レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆
-
魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所です。
『ローカル ルール』
1.他所のサイトの話題は控えましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
前スレ ☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第113話☆
-
男の尻穴と女の尻穴は別腹です
-
男の子ふたなりアナル・・・・・
ふむ、つまりなのはが股間の極太ふたなりチンポで女装ユーノきゅんを犯すような?
-
すまねぇ、ふたなりチンポでユーノをアヒアヒいわすSSはまた今度な。
今日はユーノとなのはのラブラブなヤツで我慢してくれ。
ってわけで18禁 純愛系ノーマルラブ
ユーノ×なのは
タイトルは「情事」
じゃぁ、よろしく!!
-
「なのはぁぁっ」
限界を超える独特の感覚が全身を駆け巡り、僕はなのはの膣内(なか)に射精する。
ドクン、ドクン、と脈に合わせて吐き出される精子。
荒い息を整えながら、僕の上で絶頂の波に揺れる恋人が落ち着くのを待つ。
日頃は教導官であるなのはの方が体力があるのだが、なぜかベッドでは僕の方が体力がもつ。
不思議なんだけど、なのはとこういう関係になってからずっと、この状況は変わらない。
なのはが腰をぐったりと落としたので、僕の腰に体重がググッとかかる。
「大丈夫?」
「平気…じゃない。凄く腰が重い……あと、膝もガクガクする」
あともう一つ、ベッドの上だとなのははけっこう素直に弱音を吐く。
僕は上半身を起こすと、そのまま腕をなのはの腰に回す。
「まぁ、久しぶりだからね。僕は学会で、なのはは教導研修があったから」
「うん。それにヴィヴィオの授業参観とかあったから、なかなか時間がとれなかったから……」
そこでなのはは顔を寄せて僕の耳元で囁く。
「もっと、しよ?」
その言葉を聞いた瞬間、僕の愚息は元気を取り戻す。
「OK。幸い、明日は僕もお休みだ。腰から下の力が入らないぐらいするから、覚悟しておいてね」
そう宣言すると、僕は上半身を倒すと、その反動でなのはを突き上げた。
-
以上です。
たまにはユーノにも良い想いをさせてやりたくてね。
-
幾らなんでも短すぎるだろうjk
-
短くてもいい
面白ければ
-
この人はいつもこんな感じじゃん。
書きたい部分だけ抽出して、それなりにオトシてるから良いんじゃね?
感想としては……甘いわ!!
-
もっと濃厚ならぶらぶ子づくりを読みたいっす
-
ユーなので濃密にヴィヴィオの妹か弟を作る作業だと?
-
なのはが小学生のうちからセックス教えて、小学校卒業までに一人、中学校卒業までに更に二人出産させた上で、
16歳の誕生日と同時に結婚式を挙げたい
そしてヴィヴィオが養子になる頃には更に二人ぐらい増やしておきたい
-
クロノに授乳してからずっと母乳が出る体質になっちゃってたまに胸が張ってしまってそれをトイレなんかで自分で手で揉んで乳汁出してるリンディさんッッ
-
そして鍵掛け忘れててクロノと鉢合わせですね、分かります
-
十数年ぶりに母乳を味わう事になるというわけか
母親が恋しいフェイトちゃんも混ざって余った片乳に吸い付いて甘い母乳をちゅうちゅう吸うとかか。
-
リンディさんのことだから母乳はさぞや甘かろうなぁ・・・
-
プレシア、リンディ、桃子、レティ、メガーヌ 既婚経産婦は母乳が出るべきなんだと思います、そして乳を搾られて乳汁をぴゅーぴゅーさせながらイくべきだと思うのですがどうですか
-
エイミィもね!
-
母親と嫁と噴乳プレイとか、クロノ君は流石やでえ…
-
リンディとエイミィの母乳のみ比べだな!
-
メガーヌ「母親勝負と聞いて」
-
リンディさんとメガーヌさんの母乳勝負だと?(白目
-
フェイトそんはクローンだからいきなり母乳が吹き出る病気が発症しちゃうかもしれないよね
それがクロノとアナルファックしている最中かもしれないよね
-
×クローン
◯プロジェクトF
-
z.o.eやってたらトーマ×銀十字なんてまさかのカプが降りてきたわけで
そもそも銀十字に自我はあるのか
-
>>754
あるよ
前売り券付属のドラマCDでヴィータにリリィのことを管制人格と例えられたら、管制人格は自分って言ってたし
-
人の姿を取るなら性差の薄い無機質系を希望するね>銀十字
オットーをロボっ娘ちっくにして感情の表出がほとんど無いみたいな
-
>>752
あなたが天才か・・・ッ
-
>>755
そうなのか
これで心置きなく銀十字ときゃっきゃうふふさせられるよ
AI萌えに肉体なんぞ無粋ってレオが言ってた
-
>>756つラプターああれってびみょうに
-
連投スマン
あれって微妙に男女両方の型いたよな?
-
ラプター雄型にがっつんがっつん犯されてよがるユーノくんとか最高じゃね?
-
男の娘ユーノくんにバニガコスさせる(発作
-
そしてクロノの前に放り出す
-
・・・・・・・・・クロノくんもバニガコス
-
クロノくんを女装させて娘に犯させてみたらどうだろう?
エイミィは男装させて息子を掘らせてみたらおもしろいとおもうんだ、とても
-
様々な情報が蓄積されていならがも、詳細な情報の無い無限書庫。
SSによっては書庫の形をしたロストロギアだ、なんてものもありますし。
……ユーノが自分が主人公もしくはヒロインになっている『薄い本』を発見して絶望するのは何回くらいあったろうか。
-
そう言うケースの場合、9割方シャマルさんのせいではw
-
同人シャマル扱いされてる自分の本を偶然見つけてショックのシャマル先生
-
シャマル先生の同人ネタってどこが起源なの?
-
どうなんだろう、自分は心当たりないなぁ
ただわかるのはシャマルさんが凄くかわいくて綺麗でエロいという事だけ。
白衣! 金髪! おっとり! 巨乳!!!
堪らんわい・・・
-
おっぱいは性儀、そして愛の象徴。
あ、個人的には熟女軍団の胸のデカさはプレシア、リンディ、メガーヌ、
桃子、レティだと思っているのだが、どうだろうか?
話は変わって、相変わらず短編を投げるぜ。
18禁 純愛系ノーマルラブ
ユーノ×なのは
タイトルは「情事 TYPE−N」
-
そのまま飛んでいってしまいそうな感覚に襲われ、わたしは身体をビクンと跳ねさせる。
「なのはぁぁっ」
一瞬遅れて、ユーノくんが声を上げて、わたしの膣内(なか)にドクン、ドクンと熱い精子を放つ。
心地好い浮遊感に身を任せながら、私は息を整える。
教導官であるわたしの方が体力があるはずだけど、なぜかベッドではユーノくんの方がタフで、
毎回わたしが責め立てられる。
ユーノくんとこういう関係になった当初からずっと、この状況は変わらない。
なんだか悔しいのでユーノくんの腰にドンと体重をかけて座り込む。
いまだに一定の硬さを保つユーノくんの分身がわたしの中で少し位置を変えた。
「大丈夫?」
「平気…じゃない。凄く腰が重い……あと、膝もガクガクする」
こんな繋がった状態でユーノくんに強がっても仕方ないので、わたしは素直に弱音を吐く。
ユーノくんは上半身を起こすと、そのまま腕をわたしの腰に回す。
「まぁ、久しぶりだからね。僕は学会で、なのはは教導研修があったから」
「うん。それにヴィヴィオの授業参観とかあったから、なかなか時間がとれなかったから……」
対面座位で話ながら、わたしはお腹でヒクヒク動くユーノくんを感じていた。
ユーノくんの身体はもっとエッチしたいと言っているみたいなので、わたしはは顔を寄せてユーノくんの耳元で囁く。
「もっと、しよ?」
その言葉を聞いた瞬間、わたしの中にいたユーノくんは元気を取り戻す。
いまだに女の子みたいな顔立ちだけど、けっこう肉食系だよね、ユーノくん。
「OK。幸い、明日は僕もお休みだ。腰から下の力が入らないぐらいするから、覚悟しておいてね」
そう宣言すると、ユーノくんは上半身を倒し、そのままわたしを突き上げ始める。
ユーノくんの上で跳ねながら、わたしは「焚き付け過ぎたかな」とちょっぴり後悔した。
-
短いのはもういいから、終わりなら「終わり」くらいは書こうよ
-
砂糖を吐きそうな甘さだな。だが、それがいい。GJですぜ。
-
投下します。
シグナム×リインフォースアインス、短編、百合、エロ、『しぐ×あい!』
某所某お歴々に感謝を。
-
しぐ×あい!
