』という現象をこうまで恐れるスタンドは本当に稀だ。あるいは、DIOが彼に興味を抱いた一番の点はその自己心なのかもしれない。
彼は最後の最後まで妖刀としてこの世に生を受けた本懐を遂げたかっただけ。
人斬りというアイデンティティが失われる事あれば、妖刀としては死と同義。
まるで妖怪。アヌビス神は、自己の消滅に恐怖する妖怪となんら変わらない。
〝彼女〟が生きた妖刀を手に掛ける理由に、同族意識もあったかもしれない。
憐憫。同情。そういった気持ちが、ゼロとは言わない。言わないが、しかし。
この妖刀は遊びが過ぎた。
故に、弾幕ごっこという名の『遊び』の境界を逸脱した、この本気の弾幕で“消す”に相応しい。
「───『深弾幕結界-夢幻泡影-』」
夢、幻、泡、影とはそれぞれ淡く壊れやすく儚いもの。
人の世も人の生も、またそれと同じくとても儚いもの。
スタンドとて、然り。
自慢の太刀で肉を喰う快感は、まるで夢みたいに。
思うがままに刃を振う興奮は、まるで幻みたいに。
純潔な少女の血を吸う至福は、まるで泡みたいに。
自由奔放なる道を味う人生は、まるで影みたいに。
アヌビス神の死を厭う最期は、まるで夢幻泡影を謳うみたいに。
淡く、儚く、呆気なく、壊れた。
【アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険 第3部】破壊
◆
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