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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説第100話
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魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所の2スレ目です。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
『注意情報・臨時』(暫定)
書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。
前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説第99話
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1243670352/
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『はー、はー!は、はやてちゃん可愛いよぉ。』
俺は目の前の車椅子少女に伸し掛かると、重いだけがとりえの
この体を活かして腰を進め、彼女の両足を開かせる。
『お、おじさん止めて!わ、私みたいな子供にイタズラしても
何もイイことあらへん。』
なきながら許しを請うはやてを見ると、俺は
金玉から精液がムラムラとにじみ出てくるのを感じた。
はやての可愛らしい顔に、俺の気持ち悪くくさい顔を
近づけ、まだ誰も触れていない無垢の唇にむしゃぶりつくと、
口の中を臭い唾液と舌で犯した。
『う、うぅぅ・・・(いやぁ、いやや。気持ちわるぃ。)』
涙を流しながら俺のキスを耐えるはやて。俺はそんな9歳の
美少女を見下ろしながら、腰をがくがく動かし、汚い短小包茎
ペニスを、服の上から彼女の股に向かって何回もこすり付ける。
俺の下着とズボン、そして彼女のスカートとパンティーという4重の
障壁があってなお、この幼い美少女の穢れない秘所を侵略しているという
興奮は、童貞キモオタの俺にとってたまらないものだった。
『そ、そろそろ、や、やっちゃうよはやてちゃん。しょ、処女喪失
だ!』
そういって俺は片手を自分のズボンに伸ばすと、ひざの辺りまでずり下げた。
悪臭を放つ出来物だらけの尻と、
包茎短小のマイクロペニスが姿をあらわす。俺ははやての腰をよりいっそう
抱き寄せ、ペニスをはやての腰の上に走らせた。
ぬらぬらとした粘液がはやてのスカートを汚していく。目の前で
踊る男の一物は、はやてにとってはあまりにもグロテスクで醜悪だった。
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(あれが、あれが今から私のなかに入る・・・もう終わりや。最悪や、
こんなキモいおっさんに、エッチなことされるなんて。)
小学校3年生ともなれば、もう淡い恋愛への憧れを抱く年頃である。
八神はやても、本屋で少女向けの漫画を立ち読みし、少しだけエッチなシーンを見て、
顔を赤らめつつも、
『いつかは私もこんな素敵な人と出会って・・・こ、こういうこと
してしまうんやろか?でも、こんな車椅子の私を、好きになってくれる人なんて
おるんやろか?』
と、胸の奥にキュンとなるような感情を抱く普通の少女だった。
だが、そんな幼い淡い妄想は、今目の前で荒々しい息を吹きかけ、
臭い舌でキスを奪い、汚いペニスを擦りつけている童貞キモオタ
によって、無残に打ち砕かれようとしていた。
はやてへの擦りつけで、すでに金玉に精液がみなぎり、今にも
ほとばしる劣情をはやてに向かって撒き散らしたい思いに駆られている
キモオタには、もう一刻の猶予もなかった。
キモオタは、下半身不随の為に足に力を入れることのできないはやて
が、抵抗などできないことを見越して、スカートの中に片手を突っ込むと、
そのままあっさりとショーツを下ろしてしまう。
水色の、ふちにレースのついた、幼いながらも可愛らしいショーツは、
主はやての秘所を守る役目を果たせず、するすると膝の辺りまで下ろされてしまった。
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『はーはー、さ、最高に可愛いよはやてちゃんのショーツ。そ、
それにしても、け、結構大人っぽいのはいてるんだね。さ、最近の
小学生はみ、みんなこ、こんなエッチな下着を履いてるのかな?』
童貞キモオタの俺にとって、いくら美少女であるとはいえ、
はやてちゃんのような車椅子で内気
であるはずの小学生が、水色とはいえレースつきのショーツを
履いているのは、そのギャップからすさまじい劣情を喚起する
事実だった。
俺はだらしなく俺の前に屈服したはやてちゃんのスカートの中を
覗き込む。そこには、毛一本生えていない、ピンク色を
した無垢の縦筋一本の聖域があった。
『うー、んうー!(やめてぇ・・・もう、もう堪忍してぇ。)』
俺のようなキモオタに、秘所をまじまじとさらす屈辱から
だろうか、はやてちゃんは涙を流しながら目を閉じ、体を震わせている。
俺ははやてちゃんの縦筋に指を伸ばすと、陰唇を横に広げ、
ついにその乙女の門を見た。
『あああああああ、は、は、は、は、はやてちゃんのオマンコ、
き、きれいなピンク色だ。し、しかも間違いなく処女だ。処女
マンコだ!』
俺ははやてちゃんが間違いなく処女であることに感謝した。本当に
ありがとう神様。今、この可愛らしい9歳の無垢な少女の純潔を
ぶち抜き、その穢れない胎内に汚らしい精液を注ぐのは、55歳
童貞キモオタのこの俺なのだ。
俺ははやてちゃんの処女門にいきり立つ、6センチの包茎短小
ペニスを押し当てた。
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(あたってる。このおっさんの気持ち悪いものが、私の大切な
所にあたってる。)
はやては、もう何もかも諦めていた。
どんなにあがいても、小学校3年生の少女、しかも下半身麻痺の自分の
力では、この太った中年男性の体をはじき返すことなど不可能だった。
それに口をふさがれた今、助けを求めることもできない。そもそも
ここはめったに誰も通らない公園の隅にある死角となった茂み、
たとえ叫ぶことができても、助けがくる可能性は低い。
(あーあ、ついてへんなぁ私も。もう少し大きくなって、
素敵な男の子と恋に落ちて、それでファーストキスをして・・・
でももうそれも終わりや。私のバージン、今この場でこのキモいおっさんに
奪われて終わるんや。それでもって、ずっと飽きるまでイタズラ
されつづけるんや・・。)
はやては己の不運をのろった。呪いつつも受け入れる他なかった。
下半身の麻痺を、己の定めとして受け入れる他なかったように。
両親の死を、抗いようのない現実として受け止めるほかなかったように。
そして、ついにその時はやってきた。
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俺は、はやてちゃんの可愛らしい処女門に、いきり立つ包茎短小
ペニスを押し付けた。
はやてちゃんの秘所は、小学校3年生というだけのこともあり、
とても狭く、俺のような細く柔らかい弱チンではとても突き破れそうに
ないほどで、現にこの俺のペニスを侵入を拒み続けている。
このままでは、狭くてぬらぬらしたはやてちゃんの割れ目の感触の
せいで、入り口を突破する前に射精してしまいそうだった。
(体重をかけて、ぶち抜くしかないな。)
そう考えた俺は、よりいっそうはやてちゃんの上に覆いかぶさって
体重をかけると、ここ一番とばかり勢いをつけて腰を突き出した。
ズジュッ!
