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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第106話☆

877ノーヴェの純愛奮闘記:2010/08/08(日) 16:20:39 ID:0hVtjU32
 彼の声援を受けて物凄く本気をだしてしまったが、しかしそれで良かったのか……?
 よく考えてみろ、あんな大男を倒してのけた女の子が果たしてどう思われるか。


(どうしよう……いかつい女の子って、思われちゃったかな……)


 と、そのような不安が乙女の胸の奥で渦巻いた。
 今しがた演じた死闘など、既にノーヴェの脳裏からは消えうせていた。
 とにかく大事なのは、目の前にいる青年にどう思われているか。その一点に尽きる。
 そうして少女が不安に駆られる中、彼はふとある事に気付く。


「あ、ノーヴェ、足大丈夫か?」

「へ?」

「ほら、足首のところ。赤くなってるけど」


 言われた通り、視線を足元に向ければノーヴェの足首に一箇所赤く染まった箇所がある。
 おそらくは最後の三角絞めの際にこすれてしまったのだろうか。
 ほんの少しだけ内出血をしているようであった。
 まったく痛痒すら感じない擦過傷であるが、これにノーヴェはある事を閃いた。
 
 
「おっと」


 と、言いながら、その場でふらりと彼に倒れこんだのだ。
 少女の小さな身体は彼の胸板に、ぽふ、と収まる。
 肌が触れあい、恥じらいに頬を赤く染めながら、ノーヴェは続けてこうのたまう。


「あ、足ちょっと痛めちゃった、かも……」


 もちろん真っ赤な嘘である。
 怪我を偽って彼にか弱さをアピールしつつ、ちょっと触れ合っちゃったりしちゃおう。という算段だ。
 だがそれを嘘か真か断ずる事など、ノーヴェ本人にしかできないのは言うまでもない。
 そして乙女を抱きとめた彼は、事の真偽よりもまず彼女の身を案ずるような好漢だった。


「本当か? じゃあ医務室に行かないとな。歩けるか?」

「む、むりかも……」

「よし、じゃあちょっと抱いてくぞ」


 言うや、彼の逞しい腕が言葉通りにノーヴェの身体を抱き上げた。
 背丈の小さな乙女の矮躯は、まるで最初からそうあるべく生まれたかのように、彼の腕と胸に収まる。
 背と脚を抱えられたその格好は、いわゆるお姫様抱っこというものだ。
 自然とお互いの顔が近づき、乙女の心臓は爆ぜんばかりに鼓動を増す。


「大丈夫か? 顔真っ赤だぞ?」

「べ、別になんともねえよ!」


 そんな事を口走るノーヴェだが、内心では喜びと恥じらいが燃え上がり気が気ではない。
 自分で計画した事とはいえ、彼とこうして密着するのはあまりにも刺激が強すぎる。
 羞恥の心に、思わず身をキュッと竦めるノーヴェ。
 抱き上げられて身を丸くするその様は、まるで飼い主に抱かれた子犬のように大人しい。




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