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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第106話☆

889夕餉のとも:2010/08/08(日) 22:49:44 ID:yn3wzuf2
一瞬、耳を疑った。休暇?それはつまり、二人で・・・?

「明日、XV級艦船の操舵術講習があるんだよ。勉強しておくに越したことはないだろう?」
「・・・あぁ、成る程。ルキノの為、ってわけね?」

妙に凄味を孕んだ流し目をルキノに向けるシャーリーである
二人の間で、ぶつかり合う視線が火花を散らしていることなど露知らず、グリフィスは空になったトレイを提げて立ち上がった

「そういう事だよ。だから今日中に仕事を済ませて・・・折角だから、僕も久しぶりに家に一度戻ろうと思ったんだ。父さんの事だから、心配は要らないだろうけど」
「お父さん・・・?」

グリフィスの言葉に、ルキノは首を傾げた
彼の母:レティ・ロウランは未だに現役の次元航行艦艦長であり、今も次元世界の秩序を守っている・・・そんな彼女の事だから、伴侶も管理局局員なのだろうと思っていたのだが、

「あれ、それじゃ・・・グリフィスさんのお父さん、レティ提督のご主人は管理局勤務じゃ無いんですか?」
「あぁ、父さんは管理局の人間じゃない。普通にミッドで暮らしている、極平凡な一般市民だよ・・・伴侶が、管理局員で提督職、っていう点を除けば、ね」

ルキノの問い掛けに、グリフィスは苦笑を浮かべながらそう言った

「あー、そう言えば、おじさん元気?また焼き立てが食べたいなー・・・」
「焼き立て・・・?」

夕食を食べたばかりだというのに、涎を垂らしそうなほど緩みきった顔のシャーリーにルキノは更に首を傾げてしまう

「あぁ、うちの父さんはパン職人なんだ」
「絵に描いたような“街角のパン屋さん”よね。学校帰りの子供に大人気。私も小さい頃は良く買い食いしてたなー」
「シャーリーは今でもあまり変わってないだろう。六課のオフィスにお菓子を持ち込んだりしてたじゃないか」
「げ、何でそれを知ってるの?」
「・・・証拠隠滅の為なのか何なのか知らないけど、僕のデスクのゴミ箱の中に空き箱が入ってたからだよ」
「あ、あはははごめんごめん。でも黙認しててくれたんだ、ん、感謝感謝」

溜息を吐くグリフィスに、シャーリーは誤魔化すような笑みを浮かべながら、拝むようにぺしっと両手を合わせた

「まったく・・・折角、里帰りの機会があるからお土産でも買ってこようかとも思ってたんだが、シャーリーにはいらないみたいだな」
「えー!グリフィスのけち、鬼、悪魔、鬼畜、下縁眼鏡!」
「眼鏡は君もだ。まったく・・・ルキノ、そろそろ行こう。早めに切り上げないと明日の講習に響くからね」
「あ、はいっ!」

慌ててルキノは立ち上がり、食器を下げに行くグリフィスの後を追った
書類の塔を相手に孤軍奮闘しなくてはならないシャーリーとしては、思わず恨みがましい、じっとりとした視線で幼馴染みの背中を睨み付けてしまうが・・・
そんな視線には気付かなかったのか、ルキノは去り際にぺこっと一礼したが、グリフィスは振り返らずにそのまま食堂を後にしてしまった


「・・・グリフィスの馬鹿」


つい、そんな言葉が口から出るが、その呟きは誰の耳にも聞こえない・・・




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