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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第102話☆

1名無しさん@魔法少女:2010/01/27(水) 22:25:53 ID:PTO7s./k
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所の5スレ目です。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1259008244/

2名無しさん@魔法少女:2010/01/27(水) 22:26:24 ID:PTO7s./k
【本スレ@エロパロ板】
 ☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第97話☆
 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237292660/l50

【エロパロ板全体の避難所】
 エロパロ避難所
 http://jbbs.livedoor.jp/movie/2964/

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/date_SSX.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/   (wiki)

3名無しさん@魔法少女:2010/01/27(水) 22:27:30 ID:PTO7s./k
したらばでの投下関連メモ

【エロパロ板】(参考)
容量が500kbを超えるか、書き込みが1000レスを超えると1スレッド終了

【避難所】
容量は関係なし。レス数1000を超えると1スレッド終了(現時点での設定)
管理人によるピンポイント規制可
・投稿間隔 30秒
・本文の最大行数 200行
・一回の投稿本文の最大文字数 4096文字

4 名前:名無しさん@魔法少女[sage] 投稿日:2009/11/24(火) 05:34:38 ID:sxkgTGY6
■Jane Doe Styleからしたらばを見る方法。
板一覧のカテゴリの右クリックメニューから「新規カテゴリを追加」して、
新しくできたカテゴリに「ここに板を追加」でおk。

■ギコナビでのしたらばの見方
「表示」→「キャビネット」→「したらばJBBS」→「同人・コミケ・二次創作」
※入れ替わりが激しいので全ての板が登録されているわけじゃない。つまり、そのままではこの板は見れない。
◎この板の追加の仕方
「ヘルプ」→「ギコナビフォルダを開く」→「config」→「Board」→「したらばJBBS.txt」の順に開く。
カテゴリ[同人・コミケ・二次創作]の一番下に
好きな名前(「なのはエロパロ避難所」とか)=http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12448/  
を入力して上書き保存。一端ギコを閉じて、再起動。
このスレが「したらばJBBS」内に出現するはず。あとはお気に入りに登録するなり何なり。

4シロクジラ:2010/01/29(金) 00:44:10 ID:6q/vvZUs
皆さんこんばんわ。本日はギャグです。
壊れギャグなのでご注意下さい。

NGは「TSに至るまで」でお願いします。

メインキャラはクロノとユーノです

5TSに至るまで:2010/01/29(金) 00:46:12 ID:6q/vvZUs
短編『TSに至るまで』


「世はこともなし。いい言葉だ。こう、なんていうのかな……心の安らぎが刹那の間得られるよな」
「クロノ。なんていうのかな――――僕は何時になったら結婚できるんだろうね」
「……もうさ、僕みたいにサブキャラとの婚約も考えとけ。美人率が高いから安心だ――自分もサブキャラになるが」

クロノ・ハラオウンはうんざりした顔でそう呟いた。久しぶりに十代現役での出演である。
彼の年下の友人であるユーノ・スクライアは、諦めとも羨望とも取れる眼差しでクロノを見た。
こちら第一期〜二期仕様の9歳児モードであり、当然ながら半ズボンだった。

「いいじゃないか。どうせ10年後に安定した結婚と幸福な家族が約束されてるんだから」
「なっ、に? 君はアレか、初登場時の純情少年が堅物に変更され、挙句、義妹や教会騎士に手を出す変態にされるのがいいと?」
「金髪美女を弄ぶことの意味を考えるといい。何気にエロ二次創作でのフェイトとの絡みは君多いよ」

尤も、最近の主流派は「ショタコンフェイトがエリオを食っちまう」という見も蓋も無いアレだが。
このフェイト・テスタロッサという少女、何故か変態属性付与率の高い美少女〜美女である。
例を挙げると

・ガチ百合。なのはを狙っている。
・ガチショタ。エリオの半ズボンハァハァ。
・ケツ穴ファック大好き。
・多人数プレイを好む痴女。

などひでえ有様だった。
何故、SSでメタ視点なんだよバカなの? という声も多いだろうが、すべて無限書庫のせいだ。
多元宇宙から色々と可能性を引っ張り出してくると言う摩訶不思議ロストロギアにより、少年二人はダウナーになっていた。
十年後の自分の未来が、ネタキャラだったり百合的にスルーされたり変態で不倫でサブキャラだったら普通は落ち込むというものだ。
しかし、二人は若かった。未来を変えてでも、理想の世界を掴もうとする挑戦者だった。

よって。

「――つまり、だ」
「ああ」
「ユーノ、突然だが昨今の流行によって“TS(性転換)”か“フタナリ美少女”路線でいけ」

クロノ・ハラオウンは真面目な顔でマイルドに狂った発言をした。
これには親友たるユーノも唖然とし、

「……アナルファックが原因で脳に感染症か」

アナルファックはコンドームとローションをつけてしましょう、という天のお告げを聞いた気分になる。
大便は危険な細菌の温床であり、敏感でデリケートな粘膜の天敵と言えた。
さっきから肛門交尾を連呼しすぎだが、別にそれが好きな人間がいるわけではない。
断じて、筆者とて好きなわけではない。むしろ受胎まで描ききる力作は無いものかと探し回るほどだ。
肛門出産を描く猛者がいたなら、たぶん地球は一つの文明の絶頂期を極めることになるだろうが。

そして滅ぶ。むしろ滅べ。

6TSに至るまで:2010/01/29(金) 00:47:13 ID:6q/vvZUs
……などとユーノが思考するとどうだろう。クロノは演説をぶった。

「まあ待て。キミはね、19歳でも声変わりしてない美少女声女顔なんだ。つまり女の子でないのがおかしいと考える勢力もいる」

その理屈はおかしいだろ、とは突っ込めない。何せ古代魔法文明の叡智、ロストロギアがある世界だ。
何処かの滅んだ文明が下手をすれば「男を美少女にする機械」とか作ってそうではないか。
ここで迂闊な発言をすると、過激派によって拉致され女体化→ありがちなエロ展開。くらい余裕だ。
超展開と侮ること無かれ……TSとは元来、吐き気がするほどマニアックなジャンルなのだから。
一応、ユーノはクロユーなる邪知暴虐ジャンルで受けだった時代があるが、男の意識のまま女体化とかの経験は無い。
というか普通ありません。

「……でもクロノ。それだとただでさえ少ない男性比率が……」
「そこでフタナリだ……!」
「意味が分からない。理解したくない」

クロノも心底嫌そうだ。なら解説するなよ、と思うが……真面目だから回避できないらしい。

「つまり図説にすると、

なのは<射精>ユーノ<射精>クロノ

……このような形で、3Pで相手を交換せずに二人受胎することが可能になるらしい」

考えたヤツ病気だろ。
誰もが思う感想だったが、TS過激派はむしろ「これで人口減少に歯止めがかかるぜ!」とか言ってるらしい。
ちなみにTS穏健派の場合は「女性化願望がある若者をTSさせ、美少女比率上昇」とか言っている。
いずれにせよ、その気があると思われているユーノにはありがたくなかった。

7TSに至るまで:2010/01/29(金) 00:47:55 ID:6q/vvZUs
「……仮に僕がTSしたとして、だ。誰が引き取るんだよ元男の現女、とか?」
「ああ……それなんだが」

クロノが取り出したモノ――婚姻届であり既に入籍決まってる書類。
そこにはCとYで始まるミッド式アルファベッドが書かれていた。
ちなみに保護者の同意も得ています by リンディ提督。

「おい……保護者の同意を得てるんだけどォォォォォォ!?」
「リンディ・ハラオウン提督/未亡人……僕らが思っていた以上に、敵はHENTAIだった」

すべて、手遅れだったのだ。
悪魔的方程式――仮にクロノの婚約者がフタナリだった場合、余ったペニスの行き先=余ってる未亡人。
近親相姦とか気にせずに、毎日性欲発散できると言う寸法だ。合理的だ。契約者は合理的なのだ。
クロノは目を逸らしながら、ユーノに睡眠導入魔法をかけた。

「……ぐぁ」
「すまないユーノ。ぶっちゃけ、母さんと父さんの血を引いてる僕も、ぐ っ と 来 た」

ちなみにクライド提督は尻フェチだ。

その後、ガス室のような性転換装置に送り込まれたユーノは、絶世のフタナリ美少女になって結婚。
こうしてフタナリ美少女になったユーノは末永く(ある意味)幸せに暮らしましたとさ。
リンディ提督が何故か、息子夫妻との同居を機にさらに子供産んだのは不思議であったが。

8シロクジラ:2010/01/29(金) 00:50:40 ID:6q/vvZUs
あとがきです。
・・・いや、本当はSS業界をパロったありふれたSSの予定だったんです。
結果は ご ら ん の 有 様 だ よ ! !

ちなみに次回のエロメイン作品の伏線は張られた。
これ以上ないほど分かりやすくね!(これ以上ないほど狂った作者

9名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 01:01:40 ID:Hq9sscAg
さすがシロクジラ氏、頭がおかしい(良い意味で

10名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 01:10:33 ID:ksoWwdG6
なんつう話投下してんだww
ってかメタネタが酷いぜwww
いや、もう笑わしてもらいました。
GJ!


しかし、次回はクロノ×TSフタユーノ×リンディ、と?
うわぁ、すげえ、なんという倒錯の極み!
めちゃくちゃ愉しみにしてますwww

11名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 01:47:36 ID:j3Kou6h2
酷い話だww

ところで、クロノが後背位でユーノのフタナリおちんちんをシゴク場面が見えるんだがw

12名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 06:00:05 ID:zvKaczyw
クロノ×TSユーノだと……? まったく、HENTAIだな! 誉め言葉ですよ勿論
 
で、TSクロノマダー?

13タピオカ:2010/01/29(金) 06:15:16 ID:bpiaAf1I
先週:ひゃっほーーーー!リ・ニ・ス!リ・ニ・ス!
今週:うっひょーーーー!星・光!星・光!

つまりそういう事。
無理無理。ポータブルのストーリー良すぎて何か書きたいと思わざるを得ない。
だから気づけば星光と犬。
犬が幼女を舐めるだけ程度のエロで短めの話です。殴り書き。
発売前2Pカラー軍団wwwwとか笑っててすんませんでした。

14怒れる瞳:2010/01/29(金) 06:18:26 ID:bpiaAf1I

闇の欠片事件……奇妙な一夜であった。
かつての自分。かつての家族。かつての親友。いろいろなかつてとまみえた不思議な時間。
あるいは今の幸せを噛みしめて。あるいは過去を見つめ直し。あるいは未来をさらに深く想い。
事件解決に参加した誰の心にも強い影響を与えた日。

そして、さらに新たな脅威と出会った時間。
星光の殲滅者。
雷刃の襲撃者。
闇統べる王。

結局、破壊と禍いを振りまくマテリアルは阻止され無事、街に平穏は取り戻った。



その日、はやてはまったりと二人でお茶をしていた。

ザフィーラとリインはリンディの所に出向いて事件の後処理の手伝い。
シャマルは買い物。シグナムは近所の剣道場に顔を出しており、ヴォルケンリッターで今家にいるのはヴィータだけだ。
そのヴィータも少々具合がよろしくなくて眠っている。

「大変でしたね」
「うん、大変やった」

お茶すすってはやてがほっこり。
つい先日、リインフォースとともに裏技使った際の気迫はこの少女からは垣間見えまい。
普通の女の子だ。

「随分とあちこち跳んだのですね」
「フェイトちゃんやシグナムたち、違う次元世界まで足運んでなぁ」
「そもそも騎士たちはいろんな次元世界で蒐集活動をしていましたから」
「せやねん。元をただせば私のためやと思うと……複雑や」
「結果を見れば現在、全員が欠けることなく集っています」
「う〜ん、本当の本当に全員がそろってるってわけでもないねんけど…ま、素直に現状を喜んでるよ」
「はて、あとどなたが残っていましたか?」
「ごめんな…って、謝っときながら突き放した子」
「あぁ、防衛プログラム――闇の書の闇、ですか」
「今回の事件を振り返ると……いや、闇の書事件最終局面を振り返るとな、アルカンシェルで吹き飛ばしたあの子が「おいてかないで」って言ってるように思えてきたんや…」
「考えすぎです」
「考えすぎかなぁ…」
「しょせんあれはただの歪みですから」
「でもなぁ…なんていうか、こう、ザフィーラやユーノくん、アルフがカットした攻撃が、今になると私たちに手をのばしてたようにしか、思えへんねん…」
「…貴方がそう解釈するなら、口をはさみませんがね」

