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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

387黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──:2018/10/04(木) 18:23:49 ID:KBSZFcPc0







「───罔両『禅寺に棲む妖蝶』」







 瞬間、頭に反射する声と同時。

 目の前のDIOが、灰天を裂く光によって割れた。

 それは、無数の蝶だった。

 まるで、幽々子さんの放つ弾幕みたいに綺麗で、自由で、圧倒的な蝶々の数々。



「春風の 花を散らすと 見る夢は さめても胸の さわぐなりけり」



 何処からか響いてくる声は、私自身の声質にひどく似通っていた。
 ただ……私の声には無い『色』が、その響きには含まれていた。
 一言で言って、妖艶。
 DIOとはまた違う艶やかさを持つ声が、鳥居の向こうの石段から姿を現してくる。


「詩を詠むのが好きな友人がいまして。
 生憎の涙雨に、ついつい私も人肌恋しくなってしまったようです」


 弾幕を放った者の正体が、頭部を裂かれたDIOの狭間の景色。その奥から、見えた。

 あれは。
 あの人は。


 ───私は、彼女をよく知っている。
 ───産まれる前から、とてもよく。


「人の心を喰い、弄ぶ邪悪の化身よ。
 此処はお前が踏み入れてよい領域ではない。

 ───消えなさい」


 女性の姿は、まるで私の生き写しのようだった。
 髪は扇子みたいに長く広がっていて、私なんかよりも全然凛々しい顔付きだったけど。


「……や、雲……ゆ、かりィ……!」


 弾幕が直撃し、DIOだったモノの形がいびつに歪んだ。
 蓮子とDIOの姿を交互に反復しながら、顔貌を煙のように変化させる“そいつ”は。
 女性が扇子の先を向けた途端、破裂音を響かせて一気に霧散した。

「きゃ……っ!」

 吹き荒れる風が、帽子を撫でた。私は反射的に頭を抑え、情けない声を漏らす。

 恐る恐る瞼を開けると、そこにDIOは居なかった。
 灰色に覆われていた空も今では、あまりの美しさに魂を奪われるんじゃないかと言わん程の黄昏に照らされている。


 空には、七色の虹が架かっていた。
 思わず、吐息を漏らした。


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