そう擬音が聞こえてくるかのような錯覚を俺は感じた。
俺の惨めで情けないカリが、はやての狭い入り口をこじ開ける
感覚を感じた。そしてそのまま、少し広いトンネルへと導かれていく。
ふと目の前を見ると、はやては幼い顔を屈辱と痛みに染めながら、
大粒の涙を流している。今にも泣き叫びそうなのを、必死にこらえている
様子だ。
それが、八神はやての処女を、この55歳童貞キモオタの俺が
奪った瞬間だった。
(ああ、やった、やったよ神様!ありがとう!55年の人生の中で
、始めて女の子とセックスできた。それも、こんな可愛らしい
小学校3年生の女の子の、八神はやてちゃんの、
処女オマンコをぶち抜けるなんて!神様本当にありがとうございます!)
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思い起こせば、俺は団塊の世代に生まれ、中学生や高校生のときは、
受験勉強と純潔思想に染め上げられた学校生活だった。
美少年美少女で、お互いに好きあって猶、思いを遂げ交接することは
かなわない、そんな時代に、俺のような気持ち悪い根暗デブが、
セックスをすることなど、到底かなわない夢のまた夢。俺の恋人は、
いつも右手だった。
必死に勉強して、なんとか3流私大に二浪で合格したものの、
大学でも一人ぼっち、卒業すら危うく、2留した末
何とかお情けで卒業させてもらった。当然彼女なし。
いくら好景気とはいえ、そんな俺によい職場など回ってくる
はずもなく、ようやく見つけた3流会社で、下っ端事務員として
こき使われる毎日。
バブル景気のときも、俺のような屑の気持ち悪い男と、付き合ってくれる
女などいなかった。
丁度世間は『オタク』というものが、市民権を得始めていたころだった。
彼女のいない童貞の俺は、たちまち幻想の中の、現実を越える
容姿とやさしさを持つ少女たちの虜となった。
彼女たちを見ていると、自分もあの中学生や高校生の頃、
セックスがしたくてたまらなかった、女の子を見てときめいていた
頃に戻ったような気分だった。
アニメやゲームにのめりこんだ俺は、いつしかロリコンへと変わっていた。
毎日、仕事から帰ってきたら、アニメやゲームの中の幼い美少女
たちでオナニーをする毎日。
最初のうちは、それで十分満足だった。
だが、いつしか、それだけでは満足できなくなっている自分がいた。
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(ヤリタイ、本当にあんな美少女たちとやりたい。セックスして、
穢れない処女オマンコに俺の精液をぶちまけたい!)
俺はいつしか、二次元のような可愛らしさを持つ少女を、
三次元で探すようになっていた。
公園や図書館をうろつき、目にかなった少女を探す。
そんなときだった、彼女、八神はやてに出会ったのは。
半身不随の車椅子の少女、両親もなく天涯孤独のはかなげな
美少女。
彼女を始めて見た時、俺は恋に落ちた。
彼女の可愛らしい体を抱きしめ、その胎内に俺のペニスを
差し込んで、精液を吐き出したいと、切に願った。
ああ、だがどうして、俺のようなすでに人間としての
盛りを過ぎた中年の、そしてなにより醜く、金もなく、臭く、
汚い童貞キモオタが、彼女のような少女と付き合えるだろうか、
そもそも彼女は小学生だ。
俺には、レイプ以外道はなかった。
俺は公園を車椅子で散歩していた彼女に近づくと、そのままナイフを突きつけて脅し、誰も見ていない公園の隅まで連れ込んだ。
そして今、俺と彼女はここにいる。
【上の二番目の5/11は6/11の誤り。】
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はやては、男のペニスが自分の処女膜を押し広げて、無理やり
入り込んできたことを感じた。
そしてその瞬間、自分が抱いていた淡い恋へのあこがれ
は無残に打ち砕かれたことも。
いかに短小とはいえ、小学校3年生のはやてにとっては、充分すぎる
ほどの凶器である。現に挿入口は破瓜だけでなく、膣自体が
傷ついたために出た血で、赤く染まっている。
男はそのまま挿入の余韻に浸っていたが、やがて腰を引くと、
そのまま体重を乗せ、体ごと思いっきりはやてめがけて腰を
打ち付けてきた。幼いはやての小さな体は、何度もたたきつけられる
衝撃に、つぶれそうになる。
何度も男のペニスが幼い胎内を蹂躙し、傷口をえぐっていく痛みと、
レイプの屈辱に耐えながら、はやてはただ一刻も早くこの地獄が
終わることを祈っていた。
まだ彼女が学校に通っていた頃に受けた性教育や、少女マンガの
読みかじりで得た乏しい知識からして、男の人が『精子』
という、白いおしっこのようなものを、ペニスの先から出せば、
それでえっちな事は終わるはずだった。
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だからはやては、一刻も早く、この男がその『精子』を吐き出して
くれることを祈った。
『精子』を出されてしまうと、赤ちゃんができてしまうことも
はやてはおぼろげながら知っていたが、自分はまだ小学生
だから、たぶん大丈夫なんだろうと、乏しい知識で結論付ける。
(とにかく、このおっさんが、おしっこみたいなものを私の
中でだしてしもうたら、それで終わりなんや。そしたら大声で助けを
呼ぶか、隙を見てケータイで110番すればいいんや。)
そう考えて、はやては必死にたたき付けられる衝撃と、
腹の中をえぐられる痛みと、犯されている屈辱をこらえた。
そして、ついに、男が情けないうめき声を挙げた。
『ううっ、出るよ!出るよはやてちゃん!』
そういって、男ははやての中に、気持ち悪い生暖かい
液体を吐き出すと、そのままはやての体を解放し、
ぐったりと地面にへたり込んだ。
はやてのスカートの中からは、男の黄ばんだ臭い精液と、
はやての血が混じった茶色っぽいオレンジの液体が垂れており、
男の小さなペニスからも、放出の余韻の汁が垂れていた。
【上の二番目の7/11は、8/11の誤り。】
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(ああ、気持ちよかった!)