八神家のソファは大きい。
大人だって四人は優に座れるだろう。
(……むう)
だが今、シグナムはそこに腰掛けて、妙な狭さを感じていた。
それは言うなれば物理的な広さは関係ないものだった。
心理的な問題だ。
(……緊張する)
シグナムはそう切実に思った。
武人として幾星霜の月日を闘争に費やした彼女をして、今ある状況は緊張を強いられた。
常ならば千人の敵を前にしたとしても怯みさえしないシグナムが、である。
果たして何が彼女をそうさせているのか。
それはソファの右端、シグナムの隣に座る女性のためだろう。
「どうした将?」
「ん、いや、別に何も」
「そうか」
と、彼女は言った。
長い、輝く銀髪に、シグナムにも負けないほどの豊満な肢体を持つ美女。
彼女もまたシグナムと同じく、神ならざる人によって作られた被造物だった。
リンフォース。
夜天の書の管制人格にして書の融合型デバイスである。
二人は今ソファに座り、リビングでテレビを見ている最中だった。
他の家族は誰も居ない。
皆はミッドチルダへ、管理局の仕事に出かけていた。
シグナムとリインフォースの二人だけ丁度休暇が重なって、一日をただ漫然と過ごし、暇つぶしにテレビを見ているというわけである。
見ているのは尺二時間のスペシャル番組枠のドラマだった。
そのドラマが問題だったのだ。
『まもるさん! 私、本当はあなたの事が……』
『俺もだよ明子!』
『まもるさん……ん、んんぅ……そんなダメよ、ああ! まもるさん!』
『あんな男の事俺が忘れさせてやる!』
『ああ、ダメ! ああん!』
『かわいいよ明子』
『もう……まもるさんったら……』
と。
それはそれはもう、無駄なくらい濃い濡れ場が展開されていた。
二人っきりでこんなものを見ていると言うシチュエーションに、シグナムが緊張しないわけがない。
ついつい横目でリモコンを眺めるのだが、今更チャンネルを変えると余計に変な空気になりそうで気が引けてしまう。
ちらりと隣に座るリインフォースを見た。
麗しい融合騎の美女は、胸にぎゅっとクッションを抱いてテレビを見ている。
ブラウン管の向こう側で繰り広げられる男女のまぐわいに当てられて、ほんのりと頬を上気させていた。
じっと横顔を見ていると、突然……目が合った。
ルビーのように澄み切ったリインフォースの真紅の眼差しが、じっと熱を帯びてこちらを見つめる。
-
シグナムはどきりと胸が高鳴るのを感じた。
(う……こ、困ったな)
なんとなく、いや、というかはっきりとだが、リインフォースが何を求めているか分かった。
だがそれを、はいそうですか、とすんなり受け入れられるほどシグナムは素直ではないのだ。
すっと視線をそらし、再びテレビ画面に向き直る。
古いブラウン管に映し出された安っぽいメロドラマに、だ。
隣のリインフォースというと、寂しそうな目でこっちを見ながら、クッションを一層強く抱きしめてもじもじとしている。
テレビでは主人公の男が寄りを戻した恋人と濃厚なキスをしていた。
その熱が移ったかのようにシグナムも頬が紅くなっていくのを感じた。
「しょ、将……」
聞いただけで耳に心地良い甘い声が囁く。
こんな声で求められたらもう袖にする事などできるわけがなかった。
遂にシグナムは降参した。
ふぅ、と息を吐き、彼女の顔を見つめて――顔を寄せた。
「……んぅッ」
キス。
唇を重ね合わせて、シグナムはリインフォースの繊細な髪を撫でながら、肩を抱いた。
薄く目を閉じたままで、体を触れ合わせる、豊かな二人の乳房が服越しに柔らかく重なった。
しばらくそうして、心地良い愛撫に身を任せる。
一体どれくらいそうしていただろうか。
気付けば、とっくにドラマは終わってスタッフロールが流れていた。
そっと顔を離す。
とろんと潤んだリインフォースの眼差しが、うっとりとシグナムを見上げていた。
思わず、ごくりと唾を飲んでしまう。
シグナムは理解した。
彼女はまだ満足していない、もちろんそれは――自分も。
内なる衝動と恋情が、強靭にして強固だった筈のシグナムの理性を、粉みじんに破壊する。
さらさらと流れるリインフォースの銀髪を指で掬い、極上の絹糸のような感触を味わいながら、囁いた。
甘く熱い、いざないを。
「二階に行くぞ――良いな?」
答えは言葉でなく、こくりと一度頷いた首肯だった。
それで十分だった。
□
二人がこういう関係になったのは比較的最近だった。
最初に求めてきたのは、リインフォースだった。
原因は未だに特定できていないが、何故か融合騎として人体を模して作られたリンフォースの肉体に変調が訪れたという。
それは一言で言うと……発情だ。
体の芯が熱くなって、堪らなく、疼いてしまうらしい。
おそらくはシステムに残ったバグが起こす現象だろう。
致命的なものでないとはいえ、一人で悶々と耐えるのは酷だった。
相談を受けたのはシグナムだった。
守護騎士の長として、おそらく騎士の中では一番理知的で、リインフォースとも付き合いのある女性であったからだ。
といっても、何か根本的な解決策が出せるわけではない、それはシグナムにとってあまりに専門外の事だった。
シグナムがリインにしたのは、もっと刹那的な解決策だった。
「ひゃ!」
ぼすん、とベッドのシーツにリインフォースの豊かな体が沈んだ。
-
その上にシグナムが重なる。
リインフォースの顔の横に手を置いて、押し倒すような形でだ。
ポニーテールに結った桜色の髪が流れ落ちてシーツの上に散る。
お互いに息が荒く、熱を帯び始めているのを感じた。
体の芯が疼く。
シグナムはまず顔を寄せて、舌先でアインスの真っ白な首筋を舐めあげた。
つぅ、と鎖骨まで滑らせる、反応は劇的だ。
「あぅッ……んぅ!」
甘い、蕩けるような声が耳朶を打った。
聞いているだけでこちらが切なくなるような声だ。
シグナムの怜悧な思考も、今や湯だって白く染まっていた。
軽く、ほんの少し歯を立てて愛撫する。
張りのある肌が構築する、一点のしみもくすみもない首を甘噛みするのは、なんとも言えぬ心地良さがあった。
将は夢中になってリインの首を、決して傷つけないよう注意しながら、何度も何度もむしゃぶりつく。
「ぅああ……将、そこ……ぃぃ」
汗の味、肌の匂い、甘い声。
感じる全てが官能的だった、彼女をもっと感じさせたかった。
シグナムは首筋を吸いながら、するりと手をリインフォースの体に伸ばす。
ノースリーブのセーターに包まれた、シグナムと同じか、もっと大きな二つの柔らかい果実に触れた。
リブ生地特有の感触の下に、マシュマロのような乳肉が最上級の量感を持って潜んでおり、指に力を入れるとずぶりとのめり込んでく。
丹念に揉みながら、シグナムは位置を探り、胸の先にぐっと力を込める。
僅かに硬い蕾を捉えた。
「……はぁッ!」
リインの声に張りと甘みが増した。
セーターと下着越しに乳首をぐりぐりと押し込みながら、今度は膝頭をリインフォースの脚の間に差し込んだ。
快感で意識が朦朧としているのか抵抗はない、いや……そうでなくとも、彼女はシグナムの事を受け入れただろうが。
膝で、服の上から股ぐらを刺激する。
体重を掛け過ぎないよう注意しながら、幾重にも纏った布地越しに、リインフォースの一番感じるところを狙って。
「あ……はぁ……あ、あぁ……」
零れ落ちる声が、だんだんと高くなっていった。
リインフォースの昂ぶりを、既にシグナムは経験則で理解しつつあった。
親指と人差し指でセーターの上から乳首を掴む、舌と唇で耳たぶを捉える。
そのまま一気に……力を込めた。
リインフォースの体が、ベッドのスプリングを軋ませる勢いで弾む。
「はぁあんッ! あんぅ……ふぅ……」
甲高い声を張り上げて、銀髪の美女がわななく。
一度緊張した体が、数度痙攣して、そのまま脱力してシーツの上に横たわった。
彼女の中を駆け巡った絶頂の甘美な電撃が、すっかり脳髄の奥深くまで溶かしている。
汗ばんだ肌から、フェロモンともいえるような、ミルクめいた香りがつんと漂う。
シグナムも当てられて、見ているだけで肌が濡れていくのを感じた。
「……脱がすぞ」
ぽつりと言う。
それは相手の同意を得るためではなく、ただ自分の行為を確認するための言葉だったのだろう。
-
リインの言葉を待つ事もなく、シグナムは動いた。
セーターの下に手を突っ込んで生地を伸ばすように上に引っ張る。
その勢いで、凄まじいボリュームを誇る乳房がぶるんと揺れた。
肉感的で妖艶な肢体によく似合う黒いレース地のブラジャー。
ごくりと唾を飲みながら下半身にも手を伸ばす。
ホットパンツごとタイツを脱がした。にちゃぁ、と粘着質な液体が糸を引く。
溢れる蜜が下着どころかその上の着衣にまで染み出していたらしい。
ブラとおそろいの黒いショーツまで抜き取る。
汗でしっとりと湿った真っ白な肌、髪と同じ銀の茂みは、汗ではない淫らな水気でびっしょりと濡れていた。
形容し難い、発情した女の香りが噎せ返り、鼻を突く。
堪らない。
シグナムは自分もまた邪魔な衣服を脱ぎ去った。
ほとんど引き千切るような勢いで服をベッドサイドに放り投げる。
剣士として鍛えられた、引き締まった裸身もまた、汗で濡れていた。
「将……ぁ、んぅッ……」
リインの口がシグナムに塞がれる。
舌をねじ込んで、口の中まで犯すような情熱的なものだった。
唾液を流し込まれ、舌先で丹念に蹂躙されて、愛される。
二人の体が重なった。
顔を寄せると共にシグナムがリインフォースの上に覆いかぶさって、はち切れんばかりに実った四つの乳肉が押し付けられる。
柔らかい肉と肉の触れ合い、ただ先端で硬くしこった乳首は、こりこりと互いを刺激し合う。
そして何より、熱く火照りを帯びた肌が重なるのは、それだけで心地良い。
もうそれだけでリインフォースは頭の芯まで茹だるようだった。
何度も何度もキスをして、何度も何度も乳房を全身を重ねる。
天にも昇る至福。
「はぅ……あぁ……将ぉ?」
それが、突然シグナムが彼女から体を離した。
さっきまで存分に触れ合っていた温かさがなくなって、リインフォースは寂しそうな顔をする。
だがそんな様子をよそに、シグナムはベッドサイドを漁って何かを探している様子だった。
再び顔を上げると、シグナムの手にした“それ”がいやおうなくリインフォースの目に留まった。
淡く紅潮していた彼女の顔が、かぁっと余計真っ赤に染まってしまった。
「しょ、将……そ、それは一体……」
「ああ、その……二人でする時に使えるんじゃないかと……この前ミッドに行った時にな」
説明するシグナムも、いささか恥ずかしげであった。
