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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

473黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──:2018/11/26(月) 01:14:36 ID:dCSol15U0


「記憶の層というのは人々に『未知』を授ける。『未知』であるからこそ、人は逆境に立ち向かえる。
 これから先、貴方には予想も付かない困難の未来がきっと待ち受けるでしょう」


 虹に誘う指揮者から、ただの八雲紫へと戻った彼女は。
 胸に付けられた『ナナホシ』のブローチを取り外し、少女の手のひらへそっと収めた。


「貴方はもう、蛹じゃない。私という紫鏡から解き放たれた、一羽の蝶。
 自分の操縦桿は、他の誰でもない貴方自身が握るの。貴方の周囲には、それを手伝ってくれる者達がきっと居ます」


 いつの間にか空の虹は消えて見えなくなっていた。
 隣に輝いていた『七星』も同様に。


「その『七星天道』のブローチは御守り。身に付けておけば、きっと貴方を護ってくれるわ」
「紫さん……貴方は」


 何かを言いかけたメリーの唇に紫の人差し指がそっと宛てがわれ、言葉は止んだ。


「その先は言わなくてもいい。貴方は自分の事だけを考えなさい。
 そして貴方自身の『夢』……それは、秘封倶楽部に関係するのでしょう?」


 メリーの夢、と呼べるほど大袈裟なものでもない。
 それでもそのささやかな夢に、秘封倶楽部は無くてはならない存在。
 つまり親友である宇佐見蓮子の存在も、メリーの夢には無くてはならない存在。

 紫の指が離れていく。言葉を紡ぐことを許されたのだ。


「……私の『夢』。それは蓮子と一緒に、秘封倶楽部を──────。」


 誰にでもあるような、本当にささやかな夢が。
 少女の口から語られた。
 妖怪の賢者はそれを聞き遂げると、満足したように笑った。


「じゃあ、友達は絶対に助けなきゃね」


 そして改めて、意を表明した。
 上を見渡すと、虹も、星も、空そのものも、時間と共に消失していくのが見えた。
 そろそろ夢の終わりだ。現実へと目覚める時間が差し迫ってきたのだ。


「───蓮子を救い出す『作戦』を説明します。よく聞いて、マエリベリー」


            ◆


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