俺ははやてちゃんの中に射精したという満足感に浸り、
そのままドスンと地面に倒れこんだ。
今思えば、それがいけなかった。
はやてちゃんは、俺の拘束を逃れた隙を逃さなかった。
彼女がすかさずポケットからケータイを取り出し、
すばやく指で110番を押すのを、俺は馬鹿のように見つめるほかなかった。
『助けて!おじさんにエッチな事されました!場所は○○公園の北端の
茂みです!早う助けて!』
あわてて腰をあげ携帯を奪おうとしたが、セックスの後で気力を
消耗し、しかもデブで中年の俺は、いったんしゃがんでしまった以上
うまく立ち上がることができず、はやてちゃんが警察に通報するのを
とめることができなかった。
(ああ、終わった・・・)
目の前には、先ほどまでの涙目から一転して、勝ち誇ったような
顔と、汚らわしい虫けらを見るような目で俺を見るはやてちゃんの
姿があった。
『・・・どうや、おじさんもうおしまいや!すぐに警察の人が
きて、おじさんが私にえっちな事したって捕まえてしまうんや。
観念しぃ!』
拳を握り締めて、車椅子から俺を見下ろすはやてちゃんと
向き合いながら、俺は自分の敗北を実感した。
ゲーム・オーバー。
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結局、俺は裁判で、幼い、天涯孤独で障害者でもある少女を、その弱みに
漬け込んで、欲望のままに襲ってレイプした、冷酷卑劣な性犯罪者として断罪され、懲役12年を言い渡された。
八神はやてちゃんは今、リハビリセンターで体のリハビリをしつつ、カウンセリングを受けて心の傷を癒しているらしい。
正直、今振り返ってみれば、俺のやったことは確かに少し強引だった。9歳の幼い少女の初めてのセックスに、あんな激しいプレイをしてしまったのはやりすぎだったかも知れない。
でも、全体として俺は後悔などしていない。
あの日、俺は55年間の生涯で、いやこれから死ぬまで絶対に、もう二度と出会えないだろう最高の美少女を抱きしめ、その可愛らしい体と甘い香りを味わい、このペニスですべての思いを彼女の中に伝えたのだから。
俺は今でも、俺に女の子とのセックスのすばらしさを教えてくれた、八神はやてちゃんを愛している。
だから、俺が生きて出所できたら、またはやてちゃんに会いたい。その時はやてちゃんはロリではなく、もう大人になっているだろう。そして、俺のことを汚らわしい、悪魔でも見るような目で見つめるだろう。
だけど、そんな事はかまわない。
会って、そして伝えたい。『ありがとう』と。
そしてまた、彼女の体を抱きしめ、セックスがしたい。俺の思いを伝えたい。
愛してるよ。八神はやてちゃん。
【これで完結】
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続いて、本スレに投下された別のSSを投下するよ。
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俺は高町なのはたんの可愛らしいスカートを捲り上げると、
そのままピンクのレースつきの可愛らしいショーツをまじまじと
見つめる。
『いや、やめて!やめてなの。フェイトちゃん、おとうさん、おかあさん!
お兄ちゃん、お姉ちゃん!助けてぇぇ!』
泣き叫ぶなのはたんの首をグーパンチして黙らせると、俺はそのまま
なのはたんの唇にキスをして、もう叫び声を上げれないようにした。
『う、うぐうう』
必死に俺の唇から逃れようとじたばたするなのはたんを尻目に、
俺はなのはたんのショーツに手をかけると、そのまま一気にひざまで
ずりおろした。
『%&#$%!』
声にならないうめきをあげて、首をいやいやとふり、体を捩じらせるなのは
だが、所詮9歳の小学生が、大人の俺の力に勝てるはずもなかった。
そのまま足を開かせ、無毛の性器をまじまじと見つめる。
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『はぁはぁはぁ、お、おじさんはムスリムだから、なのはちゃんみたいな
可愛らしい小学生の女の子の、毛の生えていない処女おまんこに
、おじさんのおちんちんを差し込むのが、大好きなんだよ。よ、
預言者ムハンマド様(彼の上に平安あれ)も、な、なのはちゃんと
同じくらいの年の女の子と、セックスしたんだよ。』
目の前の少女にディーヌ=ル・ハッキであるアル・イスラームを宣教しながら、俺はズボンを下ろし、
15センチはあるだろうペニスを取り出すと、それをなのはの処女の証へと
つきたてた。
『はぁはぁ、行くよぉ!』
俺は大きく腰を振ると、全知全能の創造主アッラーフへのドゥアー
とともに、一気にその腰をなのはちゃんのあそこへとつきこんだ。
『うううううっっっっ!!!!!』
瞳を絶望に染めながら、蟻に集られた芋虫のようにじたばたと
挿入を逃れようとするなのはだが、俺ががっしりと体をつかんでいる
以上逃れようもない。
俺のペニスは、硬く閉じられたなのはの処女の門を無理やり、
突き破り、そのまま膣内に侵入した。
『ああ、アッラーフに感謝します。こんな可愛らしい女の子と
セックスさせてくださるなんて。本当に、アッラーフのほかに
神はなく、ムハンマド様はその使徒です!』
俺はアッラーフへの感謝をささげる。
そして何回か腰を幼い美少女の体にたたきつけると、そのまま
その奥へと精液を解き放った。
すべてを終えて、ぐったりと地面に横たわるなのはちゃんの顔を
見ると、俺は深い満足に包まれた。
このときほど、イスラームに改宗してよかった、と思った
瞬間はなかった。
【これですべておしまい。】
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以上、転載でした
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シンプルでモノすげーのが来たな…とりあえずお疲れ様
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ムスリムであるのと強姦できることとの因果関係がわからんのだが。
「男を魅了するような体の女が悪い」なんて極端なイスラム国はさすがに稀だろ。
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つーかイスラムネタは危険じゃね?