無理もない、彼女が手にしていたのはいわゆるそういうオモチャだった。
明らかに男性器を模したと思われる、太く長いフォルム、たっぷりといぼ状の突起を連ねた姿。
とてつもなくいやらしいとしか言えない。
しかもそれは、男性器状の形状を両側に備える形をしていた。双頭ディルドという名称が正しいか。どう使うかは……いまさら説明するまでもないだろう。
二人が睦み合う時といえば、いつも道具などはなしで、ただお互いの体を触れ合わせるばかりだった。
それに不満がないわけではなかったが、達する快楽のほどは知れていた。
リインフォースは目の前にあるその淫猥な玩具をまじまじと見ながら、未知の行為への恐怖と、そして紛れもない期待を感じていた。
シグナムと、これを使って愛し合ったら、どうなってしまうのだろうか。
怖い、でもそれと同じか、それ以上に興味が湧き上がってしまう。
数秒の迷い、答えは自ずと訪れた。
-
視線で問いかける将に、彼女はこくりと頷いた。
「じゃ、じゃあ……使うぞ」
言いながら、シグナムはディルドの両端にたっぷりローションを垂らす。
ねっとりと粘性を持った液体に濡れるそれの先を、自身の秘所へと向ける。
リインを攻めながら、彼女もまた興奮し、そこは果汁に溢れていた。
粘着質な音を立てながら、太い幹がずぶずぶと埋まっていく。
「ん……ふぅ……はぁ」
艶かしい吐息。
もうこれ以上は入らないというところまで行ったのか、ぴたりと止まった。
太く逞しい竿が、麗しい美女の局部からそびえる。さながら本当にシグナムに男性器が生えてしまったようだった。
シグナムが膝立ちのまま近づく、リインは迎え入れるように、脚を開いた。
くちゅ、と、張型の先端が濡れた入り口に触れた。
それだけでぴりりと甘痒い快感が走る。
リインフォースは手を伸ばし、シグナムの首に回す。
脚も彼女の腰に絡めて、引き寄せた。
「将……」
甘く蕩けた声で求める。
もっと欲しい、と。
とろん、と潤んだ紅い瞳が、堪らない愛おしさに満ちていた。
シグナムは頷いた。
「ああ」
リインの上に覆いかぶさりながら、腰を沈めた。
ローションと愛液の滑り気により驚くほどスムーズに、淫らな玩具は挿入を果たす。
にちゅぅ、と音を立てて、遂に二人は物理的に繋がってしまった。
「ひぃあ……はぁ……ああッ……」
体の一番奥、子宮口にまでディルドの先端は到達して、シグナムが体重をかけた分だけ敏感な性感帯を刺激される。
一般的に女の感じる場所といえば陰核であるが、子宮口付近のポルチオ性感はそれに匹敵するか、あるいは上回るほどの快楽を生み出す。
こんな風に責められるのは初めての経験だったが、リインの体は実に良く成熟した女体、慣らす前からその快楽に順応してしまう。
ぞくぞくと神経に甘く這う官能に、か細い息を零しながら震えた。
だが彼女はまだ知らなかった。この快楽はほんの序の口だと言う事を。
「そういえば、な……リインフォース」
「ん?」
「この、オモチャには……面白い機能があるらしい」
「え? な、なにが……〜〜ッッ!!!」
次の瞬間、リインフォースは声にならない叫びを迸らせた。
頭の中が真っ白に染まった。
それほどの……快感。
尋常ならありえぬ多大な性感刺激が神経という神経を駆け巡り、物理構築された管制人格の脳髄を揺さぶり尽くした。
それはまるで、自分自身の感覚の上に、丸ごと他人の感覚を重ねられたような不可思議なものだ。
リインはわけも分からず、ただありえない快楽に酸欠状態になって身悶える。
シグナムもそれは同じだったようで、歯を噛み締めながら目をきゅっと瞑って震えた。
-
しばらくして、ようやく息を整えながら、将は恍惚の余韻の中で告げた。
「これは……はぁ……凄いな。感覚共用とは」
「かん、かく……きょうよう?」
「ああ。これは、一種のデバイスのようなものでな。魔力を流すと、お互いの感覚を部分的に共用する魔法が働くらしい……つまりは、私とお前の、な」
絶頂寸前まで押し上げられ、霞がかった思考ながら、リインフォースは理解した。
先ほど雷のように全身を貫いたのは、自分の感覚の上からシグナムの感覚を重ねられたからという事らしい。
二人分の快感を、二人で共有しながら味わう、その凄まじさ。
恐ろしいのは……それがただ挿入された“だけ”でこれという事だ。
ぞくりと、リインフォースの脳裏にイマジネーションが生まれた。
それを裏付けるように、シグナムの顔に薄く笑みが浮かぶ。
「では、リインフォース……動くぞ」
「え……や、ちょ……ちょっと待ってくれ将……まだ心の準備が……ひぁあああああ!!!」
言葉を言い切るより先に、ほとんど悲鳴と化した嬌声が迸った。
シグナムが腰を一旦引いたかと思えば、すぐさま力強く挿入した。
たった一度のストロークだったが、リインの脳髄を沸騰させるには十分すぎた。
大量の凹凸を持つ巨大なディルドが膣内のあらゆる箇所をこすり上げ、先端で子宮を小突いて、さらにその上からシグナムの分の快感も重ねられる。
気を失ってしまいそうな快楽の波が幾度となく襲いかかる。
何度も、何度も。
「ぃいいあぁ!! はぁ……ぁ、はぅッ! ふぁああああ!!」
長く美しい銀髪を振り乱し、リインフォースは喘いだ。
もはや言葉を紡ぐ余裕すらなく、膣内を、全身を蹂躙する快楽の暴力にのた打ち回る。
意識せず、リインの手は何か縋るものを求めて、シグナムの背中を掻き抱いた。
体が重なった。
シグナムの豊満な乳房が、それと負けないくらいたわわに実ったリインフォースの胸の上に乗る。
硬くなった乳首同士がこりこりとこすれあって、余計に快楽の甘みを深めていく。
あまりの快感に白く染まっていく思考とは別に、二人の豊満な体はより高みを目指して勝手に動いた。
狂ったように腰を突き上げて、それを受ける側も自分から応えるように突き出す。
溢れた愛液がぐちゃぐちゃと淫猥な音を立て、喘ぎと共に聴覚を犯す。
昂ぶる熱情のまま、シグナムは腰を激しく動かしながら、リインフォースの体を抱き寄せる。
「はぁ……ん! ぁぁ……リイン、フォース! んぅ!」
「しょう……しょぉ……ん、ちゅぷ……ぁんッ」
唇を重ね、重ねられ、舌を絡め、唾液を飲み、飲ませ、犯し、犯され。
それほど広くないベッドルームの中が凄まじい熱気と性臭に包まれる中、シグナムとリインフォースはお互いの体をただひたすらに貪り合った。
桜色のポニーテールを揺らしながら、シグナムが強く腰を突き出す、自分の奥を抉りながら相手の最奥も抉る。
背筋を駆け上った電撃が頭の中でスパークし続けた。
相乗効果で高まる快楽刺激が、際限なく快楽を増幅していった。
もう限界だった。
最高潮まで押し上げられた快楽のゲージが振り切れる、それが分かる、お互いに。
感覚共用でリンクした性感によって、二人はまったく同時にクライマックスを迎える。
ズンッ、とシグナムがひときわ強烈に、体重を掛けて突いた時、呆気なく一線を越えた。
「ぃいッ!!! んああ!! しょう……ああああ!!!」
「かはッ! ぁああ!! はぁぁ……あ……ぁ」
凄まじい快楽の波濤が、二人の脳髄を芯から洗い流す。
ぐっと力を込めて体を押し付けたまま何度も痙攣するシグナム。
絶頂の波に体を震わせて、余韻に蕩けるリインフォース。
理性も何もかも、全ては愛欲一色に染め上げられて、ただお互いの肌と熱だけが全てになって。
意識は、闇に飲まれた。
□
「しまった……な。私とした事が……」
ふと、シグナムの口から誰に向けたわけでもない、独り言が零れ落ちた。
-
薄く開いたカーテンの隙間から注がれる月光のみの、薄暗い部屋の中、まだ激しくまぐわった後の残り香も強いベッドの中で、二人の美女は同じシーツに包まっている。
自分の胸に顔を預けて眠るリインフォースの髪をシグナムは優しく撫で梳いていた。
たっぷり乱れた後だから、銀の髪はシーツの上に千々と散って、その上汗で濡れている。
それでも指の間に通せばするりと心地良く抜けていく。
すぅすぅと穏やかな寝息を立てて眠るリインの顔からは、とても先ほどまで責め尽くされて喘ぎ悶えていた様は想像もできなかった。
それを思い出すと、シグナムの胸の内に罪悪感が湧き上がる。
本当はもっと優しくしてやるべきなのに、ついリインフォースの悩ましい姿を見ていると、理性のブレーキが外れていってしまう。
最初の頃はこんな風ではなかった。
火照ってどうしようもない体を持て余していたリインフォースを初めて抱いた時は、もっと優しく、慎重に愛撫した。
それはただ彼女の事を案じてした、純粋な家族への善意のようなものだった。
だが、今はどうか――
「困ったものだな……私は」
シグナムの顔に、自嘲的な笑みが浮かぶ。
ただの仲間の筈だった、ただの家族の筈だった、それが今、自分は確かに恋情を感じている。
それを改めて自覚する。
この世に作り出されてから数百余年、誰かを愛する暇などない戦いの連続だった。
しかしまさか、初めて好きになる相手が同性であるなど、考えられただろうか。
少なくともそういう感性はノーマルだと思っていたのだが。
「ん……ぅぅ」
悩ましい寝息を立てながら、リインフォースが身をよじり、ぎゅっと強く抱きついてくる。
彼女の凄まじく大きい乳房がシグナムのウエストに押し付けられ、また、シグナムのそれに負けないくらい大きい胸の間にリインの顔が寄せられる。
さらりと流れる髪から蠱惑的なほどの甘い香りが漂い、極上としか形容できない柔らかい肉感的な体が押し付けられる。
おまけに、顔が近い。
繊細な麗しいリンフォースの美貌、整った鼻梁も長い睫も、甘い吐息も、すぐ間近だ。
「――」
思わず、シグナムは唾を飲んで、高鳴り鼓動を感じた。
先ほどあれだけ散々愛し合ったというのに、体の芯でじくじくと微熱までも疼きだす。
誇り高いベルカ騎士、守護騎士の長たる自分がなんたる様か、将はため息をつきながら髪を掻き上げて、忌々しげに天井を見上げた。
「まったく……本当に私は、困ったものだな」
独りごちて、そっと目を瞑る。
寄り添う柔らかさと温かさと、彼女への深い愛を抱きながら、自身もまた意識を眠りに委ねていく。
まどろみ行く中で考えるのは明日のこと。
早く起きなければいけない、二人の情事は誰にも知られていない秘密なのだから。
はやてたちが帰る前にシーツを洗い、シャワーで身を清めて、それから朝食を作って……嗚呼、そうだ、でもまず目覚めたら、この美しい、可愛い融合騎の寝顔にキスをするのも……悪くないかもしれない。
そんな他愛ない事を漫然と思いながら、烈火の将は夢の世界に堕ちて行った。
終幕
-
投下終了。
百合! おっぱい! おっぱい!
