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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
388
:
黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──
:2018/10/04(木) 18:24:39 ID:KBSZFcPc0
「綺麗な夕焼けね……。雨も上がって虹が架かってるわ。
いつだったか、これと同じ虹を見た気がします」
その人は差していた傘を丁寧に折りたたむと、眼下の町並みを眺めながら優しげな声で言った。
逆光で見えにくいけども、夕影に覆われたその横顔は確かに……私と瓜二つだ。
突然の出来事に混乱し、私は場違いな台詞を口走ってしまう。
「あ……ぁ、えと……私に、言ってるんですか?」
「貴方に私の声が聞こえてるんだったら、貴方に話してる事になるわね」
彼女はまだ呆然と立ち竦む私に振り向きながら、首をチョイと傾けニコリと微笑んだ。
女の私ですら、その笑顔に見蕩れてしまいそう。それくらい美人な人だった。
「お嬢さん。貴方は、昨晩の夜空を見ましたか?」
お嬢さん、なんてくすぐったい呼び方に内心で照れを生みながらも、私は何とか訊かれた内容に応えるべく、昨晩の夜空とやらを想起する。
が、状況が状況だけにイマイチ判然としない。昨晩は殆どの時間、背の高い竹藪に囲まれていた事もあって、夜空の星を楽しむどころではなかった。蓮子なら真っ先に星を仰いだんでしょうけど。
「私は七つに眩く、その星辰の美しさに惚けておりました。
いま私の目の前に立つ、輝ける蛹の子……。
昨晩の空は、その暗示の“一つ”だったのかもしれません」
「七つの、星……」
黄金色に広がる夕焼け空。
そこへ架かる、目を奪われる程に透き渡った虹の隣に。
七つの星が、並んでいた。
「ねえ……マエリベリー。
“他に頼る相手が居ない”というのは間違いよ。
少なくとも、私は貴方を救いに此処まで来た。
“自分の事しか信じられない”なんて哀しいこと、もう言わないで。
貴方には、貴方を信じる友達が何人も居るのに」
その人は、私の名前を呼んでくれた。
どうして知ってるんだろう、とは思わなかった。
不思議なことに……私自身も、彼女をよく知っている様な気がする。
「貴方はあのDIOの意思に喚ばれて、この世界へ来た。
同様に……私も貴方に喚ばれて、此処へ来たの」
女性が、畳んだ傘をヒョイと回転させる。
その所作で一つ思い出せた。その傘は、私の支給品だ。
「これ? ふふ……私の傘、貴方が持っていてくれたのね。
ありがと。これでも結構、気に入ってるのよ」
「あ……いえ。それより……!」
そして、もう一つ……大切な事を思い出した。
「あ、あの! ……貴方の、名前は」
そうだ。確か……小さな頃、私は『夢』の中で。
───この人に、会ったことがある。
「私? 私はね──────」
これが私と彼女の。
……そうね。敢えて、こう呼ばせてもらうわ。
私と八雲紫さんの“初めて”の出逢いだった。
◆
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