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いや、預言者モハメッドが9歳の幼女とセックスしたから、
実際イスラムじゃ小学生とセックス可能なのは事実だよ。
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まあイスラムネタはいかんと思うよ。
で話題を変えて殺し屋”名無し”の続きを行きます。
・エロ、ハード、陵辱あり
・オリ主嫌いはスルー推奨
・ラグナ、ヴァイス好きに先に謝罪
・救いはありません
・いやぁーお金って良いものですね(水野春男調)
・タイトルは殺し屋”名無し”
仕事の一 兄妹狩り(8)
協会のルートを通じて入手したステルススーツを調節して、祭礼日以外、司祭が来るこ
とはない無人の聖王教会第348聖堂の屋上の壁と同化した俺は、ヴァイスが指定された
標的を狙撃するためにやってくるのを待つことにした。
昨日の夜8時、レジアスに化けた002を使って、八神はやて暗殺作戦をヴァイスに承
知させた俺は、ミッドキャット宅配便の業者を装ってヴァイスに狙撃用の質量兵器バレットM82
の入った箱をさりげなく手渡すことにした。
バレットM82を奴に使わせることにしたのは、八神はやての防御を貫くには奴のストームレーダー
では力不足なのが一つと、後の始末を考えると奴のデバイス、ストームレーダーを今回の狙撃に
使わせるわけにはいかなかったのだ。
「ヴァイス・グランセニックさんですか? お届け物を配達に上がりました。サインをお 願いします〜♪」
「ああ〜 ここで良いのかい? 」
「ありがとうございます〜♪」
どことなく暗いヴァイスの顔を確かめた俺は、奴の生体パターンを時計に偽装させたデ
バイスに記録させると彼のアパートを後にした。
バレットM82を入れたケースに仕掛けたセンサーで、万一の場合に備えて彼の行動をモ
ニターすることにしたが、妹のラグナを人質に取られているのが効いたのか、バレットM82の調整作業
を終えた後、そのままベッドに入って寝てしまった。。
その後のヴァイスの行動は、指定されたとおりのコースを通って、彼の死場所である此
の教会の屋上に向かっているのを、バレットM82のケースに仕掛けられたセンサーからの情報を受信
していた002から連絡を受けた
俺は、最初の予定を変更して、ようやく完成を見たワンウェイ方式のAMFスラグ弾のみ
でヴァイスを仕留めることにした。
此の教会の屋上を彼の死に場所に選んだのは、もう一つの標的、八神はやてを仕留める
ためにヴァイスを利用するためだった。
協会落札の仕事の他に、別の筋から持ち込まれたのが八神はやての一件である。
できたら殺して欲しいという曖昧かつ時期も未定で、料金も300という低額な依頼だ
から、俺自身がやるつもりは毛頭無かった。
金だけ貰って、放置しても問題ない仕事だったが、協会で落札したヴァイス殺しの手順を考えるうちに、
奴を利用して八神はやてを殺すのも面白いと考えたのだ。
最も失敗しても、こっちは痛くもかゆくもない。なにせ依頼人は3か月前に死んでいるのだから・・・・・・
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疑心暗鬼なせいか、荒らしに見えてくるなぁ。
でもSSとしての体裁は守っているし、かといって注意事項ないし、明らかに携帯電話だし。
駄目だ、心が汚れちゃったよ。
モフモフして禊ぎをしてくる。
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仕事の一 兄妹狩り(9)
八神はやてを殺す日を今日にしたのは、しごく単純な理由だった。
1年前に起きた地上本部陥落事件に際して、壊滅した六課の死者を
追悼する式典が、此の教会の墓地で行われる日だ。
なんでも六課の備品補給係に務めていた青年が、恋人の女性職員
を助けようとして死亡し、両親の埋葬されたこの墓地に合葬されたことを
知った八神はやてが、青年の唯一の親族である妹に管理局奨学金の証書を手渡す式だそうだ。
闇の書の主としてヴァイスの親父の人生を狂わせ、家庭を崩壊させた女にしては
殊勝な心がけだが、実際は、JS事件後、権威失墜も甚だしい管理局のイメージを
少しでもアップしようという魂胆が透けて見えるイベントの主役を演じるつもりだろう。
まったく自分の過去の行いを顧みない馬鹿女らしい振る舞いだ。そんな標的を殺すのに
自分の手を汚すなど、損も良いところだと思っている俺にとって、今日、死んで貰うヴァイスは
はやて殺しの為の最適の駒なのだ。
そんなことを考えているうちに八神はやてが式典の会場の控え室に入ったとの連絡が、
式典会場の設営係のバイトに化けた002からあった。
<<ヴァイスは何処まで来てる>>
<<マスターの下に来てるよ>>
<<そうか、後は気取られないようにタイミングを見て現場を離れろ>>
<<わかったよ>>
人格プログラムを今回の任務に合うように調整したが、元が調教用プログラムだっただ
けに、どうも喋り方のぎごちなさが抜けないようだ。
002との暗号念話を打ち切った俺の耳が、教会の木製の階段を上がってくるヴァイス
の足音を捕らえた瞬間、ステルススーツが自動的に隠蔽結界の強度を最大レベルまで上げた。
俺の目の前でバレットM82をケースから出し、手早く組み立てたヴァイスの背中から立ち上る
気迫を感じた俺は、予想以上に事が上手く運んでいることに満足した。
(背中ががら空きだぜ、ヴァイス・グランセニック)
親の仇の首領である八神はやてを殺すことに集中するあまり、周囲への注意を一通り済
ませた後のヴァイスの背中は隙だらけだった。
組み立てバレットM82の調整を終えたヴァイスが、スコープに目を当てて照準を合わせ
るのを見ながら、俺はベネリM4を奴の背中に向けた。
<<標的が指定位置に来たよ>>
<<よし、様子を知らせろ>>
<<了解したよ>>
「・・・・・・隊長、ラグナのためにも、死んで貰うぜ」
スコープに目を当て、そうつぶやきヴァイスは、静かに引き金を引いた。
12,7mm弾の凄まじい発射音と共にマズルブレーキから噴出する発砲煙が射手のヴァイスを
覆った瞬間、002の暗号念話が届いた。
<<殺った!? いや、左腕がちぎれただけね>>
<<よし!>>
1500m先の標的である八神はやての左腕が12,7mm弾で持って行かれたと002から報告を
受けても、ここまでは式典場の悲鳴や怒号は届かない。
かっての六課隊長を打ち抜いたヴァイスが2発目を撃とうと引き金に指を掛けた瞬間、
俺はステルススーツの機能を解除した。
「ヴァイス・グランセニック! 」
いきなり姿を現した俺を見て、一瞬、動きを止めたのが奴の運の尽きだった。
ベネリM4の発砲音と共に奴の身体がバレットM82ごと吹っ飛び、屋上の床に血の川が流れる。
AMFスラグ弾の効果はスナイパー仕様のバリアジャケットを見事に無効化したようだ。
「ラ、ラグナァァァァ」
バレットM82を杖代わりに立ち上がったヴァイスが、ゴボッと血の塊を吐きながら妹の名を叫ぶ。
「仕事の終わりだ!」
2発目のスラグ弾を奴の胸に撃ち込んだ俺は、胸から大量の血を流して断末魔の痙攣を繰り返す
ヴァイスの首筋に仕事の仕上げに3発目のスラグ弾をぶち込んだ。
以上、仕事の一(8)(9)です。
次回、(10)で第一話完結です。
-
>>62
俺も荒らし扱いか?