そういえばもしかしたら、こういう純粋に百合なSSって書いたの初めてだろうか、いつもならふた化とか入れそうだし。
あと、この作品はPixivにも投稿してるのであしからず、無断転載でなく本人です。
-
シガー氏、実に乙であります!劇場版でさらに美しくなったリィンフオースとシグナム姐さんの絡みはリリカル至高のカップリングふぅ・・・
-
GJ!
劇場版のこの二人の絡みはよかったよな
豊満美女同士とかたまらん
-
GJ!
胸に低反発クッションを入れてみて、うらやましいとひとりごちるだけの。
-
スレから離れて数ヶ月 SS書くの止まってから半年近く 北斗2期のOPのエレギ練習初めて1ヶ月
…マテリアル達とユーノのSS書きたくなって来てるが、果たして今の自分に書けるかなぁ?
-
書かないことには書けるものも書けんよ
-
書ける書けないよりも、書きたいか書きたくないかが大事
他の趣味にまわす欲求よりも書きたい欲が高まるまで抱えて温めるのもいいんじゃよ
それはさておき個人的にその面々は読みたい>マテリアル娘withユーノ
-
ユーノって癖が少なくて包容力が有る人当たりの良い性格しているから
誰と絡ませても自然な感じになるのが利点だよな
-
ユノクロとか?
-
なんか何処かの衣類チェーン店みたいだなwww
クロノも気難しいように見えて案外誰ともカップリングできるような気はする。公式じゃ既婚者だが
一番難しいのはザッフィーあたりか
-
クロノとザフィーラのカップリング?(難聴)
-
>>793
シャマルとハラオウン家がアップを始めたようです
-
獣姦はそりゃ難易度高いな
ケモ耳マッスルでも十分高いんだが
で、なんでユーノくんフェレット耳フォームなんて何番煎じな電波が降ってきたのかね我が脳よ
-
ザッフィー?最近アインスと絡ませてによによしてるよ
同じ銀髪だし並べるとどう見ても夫婦ですご馳走様でした
-
同じ髪色夫婦ネタなら、ユノフェヴィヴィなんてまんま家族だよなw
-
同じ髪色ネタならユノアリもユノシャマもアリだな
-
連続になっちまうがよぉ〜、そんな事は気にしないで投下イっちまうぜぇエエエエッッ!!
ユーノとなのはメインの短編で非エロタイトル『眠り姫』だッッッ
-
眠り姫
程近いそこかしこの喧騒が、夕景と共に形容し難い郷愁を生み出していた。
西に沈み行く太陽が、名残惜しく茜色の輝きで校舎の全てを染め上げている。
部活動を行うもの、ただ漫然と友人とおしゃべりに興じるもの、生徒会などの事務に追われるもの。
放課後という時間では、その全てのものが夕焼けの光に照らされていた。
深い赤みがかったオレンジは、なんとも言えぬ懐かしさを呼んで止まない。
グラウンドを走る運動部の生徒たちを三階の教室から見下ろしながら、なのははそんな夕刻の感慨に耽っていた。
「……綺麗だね」
うっとりと、まるで夢見心地のような声音だった。
開け放った窓から淡い陽光と共に、ほんのり冷たい夕風が流れ込み、彼女の髪をなびかせた。
栗色の長い髪が揺れると、完熟した果実のような甘い香りが漂う。
彼女の香り。
少年はそれを想うと鼓動が高鳴るのを感じた。
「ねえ、ユーノくん」
少女、高町なのはが彼の名を言う。
少年は答えた。
「なに? なのは」
と。
線の細い、ブロンドヘアに眼鏡が特徴的な少年、ユーノ・スクライア。
夕刻の教室、二人共学校の制服に身を包んでいる。
私立聖祥大附属高校の、だ。
朗らかで無邪気な笑みを零すなのはを前に、ユーノの表情は硬かった。
「ユーノくんは綺麗だと思わない?」
「……どうかな」
「どうして?」
一拍の間。
ユーノは窓からの眺めを望み、告げた。
「毎日同じ天気だから。曇り空が恋しいよ」
「そっか」
窓枠に体を預けながら、なのはは軽くため息をついた。
視線を、外から内に、教室の中のユーノへと向ける。
茜色と静けさに満ちるそこに居るのは、少年と少女、二人だけ。
二人は見つめあった。
問い掛けるようななのはの眼差し、訴え掛けるようなユーノの眼差し。
果たして先に言葉を発したのは、ユーノだった。
「なのは、もう帰ろう」
□
ユーノがその報を受けたのは無限書庫の司書長室でキーボードを打っている時だった。
ミッドチルダでは普及して久しい空中投影ディスプレイで表示される着信表示、送信元は本局、相手先の名前はシャマルだった。
闇の書事件からかれこれ十年近く付き合いのある知人である。
ユーノは作業をしながら通信をオンにした、そして半泣き状態のシャマルの声に思わず手を止めた。
次の瞬間、なのはが意識不明で病院に運ばれたと聞き、思考も完全に止まった。
気がついた時、彼は仕事も何もかも放り出して書庫を飛び出していた。
□
時空管理局本局医療施設、その特別治療室になのははいた。
白いベッドの上で、白い入院着を纏って。
外傷の類は一切なかった、室内に設置された各種生体モニター類に映し出されるバイタルも全て正常だった。
ただ一つ、目を覚まさない事を除いて。
「脳波も何もかも問題ないけど……どんな刺激を与えてもまったく起きる気配がないの」
見守るシャマルが、ぽつりと呟いた。
-
ユーノはベッドに眠るなのはと、その傍らで目の下にくまを作っているフェイトを交互に見て、問い掛ける。
「この状態が、何時間続いているんですか?」
「かれこれもう24時間以上ね。フェイトちゃん、そろそろ休まないと」
シャマルがそう促したが、フェイトは首を横に振った。
おそらくなのはが運ばれてからというもの、一睡もしていないのだろう。
何故、こんな事になってしまったのか。
原因は分かっていた。
先日、なのははある古代遺跡の探索チームの護衛に当たっていた。
大して危険性はないと思われていた場所だったが、あにはからんや、なのはの同行したチームは異形の襲撃を受けた。
それは物理的肉体を持つ魔法プログラムだった。
幾つもの術式を基礎に魔力でボディを生成し、侵入者を攻撃する古代プログラム。ヴォルケンリッターの守護騎士たちと同系と言えるだろう。
ただし、人間や使い魔と同じような外見をした守護騎士と違い、なのはと対峙した怪物は見るもおぞましい容貌であったが。
熾烈を極めた戦いの末、なのははその怪物を撃破した。
強力な砲撃で跡形もなく消滅させた。
そして、完全な勝利かと思えたその瞬間、消え行く怪物の放った攻撃を受け、なのはは気絶したという。
「一体、どんな攻撃だったんですか?」
「詳しい事はまだ分かっていないんだけど、解析班の話によると、何か精神系の魔法みたいなの。幻覚を見せるような……実際、脳波パターンを見ると、なのはちゃんは夢を見ているようなの。もしかすると、このままずっと……」
「夢……そんな、事が」
「ねえユーノくん」
シャマルが顔を上げ、ユーノをまっすぐ見つめた。
すみれ色の瞳の置くには意味深なものがあった。
「もし、危険を承知でも、なのはちゃんを助けられる方法があるって言ったら……どうする?」
「……え?」
「あ、あの! それ、私にも出来ないですか!?」
「フェイトちゃんは休息が必要よ、これには少し体力と精神力が必要なの。もし可能なら、なのはちゃんのご家族に頼みたいんだけど、ここに来るにはもう少し時間がかかるから」
「それは、一体どんな方法なんですか?」
ユーノの言葉に、シャマルは目を眇めて答えた。
「なのはちゃんの夢に精神をリンクさせるの。言うなれば、夢に入るって事かしらね。対策スタッフが考案した方法の一つなんだけど、幻覚魔法で夢を見続けてるなのはちゃんに起きるよう働きかけるのよ。精神力がもたないと、もしかすると入った人間も戻れなくなるわ」
「やります」
危険性を示唆するシャマルに、ユーノは即答した。
一片の迷いもない言葉に、シャマルもフェイトも一瞬沈黙した。
そして、頷いた。
彼に全てを託す決心をして。
□
「おいスクライア、起きろ! なに寝てんだ!」
「ぁ……えッ?」
「え、じゃない!」
突然怒鳴り声が響き、ユーノははっと目を覚ました。
-
視線が自分に集まる。
数十人の人間が同じ服に身を包み、同じ机につき、教科書を開いていた。
黒板と教壇、男性教師がこちらを睨んでいる。
「もう、ユーノくんどうしたの?」
「な、なのは!?」
隣から声がした、かと思えば、そこに彼女が居た。
まだ前後不覚で状況が飲み込めず、混乱するユーノ。
そんな彼を尻目に、クラスメートの一人が茶々を入れる。
「なんだスクライアのやつ、まだ寝ぼけてんじゃねえの?」
そんな冗談に、教室のあちこちでほほえましい苦笑が漏れる。
教壇に立つ教師は頭を困ったように掻いていた。
「ったく、いつもの真面目ぶりはどうした。もういい、とっとと教科書開け」
「あ、その……はい」
言われるままに、自分の机の上にあった教科書を手に取る。
それでも視線は横目で隣のなのはを見ていた。
そうだ、ここは夢の中だ……彼女の。
今、現実の自分はなのはの隣に設けたベッドに横たわり、様々な装置によって精神を夢にリンクさせられている状態だ。
リアルの世界と自分自身の認識をしっかり持ったまま、なのはの夢に進入する。
結果がどうなるか予測できなかったが、どうやら夢の登場人物の一人という事になっているらしい。
ともかく、ユーノは授業を聞くそぶりをしながら、この夢の世界の事をじっくり考え始めた。
□
「どうしたユーノ、食欲ないのか?」
「い、いえ……そんな事は」
「もう、お父さんったらそんな事言わないの。ユーノくん小食でしょ?」
「そういえばそうだったな。はは、すまんすまん」
「……」
家族の揃った団欒の食事の席で、高町士郎と桃子夫妻を前に、ユーノはどことなく所在なさげに味噌汁の注がれた椀を手にしていた。
視線をぐるりとテーブルに座った面々に向ける。
高町士郎、高町桃子、高町美由希、そして高町なのは。
恋人と結婚して家を出た長兄恭也を除く家族全員が揃っていた。
なぜ、ユーノがその一家と共に夕餉を食しているかというと、どうやらユーノはこの家の居候という事になっているらしい。
昔はフェレットの姿で同居した身としては、なんとも奇妙な縁である。
ともあれ、今はこの世界の住人として振る舞い、様子を探らなければならない。
ユーノはおかずの焼き魚を箸で摘んだ。
「んッ。お、美味しい」
「でしょ? 今日はいいお魚買えたの。こっちの漬物も美味しいわよ」
「ははは、母さんの料理はなんでも美味しいよ」
「もう、あなたったら」
ぱっと会話に花が咲き、食卓が賑わう。
