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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第106話☆

886夕餉のとも:2010/08/08(日) 22:47:39 ID:yn3wzuf2
夕食時の賑やかな食堂の中で、はぁ、と溜息が唇から漏れ出てしまった
彼女・・・シャリオ・フィニーノ執務官補にしては珍しい事である
機動六課の解散から二ヶ月。“ロングアーチ”スタッフとして六課の雑務をこなしていた日々が何だか懐かしいように思える・・・それ程に、忙しいのだ
優秀な上司に恵まれたことは勿論嬉しいのだが、優秀すぎるというのも考え物なのだった・・・難儀な仕事の依頼がひっきりなしに入ってくるのである
そして、彼女の上司:フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官は、そんな仕事を嫌な顔一つせず引き受けてしまうのだ
勿論、フェイトの持つ執務官という肩書きは飾りではない。義母と義兄の影響もあるのだろうが、フェイトは常に、職務に対してとても誇り高く、生真面目である
シャーリーがフェイトの執務官補佐に就いてから4年余り。『姉妹も同然』と言い切るほどに、二人の絆は強い・・・だが、シャーリーは流石にバテていた

今、フェイトが受け持っている事件は7件
その内4件は既に片が付いたも同然なのだが、それだけ分の書類仕事というのは決して楽にこなせる量ではない
だが、残る3件を片付けるために現場で奔走しているフェイトと、新たに執務官補となったティアナの事を考えれば、デスクワークくらいは自分が頑張って楽をさせてやりたい

「でも・・・流石にねぇ・・・」

シャーリーは盛大に溜息を吐いた
両手に持ったトレイから漂う食欲を刺激する豊かな香りも、今のシャーリーに取っては何だか遠いものである
朝は軽く摘んだだけで資料整理に没頭してしまい、昼は抜いた。昨晩の夕食からほぼ24時間ぶりの真っ当な栄養摂取の機会だというのに腹の虫も鳴かない

「シャーリー?立ち止まってどうしたんだ?

席にも着かず、トレイを持ったままぼさっと突っ立っていた彼女の後ろから、聞き馴染んだ声が投げ掛けられた
ぼんやりした顔のまま振り返ると、そこには長年親しんだ幼馴染みの姿がある。眼鏡を掛けた細面の男性・・・グリフィス・ロウランだ

「ふぇ?・・・あぁ、何だ・・・グリフィスか・・・」
「何だ、とは随分な言い方じゃないか。そんなに疲れた顔をして立ち止まってれば、誰だって心配になるだろう」
「ん、ちょっと仕事でね。嫌になるくらいの書類仕事をやっつけてるのよ。グリフィスは?」
「僕も同じようなものだよ・・・ルキノが居てくれてるお陰で随分助かってるけどね」

そう言って、彼は肩越しに後ろを振り返った
視線の先には、シャーリーも良く知る元六課の同僚:ルキノ・リリエの姿があった。賑わう食堂で他人の肩にぶつからないように、おっかない足取りでこちらに向かっている
視線に気付いたのか、表情を綻ばせて、彼女は小走りにやってきた

「シャーリーさん!お久しぶりです!」
「うん、久しぶり。ルキノ」

明るい笑顔を見せるルキノに、シャーリーは少しだけ驚く
以前は少しおどおどした表情が常だった彼女も、解散からの二ヶ月で成長したのだろうか。柔らかな笑顔と明るい雰囲気は、接する者を無条件で安心させるような力があった

「そっか・・・ルキノはグリフィスの補佐官に就いたんだったね。こいつの世話って大変でしょ?」
「こら、シャーリー。世話が大変って何だよそれは・・・僕は犬猫じゃないんだぞ」
「犬猫みたいな可愛げも無いし・・・ね、ルキノ。あなたも執務官補にならない?それで私の書類仕事手伝って。ね?」

本音が出ているぞ。シャーリー
本気の目で詰め寄ってくる彼女に、ルキノは困った顔を見せつつも、笑って首を横に振った

「ごめんなさい、シャーリーさん。私は・・・事務官補の方が良いです」
「残念。気が変わったらいつでも言ってね。歓迎するから」
「・・・ほら、とにかくどこか席に着かないか?三人で通路に立っていたら邪魔になるよ」
「「はぁーい」」




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