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>>64
すみません、リロードミスです。
今後はこんなことがないように気をつけます。
これからも頑張ってください。
-
鳥が割れてますよ・・・
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>>66
鳥変えました。
-
>>60
それは見かけた少女全員を犯していいって意味じゃないぞ?
それと復讐法って知ってるかな〜。今でも本当に目潰したら潰し返す刑罰とかあるから怖いぜ。
>>63
GJ!
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イスラム圏にはレイプされた女は死刑って事例も普通にあるからなw
だからレイプして自爆テロ予備軍に仕立て上げるテロリストもいるわけで……
>>63
乙
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保管庫でキャラの名前が間違ってたりスペルミスがあったりしたら勝手に編集していいんかな?
それともここで編集人さんに言った方がいい?
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ここで司書さん(保管庫編集者さん)にお願いすれば大丈夫かと
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>>64
でもなんでここではやてが出てきたんだろ。
以前の事件とヴァイスの親父との年数が合わないような。
-
投下します。
・小ネタです
・非エロです
・オリキャラです
・3期13話〜14話の間です
-
ミッドチルダ、北部ベルカ自治州、聖王教会本部医療院、司祭詰所
夜間受付窓口の事務室である
「聖王が復活した〜?」
「ああ、あの聖王陛下がよみがえったんだとよ」
深夜、ポーカーに興じる司祭2名。
「マジかよ?」
「ああ、何でも本部の聖骸堂に安置してある遺体は真っ赤なニセモンで、本当はどっかへんぴなトコで眠ってたんだとさ」
カードを吟味しながら、適当に話をする司祭A
「・・・んで、どうした?」
そんな話を適当にを惰性で聞く司祭B
「早速、次元世界を一つ消し飛ばしちまったらしいぜ・・・」
「なんだそりゃ?」
「何でも『400年間眠っててナマってたカラダを軽くトレーニングしたいのよ〜♪』とか言ってよ」
「そいつはすげぇや」
「聖王陛下っていやぁ最凶最悪の騎士、歩いた後には崩壊した次元世界の砂粒か虚数空間しか残らないってわけさ・・・よっしゃ〜
レイズだ!」
「ちっ、どうせ明日のミサまでにはスッテンテンにしてやるぜ。んで?」
「何だよ?」
「今その聖王さんってどこにいんだよ?」
ドロップするカードを選びながら適当にこたえる。
「ん〜、実はここ、聖王医療院にいたりするんだな・・・」
「!?」
-
「患者の一人にまぎれて、この医療院で体力と魔力を回復させつつ、次元征服の計画を立ててるらしいぜ・・・」
「ほ〜ぉ、おっかねえ」
「最後の聖王さまってかなりの美人だったんだろ?だったらそんなベッピンさんだったら俺も直に会って、お近づきになりたい
もんだぜ。いつも美人なだけで気が強いシスター・シャッハ達尼さん相手にすんのも勘弁だしよ」
「確かにな・・・ダッハッハッハ!!」
「アッハッハッハ・・・ハァ・・・」
ため息をつく。
「聖王さまがこんなとこにいるわけねえだろ。もし俺達の近くにいたら、俺やお前みたいに勤務中に賭けポーカーやってる破戒僧は
一瞬で消し炭にされちまうぜ」
「あの・・・」
「「んあ?」」
2人の司祭の前にウサギのぬぐるみを持ったオッドアイの少女が現れた。
さっき想像していた美人とは違うが、かなりの美少女だ。
「おトイレ、どこ?起きたらママいなくて・・・」
少女は心細いのか泣きそうになっていた。
「お、おお。案内するな!ママ少し用事で出かけてるんだよ、そこのおじさんが案内してくれるから」
「この子は?」
「今日の夕方搬送されたんだ。何でも本局のエリート教導官さまのお嬢さんらしいぜ」
昼間に管理局の制服をきた2名の人間がシスター・シャッハと一緒に来てるのを思い出した。
相当な美人なので覚えていたのだ。
「そいつは丁重に案内しないとな。幻の聖王さんより、俺らに交付金の現ナマ恵んでくれる本局様々ってところだ」
「確かにな・・・すまねえこっちだ。付いてきな」
そうして司祭はオッドアイの少女を案内した。
平和な夜はこうしてふけていった。
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以上になります。
それでは失礼します。
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>>76
GJです。
きっと患者達の間では気さくな司祭様で通っているんだろうなぁ。
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ちょwww その子聖王だよwww
GJでした、良い小ネタですね
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GJでした!聖王ったら化け物と同義語なんだね。
破戒僧さんたちの会話が某脳みそを欲しがるゾンビ映画の冒頭でドラム管を空けた人達の声で再生されてしまった。
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読みきり短編を投下しますー
セッテ&ヴァイス、18禁仕様ですがエロSSではありません。
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目指せ、詞ツツリ氏のようなハードボイルド!
―――“I, Robot”―――
Y o u L o s e !
