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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
452
:
黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──
:2018/11/26(月) 00:52:05 ID:dCSol15U0
マエリベリー。彼女はまだ、あらゆる意味で若い。
どんなに桁外れな異能力を秘めていようと、たかだか二十程度の短い人生を生きただけの少女なのだ。
───『宇宙の境界を越える能力』
彼女の翼は誰も見た事のない程に大きく、制御の困難な羽根だと判明した。あるいは、そこのDIOによって判明させられたのかも知れない。巨大な操縦桿を握るには相応の資質が不可欠であり、今のメリーには過ぎた代物だ。
だからこそ、傍でずっと支えてくれる人間が必要。
(それは恐らく……私では、ない)
寂しげに認識した自身の言葉を、紫は強く確信する。少なくともメリーに必要な人間は八雲紫ではないのだ。同じ自分を必要とするなんて、それこそおかしな話であるから。
では、誰か。
聞くまでない。少女にはもとより、大切な『友達』がいたのだから。
これはあの娘にとって、邪悪に魅入られた友達を救う為の戦い。
きっと……最初で最後の、運命そのものを決する戦い。
ならば私は、私に出来ることをやろう。
「あの娘──マエリベリーの『力』を、貴方はずっと欲していた」
メリーの友達を奪ったDIO。
私自身の心も、この男の所業を決して許さないと喚いているのが分かる。
「お前のその様子だと、メリーの『力』は目覚め始めたようだな。礼を言うぞ。大妖怪・八雲紫」
DIOは何食わぬ顔でそう宣う。この男も気付いていたのだろう。夢の世界──竹林の中で出会ったメリーとの話に潜む、根本的な矛盾について。
「DIO。貴方は『夢』の中であの娘と話をしたそうね。そして奇妙な矛盾に気付いた」
「気付いたのは会話を終え、夢の中からメリーが去ってしばらく……そう。この紅魔館で“もう一人の私”ディエゴ・ブランドーに出会った後からだ」
つまりDIOとディエゴも、私とメリーと同じ。
『一巡前』と『一巡後』の同一存在。
「基点は『スティール・ボール・ラン』の存在だった。ディエゴはそのレースに深く関わる人間だが、私はそんな催しなど聞いた事もなかったからな。
お前はどうだ? かのレースの存在を今まで知りもしなかったのではないか? 何故ならお前も私と同じく『こっち側』の宇宙に生きる存在だからだ」
「ご名答。そして貴方はきっとメリーにもこう訊いた事でしょう。『スティール・ボール・ランを知っているか?』とね。結果は……言わずもがな、かしら」
メリーはディエゴと同じく『あっち側』の宇宙から来た参加者だった。通常では考えられない理をDIOは更に突き詰めた。そうであれば、どう考えても辻褄が合わない事柄が浮き出てくる。
「では……メリーは過去『如何にして』幻想郷に渡ったというのか? メリーの住む世界線に幻想郷は無い。在るのかもしれないが、そこに八雲紫という名の妖怪は居ないだろう」
「矛盾というのはその部分ね。マエリベリーが幻想郷に来れたこと、それ自体が既に奇妙だった。
しかしあの娘の話を聞く限り、与太話とも白昼夢とも到底思えない。つまり何かしらの特異な『手段』を以て、彼女は無意識にも秘めたる扉を開いた」
『手段』というのは、単純にして強大な『力』。
その力を、メリーは自分なりの見解で『結界の境目が見える程度の能力』だと自覚し、称していた。
実際はそれどころではない。人間が許容できる範疇を過度に踏み越えた、禁断の力を有していた。
異なる平行宇宙に住む彼女が幻想郷に足を踏み入れたという事実は、誰が想像出来るよりも遥かに強大で、唯一無二なる能力。
言ってみれば───
───「「宇宙の境界を越える能力」」
憎らしいことに、紫とDIOの言葉は完全に重なった。
二人の知将は少女の体験談を元に、同じ結論に至った。
宇宙をも揺るがしかねない、あまりに壮大な答えへと。
「……彼女は。マエリベリーは、それでも……何処にでも居るような、普通の女の子よ」
夢で会話し、それを実感した。
普通に人の子として生まれ、
普通に両親の愛を授かり、
普通に学び舎へと通い、
普通に道徳を修得し、
普通に友達を作り、
普通に恋愛をし、
普通に生きて、
普通に死ぬ。
これまでもそうであったし、
これからもそうあるべきだ。
この世に生を受け、真っ当な生き方を貫き、そして最期には綺麗な体のままで墓に入れられる。
そんな誰しもが持って守られるべき、少女の普通の人生を。
DIOは、奪おうとしているのか。
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