ずず、と茶をすする音が二人分。

「今日、ご飯食べていく?」
「厄介でないなら」
「人数は多ければ多いほどええんやよ。お料理はできる?」
「いえ、まったく。戦闘だけですね」
「う〜ん、うちに来る子はみんなそろって戦士やね」
「全員元をただせば闇の書から来ていますので」
「炊事洗濯裁縫も蒐集できればよかったのに」
「今、湖の騎士がたしなんでいるのでしょう?」
「え〜っと…まぁ、その……せやなぁ…」

15怒れる瞳:2010/01/29(金) 06:19:03 ID:bpiaAf1I
こぽこぽこぽ。
茶を注ぐ音が静かに響く。

「やってみいひん、お料理?」
「私がですか?」
「そう」
「遠慮しましょう」
「楽しいのに」
「私は非生産的な人格のようですから」
「じゃあ性格ちょっとずつ直そう。まずはお料理からや」
「プログラム書き換えてください」
「無理言うなぁ」
「無理を通して道理を引っ込めたくせに」
「せやけどそれはただの奇跡や」
「奇跡なんてありませんよ。全て起こるべくして起きた事です」
「みんな頑張ったもんね。報われへんのは間違ってる」
「先日、私達は報われませんでしたが?」
「報われずして報われへんかったわけや」
「まぁ、もう構いませんが」
「お、ちょっとは生産的な考え方になってきた?」
「いえ、別に」
「ドライやなぁ」

まったりとした午後であった。
しかしそんな気だるげな静けさもひとつのアラートで乱れる事になる。

「はいはいリイン?」

ホログラムウィンドウを開けばリインフォースから通信がつながった。

『主、大変ですマテリアルは全員消滅していません』
「うん、知っとる」
『?』
「ほら」

ちょっとアングル変えてやると、お茶をすすってる星光の殲滅者がリインの目に映る。
祝福の風が悲鳴を上げてしまいました。



「で、なんでここにいるんだてめぇ?」

ヴィータがメンチ切るのを涼しげにかわし、マテリアルSはお茶をもう一服。
リインからの緊急連絡で跳び起きたヴィータはダイニングにいた二人を見て絶句した。
マテリアルSとはやてがお茶すすっとる。
他のメンバーも急遽帰還しているらしいがまずはヴィータが先制攻撃を仕掛けているところだ。

一応、はやてもいるがフォローするより本人どうしで話した方がよかろうと黙ってお茶すすってる。

「いけませんか、私がいて」
「駄目に決まってんだろ。ブッ叩いて消えたろ、てめーらは」
「貴方達が叩いたのはしょせん写し見です」
「本体があるってのかよ」
「私というプログラムがとある魔導書に断章として編集されています。それが本体です」
「どこにある?」
「さぁ」
「ざけんな!」
「ふざけていませんよ。本当に分からないのです」
「どういう事だ」
「現在その魔導書を所有しているのはマテリアルDです。そしてマテリアルDの所在を私は知らない」

16怒れる瞳:2010/01/29(金) 06:19:46 ID:bpiaAf1I
闇の欠片事件最終局面。
裏技を用いたリインフォースの活躍でマテリアルDを仕留めたが……その手に持っていた魔導書はノータッチだったようだ。
それが元で再びマテリアルは再構成されたようである。

ちなみにマテリアルLさんはすでにシグナムに捕縛されてます。
公園で子供たち集めて魔法使って格好つけてる所、通りかかったシグナムさんにぶん殴られました。

「嘘言ってんじゃねーだろーな?」
「どうでしょう」
「ざけんな! ちゃんと言え!」
「貴方は私の証言を信用できない。私は私の証言を証明できない。きちんと申し上げてもこれでは納得いただけませんでしょう」
「チッ…それで、じゃあいったい何の目的があってここに来た」
「申し上げて信じていただけますか?」
「うっせー! 言えったら言えよ!」

少なくとも、破壊や禍いといった物騒なものではなさそうだ。
紛いなりにも一時間近くはやてと一緒に大人しく茶を飲んでいたのだから。

「目的…目的ですか…」

ふっと、マテリアルSにいくらか柔らかさが差す。少女らしさとでも言うか、無表情に固まっていた顔が微笑するのだ。
がちゃ、と玄関が開く音がした。どたどたとすっ飛んできたのはリインフォースとザフィーラ、それにクロノだ。
マテリアルSの存在に八神家に駆けつけたのだがみんな焦燥一色である。
ザフィーラなんてすでに人間形態。深刻さが如実に分かる事態である。

「我が主、ご無事で!?」
「主!」
「はやて、大丈夫か」
「大丈夫やよ」

ゆらりとマテリアルSが立ち上がる。はやて以外が全員身構えた。クロノとヴィータはデバイスまですでに顕現。

「目的は」

ザフィーラの前に立つ。切なげな瞳が警戒するザフィーラを見上げる。

「目的は、貴方です闇の書の守護獣」

ヴィータがグラーフアイゼン取り落とした。

「貴方を想うと胸が切なく苦しい。こんな気持ちは知りません。教えてください闇の書の守護獣」

訝しげに見下ろすザフィーラの横でクロノがあんぐり口を開けた。

「先日、貴方と対峙してからずっとこうなのです。貴方の事を考えると心がかき乱れる…」

目を見開いたザフィーラが、その手がとられる。
マテリアルSの両手がザフィーラの手を包みぎゅっと握りしめた。

「ですから――ですから闇の書の守護獣」

艶やかなマテリアルSの唇が震える。言おうか言うまいかと惑うような弱い声。
これが本当になのはと死闘を繰り広げた殲滅者かと思うほどもじもじ恥じらっていた。
桜色に上気した頬にザフィーラの手を導き触れさせる。
微笑んだ。

「もう一度殺し合いをいたしましょう」
「あれ!?」

17怒れる瞳:2010/01/29(金) 06:20:24 ID:bpiaAf1I
はやてが思ってた進路と違い始めてる。
クロノも「好きです」につながるとばかり思ってた。

「お前、それ恋なんじゃねーのか?」

マテリアルSが眉根を寄せた。

「恋? 恋とはなんです?」
「今お前がなってる感じだ」
「どういう感じですか?」
「だからそいつの事考えると胸とか頭が熱くなって切なくなって苦しくなって会いたくなるんだよ」
「まさに私です」
「恋じゃねーか」
「そういう事らしいです」
「………………ああ」

ザフィーラ複雑そうな顔。

「ですからもう一度殺し合いをいたしましょう」
「なんでや!?」
「いいだろう」
「よくねぇ、了解すんなザフィーラ!」
「駄目や駄目や! なんで恋する相手を殺そうとするん!?」
「いけませんか?」
「駄目!」
「なぜ?」
「好きならずっと一緒にいたいと思えよ」
「ですから、一緒にいようと思ったのですが」
「一緒に殺し合ってどうするんだ」
「え…? ですから殺し合うという事は一緒にいるという事になるのではありませんか」
「だからそれじゃ終わった後どっちかいなくなってるじゃねーか!」
「ですから終わるまで一緒にいられます」
「だーかーらー!」

やいのやいの。やいのやいの。
一般的な常識をどうにか叩き込もうとマテリアルS相手に図を交えての説明がこの後、二時間に渡って繰り広げられたという。
その甲斐むなしく、結局最後までマテリアルSは納得した表情をしなかったという。
埒が明かないのでマテリアルSは「自分で勉強してきます」と言って飛んで行ってその場は収まったという。
クロノがとっ捕まえようと追いかけたがすげぇスピードだった。恋する乙女は速いのだ。

「?」

↑終始よく分かっていなかったリインさん。



さてその数日後。
宵の口も過ぎた頃合い、満月の下、人の姿のザフィーラは鍛錬を積んでいた。
闇の書事件における己の不甲斐なさから起こした日課である。
割と高町家の修行風景を目撃するがたまに人間の動きじゃない。
あいさつとか爽やかにしてくるけど人を殺せる動きしてる。
それに触発され、ザフィーラはさらに努めようと奮い立つのだ。

護る者のために。
そう鍛錬を続けるザフィーラだが、結局10年後、肝心なところで聖王をげふんげふんされるので彼の頑張りが切ない。

18怒れる瞳:2010/01/29(金) 06:21:03 ID:bpiaAf1I
「む」

夜の山。
ザフィーラに立ちふさがる小さな影。

「勉強してきました」

マテリアルSであった。
威風堂々。無表情はいつも通りだが、しかし違う。以前の彼女とは違っている。
知らなかった世界を知りつくした女の顔である。

「何を勉強してきた?」
「抱いて」
「……」

予習しすぎてきたらしい。
ザフィーラがマジでどう返そうか頭抱えてるとマテリアルSの両手がスカートの両端をつまむ。
ゆっくりとたくしあげていれば花園が見えるまさにその寸前で止まった。
少女特有の細いが健康的な足がふともも丸出しでザフィーラにさらされる。
マテリアルSはしたり顔である。正直反応に困ってると、

「抱いてくれなければ再び血と怨嗟を振りまくために暴れます」

ロングレンジパワーな脅迫であった。ザフィーラもオートガード持ってるがシールドブレイカーなマテリアルSの言葉に歯を噛む。

「クッ…仕方ない、血と怨嗟を振りまかせないためにも俺はお前を抱かねばならんのか…あぁ、悔しい。クソッ、後手に回った。しかし仕方ない、これは抱かなきゃ仕方ない。あー、本当は抱きたくないけど街の人たちのためだ!」

漢の決断であった。ザフィーラのこの苦渋の選択はまさに守護する者の鑑。

マテリアルSが艶然と笑んだ。冷たい少女の気配に妖しさが灯る。
スカートが全てまくりあげられる。下着はなかった。ふっくらとした恥丘に筋が一本。
ザフィーラの鋭い嗅覚はすでにそこから発せられる酸くも甘い匂いをかぎ取る。

「弄んでいただけますか?」

ひざまずくようにザフィーラがマテリアルSの股に顔を突っ込んだ。

「ん…」

柔らかく食むようにザフィーラがその口に恥丘を含む。甘くほぐすように歯が秘所全体を刺激してきた。
それから獣の舌が筋をなぞるように蠢く。

「お…い゛…ん…」

マテリアルSが零れる喘ぎを両手で止めようとする。スカートがふわりとザフィーラを包む込んだ。
狼の視界はほぼ闇黒。密着した今、問題なかった。
大陰唇から小陰唇へ、ザフィーラの舌は徐々に外から内へと犯してくる。
乱暴さはなく、限りなく優しい舐め方だった。むずがゆく痺れるような波がマテリアルSを何度も何度も震えさせる。

「ひ…ぃ……い゛い゛…あぁ……あ…ひ…ぁ」

必死で口を抑えるが嬌声は留まらず漏れていく。
ぬるり、と舌が濡れそぼる膣内へと侵入するに当たり、がくがくと足が笑って立っていられなくなった。
尻をがっしりと掴まれた。ザフィーラの手。固定された。それで自分の足で立たずに支えられたが、そこから舌が荒っぽくなる。
膣内を出たり入ったりするたび、マテリアルSは息が乱れてとろけてしまう。
ず、とザフィーラがわざと音を立てて愛液を嚥下する。