自ずと、ユーノの顔にも笑みが浮かんでいた。
これがきっと、なのはが昔から味わってきた温もりなのだろう。
-
なんと心地良いのだろうか。
口にした夕食の味も、どこか美味しくなっている気がした。
□
朝起きる、顔を洗って朝食を済ませる、身支度をして登校する。
学校に着き席に着く、授業が始まる、休み時間を思うまま過ごす、そして放課後は友達と遊んで、家に帰って、憩いの時を満喫して……
普通の少年少女としての、普通の生活だった、日々だった。
ふとした瞬間、ユーノは自分がなぜここに居るのか忘れてしまいそうになる。
そんな時に気付いた、この世界の事を。
その日の放課後、彼はなのはを無人の教室に呼び出した。
□
「なのは。この世界は……たぶん、君の……願望、だよね?」
搾り出すように、ユーノは目の前の少女に告げた。
鮮烈な茜色に彩られた教室、並ぶ机と椅子、教壇、長く尾を引く影、西日を背負ったなのはの顔には闇が潜む。
その愛くるしい美貌に浮かぶ微笑みは、どこか形容し難い妖しさがあった。
なのははくすくすと無邪気に笑いながら、窓枠に身を預けて、そっと髪を掻き上げた。
「気付いた根拠は?」
「色々あるよ。綺麗過ぎる、いつも変わらない天気とかね。毎日の献立がなのはの好みのものばかりとか……」
「ふぅん。そっか。じゃあ、理由は? 分かった?」
「理由……?」
「この世界が出来たわけ。私の心が、どうしてこんな場所を作ったか」
「……」
なのはの言葉には、ユーノを弄うような気配が滲んでいた。
しばしの沈黙を経て、彼は言葉を紡ぐ。
「なのはは……なのはは、こういう生き方を……どこかで望んでる。戦いのない居場所、魔導師じゃない普通の女の子としての自分を……」
と。
彼にその言葉を言わせて、なのははどこか優しげにさえ見える顔を浮かべた。
「うん、そうだね。その通り。私はどこかで、こういうのを望んでたみたいなの、自分でも知らないうちに。それはたぶん――」
「僕に出会わなければ、そうなってただろうね」
「――」
ユーノの言葉が、これ以上内ほどの苦しみに満ちた。
それは彼にとって、心に突き立てられる氷結の刃に等しい。
精神感応の魔法で引きずり出された深層心理、内なる心に秘めていた願望の姿が、今の自分を否定する、魔導師でない普通の少女としての自分だとしたら。
全ての始まりはあの日、ユーノに出会い、魔法に触れた事が源だった。
決してそれについて、なのはが彼にネガティブな感情を向けた事はない。
-
魔導師として生きていく道を選んだのも、なのはの意思だ。
しかし人間という生き物は、自分の選択でさえも、全てを許容して生きいけるものではない。
特になのはは、他人のために自身の痛みを我慢できる性質だったのだから、心の奥底に溜め込んだ澱みのほどは知れなかった。
そして今、その沈殿され続けた感情の片鱗は、古代の魔法術式によって暴かれた。
一度背を向けた、もう二度と戻ってこない少女時代への回帰。
精神世界で作られた居場所が、高校生という設定であるのがその証左だろう。
海鳴でのなのはの学生生活は中学まで、高校には通った事がないのだから。
「なのはは……僕の事恨んでる? 僕と出会ったから、君の人生は変わった……」
「どうだろう。この生き方を決めたのは私だから、それは私自身の責任だよ。でも、ユーノくんのせいでそうなった、って思う気持ちも――たぶんゼロじゃない」
「……」
静かで優しげな声音が、ユーノの心を鋭く抉る。
どんな物理的な攻撃よりその言葉は彼を打ちのめした。
だが、なのははあくまでも優しい笑みを浮かべる
「ごめんね、そんな顔しないでユーノくん。確かに私の心の一面ではあるけど、決してあなたを責めたいわけじゃないから」
「……なのは」
「でもね、一つだけお願いがあるの」
「おね、がい……?」
こくりと頷くなのは。
すっと細められた瞳に、強い力が宿る。
先ほどまで全てを染め上げていた夕陽の茜色も消え、世界は薄く闇へ閉ざされていく。
静かな、無音の教室で、彼女は言った。
「ユーノくん、昔私が初めてレイジングハートを使った時の事を覚えてる?」
「え? ああ、うん」
「私に言ったよね。もし手伝ってくれたら、なんでもお礼をしてくれるって」
「う、うん」
「なら……」
すっと、なのはは窓枠から体を離す。
ゆっくりと焦らすように、一歩二歩と進み、ユーノの前へと。
小首を傾げて、彼女は求める。
「――私と、ずっと一緒にいて」
「……え? それは……まさか」
「そう、この世界で。ずっと私の傍にいて欲しいの、ユーノくん」
「そんな……だってここは」
「うん、現実じゃない、ただの夢の中だよ。でもここならずーっと、誰の邪魔もなく、毎日穏やかに過ごせるよ。だから、ね? ユーノくん、一緒にいよ?」
にっこりと、彼女は微笑んだ。
優しい優しい悪夢へのいざないをこめて。
永劫の時を共に居ようと。
彼女の欲するその要求に、少年は迷い、そして――
□
「――いいよ」
彼の口から出たのは、肯定の言葉だった。
-
なのはの顔に浮かぶ驚愕の色、そして喜び。
「良かった……ユーノくんがそう言ってくれて……確かにここは何もかも満たされてるけど、明確な自意識を持っているのは自分しかいないから……本当は寂しかったんだ……良かった……ユーノくん、ずっと、一緒にいようね」
心底満たされたように、恍惚の表情を浮かべるなのは。
だがその少女を前にして、ユーノの顔は険しさを隠さない。
「違うよなのは」
「え?」
「僕は君の傍に居る、これからもずっとそうしたい……でもそれはここでじゃない。現実の世界でだ」
ユーノの言葉に、なのはの表情は曇り、硬化した。
彼の言葉はそのまま、彼女のいざないへの否定と同義であるから当然だろう。
冷たい、氷のような眼差しでユーノを見つめるなのは。
その瞬間、空気がひやりとなった。
一秒後、それは単なる空気の変化から、世界の全てに伝播する。
夕焼け空が雲に覆われ、教室の中に注ぐ温かい空気が氷雪交じりの吹雪と化す。
教室の中にでは机も壁も、そしてユーノも、霜まみれになった。
ただ独り、世界の中心であるなのはだけは変わらぬ姿でそこにいた。
ユーノの返答に対する、なのはの答えだろう。
「そう。じゃあユーノくん、さよならだね」
吹き荒ぶ風と同じ、冷たく凍った声。
なのはの意思は世界の意思、彼女に拒絶されれば、もうこの世界にはいられない。
風に押されてたたらを踏むユーノ、背後に黒い穴が空間を切り裂いてぽっかりと口を開けた。
おそらく、このままそこへ飛ばされれば、なのはの精神世界からはじき出されるのだろう。
魔法など使えないこの世界で、彼にできる抵抗などない。
だが、ユーノは抗った。
「くッ!」
脚に力を入れて踏みとどまり、風に向かう。
なのはは目を見開いた。
この世界の法則は全てなのはの意のままだ、それに抵抗するという事は、かなり強い精神力を必要とする。
しかしそれどころか、ユーノは自分へと徐々に近づいてきた。
「なのは……一緒に帰ろう」
「や、やだ! 私は……私はもうッ」
「なのは!!」
ユーノは駆けた、力の限り。
彼の手がなのはを掴む。
抱きしめた。
先ほどまでの、臓腑の底まで凍えるような冷気が嘘のように温かかった。
その刹那、風は消えた。
腕に中でなのはが震えているのが分かる。
少年は力を込めて彼女を強く抱き寄せた。
「分かるよ。少し、疲れちゃったんだよね。でも逃げちゃいけないんだ。現実から、自分の選択や運命から」
「ユーノ、くん……」
「でも大丈夫だよ。僕がそばにいる。ずっと、傍にいるから」
「……本当に?」
「うん」
強張っていた彼女の細い肩から、ふっと力が抜ける。
ユーノはそっと体を、少しだけ離して彼女の顔を見た。
戸惑い、縋るような、寂しげな顔。
いつもの凛然とした教導官としての高町なのはではない、素のままの彼女がそこにいた。
魔導師としての道を選び、人に弱みを見せなかったなのはの、ただの女の子としての姿。
震えるなのはは、一瞬だけ恥ずかしそうに目を逸らして、おそるおそる上目遣いに彼を見上げた。
「……証拠」
「え?」
「傍に居てくれるっていう証拠……見せて欲しい」
潤んだ瞳で見上げながら、なのははそう囁いた。
声音にもう冷たさはない。あるのは、甘く蕩けるような熱だった。
腰に手を回された。
ユーノの胸板に、ぎゅっとなのはの乳房が押し付けられる。
夢の中であっても、体の感覚はある……柔らかく、温かい。
彼女の求めているものがなんであるか、分からないほどユーノも鈍感ではなかった。
こくりと一度頷いて、そっとなのはの顎に手を添えて、顔を持ち上げる。
「――なのは」
心から愛を込めて、少年は彼女の名を囁いた。
そして眠り姫を、昔話の通りに起こした。
眠り続ける呪いを受けた美しい姫を起こす魔法は、いつだってたった一つなのだから。
終幕
-
投下終了。
なんかこういう優しい悪夢とか自分好きうやなぁ。
ちなみに理想郷こと某Arcadiaにこれの別バージョンを別名義で投稿してますが無断転載とかそういうんじゃないんであしからず。
-
リインエロはよこい
-
アインスSSの続き早くー
-
>>807
なのはちゃん健気可愛い。こんな雰囲気良いなあ……
-
すみません>>806でした
-
ゆうなのぉぉぉぉぉぉ
いい補給になりました
-
空腹に負けて貪っていたバームクーヘンですら、このユーなのの氷菓のような甘さには勝てない
ただ砂糖を飲み下してGJを贈るだけだ
-
どうもー
おまたせしました
>>807-808
いつもありがとうですー
闇と時と本の旅人 14話投下します
-
■ 14
常夜灯の淡い彩りが視界を橙に染め、澱みのように時間の流れがあいまいになる。
自分の胸の中で、確かに脈打っている黒い意識がある。
目をそらしたくなるような、顔をそむけたくなるような、惧ろしい感情。愛する者を、一方的に断じ、切り捨て奪い去っていった輩への怒りと憎しみ。
それへの復讐を成し遂げなければ、この想いはいずれ祟りにさえも成り果ててしまうだろう。
微睡に瞼を閉じ、どうか、穏やかな感情を生み出そうとする。
心を落ち着けようとする。
夜を共に過ごす、褥を共にする伴侶がいてくれたら、と思う。
今から呼び出すなどはさすがにできない。それでも、彼に会いたい、と、アインスは想う。
「クロノ──」
自分は彼を、本当に愛しているのか?今でも夢に見るほど、彼の父親を忘れていない。
それは何を意味するのか?
