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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第103話☆

818はつこいりみてっど。後編 (1):2010/04/13(火) 01:06:10 ID:vMyvfhys
  ◇◇◇

「だからって、何で僕のところに通信を入れるわけ?」
「君しかいなかったからだ……」

 無限書庫の一角で、ユーノは苛立たしげに口を開いた。通信の相手はクロノ。
顔を真っ赤にして、慌てた様子だ。
珍しく次元航行部隊の制服を着ていると思えば、ネクタイを締めていないは、手袋は忘れるはで、全くもってだらしない。
何となく、何をした後なのかがわかってしまう自分が、憎らしかった。
 仕事の邪魔をされたユーノは、クロノの返答に更に苛立ちを募らせた。

「それで? 元恋敵である僕にそれを言うんだ」
「…ぐっ」

 ユーノは忙しなく検索魔法をかけながら、クロノを責め続ける。
忙しいユーノに映像通信を繋げたクロノの話はこうだった。

 自分の初恋がなのは相手だというのは本当なのか。

 彼は真っ赤な顔をして、ユーノに聞いてきた。
正直、ユーノはこの言葉を聞いた瞬間苦虫を噛みしめたような顔をした。
 知るか。温厚で優しさに定評のあるユーノにしては珍しく、そんな悪態を吐きかけた。
クロノがなのはのことを好きだったとは知っているが、初恋かなんてのは知ったことではなかった。
数年前まで恋敵だと思っていた男は、その恋心に全くもって自覚がなかったのだとユーノはこの時はじめて知った。
だったら、何で自分をあれだけいびってきたのかと、ユーノは小一時間問いただしたくなる。
ユーノが第97管理外世界の人間だったら、お前は小学生かとツッコんでいたところだ。
はやてかヴィータあたりだったら、シュベルトクロイツ、またはグラーフアイゼンで物理的にもツッコんでいただろう。どちらも鋭角が痛い。

「で、どうして今更気付いたの?」

 ユーノの攻撃はまだ続く。ずっとユーノのターンだ。
クロノは混乱のあまり、あわあわと悶えている。
これでは会話が成立しないのだから、映像通信ではなくメールで連絡すれば良いものを―――そう考えるあたり、ユーノは優しかった。ただ突き離すのではなく、ちゃんと話は聞いている。
 そんなユーノに対してのクロノの返答はあまりにもアレだった。


「………エイミィに言われて……」

 うわ、最低だ。


 ユーノは口に出さなかったが、心の中で呟いた。
自覚のなかった恋心を、その恋の相手ではない、今の恋人に指摘されるとか、どんだけ駄目男だ。
 クロノことだ。大方、エイミィに指摘されて、そのまま現在に至るのだろう。
ユーノは現場を見てきたわけではないのに、クロノの行動を正確に当てていた。
伊達に付き合いが長いわけではない。
 不器用な彼のことだ。どうせフォローなんて入れていない。
恋人の無自覚の初恋を指摘する女性の心境なんて、少し考えればわかるだろうに、彼は自分のことで手いっぱいだ。

(あ、でもエイミィさんだしなあ……)

 ユーノはエイミィに少し同情したが、すぐに思いなおす。
クロノとエイミィが恋人同士になったと、フェイトから嬉々として教えられた時も信じられなかった。
あまりにも前触れがなく、それに加えクロノがかつて好きだった少女を知っているからこそ余計に。
 明るくて、元気で――そんなところはなのはと共通しているが、クロノをぐいぐいと引っ張っていくところや、あっけらかんとしているところは、彼女とは全然違う。
ユーノは正直本当に彼らは付き合っているのかと疑うほど、エイミィは以前と変わらない態度でクロノに接しているように見える。
 以前、こうして相談めいた通信を入れられた時も、やきもち一つ焼いてくれないとクロノは呟いていた。義妹であるフェイトと、兄妹とは思えないほどイチャイチャしている様もスルー。
件のなのはと仲良くしていてもスルー。
仕事とはいえ、はやてと一夜を明かしてもスルー。
カリムと仲良くお茶をしていていもスルー。
ヴィータやシグナムと談笑していてもスルー。
ユーノがクロノに対して少々同情するくらい、さっぱりしている。

 ならば、彼女に対してフォローを入れるより、本人の気持ちを整理させる方が早いように思えた。




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