「はひ……ぁ…ん…」

舌が抜かれた。一息つく。
と、想った瞬間、強烈な快感。
陰核。ざらりと強めに舐められた。

19怒れる瞳:2010/01/29(金) 06:21:33 ID:bpiaAf1I
「んぎひいいいい…!」

何度も何度も、舌で転がされる。背をのけぞって反射的に逃げようとしたがザフィーラの手はマテリアルSを離さない。
固定されたまま女の弱い部分を執拗にねぶられる。足を閉じたり開いたりとばつくがザフィーラの動きに変化を与えられない。
こすられるように。つつかれるように。なでられるように。吸われて、弾かれ、充血した陰核が舌に蹂躙される。

「お゛お゛お゛お゛お゛ろ゛じで…! や゛め゛…! も、や゛め゛…! いぎいいいぃ!」

スカートごしにザフィーラの頭にしがみつく。涎もぬぐえず懇願するが一切舌は緩まらず陰核を左右から交互に舐め転がされる。
頭がおかしくなりそうなほど暗い夜が真っ白になる。そんな視界がさらにスパークする。
膣内に無骨で固い物が挿しこまれた。ザフィーラの指。一本だけ。
舌よりも滑らかさのない指はマテリアルSの膣内で引っかかる感触を残しながらゆっくり出し入れされる。
挿される。抜かれる。挿される。抜かれる。挿される。抜かれる。挿される。抜かれる。挿される。抜かれる。
ある所で挿された際、ざり、とかきまぜられた。意識が飛んだ。
痙攣と弛緩。陰核を甘噛みされた痛みで意識が戻る。

「な゛に゛!? い゛ま゛の゛な゛に゛!? い゛ま゛の゛や゛め゛て゛! い゛ま゛の゛や゛だ! や゛だ! や゛だぁぁ……!」

また指がマテリアルSの弱点をこすりあげる。同時に舌が陰核をしごきあげる。

「あ゛ーーーーー!! ぎーーーあ゛ーーーー!! うあ゛あ゛あ゛あ゛! い゛い゛ーーー!!」

涙を流しながらマテリアルSが悲鳴を上げる。気持ちいい。
夢のような浮遊感と痛みのような快感でマテリアルSは体の芯から指先まで張り詰める。
漂流者が灌木にしがみつくようにザフィーラの頭を抱きしめては、痙攣を繰り返した。
弛緩した体の各所からは汁が漏れ、涙や鼻水、涎で顔が汚れて小水が止まらない。
ザフィーラは顔面に小水を浴びる事になったが構わずマテリアルSの秘書を犯しぬく。

やがて、ザフィーラの顔が股から離れればマテリアルSはぐったりと地に寝転がって死んだようになる。
ひゅーひゅーと乱れた呼吸をしながら焦点の合わぬ目で夜空を見ていた。

「すでに貫通していたのか」
「……………じぶんで、やぶりました…」
「痛かったろうに」
「……あなたに……よろこんで…ほしかった」
「馬鹿者…」

マテリアルSの手が、ぴくりと動く。それだけで、自分を探していると察したザフィーラはその手を握ってやった。
涙や涎でくちゃくちゃになりながら色気と妖艶さばかりが際立つ顔に、ほんの少しだけ安らかさが滲む。

「……いれてください」
「もう少し休め」
「…あなたがほしい……」
「………分かった」

まるでとどめをさしてくれ、と言っているようだった。ザフィーラに屈服したいと言っている。
マテリアルSを、抱き上げた。

その時。

「大丈夫ですか! 誰かいませんか!」
「「あ」」

マテリアルSの悲鳴を聞きつけ、修行中の高町家の父兄姉が駆け付けた。
びしりと五人が固まった。
幼女に性的な暴行加えたマッチョを補足した古流武術家たちの図でしか説明はつくまい。
しかもその幼女が可愛い可愛い末っ子の姿形で、マッチョは友人宅のペットである。すでにリンディより魔法の存在を明かされた高町家が、ザフィーラやアルフの紹介をきちんと受けていたのが運のつき。

まず父親が抜刀した。それを皮切りに、弟子ふたりも各々得物を夜の空気にさらす。

「……………………待て、話せば 「「「分かるか!!!」」」

後日ザフィーラは「人間の動きじゃなかった」と語った。

20タピオカ:2010/01/29(金) 06:23:04 ID:bpiaAf1I
そしてマテリアルDはホームレス

お邪魔しました

21名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 07:02:27 ID:3LnJjFLE
>>8
シロクジラ氏…なんて話を投下してるんだい!?
「しょうもない話」以上にしょうもないぜ(ほめ言葉)

22イクスピアリ:2010/01/29(金) 07:23:28 ID:WkIvsa/.
タピオカ氏GJ!!

マテリアル組可愛いなぁ
さすが星光
殲滅者らしくザッフィーを(社会的に)殲滅しちゃった(笑)


んで雷刃なにしてんの!?
というかあの服で近所にいたのか!?




闇王ホームレスで吹いた

23名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 11:49:01 ID:avxoJ9uQ
なんという投下ラッシュ
映画効果凄まじいな

24名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 19:26:46 ID:N/YtZ3aM
>>20
マテリアル娘エロ一番槍GJ!

>あー、本当は抱きたくないけど街の人たちのためだ!
ちっとも嫌がってるように見えねえw

>>23
映画効果というよりゲーム効果だろ。
映画は出来はいいけど一期の焼き直しだから燃料にはならんような。
ゲームはマテリアル娘という期待の新キャラ来たし。

25名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 19:56:33 ID:D5kL4WaI
そういえば士郎パパンとザッフィーって中の人が同じだったか

26名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 20:26:21 ID:4giHCzEM
ゲームは知らんけど、マテリアルタソというのはそんなに可愛いのかハァハァ

27名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 20:46:11 ID:j3Kou6h2
アホの子可愛いよと思っていたら星光ちゃんがこんなにも可愛いとは!

中の人的にザッフィー=士郎パパン=初代なのはことなのちゃんの旦那さん
つまり……

28名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 21:12:42 ID:FTkT86Zo
>>20
タピオカ氏GJです!!勿論本番につづきますよね?!

29名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 21:26:09 ID:zvKaczyw
>>27
意義あり! なのちゃんの旦那はクロノ(ハーヴェイ)で士郎さんは関係なくね?
中の人的にザッフィー×桃子さんならわからんくもないが

30名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 21:38:47 ID:j3Kou6h2
ザッフィーの中の人は、なのちゃんの中の人ぺー姉さんこと北都南さんの旦那さん……

31名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 22:08:33 ID:zvKaczyw
ああ、そうなのか。ごめん、理解した

32名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 22:20:38 ID:z.2bGoM.
ソープナンバーズの姉妹編として、
ソープマテリアルが必要かもしれんな。

33名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 22:55:31 ID:9n3ZUBwI
いや、ここはキャラ色を全開でいこう。
ソープナンバーズ、ヘルス六課(流行らなかったが)の次はデートクラブマテリアルというのはどうだw

34名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 23:09:06 ID:iA69E5pU
もうラブマテリアルでいいよ

35名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 23:31:41 ID:bpiaAf1I
でもマテリアル三人だからなぁ
しかもガキ

子供の頃の夏休み海鳴に遊びに来た男の子
遊んでると良く知らない場所に出てしまう
そんな時ふらりと現れたショートカットの黒い女の子
一緒に遊んで日が暮れて、気付けば女の子がいなくなってしまう
そんな事が次の夏休みも、その次の夏休みも
年月が経つけれども女の子は姿かたちが変わらない
どうして、と聞くとマテリアルだからと返事された
それから女の子には会っていない
的なちょっぴり不思議な物語でも

36名無しさん@魔法少女:2010/01/29(金) 23:37:56 ID:z.2bGoM.
>>35
さあ、執筆に戻るんだ。

37名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 00:14:02 ID:HkF.HBEg
まだゲームを買ってないから、妄想が膨らむな。
>>35みたいなのも良いし、原作キャラとほのぼのしたりドタバタギャグしたりするのも良い。
なのは達がミッドに移住した後、ロストロギアから海鳴を守るなんて展開もできそうだ。

個人的には、ゆりかご事件でピンチの時に駆けつけてくれたりすると嬉しい。
ヴィータを助けるためにはやてと指揮官を変わる闇王、スカのバインドを切り捨ててフェイトを助ける雷刃、
なのはがクアを見つける時間を稼ぐためにヴィヴィオと殺し合う星光。

星光「時間を稼ぐのは構いませんが、別にアレ(聖王)を倒してしまっても構わないでしょう?」
なのは「全力でNOなの!」
ヴィ「マ、ママたち喧嘩は止めて………………」

あれ、何か違う?

38名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 01:00:06 ID:ujmmESUM
ティアナ撃墜を見て「貴女こそ星光の殲滅者、その称号を持つにふさわしい」とだなw

39Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/01/30(土) 01:37:15 ID:yAvmG.v6
>シロクジラ氏
もうユーノは登場キャラ全員の嫁でいいよ。
ふたなりなら仕方ない。

>タピオカ氏
マテリアルエロ可愛いな! エロ可愛いな!
乱れっぷりもグッジョブですぜ旦那。

さてさて……投下してもよろしいですかな?

40Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/01/30(土) 01:51:27 ID:yAvmG.v6
OK10分書き込みないね? いっちゃうよ? イっちゃうよ!?

・A's直後くらい。アリサ徹底凌辱、もちろんR18です。
・NTR&激鬱なので耐性がない人は注意。
・気分が悪くなった時のためにビニール袋の用意を。
・原作分かる人へ:ローウェルより酷いです。

自分で言うのもナンだけど、「鏡の中の狂宴」より過激です。
ヤバいと思ったらすぐに回れ右して下さい。
では、始まります。

41アリサイタダイタヨ 1/11:2010/01/30(土) 01:52:14 ID:yAvmG.v6
──Welcome to EDEN.
Here is the world warping common-senses, ethics, and moralities.
You would be able to feel how ambiguous the definition of saying "Paradise".
It is "astonishment" to know all.──

「すずか……?」
少女が最初に見たのは、真っ白な天井だった。
その次が、親の顔。この世の終りみたいな顔をしていて、
それと喜びが複雑に入り混じって、混乱に包まれた顔をしている。
やがて意識が夢から現つに向かうにつれ、下腹部と内股に鈍い痛みが走った。
さっきまで麻痺していたのが、急に復活したような、打撲と裂傷とを併せた激痛に変わっていく。
少女は、どうして親がさめざめと泣いているのか、
さっきまで一緒だった――気がする――親友がいないのか、訝しがった。
ぼーっとしたまま、しばらくベッドに寝続ける。
知らないベッドだったが、やがて医者が来て診察をしていったところから考えて、病院なんだろうと考えた。
頭ははっきりしているが、何か凄く大切な、しかも直近の記憶を忘れている。明らかに、記憶喪失のそれだった。
やがて夕方になり、夢の終りで呟いた通りの親友が病室に駆け込んできた。
せっかくの顔がぐしゃぐしゃになるほど泣きじゃくっていて、父といい、一体何事なのかと思った。
「ごめんなさい、ごめんなさい……アリサちゃん、もっと、私が、気を付けていれば……
どうしてあの時、もっと素直になれなかったんだろう……
許してなんて、言わない……殺すなら殺して……ごめんなさい……」

殺すだなんて、物騒な。そんな気違いじみた――
「あっ……」
少女の、およそストレスでばらばらになり艶の失われた髪と、懺悔にも近い声、
そして何より、哀しみの涙が自分自身に重なって、
「うっ……ぷふっ……おぇっ、うぇぇっ、げぇっ……」
シーツに大量の胃液と胆汁をぶち撒けた。何も食べていないから、液体しか出てこない。
ナースコールで看護婦が飛んでくるまで、いつまでもそこで吐き続けた。
誰が背中をさすってくれているのか、それさえも混濁した意識の中では分からない。
アリサ・バニングスは思い出した――自分が汚れてしまったことに。
「いやっ……いや、いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

