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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第103話☆

828はつこいりみてっど。後編 (11):2010/04/13(火) 01:16:42 ID:vMyvfhys
 ユーノは知らないが、ここ数日エイミィに距離を置かれていたクロノはほんの一瞬だけ、彼女の姿に動揺した。それもそのはず。
艦橋にいると思って、覚悟して歩いてきたのに、謝ろうと思っていた対象がこんなそばにいるだなんて。
 でも、その動揺もほんのわずかな間のこと。


 きゅんっ。


 ユーノは、他人が恋に落ちる瞬間をこの目で見てしまった気がした―――が、気のせいだった。きっと彼は、とっくに恋に溺れている。
 ただでさえも照れていたところを突然クロノに抑えられ、顔を真っ赤にして取り繕えなくなっているエイミィの姿。
あうあうと言いながら、弱々しくクロノの名を呼ぶ彼女に、クロノの心臓はきゅんきゅんと高鳴る。
胸の高鳴りが聞こえてくるようで、ユーノはげんなりした。
 クロノは何を思ったのかエイミィを背後から抱きあげ、そのままぎゅっと抱きしめる。
他人の視線なんて、今の彼にはあって無いものだ。そこまできて、エイミィはハタと我に返る。

「ちょっと、クロノくん……っ」

 クロノによって地面につけない足をジタバタとさせながら、エイミィは彼に抵抗を試みる。
けれども、無駄だった。
謝ることも忘れ、久しぶりに触れる恋人を、クロノは離そうとはしなかった。

 いくらなんでもひっつきすぎだと、ユーノがツッコもうとした瞬間、エイミィだけでなく、クロノの顔まで赤くなる。
クロノが赤くなったと同時に、エイミィの身体がびくっと大きく震えたのを、ユーノは確かに見ていた。
なのはたちは気付いていない。それどころか、仲直りできて良かったねなどと笑っている。

「じゃ、そういうことで」
「ちょっと! そういうことでってどういうことだよ! いや、わかるけど!!」
「わかるなら聞くな」
「ていうか、丸投げ!? 馬鹿なの!? この状況を放置するって!」
「じゃ」
「じゃ、じゃなあああいい!!」

 以上が、ユーノとクロノの念話での会話である。
クロノは照れながらも、的確に意図を理解できる相手を選んでいた。
自分の身体的状況が、なのはたちにバレれないように後ろ手で背後のドアを開けたクロノは、あっという間にドアの奥へと引っ込んでいった。
勿論、エイミィを連れて。
決して、中の声は外に漏れないが、漏れていたらエイミィの悲鳴が聞こえてきただろう。
 他人の恋路を邪魔するやつは馬に蹴られてしまえという。
つまりはそういうことだ。

「ねえ、ユーノ君。クロノ君達どうしちゃったの……?」
「急に赤くなったりして、熱でも出たのかな……」
「いや、あはははは……」

 ユーノはなのはとフェイトの言葉にギクリと肩を震わせた。
クロノの行動の意図を、二人は理解していない。清らかカップルなのは知っている。セックスはおろか、キスすらまだだとなのはから聞いた。
 つまり、この状況でクロノの身体的状況を理解しているのは、自分とクロノ本人、今まさにクロノに戴かれようとしているエイミィだけだった。
勿論、二人はとっくに使用していない部屋に引っ込んでいる。
説明しろと言われても、応えられるのはユーノだけ。

(って、言えるかああああああああああ!!!)



 ユーノは心の中で絶叫した。





――――後日、ユーノがクロノに提出する資料をやたらと肌の色つやの良い彼の頬に力いっぱい全力全開で叩きつけたのは、言うまでもない。



END




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