画面の右一杯に赤い文字が表示された。
ぽーい、と緩い弧を描いてカーペットに軟着陸するコントローラ。
「やった、これで私の三連勝!」
頭痛を抑えるように額を押さえる青年と、コントローラ片手にガッツポーズを突き上げる少女。
ルールは明解、画面から相手を吹き飛ばすだけのご家族向け格闘ゲーム、スマッシュシスターズである。
グランセニック家の長閑な休日、そこには仲睦まじき兄妹の姿があった。
あれから2年。一度は離れた兄妹のわだかまりは、少しずつだが確実に氷解し、今では休日に気を置かずゲームを楽しむ程になっている。
ごろん、とカーペットに横になり、降参と手を上げて天井を仰いだ。
「喉渇いたねー。お兄ちゃん、カルピスでいい?」
「おーう。濃いめでよろしくな〜」
軽快な足取りでラグナが台所へ駆けて行く。
不意にチェックのミニスカートが翻り、露わになった白い太腿が視界に飛び込んできた。
見てはいけないものを見てしまったような後ろめたい気分になり、慌てて首を横に傾げる。
勿論、ヴァイスはラグナを単なる妹としか見ていない。
しかし、数年間顔を合わせなかった間に妹は予想外の成長を遂げ、どう接すれば良いか解らずヴァイスを悩ませるのだ。
先の開けっ広げな態度といい、ラグナのヴァイスに対するわだかまりはほぼ解けたと言っていい。
否。―――ラグナには最初からわだかまりなど無かった。
ヴァイスのラグナに対するわだかまりこそ兄妹を隔てた壁であり、今も尚ヴァイスを悩ませている。
ヴァイスの左側に投げ出されたラグナのコントローラ。
彼女の見えない左目を気遣って、ヴァイスは必ず2P側のコントローラを手にする。
二人で遊ぶゲームは格闘、レース、スポーツ、落ちものと多岐に渡るが、ガンシューティングは一つも無い。
ラグナはシューティングゲームのソフトを持ってはいるようだが、それを一緒に楽しんでプレイできる勇気は、まだ、ヴァイスには無い。
全ては杞憂なのに。未だ腫れ物に触るようにラグナに接する自分がいて、その度にラグナの顔を曇らせれる自分がいる。
気晴らしと、連敗しているゲームのリベンジのために再びコントロールを手にし、画面に向かった。
Y o u L o s e !
画面一杯に赤文字が表示された。
惨敗だった。連敗だった。ボロ負けだった。
勝負はあっという間だった。ぽこんぽこんと弾き飛ばされて、息をつく間もなくバットで場外ホームラン。
「……こんにゃろ」
勝ちポーズをとるCOMキャラの緊張感無い表情が、妙に神経を逆撫で、リベンジ、再敗北。
ムキになって勝負を挑むも、気迫だけでそうそうゲームの結果が変わる筈もなく、黒星を重ねること数回。
こうなったら勝てるまで挑戦しようと、自棄を起こして再びRETRYを、
「―――あれ、お兄ちゃん、まだやってたの?」
背後から、お盆に二つのカルピスのコップを載せたラグナが覗き込んでいた。
一気に、頭が冷めた。たかがゲームに何をムキになっていたのだろう。
礼を言ってカルピスを受け取り、コップ半分程まで一気に飲み干す。
心地よい酸味と、独特の粘りを帯びた冷たい液体が、不必要に熱くなっていた頭をクールダウンさせてくれた。
ラグナは画面を見て、ころころと鈴のような笑い声を上げた。
「お兄ちゃん、コンピュータの設定がVeryHardになってるよ!
これじゃあ、絶対に勝てる筈無いよ!」
「勝て、ないのか?」
-
「うん。これのVeryHardは凄く強いっていうんで有名なの。
大会に出るような人じゃないと勝てないんだよ。
私もEasyにやっと勝てる位だから、お兄ちゃんのような下手っぴさんだったら100年かかっても無理かもねっ」
自分が徒労に力を費やしてきたことが判り、がっくりと肩の力が抜けた。
「そういえば―――チェスだってオセロだって、全部コンピュータの方が強いもんな」
「そうだよー。やっぱり、機械には勝てないよ」
人の単純計算能力が演算機に追い抜かれてどれだけ経っただろう。
少なくとも、自分の知るこのミッドチルダの世界では、人は機械無しには生きることは出来ない。
コンピュータに自動車にバイク、昼食を作る調理器具に至るまで、高度な機械な恩恵を受けている。
ミッドチルダは魔法文化を持ち文明レベルAに分類される。
―――その魔法行使も、デバイスという補助機器に支えられて行うのが一般的だ。
知らず、その手が首に掛けられたドッグタグに重なった。
愛用のインテリジェントデバイス、ストームレイダー。常に傍らに置き続けたヴァイスの相棒。
任務の度、ヴァイスはいつもこの相棒と己を重ね合わせてきた。
―――スコープ越しに標的を狙う瞬間。
銃床は肩に根を生やし、指はとうに銃杷と癒着している。
瞳孔は照門から照星を貫き、宙に一筋の道を描く。黒鉄のストームレイダーが心臓の鼓動に合わせて脈動する。
己の肢体と同様に血が通い、風を聞き、敵を睨む。
引き金を絞ったのは、果たして己の指か、それとも銃自身なのか。
銃という機械の部品の一つになりきれる。それがヴァイスの才能であり、ロングレンジからの狙撃に於いてエースと呼ばしめた因だった。
……あの日までは。
人質が己が妹である。ただそれだけの事で、ヴァイスは千々に乱れた。
冷や汗を流し、腕は震え、かちかちと歯は噛み合わず、腕に握った相棒の事など意中から消え失せた。
妹越しに標的を狙う緊張感から逃れようとするかのように、祈りを十字架に捧げるかのように引き金を引くも―――。
己は、機械になりきる事は出来なかった。
「ああ。そうだな。機械には勝てないな」
ぼんやりと、膝の上のコントローラを見つめながらラグナに胡乱な返事を返す。
カルピスを飲み干すと、握り締めすぎたせいか少しだけ温く、氷が溶けて気の抜けた味がした。
◆
妹とごろごろ居間を転がるばかりの週末を終え、月曜日の日常へと帰還した。
武装隊へ復帰して2年ばかり。六課時代に古巣と呼んだそこは、元通りすっかり馴染みの職場である。
ストームレイダーの整備をしながら、心落ち着く自分がいる。
銃を握り、戦闘ヘリを戦火の中で飛ばすことこそ日常で、妹と実家で過ごす休日が非日常―――。
ヴァイスはそんな自分に思わず苦笑する。
……自分には、人間としてどこか故障している部分があるのかもしれない。
ふと、そんな不安感が脳裏を過ぎる。
それが、単に一時の杞憂に過ぎなかったことを、すぐにヴァイスは思い知った。
―――その女に遇って、問答無用に思い知らされざるを得なかったのだ。
「今回の任務を担当する、ユニットN2Rのセッテです。よろしくお願いします」
彼女は、完璧な礼法で一礼した。角度はきっちりと30度、ヘッドギアで纏められた赤い髪が微かに揺れた。
モデルのような長身と、完璧な均整のとれた肉体。
無駄なく鍛え上げられたしなやかな五体は、どこかイルカを連想させる。
ヴァイスは慌てて軽い会釈を返し、面を上げると眼前に彼女の顔があった。
ぎょっとした。
目鼻立ちはくっきりとしている筈なのに、感情というものが一切感じられない白皙の貌。
美しい。端整なその顔立ちは十分に美女と呼べるレベルだ。