亡きクライドの面影を、クロノに重ねているのか?クロノ自身を見ているのか?
死んだ人間が生き返ることなどないというのはわかっているつもりだ。そして、もしクライドが生き返ったとしても、あの人造魔導師の少女の母親が願ったように全ての記憶と人格を保ったまま生き返ったとしても、彼はもはや自分を愛してはくれないだろう。
ならば、次へ。
次なる男へとその想いを向ける。
クロノに、告白し、願い、求める。
告白、と言葉を反芻する。
この場合の告白とは何を打ち明けることを指すのだろうか。
クロノを心から愛しており、結ばれたいということだろうか。それとも、自分は闇の書の管制人格であり、クロノの父親の仇であることを知らせるということだろうか。
両方の意味を持つ、と思う。
もし隠したとして、クロノとともに暮らし、何十年も、彼に気付かせずにいるなどおそらく不可能だし、それはあまりにも酷に過ぎる。
すなわち、自分の正体を明かしたうえで、それでもなおクロノがアインスを愛することができるかどうか。
クロノの心と感情と理性が、どのような判断を下すのか。
目を強く瞑り、クロノの表情を思い浮かべる。クロノの腕の感触を思い浮かべる。精一杯の力で、アインスを抱きしめようとするクロノの姿を思い浮かべる。
独りきりのベッドの上で、クロノに抱かれている自分を想像する。
クロノの細くしかし力強い腕が、自分の身体を抱きとめ、愛撫している様子をアインスは想像する。指が、肌に触れる。指の腹、指紋の凹凸、爪の適度な硬さ、それらが組み合わさってアインスの肌を撫でていく。
胸の前で絡めている腕を組みなおし、乳房をシーツの上に放り出す。震える手で、ブラジャーのホックをはずし、拘束を解く。自らの重みでベッドの上に広がる乳房は、それ自体の重みさえも、愛する男に触られている錯覚を与えてくれる。
クロノにもっと触られたい。クロノに胸を揉まれたい。クロノに乳房を揉みしだかれたい。
もっと、もっともっと。もっといやらしく、胸を揉んでほしい。触ってほしい。クロノに、乳房をいやらしく責められたい。クロノが目の前にいて、自分の胸を見つめている様子をアインスは想像する。
見上げて視線を合わせるのではなく、胸を見ている様子を、アインスの身長の高さから見下ろす。そうすれば自分の胸のふくらみも視界に入り、そこを見ているクロノが、熱い息を吐いて、それが肌に当たることを想像する。
濡れた、と感じた。股間が湿った感触がある。じわり、と、股間の、肉襞の隙間にあるいくつかの孔から、ある種の体液が分泌されたのが感じ取れた。
-
それは愛液である。男との性行為をするために、その準備として女の肉体は性器を活動させる。アインスの肉体は、クロノとのセックスを想像して、予感して、希望して、その準備をした。
この場ではできない。この場にクロノがいないことは分かっている。頭では分かっていても身体はその通りには従わない。そして、心で想うことで、身体に命令することができる。
この場にいない男であっても、彼のことを思い浮かべることで身体はその準備をすることができる。
クロノとセックスしたい。セックスをしたい。性行為をしたい。クロノのペニスを、自分の膣に入れてほしい。クロノのペニスを、自分の膣に咥えこみたい。ペニスを入れて、ピストンしてほしい。
ペニスを咥えこんで、腰を振りたい。こすりつけたい。腰を膣の奥の子宮口にペニスを押しつけながら、射精してほしい。自分の体内に、精液を注ぎ込んでほしい。
思い浮かべるほどに、頭の中が、身体の芯が、熱くなっていく。枕にうずめた頭の、下になった耳たぶの中で、血液が激しく音を立てて脈打ち流れているのがわかる。感情に茹でられた熱い血が流れる音が聞こえる。
セックスは本能だ。そして、最高の快楽だ。
クロノに会いたい、クロノを愛したい、クロノに愛されたい。
愛情は、一方通行ではいけない。いくら相手に自分の思いを放っても、相手がそれを受け入れなければ恋愛は成立しない。クロノが、アインスを受け入れるのか。すべてを知ってなお、アインスに触れようとするのか。
自分はもうすでにクロノを騙しているんだ、という慙愧と恐怖の念がアインスを包む。
初めてクロノとキスをしたとき、舌を入れて絡ませた。初めてクロノとセックスをしたとき、膣内射精を要求した。アインスの膣内に射精したクロノは、アインスに取りつかれてしまった。アインスに結びつくことに、渇望をおぼえるようになってしまった。
もはやアインスなしには生きられない肉体になっている。アインスが今後クロノとの性行為を一切断ったなら、やがてクロノはセックス依存症の病状を呈し、手当たり次第に女を抱くようになり、それでも満足は得られず、やがて狂死してしまうだろう。
それは闇の書に備わった、仲間を増やす、手足となる兵士を増やすための能力だった。そうだったかもしれない。
アインスは、人間を精神的に支配し隷属させる能力を持つ。闇の書の主に選ばれた人間は多かれ少なかれこの能力の影響を受ける。男女は問わない。女性の主でも、本人に同性愛の気質がなくても目覚めてしまう。
人間は、自分を化けもの扱いするだろう。当たり前だ、人間にはないものをもっているのだから。
クロノの精子を注がれたい。クロノにペニスを挿入されて、膣内射精されたい。
射精されて、子宮に精子を注ぎ込まれて、受精したい。妊娠したい。孕みたい。クロノの子を孕みたい。
そして、クロノの子を産みたい。
「クロノ、あぁぁ……クロノ、あぁ、あ……なかで、出して……おねがい、クロノ……なかだしされたら、あぁっ……妊娠、する……妊娠、したい……
したい、クロノ、クロノ、うぅぅ……クロノの、こども、わたしの、こども……孕みたい、クロノ……おまえの、子供を産みたい……!」
熱に浮かされ、うわ言のように口に出す。声に出した自分の言葉を自分の耳に届けることで、よりイメージが増幅される。
クロノに思い切りペニスを突き込まれ、射精を受ける。
妊娠し、ふくれた自分の腹。
産道を通り抜ける赤子の重さ。
それらを、イメージの中で固め、リアルに、思い浮かべていく。
耐えていた。我慢していた。
もし今、闇の欠片が殖えてしまったら、大変なことになる。自分の気持ちひとつで、今の次元世界人類を滅ぼしてやることだってできるかもしれない。
アインスがそれを実行に移さず押しとどめているのは、クロノの存在があるからだ。
クロノが悲しむから、クロノを愛したいから──。
闇の書がどうやって生まれたのかは、アインス自身も知らない。
しかし、もしかしたら、自分のこの気持ちは、人間が闇の書を押さえ込み、闇の書が人間を取り込むための機能のひとつかもしれない。
クロノはいずれ、今の闇の書の主と出会う。そしたら、クロノは、主に従う新たな騎士となる。アインスに対してそうであるように、クロノもまた、まだ見ぬ少女、八神はやてに本能的に惹かれていく。
早く、主のもとへ参じたい。クロノを連れて、主に、報告をしたい。
添い遂げられる伴侶を見つけました。
われら共に、われらが主はやて、あなたに仕えてゆきます……。
-
「結婚したい……クロノ……」
シーツに、涙の粒がこぼれ落ちた。
真実を知れば、クロノは悲しむだろう。そして、リンディは怒るだろう。
息子に近寄らないでください、そんな風に追い払われるかもしれない。もっとひどく手荒く扱われるかもしれない。
でもそれだけではまだ傷は浅い。アインスにとってもっとも辛いのは、クロノと引き離されてしまうことだ。
「クロノ、抱いて……私を抱いて……お前に抱かれたい……
ふれあって、眠って、一緒に暮らしたい……クロノ、クロノ……」
ある意味では空恐ろしいほどに。
アインスは、自分の生まれを悲観しているわけではない。クロノの生まれが人間であることを悲しんでいる。
闇の書の主に選ばれるのは、当然ながらすべて人間である。どうして、クロノが闇の書の騎士でなかったんだ。どうして彼は人間に生まれてしまったんだ。自分と違う種族として生まれてしまったんだ。
切ない、クロノを想う切ない愛情。
闇の書は、孤独な生き物だった。
この世に、自分以外の仲間はいない。同じ種族の生き物はいない。
繁殖できる相手がいない。必要ない、といえばそれまでだが、しかし、闇の書はデバイスであるとみなされた。そしてその能力により、寿命はなく、無限に生きることができる。
自分は人間なのか、道具(デバイス)なのか。
幾千年にもわたる古代ベルカでの生涯の中で、アインスは、自らが新たな人類であることを知った。
そして新暦の現代、闇の書は渇望している。
殖えることを。
結合し、交合し、生命の営みを欲している。
人間の性欲とアインスの性欲が決定的に異なるのはそこだ。そしてやがては、クロノの性欲も、人間のそれとは異なる原理で発生するようになるだろう。
エイミィが起床したとき、廊下をはさんだ向かいにあるリンディの部屋から、ベッドのきしむ音が漏れていた。
海水浴から帰ってきて以降、リンディは何か吹っ切れたように、クロノを求めるようになっていた。さすがに、家の外や、管理局内ではそのようなそぶりは見せずいつもどおりに振舞っている。
気持ちの切り替えはさすがに大人だけあってきちんとできているが、それだけに、誰にも見られない家の中ではより激しくクロノを求める。
ドアを開ける。リンディには、家族なんだから遠慮することは無いといわれているので、二人がセックスしている部屋へもエイミィは普通に入っていける。最初はさすがに少々気後れしたが、数日もしたら慣れた。
不思議と、嫉妬は感じない。
読んだことのある少女コミックでは、主人公の少女は彼氏がたとえば学校のクラスメイトの女子とさえ一緒にいることを気に揉んでしまうのに、今の自分は、クロノが母親に抱かれ、性行為をしている情景を見ることが、自身の性欲に直結して昇華している。