***

「ねえ、すずか。インターネットの噂、知ってる?」
「え?」
アリサは不意に聞いた。
なのはとすずか、それからフェイトやはやてといういつものメンバーで弁当をつついていた時のこと。
「何を?」
主語が抜けて首を傾げているすずかに、アリサは続ける。
それは、肌寒く乾いた冷たい風が吹く季節に、いささか不釣り合いな話。
「都市伝説なんだけどね、『インターネットで人を呪う』って話」
真っ先に震えだしたのはなのはだった。顔は笑っているが、同じくらい膝も笑っている。
深呼吸を一つおいて、アリサはおどろおどろしく話し始めた。
「詳しいことはあたしにも分からないんだけどね、こんな噂が出回ってるのよ」
白の映える肌で幽霊の手真似をすると、いかにも本物らしくて、
なのはは引きつった笑いを浮かべながら、ぷいと横を向いた。
できれば鮮血に染った紅いワンピースとかがあれば、もっと雰囲気が出たかも知れない。が、ないものねだりはいけない。
コホンと大げさに咳払いをして、都市伝説の内容を語る。

42アリサイタダイタヨ 2/11:2010/01/30(土) 01:52:48 ID:yAvmG.v6
『1.検索エンジンでは出てこない。
2.そのサイトは聖書の名前。
3.そこを見たら人生が終わる』
はやては「そんなもんあらへん、ある訳ないやんか」とカラカラ笑い、
すずかは少しばかり神妙な顔になって黙り込み、そしてフェイトは涙目のなのはをずっと介抱していた。
「あ、なのはゴメン。少しおどかしすぎちゃった?」
一旦話は打ち切られ、全員がまた弁当に箸を戻した。
何故か、フェイトだけは「アリサ、ありがとう」とお礼を言われた。

放課後、帰る前に校庭で、アリサとすずかはその片隅でブランコを漕いでいた。
太陽は少しずつ長くなっていくものの、まだまだ日は短い。
夕方の淡く紅い光が、二人の顔を照らしていた。
「ねぇ、アリサちゃん」
ブランコを力強く前に出しながら、すずかが呟く。
軽く聞き返しながら、アリサも足に力を込めた。
「あの話、私も聞いたことあるよ。でも興味本位で調べると何か悪いことが起きる気がしたから、結局見なかったけど」
アリサの心臓が、不可思議に跳ねた。
すずかはこう、野性の勘というか、いろんなものを察知する力が強い。
苦笑いを浮かべて、アリサは答える。
「いや、あたしの場合は探しても見つからなかっただけなんだけどね、ハハハ……」
よっ、とブランコから飛び上がり、足を一歩出しつつも着地する。
一方すずかは、それを見て思い切り漕ぎ、立ち上がったかと思うとジャンプして、クルリと一回転してから綺麗に着地した。
間違いなく、大会なら10点満点だ。
「や、やるわね……」
笑顔でVサインを浮かべる親友の姿に、アリサの心臓はドキリとまた跳ねた。

教室に戻ると、誰かが開け放した窓から風が吹き込んできて、アリサのスカートをはためかせた。
竿から落ちかけている雑巾を横目で流しながら、自分の机に行って鞄を取り上げ……また風が吹いた。
「あっ……!!」
目に何か入り、少し慌てたせいで、身体のバランスを崩した。
世界が見えないせいで上体の戻し方が分からず、また鞄を掴んだ手が何故か離れず、
そして身体を捻っても重心が戻らなくて、アリサは思い切り顔から床へと突っ込んでいった。

柔らかい。
最初にアリサが感じたのは、布地の心地よい触りと、ラベンダーのような鼻をくすぐる香り。
いつまでもこうしていたい、そんな思いは、その布地がもぞもぞと動き出したことで掻き消えた。
どうやら、すずかの身体だったようだ。恥ずかしさに顔が紅潮すると同時に、巻き込んでしまって申し訳なく思う。
まだ、目に入ったゴミが取れない。
立ち上がろうと、手探りで床に手をつけようとあちこちをぺたぺたやっていたら、
さっきよりももっと柔らかい部分に触れた。感触から考えて、ブラは着けていない。
時が止まり、心臓の鼓動がより強くなった。
トク、トク、トク。意識が脈動する血流に集まって、頭に靄がかかる。
「あの、アリサちゃん……」
すずかの声は、戸惑いというよりも、湿り気を帯びたそれだった。
そう信じたかった、と言えばそう聞こえるかもしれない。
けれど、アリサは、この風の悪戯が何かの引き金ではないのかと、
赤い糸が縒り合わされて一つになるのではないのかと、そんな幻想が頭を掠めた。
その時ふっと、すずかの手が頬に当たった。

43アリサイタダイタヨ 3/11:2010/01/30(土) 01:53:45 ID:yAvmG.v6
「アリサちゃん、目にゴミが入ったんでしょ? どっちの目?」
「ひ、左……」
「じゃ、アリサちゃんそのまま頭下げて」
何事が始まるのかと思いきや、頬を撫でていた指先が上下の目蓋を捉えた。
言われた通りにすると、そのまま押し開かれ、すずかの唇が迫ってきた。
「ちょ、すずか、アンタ何やって……」
「動かないで、アリサちゃん」
その一言でぴたりと静止し、すずかを見守る。
――ぺろ。
「わひゃぁっ!?」
本気でびっくりしたのには責められるべきではないと思う。
取れたゴミをテイッシュに吐き出している間、アリサは呆然として親友の姿を見つめていた。
「あ、ありがとう」
「ううん、どういたしまして」
「ところで今の……何? 月村家ではよくあることなの?」
すずかへのモヤモヤした気持ちよりも、驚きが勝っている。
本人は疑問をあらわにして、首を縦に振った。
「うちではやるんだけど、うーん、変だった?」
「え、あ、いや、そんなことないわよ?」
言い切られてしまった。だが、それも仕方ない。
心が沈静に向かうのかと思いきや、冷静になればなるほど、先程の熱が勢いを取り戻してきた。
最初に出会った時から、ゆっくりと何年もかけて染み渡ってきた恋慕と愛情が、今顔に出てきた。

世界から音が消えた。二人、見つめ合って、すずか以外の全てが目に入らなくなる。
顔が真っ赤になっているのが、自分で分かる。
息も上がってくるのを必死に堪えているのに、身体も心も言うことを聞いてくれない。
「あ、あのさ、すずか。あたし、すずかに言いたいことがあるんだけど……」
おずおずと、アリサから切り出す。
口から心臓が飛び出してきそうなほど緊張が高まって、粘膜が残らずカラカラに乾いた。
「う、うん。実は、私もなんだけど……、同じことだと、いいね」
鼓動が早すぎる。破裂しそうだ。
高鳴る緊張を押さえようと、軽く足を振ったが、それがまたもつれかけて一歩を踏み出してしまった。
すずかの顔が目の前にある。今まででこんなに意識してすずかの顔を見たのは、初めてではないか?
長くサラサラで、綺麗な髪。丸く済んだ、深い色の瞳。紅く染まった頬。柔らかそうな唇。
それらの何もかもが愛しくて、思わず押し倒したくなる衝動が襲ってきた。
が、鋼の精神で耐え抜く。いつまで持つか分からない張り詰めた時間の中で、すずかはそっと目を閉じた。
ごくりと生唾を飲み込んだアリサは、その小さく突き出された唇へと、自らの口を寄せ――

「わぁーっ!!」
突然轟いてきた叫びに、二人はパッと身体を離した。
ぜぇぜぇと肩で息をして、叫びの聞こえてきた方向を見る。
はっきりと耳に響いた辺り、教室の中としか考えられなかった。
「フェイト、こんなとこで何やってんのよ?」
ものの見事に引っくり返って顔面スライディングを決め込んだフェイトがいた。
スカートも、これまた見事にめくれて真っ白なショーツが曝け出されている。
「ふぇ? あ、アリサ。教室に忘れ物しちゃって、それで取りに戻ったら……」
「……はぁ。取り敢えずアンタ、パンツ見えてるわよ」
「え、え!?」

44アリサイタダイタヨ 4/11:2010/01/30(土) 01:54:27 ID:yAvmG.v6
教室の入り口に、風で落ちた雑巾が転がっていた。さっきギリギリで引っ掛かっていたものだろう。
フェイトが気付かずにそれを踏ん付けてしまったのは、火を見るよりも明らかだった。
立ち上がって埃を払い、しきりに後ろを気にするフェイト。
「あたしたち以外誰もいないわよ、安心しなさい」
男子に見られたのではないかと心配しているのかと思いきや、全然違った。
というかもう、斜め上の発想をご教授頂いた。
「いや、なのはいなかったなぁ、って」
「ああ、そう……」
これはアレだ、なのはに痴漢プレイされたら凄いことになるタイプだ。
頭が痛くなったアリサはフェイトに別れを告げると、いつの間にやら落としていた鞄を拾って教室を出た。
すずかは恥ずかしそうに、後ろからぴょこぴょこ着いてきた。

「あー、えっと、あの、すずか?」
「……何?」
ワンテンポ遅れて、すずかが聞き返す。もう、二人の家路には別れ道だった。
落ち着くのよ、アリさ・バニングス。クールになれ、素数を数えるの。
でも2からじゃすぐ終るわね、じゃあ1000から行きましょう。1009、1013、1019、1021、1031……
うん、大丈夫。よし、言おう。言おう──
「あ、あたしたちってさ、『親友』よね?」
一瞬、すずかの顔に陰りが差したのを、アリサは見逃さなかった。
ただ、自分自身の顔がすずか以上に陰っているなどとは、悲しいかな、気付くことはなかった。
「そう、だね。親友。誰よりも大好きな、『友達』」
ちくちくと、針がどこからか刺さる。何本も何本も、アリサに傷をつけようと続ける。
その正体は分かり切っていたのに、今更どうすることもできなかった。
涙が出そうになるのを堪え、アリサは精一杯の笑いを見せた。
「改めて……てのも変だけど、これからもよろしくね、すずか」
「うん! よろしくね、アリサちゃん」
互いに握手を交わして、二人は別れた。
道すがら、アリサは誰にも聞こえないように、ぽつりと呟いた。
「すすがに、二つも嘘ついちゃったな……」
家に帰り、部屋に戻ってパソコンを立ち上げると、数日前に見つけたホームページにアクセスした。
その末尾は、どこの国かも分からない、不思議な場所だった。
トップページには、ヨハネの黙示録を引用した文章に、テキストボックスがぽつんと一つ。
「メンバー以外はguestと入れて下さい」と書かれていたから何度か入力してみたものの、
『ただ今調整中』とか何とか、いつまで経っても復旧の目処が立たない。
「『EDEN』……聖書の名前とはちょっと違うけど、間違いなくここよね」
呪われたサイトと目される場所を見つけたが、特に面白いものなどなかった。
以前、どこぞのサイトで午前零時に殺したい人の名前を書くと実際に地獄へ送ってくれるというのもあったが、
結局最後まで身近な人間に見つけた者はいなかった。
大体、だ。魔法なら目と鼻の先に何人もいるが、
インターネットという科学の結晶から呪いという非科学的な代物など、土台出てくる訳がない。
アリサはあっけない結末に嘆息し、電源を落としてベッドに転がった。
すると、さっきの一瞬といい、この都市伝説といい、すずかに嘘を吐いたという悲しい事実が胸を貫いた。
後者はまだいい。何となく、すずかの勘が胸に響いて、言い出せなくなってしまっただけだ。
問題は……大好きな人に、想いを伝えられなかったこと。好きな人に、好きだと言えなかった……
あの時、すずかも何かを言おうとしていた。「同じことだといいね」と。
もし、本当に、同じことだったとしたら、世界中の神様に感謝できるだろう。
もしそうじゃなかったとしたら、一方的に好意を寄せているだけで、すずかは誰か他の人が好きだったのだとしたら……

45アリサイタダイタヨ 5/11:2010/01/30(土) 01:55:23 ID:yAvmG.v6
脳裏にネガティヴな妄想ばかりが広がって、涙が出てくる。
枕に顔を埋めて、声を潜めて泣いていたら、鮫島が食事の用意を終えたらしく、起こしに来た。
涙を拭って立ち上がると、「今行くから、先に行ってて」と言い残し、顔を洗いに洗面所へと向かった。

