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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

314黄金へ導け紫鏡之蝶 ──『絆』は『夢』 ──:2018/08/30(木) 18:50:51 ID:/BP69OTc0


「ジョースターとは、まるで……血の亡霊【ファントム・ブラッド】だな。
 DIO。“僕”に出来ることがあるのなら、是非とも使ってくれ」


 だからプッチは、彼が好きなのかもしれない。
 意味合いは違えど、同族だから。そう口に出せば、彼は気分を害すかもしれないが。

 まこと───『血』とは厄介なモノだ。
 プッチは自身の惨たらしい過去を心に描きながら、運命という名の難敵を悲観した。




 横槍の形で飛び出してきた兎の妖獣の瞳から、眩いばかりの『赤い光』が輝く。
 たとえ目を瞑ったとしても瞼の裏まで貫通する程の、絶大な光量を纏った光線。受ければ即、精神をミキサーの如くかき混ぜられ行動不能に陥るだろう。


 DIOは鈴仙の対スタンド使いスペル『幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)』を、真正面に“見据えながら”突撃してきた。
 その背後においてプッチのホワイトスネイクが、DIOの後頭部から小型の『DISC』を抜き出す光景を鈴仙は目撃し。


 絶望の鈴が、長く伸びた耳朶を打った。


「“無駄”だ、鈴仙・優曇華院・イナバ。貴様程度の能力……対策も容易い」


 ザ・ワールドの拳が鈴仙の胸を穿つ間際。
 彼女は唐突に理解した。
 客観的な視点からは知る由もない筈の、マジックの種。

 DIOは今、背後の白蛇によって『視界』を抜かれたのではないか。故に敵の視力に訴えかける鈴仙の技が通じなかった。
 たとえ時を止められようと、先攻さえ取れれば赤き光速が勝てる。時を飛ばす、あの悪魔と戦った時みたいに。
 その思惑も、見抜かれていた。


(そ、んな……私の能力が、知られ……て……っ)


 薄れゆく意識の中で不意に感じ取った全貌は、少女を絶望させるに余りある真実であった。
 敵の手に配られた『幻想郷縁起』が回され、鈴仙の能力が知れていた事も。
 故に彼女の姿を見た途端、即座に対抗策を取られた事も。
 吸血鬼と神父が、アイコンタクトも無しに阿吽の呼吸で動ける奇妙な関係性だった事も。
 風穴を開けられるまではなかったにしろ、心臓に甚大なダメージを叩き込まれ、意識が薄れゆく鈴仙には素知らぬ事実。
 ジョルノがらしからぬ焦りで何か声掛けてきているも、致命傷を負わされた鈴仙には上手く聞き取れない。

 が、そんな事よりも。
 鈴仙の思考は今、己の行動への疑問に蝕まれていた。


(わた、し……何で、飛び出…ちゃっ……んだ、ろ……)


 ジョルノは決して愚ではない。

 聡明で抜群の行動力を持つ、神童の様な少年だと称しても言い過ぎにはならない。
 だから皆、彼に惹かれ。付いて行きたいと願う人間も少なくはない。
 鈴仙も、その中の一人であった。
 正しきを信じ、穢れを正す。邪道の世界に生きていながらも、そういう信念を持った少年。

 そんなジョルノが今、激情に駆られながらDIOへと飛び出しかけた。
 らしくない。鈴仙はそう感じながらも一方で、付き合いは短いなりにその気性もまた彼らしいと思った。


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