騎乗位で激しく身体を上下させ、胸をそらせてその豊満な乳房を揺らし、髪を振り乱してクロノを搾り取っている。
それでもなお、エイミィが今まで見てきた大人の女の中で最も魅惑的でグラマラスな肉体を持っていると思っていたリンディでさえも搾りきれないほどの計り知れない精力を、今のクロノは秘めている。
呻くようなクロノのあえぎ声を聞くと、エイミィも立っているだけで股間が濡れ、パジャマの内側が湿り、太ももを粘性の高い愛液が垂れ落ちてくる。
潤み、火照ったリンディの瞳。彼女の豊満な肉体にのしかかり、腰を振っているクロノ。太ももや、乳房や、下腹の肉が、果てしない質量とともに揺れる。そのゆさぶりが、たまらなく扇情的だ。
手を伸ばして掲げ、それを横から絡め取るようにクロノが掴み、腕の肌を滑らせて手をつなぐ。そして再び、ベッドへと沈んでいく。
クロノとリンディのセックス。息子と母親の交わり。幼馴染で、恋人になりたかったはずの男の子とその母親。
エイミィは、そんな彼が愛おしい。
-
クロノの背中に、飛び込むように身をゆだねる。
腕を差し込み、抱きしめ、そしてクロノの胸板とリンディの乳房にてのひらが挟まれる。
やわらかく撓り、揉まれ、はじける乳房の肉が、エイミィの手指を包み込む。
腹の肉がくっついては離れ、リンディの臍孔が空気を吸い込む湿った音を立てている。
クロノが後ろ手で、エイミィの股間をまさぐってくる。やがてクロノは体位を変え、リンディとエイミィを二人並べて寝かせ、二人の腰の上で股間を滑らせ始めた。
めいっぱい勃起させたペニスで、しごくように二人の肌を突き撫でる。亀頭に押される肌と、その圧力をエイミィは感じる。ペニスを手でつまんで上下に振り、エイミィの下腹を叩く。
そのしぐさが、エイミィの欲望をかきたてる。腰を浮かせて、ねだる。インサートしてと、クロノに甘える。
クロノに腰を掴まれ、肉棒をねじ込まれると同時に横からリンディに抱きしめられ、唇を吸われた。ひねられた身体が、斜めからクロノのペニスに食い込む形になってさらに膣がこすられ、快感が瞬間的に増幅される。
休日の朝、三人の淫らな交わり。
エイミィは快感に涙を流し、リンディとディープキスを続けた。
本局のクラナガン庁舎のオフィスで、クロノはフェイトの控訴審の準備をしていた。
形式的なものではあるがこの第2審で、嘱託魔導師への配属が認められれば保護観察処分から公共奉仕役務に切り替えられ、事実上の無罪判決となる。
グレアムから正式に部隊編成の依頼が提出され、クロノ、リンディを中心に闇の書対策部隊が立ち上げられる。
第97管理外世界への人員派遣には、引き続きL級アースラが使用される。グレアム指揮下の機動一課フォワード陣も、武装隊としてアースラへの乗り組みが命じられた。
クラナガン標準時にて午後9時22分。書類の決裁をひと段落させたクロノが休憩に向かうために庁舎の廊下を歩いていたとき、待機モードにしていたS2Uが緊急連絡を受信した。
ちょうど、すっかり遅くなってしまった今夜は久しぶりに無限書庫に──アインスのところに行こう、とぼんやり考えていたときだった。
S2Uのスタンバイを解除し、メールウィンドウを表示させる。
リンディからの連絡で、ハラオウン邸からそう遠くない場所に強い魔力反応を探知した、ということだった。住宅街でこの時間帯ではほとんど人通りがなくなるため、魔力センサーの発する警報サイレンはよく響き、まだ鳴っているという。
クロノはすかさず自宅まで戻るのにかかる時間を頭の中で計算した。飛行魔法の使用が許可されれば、15分ほどで到着可能だ。ほどなく、グレアムからも直通通話での連絡が届き、リーゼ姉妹が現場へ向かっているとの知らせがもたらされた。
「急いでくれ。私から所轄の警察署には話を通しておく」
「すみません、お願いします」
手短に確認を済ませ、クロノは踵を返して庁舎のエントランスへ駆け下りた。階段を下りて吹き抜けのロビー内でバリアジャケットを装着し、回転ドアを抜けると同時に飛行魔法を起動してジャンプする。
離陸上昇中にS2Uの起動プロセスを完了させ、戦闘モードへ移行する。
ビル街を飛び越え、ハラオウン邸のある住宅地エリアへ視線を向けたとき、はっきりと闇夜にわかるほどの魔力光が見えた。もともと一戸建て住宅の多い区画で、商店も少ないため街灯の光が少なく、その分魔力光は目立つ。
紫と黒の混じった独特の魔力光が沸き立ち、それは空中のある一点に静止している物体から放射されていた。
人間ではない。サイズはかなり小さい。
小川を越えて、S2Uによる索敵スウィープで距離1500メートルを切ったとき、それが人間の魔導師ではなく単体のデバイスであることが見て取れた。
「──闇の書!?」
『クロノ、気を付けて!』
リーゼアリアが念話を送ってくる。周囲に、他の魔導師はいない。通常のデバイスなら必ずいるはずの、闇の書を操作している人間が見当たらない。闇の書は、それ自体が自律行動できる。
-
異常魔力反応を探知した周囲の住宅では、独自に導入したホームシールドを起動させている邸もある。住宅地の中で、戦闘による被害は避けなければならない。
闇の書は空中15メートルほどに静止している。
しかし、クロノの接近により、方向転換をして移動を始めたのをリーゼアリアは見て取った。
『──!クロノ、上へ!高度を上げて!』
闇の書はクロノを狙っている。とすれば、クロノが高空へ上がれば、闇の書はそれを追ってくることが考えられる。十分に高い高度なら、流れ弾が落ちる危険を減らせる。
「来るぞ……転移を使うか!」
距離が離れていることを探知して闇の書は短距離転移を発動する。数百メートル程度の距離をいっきに移動できる。
クロノはクラナガン周辺の空港の位置を考慮して、民間航空機の航路から離れた空域へ闇の書を誘導する。
「アリア、闇の書は攻撃を!?」
『いやまだ、向こうから撃っては来てない!もしかしたらクロスケ、最初からあんたを待ってたのかも、だからこんな場所に……っ!』
「まさか!?しかしロッテ、どうして僕を……」
市街地上空では速度がどうしても制限される。転移を使ってくる闇の書のほうが速い。
6回目の転移で、ついに闇の書はクロノの至近へ出現する。郊外の公園の森の上空で、ここでならある程度魔法を撃てる。姿勢を反転させ、S2Uを構えて迎撃態勢を取る。
「クロノっ!!」
追いついてきたアリアが叫ぶ。闇の書が、自らページを開き、刻まれた文字から魔法を取り出して、発射する。その動作に人の手が介在しているようには見えない。
展開された魔法陣は間違いなく古代ベルカ式のものだ。クロノは、以前にグレアムと話したことを思い出す。この魔導書端末は、第97管理外世界にあったものがここまで移動してきたのか。
本局に保管されていたものはすでに封印処置をしているはずで、こちらが動いたのならとっくに探知されている。
ということは、第97管理外世界で起動した方の端末が移動してきたか。もしくは、管理局の哨戒網により移動が制限されていると判断した闇の書が新たに3番目の端末を起動したか。
シールドで受け流された魔力弾が斜め後方へ飛び、雲を突き破って蒸気の塵を飛ばす。夜間では雲底高度はそれなりに低くなっているはずだが、それでも数千メートルもの距離を飛ぶ魔力弾は、通常の対人用デバイスを凌駕する威力を持っている。
一撃で、さばききれなかった衝撃はクロノのバリアジャケットに少なくないダメージをもたらした。
これほどの威力では、もう一発直撃すればこちらは大破してしまう。切り払ったとしても2、3発をしのげるかどうか。
闇の書は今度は同じページの中で使用する文字を組み替え、異なる術式を発射した。攻撃が有効であったかどうかを判断する能力をも持っている。
S2Uがロックオンアラートを発する。今度の術式は誘導魔法だ。すなわち目標の情報を魔力弾に付与し、どこまでも追いかけてくる。
デコイを放つか、地面すれすれまで降りて追尾を撒くか──コンマ数秒の判断で、クロノは急降下を選択した。ロッテとアリアは追い切れない。
「速いっ──!!」
闇の書の魔力弾は公園の立木に当たりながら鋭くターンしてくる。驚異的な誘導性能と弾体剛性はクロノの予想をはるかに上回っていた。
これまでにクロノが経験した対人戦闘で、これほどの高威力魔法を使ってくる相手はいなかった。またそのような技術を持つ魔導師や、高性能デバイスは知られていない。最新型艦船の防空誘導弾並みの性能である。
「──!」
追尾を振り切るために限界ギリギリの旋回を試みるクロノの視界の先に、新たな転移魔法の魔法陣が現れた。
プロセスの速度が速い。転移完了まで0.2秒、ほぼ同時に転移完了地点そばを通過する。
この魔法を発動した者はこちらの戦闘の様子を的確に把握している。
「アインスさん──!!」
大気を切り裂くように突っ込んできた闇の書の魔力弾は、クロノの直前7メートルのところで空中で迎撃され、魔力反応による爆発を起こして弾体が砕け散った。もはや回避は不可能だとアリアは息をのんでいたが、直前でそれは防がれた。
-
銀の魔力光と、黒い羽根が舞う。
「っ、──、はっ、ハーヴェイ司書長!?」
「くあっ──!?」
アリアとロッテも驚いて空中を見上げ目を見張る。
空中衝突ギリギリの間合いで割り込んできたアインスが、右手に構える鞭型デバイスで魔力誘導弾を迎撃し、空中で破壊せしめた。
誘導魔法の術式は数あれど、高速で飛来する敵弾を迎撃できる技量をもつ魔導師は少ない。
クロノもまた、アインスがまさかこれほどの戦闘技能を持つとは思ってもみなかった。
