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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第102話☆

564F-2改:2010/02/20(土) 13:23:00 ID:6anfxrRs
はやユノ、だと……!?
ならば私はクロなので対抗しよう。と言う訳で過去に書いたものを漁って
いたら出てきたものを投下します。非常に短くて恐縮でありますが。

・CPはクロなの
・拙作「踏み出す一歩は誰のために」の続編


名字


ある日、なのはが教導隊のオフィスでディスプレイに向かい、書類を作っていた時。

「えーっと、陸士302部隊の定期巡回はー、と……」

パタパタと軽快にキーボードの上で指を鳴らし、ときどき手を止め、考えるようにして上を見上げる。
先日彼女は陸士302部隊に教導に行った。今回はその報告書。巡回した先の問題点、改善点、その後予想される成果などなど。もともと行った先で必要なところはメモ書き
しており、ディスプレイの傍らに置いておいた。これを参考にすれば、ちゃちゃっと報告書をまとめられる。
テキパキ文章を打ち込みまとめ、いよいよプリントされた報告書に直筆のサインを入れるべく彼女はボールペンを握った。印鑑と同じで、責任者が誰であるかをはっきり
させるためである。
紙面にペンを当てて自分の名前を書こうとし、その時突如として少女の指が止まる。
名前。その人個人が何者なのかを証明する、大事なもの。言うまでもなく、彼女の名前は高町なのは、である。両親からもらった大事な名前、変わるはずがない。
――否。確かに"名前"は変わらない。だが、あることをすることで変わる部分がある。すなわち、結婚。すなわち、苗字。女の子に生まれたからには、なのはだって人並
みにお嫁さんと言うものが気にならない訳がない。
ボールペンを机の上に置いて、鉛筆に持ち変える。わずかに天井を見上げて、考える。自分の苗字が、変わるとしたら?

「ええと……ミッドじゃこうが正しいんだっけ」

さらさらと鉛筆を報告書の上で走らせる。
彼女はこう書いた。『なのは・ハラオウン』と。

「…………」

沈黙。沈黙。しばらくの間報告書と睨めっこする形で沈黙。
もう一度ゆっくり、天井を見上げて――かっと、我に返ったなのはは頬を朱色に染める。ふるふる首を横に振り、消しゴムを手に持ち紙面に押し当てゴシゴシする。
あー、もう。何やってんだろ、私。消し粕を丁寧に払いのけながら、しかし少女の顔はあながち満更でもなさそう。
天井を見上げた瞬間、脳裏にイメージがよぎったのだ。
教会、祝福してくれるみんな、純白のドレスに身を包んだ自分、優しく手を取ってくれるタキシードの男性の顔は――停止。思考、強制停止。これ以上思い出すとまた何
かエライことになる。
高町なのは、この時一六歳。多感な時期の乙女であると自認するが故、自分にはまだ早いとイメージした場面を大急ぎで消去する。

「あ、でも」

思いついた思考を、再び鉛筆に載せて紙面の上を走らせる。ミッド式の他に、和式もあり得るのではないだろうか? すなわち、お嫁さんではなくお婿さん。
彼女はこう書いた。『高町クロノ』と。




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