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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

464黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──:2018/11/26(月) 01:06:23 ID:dCSol15U0

 ジョルノは紫を信頼している。彼にとって『信頼』とは軽々しい気持ちなどではない。ひとつのミスが死に直結するギャングの世界に属する以上、そこを何よりも重要と考えるのは当然の事だ。
 紫とマエリベリーの間にも奇妙な信頼関係があるようだった。ならばジョルノとしても、二人の信頼を疑うような気持ちなど持つべきでない。
 それは彼の嫌悪する、他人を『侮辱』する行いと同義である。

「ベネ。解りました。僕に出来ることは少ないのかも知れませんが、尽力します」
「ありがとうございます、ジョルノ君……!」

 マエリベリーはここ一番の朗らかな笑顔を浮かべ、もう一度ジョルノの手を、今度は両手で包むようにして取った。
 またしても、何か引っ掛かる。さっきも似た違和感を感じ取ったが……。
 頭の片隅に残ったモヤモヤの正体を掴み取るより早く、またもや紫が前に出てその思考を霧散させた。

「私からも、グラッツェ。ジョルノ君。
 じゃあ……そろそろ動きましょうか。タイミングを逃す前に……」

 館が崩れ始める前にDIO達へと接触しなければ意味が無い。ジョルノは鈴仙のサーフィスを発動するのに必要な『人形』を作る為、身近な物から紫の身長サイズの小木を生み出す。

 と、今更ながらに気付いた。
 紫へ事前に渡しておいたブローチが、彼女の衣服から消えている。

「ん? ああ、貴方のブローチなら……マエリベリー」
「あ、コレですか? ゴメンなさい、勝手に借りちゃって……」

 紫を彩った衣装に似合うブローチは、マエリベリーの胸へと新たに飾り付けられていた。
 成程。発信機ならばジョルノと共にする紫よりかは、孤立させるマエリベリーに付けていた方が都合が良い。

 胸元の赤いリボンの上から飾り付けられたブローチに、少女マエリベリーの頬は緩む。そこから連想されるのは、記念日に男性からアクセサリーを贈られた女性のような、上品さと純粋さを混ぜた笑み。


「でも……素敵ですよね。“ナナホシテントウ”型のブローチなんて」


 囁いて少女は、雪の降る空を仰ぎ見た。
 天上に煌めく雨上がりの虹を、探し求めるように。
 ジョルノが釣られて見上げたそこには、薄べったく広がる暗灰色の雪雲しか見当たらない。


 八雲紫を形取ったサーフィスを引っ提げた鈴仙と、マエリベリー・ハーン。
 彼女達がDIOの前に再び現れる、僅か数分前の空色は───寒々とした雲の隙間に射し込む黄金の筋が、とても印象的であった。


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