それが幸か不幸か、アインスに対するアリアとロッテの、わずかな対応の不自然さを見過ごさせた。
「クロノ、こいつは私が抑える、お前はリンディ提督の援護を」
「しかしっ」
アインスにとって、このデバイス──管制人格やヴォルケンリッターに比べれば、あくまでも道具然としていて低機能の人工知能しか持たない──がその瑕疵によってクロノに害をなすことは、何としても止めたいものである。
また、これを制御することが本来の──管制人格としての──自分の役目のはずである。
今のアインスはもはや闇の書に制御を強制できない。実力で制圧するしかない。そして、その実力をまだ失っていない、腕はなまっていないはず、という自負はある。
「お前はもはや意識を持たない──朽ち、果てろ!」
小さくつぶやき、アインスは右腕を引いて攻撃の構えを取った。手首のスナップをきかせ、魔力で形成された鞭を鋭く突き出す。先端をとがらせ、敵を突き刺す攻撃だ。
闇の書はページはあくまでもパルプを魔力結合してつくられている。魔力光を纏った破片が飛び散り、ページが表紙ごと貫かれた──ように見えた。
「!?転移っ!?まさか、ここから!?」
アリアが叫ぶ。闇の書が、アインスの放った触手に貫かれたままの状態でさらに転移魔法を起動させた。
クロノはとっさにS2Uの持つ術式解析魔法を起動する。転移魔法は処理する情報量が多く時間がかかるので、その分逆探知を行う時間が長くとれる。
アインスは触手を引き抜こうとするが、闇の書がすかさずページを自己再生させそれを阻む。
「くっ!?この──最初から──!」
「アインスさん!?まずい、この転移先は……まさか!!」
闇の書はクロノとアインスを自らと共に強制転送する。
アリアとロッテも手出しできない。強力な結界とバインドが、二人の移動を阻む。飛行魔法の出力を上げても、空中に固定されたように動けない。
転送先は、第97管理外世界だ。クロノはその理由を、闇の書が自分たちを引き寄せようとしていると理解した。
アインスは、闇の書がミッドチルダに現れたのは、もはや自分はもうこれ以上逃げ隠れしてはいられないということなのだ──と、理解した。
転移が完了すると、クラナガンの空は再び、静寂に戻った。
アリアも、ロッテも、遅れてやってきたリンディも、何も言葉を発することができずに立ち尽くしていた。
-
クロノが意識を取り戻したとき、自分の姿勢はあおむけの状態で、顔の上に何かやわらかくてあたたかいものが載っていることが感じ取れた。
突如現れた闇の書と戦闘になり、その最中に強制転送をかけられたことは覚えている。
すぐに、感覚神経を解放し環境の急激な変化を吸収しようとする。転送魔法で飛ばされた先が、時差はもちろん気温や気圧、周囲の電磁波なども異なっていることは当然だ。それらに感覚を狂わされてしまわないようにする。
目の前のやわらかいものが、ゆったりと重力にしたがって動く。
はらりと、艶やかな銀髪が流れ落ちてきた。
「アインスさん──ここは、きっと第97──」
クロノが言いかけた時、アインスのからだ越しに、空中に浮いている闇の書が見えた。
魔力光の放出を徐々に抑え、浮遊する最低限度の飛行魔法の出力を保ったまま、活動を低下させていく。魔力の消費と放出をおさえ、探知を避けるように動くことができる。
どうやら、闇の書の目的は自分たちをここへ運んでくることで、これ以上こちらを攻撃してくる気配はないように見えた。
意識が落ち着き、戦闘中は気にしている暇がなかった、アインスのバリアジャケット──古代ベルカ式魔法を使うアインスの場合は、“騎士甲冑”というべきか──といっても管理局にいるベルカ式ユーザーでも自称する者は稀だ──に目が行く。
肌にぴったりフィットするレザー素材で、黒で統一されたジャケットとコートの下に、乳房のシルエットをくっきりと強調したインナーが見える。
フェイトのバリアジャケットはレオタード素材だが、こちらはよりフェティッシュでアダルトチックだとクロノは思った。
「──海鳴市、です。PT事件の現場になった──どこか、民家でしょうか」
「敵の本陣へ乗り込むことになったな」
アインスはクロノを抱き起こし、自分たちを監視するように高度を下げて周囲を回転し始める闇の書を見やった。
高町なのはの実家からもそう遠く離れてはいなさそうな、静かな住宅地である。一戸建ての家が並び、自分たちが転送されてきたのはそのうちの一軒の庭と思しき場所だ。外の道路とは塀で仕切られ、窓ガラスの向こうに、灯りの落ちたリビングが見える。
「埃を払っておけ。来るぞ」
転送魔法の物音に、家人が気づいたのだろう、電気がついて、人影が現れた。
クロノももはや事態を理解した。
この家に、いる。
当代に選ばれた、闇の書の主──がいる。
魔法技術のない、魔法資質が目覚めることさえまれなこの世界の住人が、闇の書の主となって現世に姿を顕現させた。
to the next page...
-
投下終了です
ついに闇の書動く!そして
いよいよクロノくんとはやてちゃん対面です
そして・・・あらたなおっぱいの登場です!
シグナムさんシャマルさん
それからヴィータちゃんのちっぱいちっぱい!
ザフィーラ兄貴オッスオッス!
ではー
-
八神はやての決断は全てを忘れ魔力も放棄して一般人として生きることだった。
その願いは概ね叶えられた。
部分的な記憶の不鮮明化や刷り込みによりヴォルケンリッターの存在やなのは、フェイトたちとの交友関係は都合よく改ざんされた。
具体的には、「援助を続けてくれている人の縁者のみなさん」「すずかの友達」といった次第である。
事件そのものについてはアクセス困難な記憶領域に押し込んだ。
無理矢理消去するのは逆に危険との判断からである。
悪夢として顕在化することがあるものの、想定以上の影響を及ぼすものではなかった。
叶えられなかった願いもある。
魔力の放棄だ。
いくつかの理由があるが、はやて側の理由としてはヴォルケンリッターの存在がある。
魔力の放棄がどのような影響を与えるかはっきりとした答えは無いものの、消滅という可能性は大いにありうるものと考えられた。
管理局側としても首肯できる提案ではなかった。
あまりに特異なありようであるはやての魔力を外部から抑制することそのものが、何か別の異変の引き金になる可能性を考慮したものである。
結局のところ、使い方を忘れていれば莫大な魔力を持っていても危険はないとの結論に至った。
事件から8年が経過した。
石田医師への憧れに端を発し、はやては医師を目指していた。
当人の努力は実り、初冬には医大への進学が決まった。
しかしこの喜びが、はやての未来を奪うこととなる。
闇の書事件。
直接の被害者でなくとも、取り締まる側として事件に関わって返り討ちにあいリンカーコアを一時的にとはいえ破壊された者も多い。
回復速度は人それぞれで、完治まで数カ月を要した者もいる。
その期間、魔力を使うことはできない。正確には出力・精度とも安定した運用に大きな支障がでる。
それが元で、未来を閉ざされたものも少なからずいた。
一応の沙汰は下されたものの、事件の情報の多くが秘匿されたこともあり、被害者たちのわだかまりは解消されないまま燻り続けていた。
そんな状況下で、ある小さな出来事がわずかながら耳目を集めた。
闇の書事件に関与したと目される人物の生前分与である。
調査の結果、出身世界ではあるが縁もゆかりもないはずの島国に住む少女に対し、その多くが分配されたことが分かった。
進学のための資金が不足していた少女に対する寄付のようなもので、そう珍しい話でもない。
ありふれた美談。誰しもがすぐに興味を失う程度の話である。
しかし、闇の書事件の被害者たちにはそうではない。関与をにおわせる人物の行動である。
8年の歳月を経て、被害者たちの多くは燻っていたわだかまりを忘れていたが、ごく一部は未だ燻らせ続けていた。
彼らはこの8年間徒労に終わっていた努力を、今回も義務の様に続けた。
結論から言えば、この小さな美談を端緒にはやての出自は暴かれることとなった。
って感じでifものを考えてたけどこの先JKもののAVを文章にした感じになっちゃったので断念。
お前が得たものを捨てるか、我々が奪われたものを捨てるかどちらかを選べ
っつって歩行か未来かどっちかを選ばされて未来捨てちゃって…という流れだったんだが締まらず。
どなたかサルベージして供養して下さいませ。
-
はい次の方どうぞー
-
ついに主と対面ですね!
アインスは主とクロノとどっちをとるのか
ここはやはり3P!?いやヴォルケンズも混ざって、犬に嫉妬するクロノ君もありですな
-
>>821
とうとう八神家登場でA’s時間軸に突入かぁ。
今までの流れから考えるとどう考えても八神家も乱交ぱーりぃーに突入するとしか思えん。
つまり・・・ザフィーラが枯れるか・・・・がんばれザフィーラさん! がんばれ!
-
いあ いあ
-
メガーヌさんは絶対に母乳が出まくると信じる。
何故なら、ルーテシアがまだ幼い頃に意識不明になったからだ。
今でも乳がミルク溜めてぱんぱんになって自分で絞ったりしてるんだ、きっと・・・きっと!!
-
ルーテシア「んっ……ちゅ、ママのおっぱい、おいしいよぅ」
-
ルーちゃんルーちゃん、次はこれを舐めてごらん
-
ずっと母と離れて育った反動から実は結構甘えん坊でついついまだたっぷり出るメガーヌさんの母乳を吸っちゃうルーちゃんとな?
そして娘に強く乳首を吸われてゾクゾク感じちゃうメガーヌさんとな?
メガーヌさん体が火照っても慰めてくれる相手がいないから大変だな!
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板