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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

383黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──:2018/10/04(木) 18:14:51 ID:KBSZFcPc0
『ジョルノ・ジョバァーナ』
【午後 15:52】C-3 紅魔館 地下階段


「エシディシ、ですか」
「ええ。『サンタナ』と名乗ったあの者が纏う空気は、私が以前戦ったエシディシなる狂人と酷似しています」


 奈落の闇を抜け出さんと天へ伸びる、長ったらしい階段。
 比較的、急勾配に積み上がっている石の凹凸を、ノーヘル&三人乗りという無茶でバイク疾走する住職には、撤退を提案したジョルノといえど若干引いた。
 当然だが、階段というものは二輪で駆け上がれる構造では作られない。バイクのまま登るとなると、運転者に飛びかかる負担は降りる時よりも一層膨らむ。
 まして怪我人も無理矢理搭乗させているのだ。後部に跨ったジョルノは、意識の無い鈴仙が振り落とされないように抱え込む事で精一杯だった。
 蓮子から切断された腕は、現在治療中だ。暴走するバイクとの相乗りの最中で、という悪環境でなければ、もう少し余裕を持った治療に落ち着けたものだが。

「少なくともエシディシという男は、私と秦こころという手練が組んで、ようやく渡り合えたと呼べる程の強敵でした」
「あのサンタナも、そのレベルの力を?」
「……どうでしょうか。相当の『妖気』を秘めているのは確かですが」

 白蓮が青い顔で語るのは、戦いの疲労という理由だけではないだろう。
 ジョルノの目の前に突如現れた助っ人の白蓮は、傍から見ていた限りでは信じられない力を振る舞う気高き女性だった。
 その彼女をして脅威と認められたエシディシやサンタナとは、どれほどの男なのか。
 幸運にも、奴の直接のターゲットはDIOであるようだ。何の因縁が絡んでいるかは知った事ではないが、窮地の状況から逃げ出せたこの好機を見逃す手はない。
 DIO達から負わされたダメージは、無視できる量ではない。治療も兼ねた、一時撤退。あくまで一時的だ。

「あのスキマ妖怪がこの館に?」
「はい。僕と鈴仙の三人で、ちょっとばかし『人捜し』を」
「それで……八雲紫は今、どちらへ?」
「位置は感知してますが……さっきから動いておりません。敵にやられた可能性もあるでしょう」

 ジョルノが生命力を込めて預けたブローチは、あくまで紫の衣装へ身に付けた発信機に過ぎない。彼女の生死をここから判別する術は無いし、単に衣服から外れて落とされただけかもしれない。
 至急それを確認する必要があるのだが、十中八九、後方から追手が来ている。この状況で紫の元へ考え無しに駆け込めば、何らかの理由で留まっている彼女諸共乱戦を起こす可能性がある。
 そもそも囮隊として動いていた筈だ。上階へ出る事自体、リスクもあるが。

 まず優先するのは、追手の掃討。
 戦場を上階へと移した『別の理由』も、ジョルノの頭にはある。

「館の外まで脱出するのは、抜き差しならない状況にまで追い込まれた場合に限ります。
 プランAです。このまま上で待ち構え、迎撃しましょう」
「賛同します。私にも、取り返さなければならない物がありますから」

 より力強く、白蓮はハンドルを握り締める。
 荒々しく強引な運転が、彼女達に刻まれた傷へと揺さぶられ、骨身に響かせる。
 大魔法使い・聖白蓮といえど、貯め込む魔力は決して無尽蔵ではない。DIOとの肉弾戦では軽々と動き回っていたように見えたが、燃費の事など思考の片隅にも置かず、魔人経巻の力をフルパワーで作動させ、戦闘中は常時魔力全開の状態を続けていた。
 重ねて、幾らか叩き込まれたダメージも軽い質や量とは言えない。耐久力には自信があったが、相手がプッチであればそれも意味を為さず。
 ハッキリ言って、予想だにしない苦闘を強いられた。
じわりじわりとボディブローを貰ったような鈍い疲弊は、着実に澱んでいる。

 そうであっても、ここで退く選択は無い。
 ジョナサン・ジョースターの命が、後どれだけの時間保つのかも分からない。


 プッチ神父。
 彼とだけは、決着を付けなければ。


           ◆


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