-
だが、そこはかとなく感じるこの不安はなんだろう。
あれはいつだったか。そうだ、武装隊でのあの事件の後、ショッピングモールの夜間警備を引き受けた事がある。
その時、ショーウィンドウの中のマネキンに、得体の知れない恐怖を感じたことがあった。
暴漢、強盗の類などには大した恐怖は感じないが、人ならぬ人型に本能的な不気味さを感じたのだ。
似たような悪寒が一瞬だけ背筋を走りぬけた。
……きっと、杞憂だ。大柄ではあるが、よくみれば年下の、自分好みの美しい女性ではないか。
ヴァイスは、そう自分を納得させることにした。
彼女は、そんな彼の心情など知るはずもなく、では。と簡素に一礼をして出発の準備に取り掛かった。
居心地悪げに立ち尽くしているヴァイスの肩を、つんつん、と細い指がつついた。
「どうも、ご無沙汰してます、ヴァイスさん」
「―――ああ、ギンガか。久しぶりだな」
ギンガ・ナカジマ。スバルの姉であり、ヴァイスも知らない相手ではないが、特に親交が深い訳でもなかった。
敏腕の捜査官として名を馳せているとは聞いたが、その美しい容貌にも磨きがかかり、落ち着いた大人の女性としての色香を漂わせている。
豊満な胸元に視線を送ったのも一瞬。気まずげに頭を掻きながら、
「それで、今日はどうしてこんな所に?」
「うちの問題児がお世話になるそうなので、ご挨拶をと思いまして」
「問題児?」
「ええ。ユニットN2R、一番の問題児なんですよ、あの子は」
ユニットN2R。二年前にミッドで起きた空前の大災害、JS事件の実行犯である戦闘機人の子供達が更正して勤めている部隊である。
ヴァイスも彼らのうちの幾人かと仕事をしたことがある。
多少騒がしくて辟易させられた娘もいたが、能力面でいうなら何一つ問題ない―――否、極めて優れた子供達である。
陸士部隊の中には彼女達に遺恨をもつものもあるというが、ヴァイスには別段怨むような事情もない。
セッテも自己紹介を聞いた時も、今回の仕事は順調にいくだろうと思っていた。
「問題児というと……独断専行が多いとか、命令違反をするとか、そんな感じか?」
漠然と、以前同じ任務で戦ったウェンディという娘を思い出す。
あれを上回る暴走を見せるのなら、確かに問題児というしかないだろう。
しかし、ギンガは強い口調できっぱりと断言した。
「いえ、独断専行や命令違反などは、あの娘に限っては『絶対に』あり得ません」
「そ、そうか? じゃあ、問題児というのはどんな―――?」
「コミュニケーションの問題です。命令には必ず従いますし、社会で必要な礼法も一通り教えてはいますが……。
あの子は、本質として、人間関係というものを理解していません。
無礼を働くことは無くても、あの子の異質性は周囲から見れば明白です。
それで、周囲との軋轢を招くことが幾度かありまして……。
普段なら取り繕って誤魔化すのですが、ヴァイスさんならあの子を許容して頂けるかと思って、ご挨拶に伺いました」
「おいおい、俺は女の子の気持ちなんか分らないぞ」
「あの子の内面を理解してくれ、なんてことは申しません。あの子は、裏表ない、見たままの子です。
それを、そのままのあの子を許容して頂ければいいんです」
「……はあ、そのまま、ね」
ギンガの説明は漠然としていて、ヴァイスにはよく理解出来なかった。
空返事を返す彼に、ギンガは軽く会釈してセッテの元へ向かった。
◆
今回の任務は単純明快。
山中にある、とあるテログループの一派の潜伏地に赴き、降伏勧告を行い、従わない場合は捕縛する。
彼等の所属するグループが降伏勧告に従った例はなるので、ほぼ間違いなく、捕り物となるだろう。
小規模なグループであり、有力な魔導師の保有数も少ないので、空戦前衛・対人殲滅戦に優れた能力をもつ戦闘機人、セッテにとって捕縛は簡単だろう。
―――身も蓋も無い言い方をするなら。
ヘリで空から彼女をテログループの潜伏地に投下し、彼女が全滅させたテロリストをヘリに詰め込んで、然るべき場所に引き渡すのが今回の仕事。
戦闘は、セッテ一人で十分と判断された。無論必要ならば援護も行うが、ヴァイスが銃を撃つことは恐らく無いだろう。
連絡事務とヘリの操縦が彼の役割だ。
-
ヘリの操縦室、無言。
午後の平坦な青空だけがどこまでも続き、新型ヘリの控えめなローター音だけが機内に響いていた。
あと数十分もすれば、現地の宿泊施設に到着するだろう。
今日は作戦の最終的な打ち合わせを行い、早めに就寝し、決行は明日の早暁となる。
ヘリの操縦室、無言。
ヴァイスは、この懈怠な同乗者を扱えばいいのか、未だに判じかねていた。
独りでヘリを飛ばすのは気楽なものである。
輸送任務などの時には、ストームレイダーに登録したお気に入りのジャズでも流しながら空を楽しむのだが……。
後部座席に座る同乗者の前では、そんな気分など微塵も起こらなかった。
彼女は背筋を伸ばしてシートに腰掛け、拳を太腿の上に定めて身じろぎ一つしない。
機械のカメラじみた瞳は、油断なく前方の大空に向けられている。
ヘリの操縦室、無言。
沈黙が、辛い。宿泊施設に向かっているだけの今この瞬間でさえ、セッテは臨戦姿勢である。
それは、行住坐臥すべてを戦場と心得る戦士としては、この上なく正しい在り方なのだろう。
だが、ヴァイスにとって―――否、魔導師達の大半を占める凡夫達にとっては狂気の沙汰だ。
華々しく輝くエース達を影で支えながら、締めるべき時は締め、戦いの中でも緩めるべき時は緩めて己に休息を与える。
そうでもしなければ、精神を磨り減らして潰れてしまうのが凡夫の常だ。
己のスペックを見定め、それを最も効率良く運用できるの者こそ優れた兵士と言えよう。
しかし、彼女は常にフルスロットル。戦いの場にある事こそ己の常とばかりに、冷たい瞳で青空を見つめている。
ヘリの操縦室、無言。
ヴァイスは、背後からの圧迫感に耐えかねて、セッテに語りかけた。
「な、なあ、聞きたい音楽とかあるか? 最近のから古いのまで色々揃えてるんだが……」
「結構です。音楽を鑑賞する趣味はありません」
「…………」
会話終了まで、実に10秒足らず。
気合を入れて、リトライすることにした。
「なあ、好きな食べ物とかは……」
「食物に対する嗜好はありません」
「…………」
会話終了まで、実に5秒。
まだまだ。心が折れそうになるが、ヴァイスは気合を入れて更にリトライをする。
「なあ、どんな男がタイプなんだ? 美人だしスタイルもいいから、男に声掛けられること多いんじゃないのか?」
「異性との交際に興味はありませんし、交際を求められたこともありません」
「…………」
……嘆息をひとつ零して、ぐしゃぐしゃと頭を掻いた。確かにギンガの言う通り、これは随分な問題児だ。
溜め息をもう一つ重ねて、ヴァイスは面を掌で覆って、初めて、己の心からの問いを彼女にぶつけた。
「なあ、セッテ、お前が優秀な戦士だというのは見てりゃ分る。
けどよ、その機械みたいなぶっきらぼうなものの言い方はどうにかならないのかよ?