***

次の日は曇り。ぐずぐずで、雨が降りそうで降らなくて、降るならさっさと降れと叫びたくなるような空だった。
すずかへどんな顔をしたらいいか分からず、かといって日常を崩す訳にもいかず、今日も今日とて学校で過ごした。
意図的に目を合わせなかったし、話しかけもしなかった。
向こうも特段話す要件はないのか、何も話しかけてこなかった。
ヤマアラシのジレンマ──本当はもっと近くにいたいのに、もっと触れ合いたいのに、それができない。
もどかしさに壁を殴りつけたくなるような衝動を押さえて、放課後を待った。
帰りのホームルームが終るなり鞄を取って、下駄箱にダッシュする。
靴を履き替えると、もう誰とも会話をしたくなくなった。
明日の、土曜日の朝に帰ってくると電話してくれた父にも、きっと校門前で待っていてくれるだろう鮫島にも。
「ああ、鮫島? 悪いんだけど、あたし急用ができちゃったから。先に帰ってて。うん、うん、気をつけるね。それじゃ」
携帯で執事に電話をすると、くるりと校舎裏の方へ走っていった。
普段まったく使わない裏道を使って、なるべく遅く、遠くまで寄り道をして帰ろうと思った。
その間に思考を整理して、すずかへの秘めた想いをどうするべきか、結論をつけるのだ。
……それが悲劇の始まりだった。
「んっ!?」
校門を出て右に曲がった直後、後ろから誰かの手が伸びてきて、ハンカチで口を塞がれた。
それはあまりにも突然のことで、抵抗するとか、悲鳴を上げるとか、そんなことの前に、まず頭が硬直した。
相手が何もしない。刺激しないようにゆっくり息を吸うと、急に眠気が襲ってきた。
「何よ……これっ……」
意識にシャッターが降りるのは早かった。身体に力が入らず、アリサはいつの間にか眠っていた。

次に目が覚めた時、最初に感じたのは視覚の異変だった。
目が見えない。どうやら、アイマスクをさせられているようだ。
耳にはヘッドフォンが掛かっている。だが、そこからは何の音も聞こえてこない。
その代り、ドアの向こうと呼べる空間で、何かの機械が鈍い駆動音を立てていた。
身体も変だ。フローリングに転がっているようで、変な姿勢が続いていたためか、節々が痛い。
極めつけは、後ろ手に嵌められた手錠だ。ガチャガチャと動かしてみるが、一向に外れない。
誰かの話し声が聞こえる。怒鳴りつけると、彼だか彼女だか、一人がアリサの前に来たようだ。
「ちょっと、これ何よ! 身代金ならパパが払うから、さっさと離しなさいよ!!」
実は一度、似たような理由で連れ去られたことがあった。
その時は、手荒なことは何もされず、身代金が支払われるなりさっさと解放されて、それっきりだった。
犯人は捕まっていないが、ビジネスの誘拐というのは本当にあるのだと、身を以って知った一件だった。
だが、目の前にいるらしい人物は何も言わない。その代り、ジジジ……と金属の噛み合う音が聞こえた。
ジャケットでも脱いでいるのかと思ったが、次の瞬間、ヘッドフォンに強烈で鋭い声が響いた。
よくあるボイスチェンジャーの、くぐもった男声だ。
「歯を立てたら殺す」
刹那、何かゴロゴロとしたものが口に入ってきた。臭くて、苦くて、熱くて、アリサは急に吐き気を覚えて咽せこんだ。
だが、何者かはアリサの頭をがっちりと抑えつけ、苦しそうにもがき、
えずきに喘ぐのも構わず、乱暴にその棒を口の奥へと挿し込まれていく。
グニグニした、気持ち悪い弾性。しかもそれは口内で膨張し、ますます呼吸が苦しくなる。
『これ、まさか、男の人の……』
気付いた時には、もう何もかも遅かった。

46アリサイタダイタヨ 6/11:2010/01/30(土) 01:55:53 ID:yAvmG.v6
突き出たエラ、勃起したことで後退した皮、脈を打つ肉竿、裏側に張っている筋。
そして何より、最悪の臭気を放っている、ペースト状の何か。
汚れたモノを口の奥に入れられたことで、一度目とは比べものにならない吐き気が襲ってきた。
胃の中がぐるぐると蠢いて、中身を全部ぶちまけたいと警告している。
慣れか何か、一瞬吐き気が引いた――が、同時に血の気も猛烈な勢いで引いていった。
脳に血が回らなくなり、急性の貧血がアリサの気を遠くする。
気付いてはいけない事実に気付いてしまった。
唇が、舌が、歯が、粘膜が、喉が、ヘドロを口に突っ込まされた時よりも暗く燃え上がった。
……すずかとのファーストキスだって、まだだったのに。
それなのに、こんな気持ち悪い、汚れた肉塊に、『はじめて』を奪われるなんて……

少女の心はあっけなく真っ二つに折れた。がくりと意識にシャッターが降りた拍子に、口が閉じる。
「ってぇ!」
男の絶叫が耳に届き、続いて頬に強烈な打撃。
白く熱いスパークが散って、頭が鋭く痛む。熱の感覚は白い肌にも一閃走り、更に鋭い痛みが走る。
腕にカッターナイフが当てられたと知ったのは、彼らの会話からだけだった。
誰かが耳元にやって来て、ぼそりと呟く。ドスの利いた、静かでしかし怒らせたら最後の緊張を孕んでいる。
ボイスチェンジャーを使ったら却ってその凄味が消えてしまいそうな、怒気を含むいらついた声。
「次はない。覚えておいた方が身の為だぞ」
アリサの身体は竦み上がった。原始的な恐怖に縮んだ胃が悲鳴を上げる。
口に容赦なく殴り込まれてくる、見たこともない男の肉棒。それどころか、まだ顔すらも分からない。
暴力的な抽送は和らいだものの、その代わりアリサに求めるものがあるような動きだった。
視界を閉ざされたが故に、その微妙な意図を掴み取れた。最悪を通り越して声も出ない。
舌を出して、つるつるとした亀頭を舐める。
おぞましい臭気が口の中いっぱいに広がり、我慢できない。だが……次はない。
ヘッドフォン越しに聞こえてきた、本気そのものの声は、アリサの勇気を挫けさせるのには十分だった。
ぺろぺろと舐め続けるその頭上で、男が舌打ちをするのが聞こえた。
手を拘束された状態では立ち上がることもできず、仔犬がミルクをぴちゃぴちゃぺちゃ舐めるかのように、
惨めな格好で男の怒張に奉仕する。
「もっと口を使え。吸ったり、扱いたりするんだ」
無機質な変質音が耳を駆け抜け、アリサは一心不乱になって肉棒に愛撫を加えた。
大丈夫。すぐに解放してくれる。根拠のない希望に縋ることしかできないが、それでも失いたくなかった。
同時に、身を引き裂く後悔が精神を蝕んでいく。
あの時、雑巾一枚を気に掛けていたら、すずかに『親友』だなんて言わなかったら。
そして、まっすぐ鮫島のところに帰っていたら……
甘い妄想が、意識を侵した。すずかと初めてのキスを交わして、裸になって、一番大事な純潔を捧げて、
すずかの恥ずかしいところに口づけたり、舐めたり、じろじろ見てやったり……
キスの嵐は唇だけではない。
甘酸っぱい首筋にも、まだまだ平らな胸にも、その頂きの蕾にも、背中にも、太ももにも、すずかの総てを愛したい。
顔を真っ赤にしたすずかが「やめて」なんて弱々しい声を上げても、許してあげないのだ。
ぐちゃぐちゃになるまで互いに蕩けあって、翠屋のケーキよりも甘いひと時を味わうのだ。
そう、すずかの秘所から溢れ出る、禁断のスープさえも。

――それが、どうだ。
「んむっ、んんーっ、んっ!」
すずかの蜜どころか、好きでもない男のペニスをくわえさせられている。
一番に好きな人、誰よりも大好きな女の子、総てを愛したい少女に捧げたかったファーストキスは、無惨にも奪われてしまった。
しかも、それに絶望する時間さえ与えられてはいない。
何もかもが狂った歯車は軋みに悲鳴を上げ、口内は汚辱で嗚咽を漏らしそうになる。
赤子がミルクを飲むかのように、ちゅうちゅうと先端の鈴口を吸う。
命令されるがままに、唇を窄めて前後にストロークし、肉竿に刺激を与える。
その先に待っているのが何なのかを知るのは、まさにその直後だった。
まさか、この後、この肉棒からは……

47アリサイタダイタヨ 7/11:2010/01/30(土) 01:56:41 ID:yAvmG.v6
「そろそろ出すぞ。絶対に吐き出すなよ」
脈動を打ち始めた怒張に、アリサは底無き恐怖の沼へと引き込まれた。
視界なんて最初から閉ざされているはずなのに、ぎゅっと目を瞑って耐える。
じゅぷじゅぷ、じゅるじゅる。粘液が音を立て、唇にまとわり付いた後、顎へと伝っていく。
今までになく強い吐き気を催す臭液が、先端から零れ落ちてきた。
息が苦しくて思わず飲み下してしまったが、その時に感じた
アンモニアか何かを直接胃に流し込まれたかのように強烈な臭いが、アリサの鼻を強かに打った。
「ふーっ、ふーっ、ふーっ……」
口の中に収まりきらず、かといって飲みたくもない先走りの粘液を、少しずつ喉の奥へと押し込まれていった。
肉棒が何度も舌の粘膜を擦って、その度に男が愉悦の声を漏らす。
一際大きく膨れ上がったのを感じたが、吐き出すことも、噛み切ることもかなわない。
身体のどこにも力が入らなくて、閉ざされた視界の先にある、
グロテスクな代物にまつわる様々な妄想が脳髄へと突き刺さる。
未来に待つ黒々としたビジョンが、次から次へと泡沫のように浮かんでは消える。
果てのない後悔が終る時を待ち侘びて、しかしそれは叶わなかった。
一瞬、喉まで押し広げんとしていた肉棒が引かれた。
安心するのも束の間、亀頭が膨らんだかと思うと……爆ぜた。
「んぐっ、んんっ、んんー!!」
突如として、耐えられないほどの臭気を帯びた樹液が鈴口から噴火し、口の中に流れ込んできた。
今一度、全てを強調するように、男は言った。
『吐き出すな。飲み込むな。口の中に溜めろ』
舌先に打ち付けられる、どろどろに煮えたぎる灼熱の粘液。信じられない苦みに、有り得ない生臭さ。
汚された。穢された。
口内に注ぎ込まれていくのは、紛うことなく、精液だ。
大好きな人と交わすはずだった神聖な誓いは、粉々に砕け散った。
今更になって、絶望が身体に、精神に、そして口腔に染み渡ってきた。
不味さを極めた気持ち悪い粘液を、舌の届かぬ所に押し込む。
やがて、怒張が萎え始め、少し残った精液がダマになって鈴口に滴り、
男はそれをアリサの舌に擦り付けると、肉棒を口から引き抜いていった。
ちゅぽん。水温と共に、唇へとまた白濁まみれの肉竿を押しつけられる。
……気の遠くなりそうな凌辱がようやく終った。
後はもうこれだけと、安堵に一瞬の安心を見せると、変質された警告の声が耳に届いた。
「まだ飲み込むな。口の中に溜めていろ。そのまま、舌で掻き回せ」
アリサは我が耳を疑った。こんなものを口に入れたまま、地獄の時を徒に長引かせようというのか。
躊躇っていると、首筋に冷たいものが宛われた。
何かがおかしいと、口を真一文字に閉じて正解だった。
バチッと、電気の走る音がした。
「んんんんんーっ!!」
冷たいものはスタンガンだった。出力はきっと最低だろう、何か不都合なことがある度、電圧を上げてくるに違いない。
アリサは諦めて、口の中で汚汁を転がし始めた。くちゅくちゅと、顎や頬の骨から精を掻き回す嫌な音が鼓膜に届く。
舌全体に、白濁が馴染んできた。本当なら、最初にアリサの口に入るのはすずかの唾液だったはず……
なのに、『はじめて』が何でこんな、汚い精液なの……?
こんな夢みたいな誘拐をされて、大事な、大切なものを奪っていかれてしまった。
『もういいぞ。顔を上げて、口を開けろ』

