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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第106話☆

913F-2改:2010/08/09(月) 23:16:20 ID:gdodVBJ6
「……え、なのは?」
「嘘――クロノくん?」

よもや、こんな場所で出会えるとは。少女の思考は"ここが何なのか"と言う項目を早々に一時収納し、それよりも目の前の男性のことを考え始める。
夢だけど、会えた。休みが最近なかなか合わず、通信魔法のモニター越しにでしか顔を見れなかった恋人と。
ここがどこなのかなんて、回答はしばらく後でいい。顔が自然とにやけてしまう。頬がほっといても緩んでしまう。教導官らしくあろうとしても、甘えたくなる。
なのはの理性を根本から破壊可能な人物――クロノ・ハラオウン。それが、彼の名前だった。



お互い、事情はほとんど同じようなものだった。
気が付いたらここにいて、何もないのでとりあえず適当な方向に歩いてみた。そしたら恋人がいた。
現状、他に得られる情報はない。クロノの方もここが何なのかはさっぱりだそうで、やはり持ち物は何もない。仕事の合間の仮眠だったらしく、着ているのも変哲のない管理局の制服だ。
それでも、お互い今はそんなことはどうでもいい。思考の一致を確認した途端、猫撫で声でなのはは恋人に抱きついた。もちろん、彼もそれを優しく受け止める。

「会いたかったよー、クロノくん……」
「あぁ、僕も……こんな場所でってのは、ちょっと予想外だけど」

いいのいいの、と愛する彼の腕の中で、彼女は笑う。会えるなら、どこだって構わない。
むぎゅーっと男性特有の厚い胸板に顔を押し付けてくる女の子を見て、クロノは嬉しいような困ったような何とも言えない奇妙な笑顔を浮かべた。
ここまでストレートに甘えられるのも、ずいぶん久しぶりである。だが、決して嫌な気分にはならない。子猫のようにじゃれ付くなのはの頭を撫でてやると、やっぱり彼女は嬉しそうに、それでい
て恥ずかしそうに頬を朱色に染めていく。
ふと、甘い香りが漂って彼の鼻腔をくすぐった。根源は、目の前にある綺麗な栗毛色をしたサイドポニーの髪から。シャンプーの匂いなのか、それとも彼女の匂いなのか。

「なのは、いい匂いがする……寝る前にお風呂入った?」
「こんなこともあろうかとね。ちゃんと洗っておいたんだ」

嘘つけ、と笑う。早々に嘘を見抜かれたなのははエヘへ、と大して悪びれた様子も見せず、イタズラっ子みたいな笑みを浮かべながらチョロッと可愛く舌を見せた。
さんざんイチャイチャしたところで、ひとまず二人は互いに近況を報告し合う。どこそこの部隊に巡回教育に行っただの、訓練航海である次元世界に停泊しただの、そんな他愛のない話。だけども
恋人の言葉は、それすら耳にはどこまでも甘い感触をもたらしてくれる。何でもないことでも笑い合って、励まし合って。
そうして話がいくらか進んだところで、なのはは一つ彼に問いかけた。次のお休み、いつになるかなと。
質問を受けた途端、クロノの表情に影が差す。

「ええとね――今度の航海、ちょっと長いんだ。君と休みが合うのは、もうちょっと先になる」
「そっか……艦長も大変なんだね」




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