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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

287奈落論:2018/08/09(木) 19:12:18 ID:eL9lb5wk0



「とにかく隠密が最優先だ。DIOにだけは何があっても絶対見付かる訳には「ホル・ホースか。そんなにコソコソしてどこへ行く?」いかね……ぇ…………?」



 手当たり次第。取り敢えず一階から詰めていこうと身近な通路の扉を見定めた、瞬間だった。

 一度聴いたなら二度とは忘れない、人の心の隙間をまさぐってくる様な男の声。



「誰に見付かると不都合なのだ?」



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……


(う、……そだろ……全然、気付かなかったぞ……!)


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「一人か? 誰かを捜しているのか?
 お前が単独とは珍しいが、新たな相棒でも見付けたか?
 なあ……ホル・ホース」


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 ディ……DIOッ!

「───様……!」


 ディオ・ブランドー。お出ましだ。
 初めの村から外へ一歩出た瞬間に大魔王とエンカウントしてしまった勇者の気持ちを一身に受けながら、ホル・ホースは全思考を保身の口八丁へと回す。

「ぁ……い、いや! 捜していたのはDIO様ですぜ! この館に居るかもと思い、単身ながらもやって来た次第でさぁ!」
「そうか。じゃあさっきのは、私の聞き間違いだったらしいな」

 ホールの中央から伸びる大階段の上。踊り場から奴がこちらを見下ろしながら、大迫力のオーラで語りかけてきた。燭台の灯るランプの光が、後光をさしているようにすら錯覚する。
 このDIOの前に立った時はいつもそうだった。背骨に氷でも詰められた様に固まってしまう。それでもホル・ホースは残った気力を駆使しながらも唇を動かし、怪しまれないよう誤魔化そうとする。

「そう! 聞き間違い! 『DIO様だけでも見付けなければ』と言ったんです! いやァ〜大変でしたぜここまで辿り着くのは」

 コツコツと子気味の良い音を響かせながら、DIOがゆっくりと階段を下りてくる。狙っているのかいないのか、その緩慢な動作が余計に緊迫した“間”を作るので、対峙する側としてはどうしても強ばってしまう。
 表面上では通常の軽々しい素面を演じきったホル・ホースは、DIOの背後を付いてくるもう一人の男の存在に気が付いた。

「? DIO様、そっちの神父服の男は誰ですかい?」
「彼か? 彼は私の友人で、名前は……」
「エンリコ・プッチだ。君はホル・ホースだね。DIOから聞いているよ」

 友人という紹介を受けたそのプッチなる男を見て、ホル・ホースは思わず「は?」というマヌケな声が漏れそうになる。
 あのDIOに友人が居たなどという話は聞いたことがない。いや、あるにはあるが、ホル・ホースの知るDIOの『友達』というのは、世間一般的な『友達』の枠に収まるような生易しいものではなかった。
 どちらかと言えば『支配』だとか『利用』だとかいう言葉の意味と混同している可能性がある。DIOの言う『友達』は。
 だが今、奴の背後から姿を見せたプッチなる神父は、どこかDIOと距離感を近くしている様に見えた。本人を目の前にしてタメで話す態度も、媚びや偽りの様子は無く、実に自然な関係だ。

 吸血鬼と神父。これ程までに反発し合いそうな関係も無さそうなものだが、本人が言うのだから友人なのだろう。


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