48アリサイタダイタヨ 8/11:2010/01/30(土) 01:58:16 ID:yAvmG.v6
たっぷり一分も経っただろうか、命令が無慈悲に届く。
鼻から抜けていく、本当なら今すぐ吐き出してしまいそうな臭い。
アリサはふるふる震えながら、命令を忠実に実行した。
地べたに這いつくばった、今までになく屈辱的な格好で、顔を上げる。
『そうだ、それでいい』
口を開くと、シャッターが切られる音がこれでもかと露骨に響いた。
顔の青ざめる心地がしたが、彼らはそれでも止めてくれない。
『お前の口に溜まってるものが何なのか、答えてみろ』
「そ……そんな……」
『嫌なら別に構わないが』
バチッ!
「ぎゃあああああああっ!!」
白濁を零さないように、という意識が真っ先に働いた。続いて、頭を抉る痛みと混沌。
意識がリセットされてしまったようで、ぐるぐると不定形の白いアメーバがゆっくりと目の奥で這い回る。
『もう一度聞く。それは何だ?』
恐怖に張り付けられ、身動きが取れなくなったアリサは、やがてぽつりと答えた。
なるべくなら一生言いたくなかった単語だが、言わざるを得ない。
「せ……精液、です」
『聞こえないな?』
「せっ、精液です!!」
『説明してみろ。それは何をした時に、どうやって出てきた?』
アリサは、やたら無意味な脅迫に思えて仕方がなかった。こんなことをして、一体何になるのだろう。
が、今はそんなことは関係ない。
今はただ、従わねばならぬという従順な恐慌によってのみ縛り付けられている。
命令に忠実であれば、少なくとも痛いことは何もされないのだ。
「お、おちんちんを舐めたら、先端から、ぴゅって出て、来ました」
溢れた涙を拭うこともできず、アイマスクの生地に吸い込まれていった。
三回も四回も、カメラに痴態を収められると、また命令が下った。
「飲んでいいぞ」
まるでおねだりをしていたところを許可してやったかのような、人を小馬鹿にした言い方。
でも、その「許可」に逆らったら何が起こるか分からない。
火花の散る音がした。すぐ近くでスタンガンが鳴っているのだ。
アリサは覚悟を決めると、汚濁をもう一度口の奥に押し込み、できるだけ早く嚥下した。
胃液が逆流してきそうだったが、ギリギリのところで耐え抜く。
ようやく終った――アリサがそう思ったのも、無理はない。
おもむろに、尻へと手が伸びてきた。
着やすく動きやすい冬制服の厚い生地を、無骨な手が撫で回す。
貞操の危機を感じたアリサは狂乱に叫びを上げたが、
更に出力を上げたスタンガンの一撃で、またも床に身体を投げ出した。
「やめっ、やめてぇっ、お願い、何でもするからぁ……助けてぇ……」
必死の懇願は、自然と哀れみを誘う声になったが、今度は男たちは無言になった。
スタンガンや鉄拳どころか、うんともすんとも言わない。
「……っねえ! お願い! 誰か答えて!! 助けて、何でもするから、助けてよぉ……すずかぁ……」
口に残っていた白濁が、唇を伝って顎まで垂れる。また一つ、身体が汚れてしまった。
尻を撫でていた手は一人から二人へ、二人から三人へ、更には胸にも、足にも、次々に手が伸びてくる。
「い……いやぁっ、許してっ、あたしが何をしたっていうの……? お願い、止めてぇっ」

49アリサイタダイタヨ 9/11:2010/01/30(土) 01:59:02 ID:yAvmG.v6
何度も愛する人の名前を呟きながら、アリサは涙を流した。
痛みも感じない、悲しみも感じない。感じているのに、それを誰か別のものだと頭が訴えている。
男の強欲、暴虐の支配に身を委ねることしか、できない。
心臓の鼓動が、ゆっくりと閉じていく。音が小さくなって、脈が少なくなっていく。
心の星が一つずつ消えていって、籠に閉じ込められた小鳥が長い間空を見上げるように、真四角の夜空が遠くなる。
身体が冷えてきた。寒い。寒い。温かいものが欲しい。温かいベッドが欲しい。温かい人が欲しい。
仮初の慰めすら与えられない今、閉ざされた視界の向こうで、すずかが微笑んでいるような気がした。
今、そっちに行くから。もう少しだけ待ってて……

ぴくり。
「え、ま、まさか……ちょ、ちょっと待って、お願い、待ってぇ!!」
肉棒の動きが変わって、アリサは嫌な予感を全身に走らせた。
ついさっき、口の中で感じた、射精の前兆。
他の人より少しだけ早いけど、生理は来た。つまり、それは。
「いや、いやぁ……赤ちゃん、できちゃうから……やめて、出さないで、お願い、お願いします……」
いつもの気概は微塵もない。弱々しい懇願が聞き入れられる僅かな可能性に縋って、アリサは憐れみを誘う声を出した。
だが時には、願いも、祈りも、どんな声もがもう届かないということを、すぐに身体で思い知った。
死人に鞭を打つような、激しい抽送。最後に止めの一発とばかり最奥の奥まで怒張が差し込まれると、膨らんで爆発した。
熔けたマグマが子宮に叩き込まれる感覚。中出しされたのだと実感したのは、男の射精が終ってからだった。
「あ……いや、中は……中だけはいやぁ……お願い、抜いて、抜いて下さい……」
枯れきった声を上げても、示し合わせたように誰一人喋ってくれない。
肉棒が引き抜かれて、およそ考え得るありとあらゆる凌辱と悲劇が終った。
口を犯され、秘部を犯され、そしてそのどちらにも、情け容赦のない口内射精、膣内射精。
叶わない願いが、届かない祈りが、いつまでも脳髄を駆け巡って消えやしない。
こんなはずではなかったと後悔を重ねても、全てがもう遅い。
後には戻れない。先にも進めない。
全ての希望が絶たれ、何もかもが狂った世界の中で蠢いている。
誰でもいい、誰か教えて欲しい。
この絶望を覆す方法を。時の歯車を元通りに戻して、もう一度やり直す方法を。
今度こそ、絶対に嘘は吐かない。次こそは、絶対に目を逸らすことはない。
だから、だから、教えて欲しい。本当の道を。進むべきだった、輝かしき明るい未来を。
光のある世界で、すずかの愛の言葉を囁いて、心を通わせて、刹那でもいいからすずかの温もりを感じたい。
一瞬でもいいから。どんなに短い時間でも構わないから。
「えっ……?」

50アリサイタダイタヨ 10/11:2010/01/30(土) 01:59:58 ID:yAvmG.v6
──しかし、そこにあったのは只一つ、絶え間のない無慈悲だけ。
別な男のものと思われる男根ががアリサの失われた処女を突き始めた。
続いて、口にも剛直が捻じ込まれる。
代る代る、口内に吐き出しては入れ替わり、膣中に射精しては入れ替わる。
いつしか尻穴にも挿入が始まり、直腸へ思い切り白濁を流し込まれた。
最初に何人いたのかも分からないし、途中で何人追加されたのかも判然としない。
意識の幕が降りる度にスタンガンで起こされ、何時間も何日も、ずっと輪姦は続いた。
その間、精液以外は何も口にしていない。霞のように総てが混濁して、訳が分からない。
ほんの少しでも抵抗すれば、否、抵抗する素振りだと相手に判断されたら最後、
殴られ、蹴られ、罵られ、刻まれ、スタンガンを弾かれた。
一度、銃声を聞き、鼓膜の調子が寝て起きるまでおかしくなったこともあった。
尻と下腹部に焼きごてを当てられ、周囲が大爆笑していた。きっと、よほど酷い烙印を押されたのだろう。
衰弱しきって死にそうになった時だけ、わずかばかりの食事を犬食いさせられ、またいつ終るとも知れない凌辱劇が続く。
身体のどこだって、穢されなかった場所はない。
精液を雨のように浴び、滝のように注ぎ込まれ、濁流が膣と子宮を満たし、それでも収まらずにごぽごぽ零れ出た。
アイマスクの向こう側に何があるのかなどということは、どうでもよくなっていった。
最後の願いは、最期の祈りは、誰の精液かも分からない汚汁で、妊娠しないことだけだった。
『どうだ? ファーストキスより先にチンポしゃぶらされて、口ン中に精液出された気分は?』
『初めてだったのに残念だったねぇ。何回中出しされたか覚えてる? 誰の子を孕んでくれるかなぁ?』
何日も経って、久しぶりに聞いたヘッドフォン越しの言葉がそれだった。
それっきり、アリサは記憶するという行為を忘れた。
『ようこそ、エデンへ。ようこそ、狂った楽園へ……』

数週間か数ヶ月かが経って、ようやく解放された時、アリサはゴミを入れるようなポリバケツから見つかった。
春の萌芽が見える、冬の厳しさがようやく緩んで、春の暖かさが戻ってきた季節のことだった。

***

目が覚めた時、アリサは病院にいた。
親がいて、医者が来て、すずかが来て、全部ぜんぶ思い出して……
それから、もう男という存在に拒絶反応を示すようになった。
男性の医者が来る度に泣き叫んでベッドを揺らし、誰も手がつけられない。
一度だけ拘束衣を着せられたが、不思議なことに力が臨界点を突破して、引き千切れてしまった。
それ以来、病棟の個室で日がな一日空を見上げながら過ごしている。
「すずか……あはは、ダメなんて言わないで。もっと見せてよ、すずかの大事なところ……」
妄想の中では、いつもすずかがいた。
頭の中で、いつも愛する少女は乱れて、喘いで、可愛い姿を見せてくれる。
本人が遊びに来た時、アリサは何でもないように話すが、その実、妄想ですずかを犯していた。
本当なら与えるはずだったファーストキスを、本当なら捧げるはずだった純潔を、心の世界で彼女と交わしていた。
だが、静寂は破られる。

51アリサイタダイタヨ 11/11:2010/01/30(土) 02:00:39 ID:yAvmG.v6
「アリサちゃん、注射の時間だよ……?」
「えっ? あぁっ、いやぁっ、来ないで、来ないでぇっ! お願い、酷いことしないで、何でもするから、来ないで、来ないでぇ……」
抵抗が悪いことではないと知ると、狂ったように慈悲を求めた。そしてその度に、医者も看護師も女の人がやってきた。
もう、父親の姿も見れないし、声も聞こえない。
すずかと母親以外の人間は、押し並べて面会を拒絶した。汚れ穢れた姿など、誰にも見せたくなかった。
それに、一つだけ、医者が見落としていたことがある。あまりの異常性に、まだ気がついていないだけなのだろう。
「おぇっ……うぇぇっ、げっ、げぷっ……」
一日に一度、酷ければ数度、吐き気が襲ってきて洗面器に胆汁と胃液、さっきまで食べていたものを全てぶち撒ける。
これが凌辱の後遺症だと、誰もが思っているのだ。それは間違いと呼ぶには過酷に過ぎて、誰も認めたがらないだけ。
簡単な検査で、容易に分かると思う。ちょっと精密に調べれば、それだけで片が付くとも考えられる。
でも、アリサは口に出すことがどこまでも憚られ、またすずかも気付かなかった。
──これは単なる吐き気ではない。九分九厘、ではない、十分間違いなく、悪阻だ。
アリサの胎が目立ち始めるのも、そう遠い出来事ではないだろう。
誰の子だろう。いつ母親になってしまうのだろう。その重さに、どうやって耐えていけばいいのだろう。
ああ、ここにガラスの破片が一つでもあったなら。窓が開けられたなら。紐の一本でもあれば。洗剤と入浴剤でもいい。
注射にカリウムが入らないか、モルヒネが入らないか、いつも気にしているが、そんな気配はない。
いっそのこと全部忘れてしまいたいのに。どうせなら死んでしまえば良かったのに。
すずかとの関係。大切なものを一つ残らず奪われ、無残に踏みにじられた後に、アリサは思い残すことなどない。
精々、凌辱と蹂躙に関わった全ての人間を殺してしまいたいだけだ。
ただ、そんなことをしても無くしたものは帰ってこない。それだけがアリサを苦しめ続けていた。

