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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
475
:
黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──
:2018/11/26(月) 01:17:02 ID:dCSol15U0
「─────────あ?」
妖刀は馬鹿笑いから一転、停止する。
ツツーと、赤黒い血が唇から漏れた。
敵を抉った側である筈の、蓮子から。
「…………ブ、ふっ……ぅ、あ」
醜く歪められていた蓮子の顔色は、一瞬にして青ざめていく。
直後、絶望的な量の血飛沫が、蓮子の口から勢いよく吐かれた。
蓮子を上から繰っていた邪悪の糸は最後の最後、その全てをぷつりと途切らせて。
今度こそ少女はメリーの腕の中へと倒れ込んだ。
「───ぁ、……蓮、子?」
メリーの命を穿つ軌跡であった妖刀の切っ先は。
彼女の胸のリボンに飾り付けられた『ブローチ』ごと、相手を串刺しとした。
ジョルノが『ゴールド・エクスペリエンス』の力を込めて紫に渡しておいたそれは、『御守り』の加護を受けたままメリーの衣装に紡がれた。
皮肉にもその『加護』は、メリーの肉体を凶刃から確かに護り抜き、
───全ての攻撃を蓮子自身に『反射』させた。
「蓮子ォォーーーーーーーーーー!!!」
絶叫が、少女達の身体を揺さぶる。
飛び散る血痕と共に抜き取られたアヌビス神が、カランカランと金属音を立てて転げ落ちた。
『れ、蓮子嬢ちゃん!? どうしたってんだよ突然!? オイ!!』
突如として血を吐き倒れた宿主の異常。その真実に、アヌビス神は辿り着けない。
DIOの支配から解放されるやいなや、人斬り衝動にただ身を任せて斬りつけただけ。それが何を意味するかも知らずに。
メリーは悲劇の根源である妖刀の喚き声に目もくれず、朽ち果てる友の身体をぎゅうと抱きしめ続ける。
どくんどくんと高まる動悸は、果たしてどちらの肉体が伝えているのか。
走馬灯のように思い出されるのは、あの時のこと。
───『その〝ナナホシテントウ〟のブローチは御守り。身に付けておけば、きっと貴方を護ってくれるわ』
虫の知らせでも働いたのか。ブローチは八雲紫からメリーへと受け継がれた。
御守りとして身に付けられた装飾は、与えられた機能を十全に発揮してくれた。それは間違いない。
もしもこのブローチが無ければ……間違いなくここに倒れていたのは宇佐見蓮子ではなく、もう片方の少女だったのだから。
『オイ! ちょっと待ってくれよ今のはオレのせいじゃねーぜ!? てかなんでお前刺されたのに生きてんだよオイ!!』
慌てふためく妖刀。そこから浮かぶジャッカルを模したスタンド像が、事の無実を証明しようと言い訳がましく捲し立てる。そのあまりに愚昧な姿を視界の端に入れていたメリーは、絶望の脇で『別の感情』を沸かせていた。
倒れ込んだ蓮子を無い腕で胸に抱いたままに、一本となった腕を地面の刀へと向ける。
アレはこの世に在ってはならないモノだ。
この世界にどうしようもない不幸を齎す呪物だ。
元を辿れば西行寺幽々子の従者、魂魄妖夢を悪鬼に陥れたのもアレの仕業だったのだろう。そして彼奴は今また、蓮子の身体を使って悲劇を繰り返した。
「お前は……私の〝大切な人〟が〝大切にしている人〟を『二度』も奪った」
アレはこの世に在ってはならないモノだ。
この世界にどうしようもない不幸を齎す呪物だ。
メリー本来の姿と意思から著しく乖離した少女の姿が、底の無い怒りを伴って殺気を沸かし始める。
『ちょちょちょ!! オイ待て落ち着けって! だからオレじゃねーだろ今のは! お前も見てたろ!? 突然血ィ吐いてブッ倒れたのは嬢ちゃんで、オレが殺そうとしたのはお前の方……あ、いやいやいや違う違うッ! 違うからまずは話を聞けっての!!』
柄を握り、力を奮ってくれる宿主はもう居ない。そこに転がる刀は、今や魑魅魍魎にも劣る無力な雑物に等しい。
本体の手から離れたアヌビス神に出来る精一杯の抵抗は、唯一動かせる仮初の口でみっともない弁明を説き、目の前の凶悪な人間の怒りを何とか鎮めるだけだ。
相手は、友人の命を奪った仇敵を破壊せんとする怒りに身を任せており。
刀に向けて翳された右手には、彼女の肉体に残った全ての妖力が集約しつつあった。
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