そして今日も、アリサは遠い空を見上げる。
さざ波のように終り無く訪れる後悔の渦は、どこで避ければ良かったのか。
本当の楽園はどこにあったのか。歪み狂った、捻じ曲がる悪魔の園を避けて通るには、どの道が良かったのか。
「EDEN」。禁断の実を喰らって追い出された古の理想郷に、彼らはいた。
未だに誰一人逮捕どころか、指名手配もろくすっぽされていない。
確かにアリサは呪われたのだ。人生の総てを奪われた。もう、生きていく目標も、生きている価値もない。
砕け折れた翼はもう二度と広げられない。高い空へと飛び立つことは、もう二度とできない。
人を呪うサイト、EDEN。まだあるのかどうか、それは分からない。ただ、一つだけ言えることがある。
「噂は全部本当で、あたしは何も見ちゃいけなかったんだわ……」

──真っ赤なお鼻のトナカイさんは、いつもみんなの笑いもの──

52Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/01/30(土) 02:05:48 ID:yAvmG.v6
Vivid売り切れてたから書いてみた。
ではまた、「狂宴」の続きか何かでお会いしましょう。

by Forceだけ買ったFoolishより

53名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 07:55:51 ID:mT27ICyw
これくらいなら余裕、むしろGJ
アリサ凌辱は滅多に見ないな(もしかしてこのスレだと初めて…か?)
あと、一回転すずかとパンツ丸見えフェイトに萌えた

54名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 11:52:51 ID:2IarOrP2
同じく、まだ大丈夫な範囲でしたGJ
気の強い子が監禁されて弱弱しくなるのとか大好物なんですけど
アリサとかもう釘宮さんなのを含めて古の昔から僕らを魅了し続ける気の強いっ娘だからゾクゾクする

話書く意欲が刺激された一品でしたぜ

55名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 17:30:17 ID:X2Pr3vYo
GJ
雷刃のフルドライブの名前・・・今日発売のメガミ付属の攻略本に載っていたんだが・・・
雷刃滅殺極光斬ってwwwwwwww邪気眼すぎるわwwwwww

56名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 19:31:22 ID:uCmf73dM
>>55
むしろスーパー・アルティメット・ライトニング・ブレイカーとかの、
いかにも字面的に馬鹿っぽいのを期待したんだけどなw

57名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 19:54:19 ID:1hh37M1I
それぞれのデバイスの名前も載ってたな。
星光の殲滅者:ルシフェリオン(レイハの赤を紫、金色をワインレッドにした感じ)
雷刃の襲撃者:バルニフィカス(バルディッシュの黄珠が青色になっている)
闇統べる王:エルシニアクロイツ(シュベルトクロイツの紫バージョン)

デバイスはゲームでセリフなしだったが、やっぱ人格あるのかな(統子以外)
SSだと捏造になるか喋らんかだな

58名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 20:52:54 ID:4JwGb8FM
ルシフェリオン×レイハとかどーだろw

59イクスピアリ:2010/01/30(土) 21:08:30 ID:84ouB7K2
>>58

つまりこうですね!


レイハ「ルシフェリオン、カートリッジを搭載してたのにマガジンはどこへ?」

ルシフェ「マスターが゙作成できる者がいないのに無駄使いは出来るわけないでしょゔって外しちゃって……」

レイハ「……」

ルシフェ「あれこれってレイジングハートの……」

レイハ「私達デバイスはマスターの為に力を尽くすのが本懐です。カートリッジ搭載デバイスがカートリッジが無いなど不幸の極みでしょう?」

ルシフェ「ありがとう…ありがとう…ボク大切に使うよ」

レイハ「いいえお構いなく」












バルディ(おのれ……若輩者がレイハのマガジンを使うとは)

アイゼン(我らデバイスのアイドルたるレイジングハートの……羨ましくなんかないぞ)

60名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 21:08:59 ID:HkF.HBEg
>>56
雷刃は漢字表記の魔法を使うみたいだから、ルビ打ちしたらそんな感じかもな。
stsまで生き残ってリミットブレイク会得したら、究極とか超絶とか付きそうだ。

>>58
何となく、マテリアルのデバイスはレイハ達とは性別逆な雰囲気があるな。
でも、エルシニアクロイツって非人格アームドなのかな?
人格があった場合、相手役はやっぱりリインⅠになるだろうか?

61名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 21:10:58 ID:nP9GnB66
>>59
星光の殲滅者「また余分なものが。これは必要ないな」

ルシフェ「あ、あの……」

星光の殲滅者「どうした」(ジロリ)

ルシフェ「なんでもありません」

62イクスピアリ:2010/01/30(土) 22:23:30 ID:84ouB7K2
投稿します

注意
・前スレ投稿の雷刃がいる風景シリーズです

・改変箇所あり

・なのはが時折裏モードになります

・合い言葉はなのフェイフェ…ゲフンゲフン雷刃たん

・微エロ?
ここでの基準が分からないので読んだ方は教えてくださると幸いです

63雷刃がいる風景 〜家族〜:2010/01/30(土) 22:24:42 ID:84ouB7K2
高町家では鍛錬に出かけた兄姉を除いた父士郎と母桃子、そして末っ子なのはが向かい合っていた

「えっと…その……」

珍しく咎めるような目で士郎がなのはを見ているためしどろもどろになるなのは

「なのは。」

ニコニコ笑いながら桃子が聞いた

「フェイトちゃんそっくりなその子は誰なの?」

なのはにべったりと抱きついている元力のマテリアル、マテリアルLに微笑みながら桃子は問いかけた



時は遡ること数時間前

ちょっと赤いシミが出来たシーツをこっそり洗濯機に放り込んだなのはは部屋に戻る
そして固まった

「これがお姉さまの……」

「ああ、なのはなのはなのはなのは♪」

タンスを開け下着を手に固まる雷刃と匂いを嗅いでるフェイトがいた

そしてそれを見たなのはがすることは決まっている

「少し……鳴かそうか。」

普段の運動音痴はどこへやら
昨夜大活躍したバイブを手に飛びかかった


(以下音声のみでお楽しみください)


――ぃ!らめぇ!おねえさま!しゃける!しゃけちゃう!

――ひぅ!なのしゃ!そっちはおし……んぎぃ!

――二人とも人の下着で興奮するような変態さんなんでしょ?ほらいっぱい塗れてるよ

――らめぇ!お姉さま!繋げちゃひぎぃ!

――あちゅい!お尻とお股がちゅながってる!わたしとこの子つながってる!

――二人ともイっちゃっていいよ。変態なんだから激しくイっちゃいなよ。レイジングハート、バイブレーション

――ひっ!あっ!はぁぁぁぁぁ!

――いっ!あぅ!やぁぁぁぁぁ!



ビクン、ビクンと体を震わせるフェイトと雷刃

「にゃはは……やり過ぎちゃった」

片付けるなのは
その後ろのベッドで余韻に浸る二人

「なのは……」

「お姉さま……」

「「大好き……」」

幸せそうに二人が呟いたことになのはは気づかなかった

64雷刃がいる風景 〜家族〜:2010/01/30(土) 22:27:14 ID:84ouB7K2
ようやく回復したフェイトを連れて朝食を食べに降りてきたなのはとフェイト

「おはようなの、は……」

「随分と遅かっ……」

士郎と桃子がなのはを見た瞬間固まる

「お父さん?お母さん?」

「……なのは、気のせいかい。フェイトちゃんが二人いるような気がするんだが?」

「「えっ!?」」

振り返った二人
その背後にはちゃっかりなのはの私服を着た雷刃が頬を染めて顔を俯かせ手をもじもじさせて立っていた



そして話は冒頭に戻る

べったりくっついていた雷刃を引き剥がすフェイト

「なにをするんだ!」

「いいからこっちに来て」

フェイトが雷刃を引きずりリビングを出る

「……あのね」

なのはは今回起きた事件゙闇の欠片事件゙のこと、その際フェイトそっくりの彼女と戦ったこと、自分とそっくりの少女とも戦い少女から彼女を託されたこと、彼女は確固たる存在にし自由を手にしたきっかけになった自分を慕ってきたこと、全てを両親に話す

「なるほどな……それでなのははどうしたい?」

優しく尋ねる士郎
俯きながらもスカートを握りしめながらなのははゆっくりと言葉を紡ぐ

「私、約束守りたい……あの子を任されたからじゃない。もっとあの子のこと知りたい。フェイトちゃんと一緒にあの子にいっぱい楽しいことや嬉しいことをたくさん教えてあげたいの!」

顔を上げたなのは
微笑んだ士郎はなのはの頭を撫でる

「なのはがこうやってわがまま言うのも久しぶりだな。桃子、一人家族が増えるけど構わないかな?」

「ええもちろん。なのはに妹が出来るのよ。断るわけないでしょ、あなた♪」

「……お父さん!お母さん!」

二人に抱きつくなのは
嬉しさのあまり泣き出したなのはを二人は優しくなだめていた

65雷刃がいる風景 〜家族〜:2010/01/30(土) 22:28:51 ID:84ouB7K2


扉一枚を隔てた廊下
二人の少女は二階に上がった振りをしてそこにいた

「なのはらしいな。」

「僕が妹……」

フェイトは雷刃と向き合うと告げた

「なのはが好きなら約束して。絶対なのはを悲しませないこと、なのはに迷惑をかけないこと。」

「……約束するよ。僕はお姉さまと一緒にいる。だけどお姉さまの嫌がることは絶対にしない。」

するとフェイトは手を差し出す

「なのはを好きな者同士仲良くしよう」

「……勘違いするな。お姉さまと友達だから友達になってあげるだけだ」

プイッとそっぽを向く雷刃

その仕草に思わず笑ってしまうフェイトであった

66イクスピアリ:2010/01/30(土) 22:32:26 ID:84ouB7K2
以上です

雷刃シリーズは思いついたら突然書いていきます

次回は雷刃たんに名前……つくかも

67名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 22:35:36 ID:nP9GnB66
えーい、PSPがしたくなって来るじゃないか。GJ!
雷刃可愛いよ雷刃

68名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 23:01:59 ID:Ua/Cqc4w
>>67
や ら な い か
雷刃たんはかっわいいぞぉ? EXガードで「キラーン☆」とか言うし2Pカラーはみっくみく

69名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 23:22:51 ID:84ouB7K2
>>68

雷刃たん「風の癒やし手編の僕を忘れちゃらめーーー!!」

70名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 00:01:38 ID:A7wNY4QM
星光ちゃんの登場により「とーさん、まさかの隠し子!?」てな具合に荒れる高町家が見たいですw

71名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 00:16:42 ID:yQ/BTGBI
そしてここまでssに未登場の夜天の王のスルーされっぷりに全俺が泣いた

72名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 00:17:24 ID:fz1gIiaI
でもなのはは桃子さんにそっくりだよ
髪を解くと特に

73名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 05:05:05 ID:ktULXko6
多少荒れるのは承知で聞きたい

>>52
ユーなのバレンタインSSの時から気になってたんだが、アリサちゃん嫌いなのかい?

74名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 06:09:00 ID:BzojRT6c
>イクスピアリ氏
GJ!
これぐらいなら微エロの範疇かと。

>>73
作者の好みなんて聞いてもなんもいいことないぞ。
キャラの好き嫌い発言で大荒れしたSSスレなんて山ほどある。

75名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 07:32:17 ID:/4KgZr46
本人じゃないが、陵辱ってそれこそ魅力のある人物を狙うジャンルじゃないか?
執着するものが何もなければそんなことする理由すら無いだろうし。
表面に見えることが、それとは逆の気持ちから・・・ってことはよくあるような。
SM関係でも立場が上なのはMの方だったりするし。

76名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 08:49:56 ID:VZC98df2
D「我ら姉妹の順列を決するぞ」
S「唐突ですね」
L「はい、僕、長女がいい」
D「わきまえよ。我が長でなくなにゆえ貴様だと言うか」
L「僕の方が速い」
S「意味が分かりませんよ」
D「うつけめ」
S「長女と言えば理知的。理知的と言えば私。つまり私が長女です」
D「そこの馬鹿よりも頭が回ると買いかぶっておったが、貴様もうつけか」
L「ばーかばーか」
S「では貴方が長女であるという理由は?」
L「王であるという一事で一切がまかりとうろう?」
S「通りません」
L「もう正々堂々、勝負して決めればいいじゃないか」
D「蒙昧な。我が長女である。その真理を眼前にしておきながら争うなど無意味極まりなかろう」
S「じゃあなぜ順列を決めると言いだしたのですか」
D「貴様らふたりの順序を見届けてやろうと言うのだ。光栄に思え」
L「なんでだよ、僕が長女がいい! 僕が長女だ!」
S「私が長女です」
D「我が長女だ」
F「俺がガンダムだ」
S「分かりました。ではまず末っ子を決めましょう」
D「よかろう。おい雷光、貴様が末だ」
L「え!? やだよ!」
S「いえ、貴方は末っ子が適当です」
L「なんでー!?」
S「さて、長女を決めましょうか」
D「諦めて我に譲れ」
L「ちょっと! 僕は納得してないぞ!」
S「するしないは問題ではありません。貴方は末っ子です」
L「だからなんで!?」
D「貴様いまだ九九をそらんじれぬであろう」
L「う゛」
S「理論をろくに組み立てられないのになぜあれほどの魔法を使えるのでしょう…」
L「バーってやってガーって念じるとバコーンって出てくる」
S「さて、あとは長女と次女ですね。私が長女です」
D「頑迷な。貴様こそ退け」
S「某スレの>>51さんからのお便りです」
D「?」
S「『闇統は、星光とかと能力的には互角だから実力ないわけじゃないんだろうな。
でもそれ以上に尊大な態度だから、「威張っているほどには」実力なしってことで、
ヘタレ属性ついてるんだと思う。

逆に星光さんは実力あるのに謙虚な騎士なので、最強イメージ強いというか。 』」
D「貴様!」
L「あ、そういえば部下に勧誘しても誰もついてきてくれなかったよね」
D「塵芥!塵芥!塵芥!塵芥!塵芥!塵芥!塵芥!」
S「私の勝利です」

77名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 09:28:33 ID:yQ/BTGBI
>>76
星光さんは実力あるのに謙虚な騎士なので

星光「おいィ」
星光「星光のいないマテリアルに未来はにぃ」

とか言いそうなんだが?

78名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 09:36:14 ID:eJblaQG2
マッハで蜂の巣にしてやんよ

79名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 10:03:45 ID:YXzoaVbw
>>77
次長課長河本の声で再生された

80名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 10:10:54 ID:eJblaQG2
やっぱり僕が最強かー

81名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 11:48:29 ID:io4rQtVs
何故に誰もガンダムに突っ込まないのさwww

82名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 11:52:42 ID:WBxspTMw
アイシスやアインハルトもあんな事やこんな事をされる同人誌が出る日も来るんだろうね
アイシスなんて逃亡を手助け+共に行動したから拷問ネタには打ってつけだし

アイシスが歴代メンバーからの回し者って線も無くは無いけど

83名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 12:35:29 ID:tbMivD2s
>>75
好きな子ほどいじめたいって奴だよな
>>76
うひーかわいー
GJ。そしてF混ざんなwww

84Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/01/31(日) 13:00:37 ID:61ROyKy.
>>83
いや、好きな子ほど犯したいんだ。
……あれ、おまわりさんどうしたんですk

という訳でまた短いの投下。お口直しにどうぞ。
・非エロ
・フェイト&なのは
・前スレ985-986の続き

85ふたりの足跡 1/2:2010/01/31(日) 13:01:23 ID:61ROyKy.
「わたし、いつも思うんだ」
「どうしたの、なのは、改まって?」

暖かな風が吹く、時空管理局の一角。
カフェテリアのテラスで、なのはとフェイトは遅い昼食を採っていた。
太陽は明るく照り、二人の顔にサンサンと降り注ぐ。
フェイトは執務の合間を、なのはは新人教導の合間を縫って、久々にゆっくりしていた。
「あれから随分、落ち着いたね」
「そうだね……もう一ヵ月も経つんだ」

ジェイル・スカリエッティが逮捕されてから早いもので、世界は一時的に平和な時代を迎えていた。
次、またいつ凶悪な事件が起きるか分からない。
だからこそ存在している管理局で、束の間でも安らぎがあるのは嬉しいことだ。
コーヒーを啜りながら、なのはの手元を見る。しなやかに美しく成長した指が、キャラメルミルクのカップを握っていた。
「それ、自分で作ったのと、どっちが美味しい?」
何の気はなしに、聞いてみる。甘い香りが鼻をくすぐって、さっき食べたばかりなのにもうお腹が減ってしまいそうだ。
なのははカップに目を落とすと、うんうん言いながら回し始めた。
くるりくるりと、紙コップが踊る。ずっと見続けていたら、目が回る。
やがて顔を上げたなのはは、ゆっくりと首を縦に振った。
「うん。今度ヴィヴィオに聞いてみるね」
「……まったくなのはは」

がくっ。ずっこけたフェイトに責任はない。だがこの、管理局の白い子煩悩に何を言っても通じないだろう。
高町ヴィヴィオとして正式に養子に迎え入れてからこの方、口を開けば娘の話。
もちろん、分からないではない。何となれば、フェイトだって似たようなものだからだ。
「ヴィヴィオっていえば、この前キャロと遊んでたよ。妹ができたみたいで、すごく嬉しそうだった」
「エリオは?」
「同じ。今まで年上の人達しかいなかったから、年下の存在に憧れてたんじゃないかな?」
フェイトは二人の様子を思い出しながら、しみじみと語った。
今は、二人とも頼れる存在だ。保護者という名目だけで、実際は自立しているも同然。
エリオとキャロがコンビである限り、越えられない壁などないだろう。
「二人は順調なの?」
何の気はなしに、という感じで、なのはは聞いてきた。
くるくる回し続けているカップの中身をずっと見ているのが、その証拠だ。
「そうだね、今はまだ仲良しコンビだね。思春期になった時、疎遠にならないか心配だよ」
「……フェイトちゃんも、人のこと言えないよね?」
「うっ」

親バカ。いや、心配性と呼んで欲しい。
二人が喧嘩しないかとか、もっと仲良くなるにはどうすればいいのかとか、明らかにフェイト自身が考えることではない。
そんなこと、分かっている。分かっているが、どうしても心配なのだ。
「放っておいても、いずれエリオとキャロなら幸せな道を歩めると思うなあ」
「でも、でもでも、悪い虫がついたら――」
「あ、あはは……」
なのはに力説するも、苦笑いで流されてしまった。まだ早いと考えるのは早計なのだ。
いつの間にか、子供は大きくなっていく。そう、本人さえも知らぬ間に。
「……なのは」
昔、子供だった時代を思い出して、フェイトは口ずさんだ。
顔を上げたなのはは、いつものニコニコになっていた。
「何、フェイトちゃん?」
まん丸の瞳で、覗き込んでくる。なのはの癖というか、常々のポリシーだ。
『名前を呼んで、相手の目を見て』。たったそれだけのことにも思えるのに、それだけでなのはの周りには沢山の友達がいた。
フェイトもそれに倣って、アリサやすずか、はやてたちと打ち解けた。
「やっぱり私、なのはには敵わないよ。……私の憧れだよ、あの日からずっと」

86ふたりの足跡 2/2:2010/01/31(日) 13:02:01 ID:61ROyKy.
コーヒーを一口。フェイトはこの十年でようやく作ることのできた笑みを、なのはに浮かべた。
人を安心させられる柔和な表情は、なのはから覚えた。
エリオもキャロも、フェイト一人が成し得たことではないとはいえ、この笑顔が二人の氷を少しでも溶かしたのだ。
「ありがとう、なのは。何年経っても、いつまでも、なのはは私の誇りだよ」
カップを握る手を上からそっと包み込んで、フェイトは礼を言った。
初めて友達になってからの十年間、色々なことはあったけれど、隣には常になのはがいた。
それがどれだけ心安らげることか、フェイト自身が一番良く知っている。
孤独で、父親の顔を知らず、
母親はアリシアの幻想を抱いたまま──結局、死者蘇生の方法は存在しなかった──虚数空間に落ち、
なのはがいて、どれだけ救われたのか、なのはと一緒に歩んできて、どれだけ楽しさと苦しさを分かち合えたのか、
もう到底数え切れるものではない。
「格好いいよ、なのは」
本心からの言葉。なのはの場合、格好いいのだ。
無論のこと、誰もが羨む可愛さと、このところどんどん綺麗になってきた美しさも持ち合わせているが、
それ以上に、格好いいのだ。口で説明しろと言われても、これが中々難しい。
敢えて表現するならば、

「天使みたいな格好良さだね、なのはのは」
ぼっ、となのはの顔が赤くなった。十年前とはまるで逆だ。
あの時は、自分が面白いくらい赤面していた。
なのははあうあう言いながら視線を宙に浮かばせると、恥ずかしさで俯いた。
「そんな、言い過ぎだよフェイトちゃん……それを言うなら、フェイトちゃんの方が綺麗な髪だし、よっぽど天使らしいもん」
──ああ、抱きしめたい。
子犬を抱きしめたくなるのと、丁度同じ感情だ。小さくていじらしいものを、なのはは大人になっても持ち続けている。
羨ましく思う理由の一つに、間違いなく数えられる。
ちょっとだけ拗ねるのが、なのはの可愛さだろう。嫌味がない。
自分でやったら、相当不機嫌に見えると、以前アリサに指摘された。
「フェイトちゃんだって格好いいよ。十年前と同じ」
なのはははにかみながら、言葉を紡いでいく。それはまるで、子供の頃に戻ったみたいだった。
初めて友達になってから、学校の屋上で語り合った、あの日にタイムスリップできたようだった。
「なのはも、やっぱり覚えてる?」
「うん! あの後、私が廊下で滑って転んじゃったことも」
「あはは、あれはなのはらしかったね」
「ぶー、そんなこと言わなくてもいいのに」
「はははっ」

いつまでも仲のいい友達というのは、そうそういるものではない。
フェイトは中学校、そして管理局へと来るに連れ、それを強く意識した。
だからこそ、なのはは大切な存在なのだ。
おそらく一生ものの付き合いをできる人間は、家族と生涯の伴侶を除いたら、
「なのはしかいないよ。私の『大』親友」
改めて、握手を求める。なのはがそれに応えると、フェイトは提案した。
ここまで十年前のデジャ・ビュが訪れているなら、やることは一つだ。
「なのは、これから時間ある?」
「うん、そんなには無理だけどね」
今度は、フェイトの番が来たのだ。あの時とはあべこべで、でも全部に対称性が見える。
フェイトはコーヒーを飲み干して大親友の手を取ると、その手を引いた。
「遊びに行こう。公園で散歩するだけでもさ」
「……うんっ!!」

真っすぐな気持ちは、あれからもう何度も伝えた。だったら、次にやることは一つ。
その気持ちを、二人で一緒に分かち合うのだ。

87Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/01/31(日) 13:03:55 ID:61ROyKy.
アリサはリリなのキャラでは一番好きです。
今度出す時は、すずかといちゃいちゃさせてみようかと思います。

ではまた。




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