作戦は一人でやるもんじゃねえんだ。何より、部隊のチームワークってもんが大切なんだよ。
正直言うとだな、お前みたいなのが部隊にいると迷惑なんだ。部隊の不和を招きかねねぇ。
今回は俺とお前の二人だけの任務だからいいけどよ。
―――大人数での作戦だったら、俺は絶対にお前のような奴とは戦いたくねえ」
半ば愚痴だった。「そうですか」とでも言うような、素っ気無い返事が返ってくるだろうと思っていた。
しかし、セッテは意外な程饒舌に返答をした。
「承知しています。
作戦行動に於いて、隊員間の円滑な連携を保つためには、一定のコミュニケーションが必要な事は存じています。
通常時はコミュニケーションを求められた場合、定められたテンプレートに基づいて適切な返答を行うよう設定しています。
先ほどのご質問ならば、嗜好する音楽はクラシック、嗜好する食物はストロベリーアイス、好みの異性は長身でやや筋肉質の男性です。
今回、ナカジマ陸曹より、グランセニック陸曹と会話を行う場合に限り対人設定をOFFにするよう指導が有りましたので、それに従っています。
ご要望ならば、対人会話設定を通常モードに戻しますが」
-
何て奴だ。筋金入りにも程があるだろう。
今更、対人会話設定とやらで流暢な対応をされても、余計に気が滅入るだけだ。
頭を抱えて、
「いや、このままでいい……。
それにしても、どうしてギンガは俺には素で話せなんて言ったんだ?
最初から知らなきゃ普通に話せたものを―――」
「情操教育の一環として、私という存在をご理解頂けている方に対しては、普段通りの話法で会話するように指導を受けています。
特に、姉妹や元機動六課の方に対してはその傾向が顕著です」
「……俺ぁ、別にお前と親しい訳でもないのになぁ」
親しくないどころか、ヴァイスは彼女と今日知り合ったばかりだ。
「ナカジマ陸曹からは、グランセニック陸曹はコミュニケーション能力、特に女性に対する順応性が高く、大まかな説明も済んでいるので通常通りの話法で構わないと伺いました」
「……あんにゃろ」
“ヴァイスさんならあの子を許容して頂けるかと思って、ご挨拶に伺いました”
ギンガの言葉が脳裏に蘇る。どうやら、随分と厄介なものを押し付けられたようだ。
と、言っても、別段実務上の差し支えがある訳ではない。
どうせ一泊二日の付き合いだ。ヴァイスは腹を据えてセッテの相手をすることに決めた。
おおよその付き合い方も見えてきたし、何より異質すぎる「セッテ」という女の存在に、若干の興味も湧いてきたのだ。
「セッテ、俺はお前のほかの姉妹―――ノーヴェやチンク達も少しは知ってるんだが、あいつらもいつもはお前みたいな喋り方をしてるのか?
あの騒がしいウェンディの性格とかも、全部その、『対人設定』ってやつなのか?」
想像して、寒気がした。
楽しげにはしゃいで、笑って、じゃれあっていた彼女達。
それが全ては仮面と同じ作り物で、部屋に居る時は一言も喋らず、無表情で人形のようにただ在るだけの彼女達の姿を。
だが、それは杞憂だったらしい。
「いえ、私以外の姉妹達は、矯正施設での指導の結果、人間として生きることを選択しました」
「……まるで、自分が人間じゃないような言い方だな」
セッテは、正面を見据えたままきっぱりと断言した。
「私は、自分を戦闘のための機械として認識しています。
グランセニック陸曹も、私のことは陸士部隊に納品された兵器の一つとお考え下さって結構です」
「…………?」
彼女の言葉に、微妙な引っかかりを覚えた。些細な違和感。小さな誤謬。
「見えたぞ、目的地だ」
前方を指差して、自分の愚かさに気付いた。
人間以上の身体機能を持つ戦闘機人たる彼女は、そんなこと、とうに把握していたに違いないのに。
セッテは頷くでもなく、ただ静かに、じっと正面を見据えている。
ヴァイスは何度目になるか分らない嘆息をし、手入れの悪い髪をぐしゃぐしゃと掻いた。
◆
目的の本拠地まで適当な施設がなかったため、宿泊は現地の民間施設となっている。
僻地の安宿だが、周囲が荒地なので、ヘリを着陸させるスペースが確保できる貴重な場所だ。
何より、明日の早朝までの仮宿。どんな環境でも別段文句を言うに当たらない。
別段、ヘリの中でも寝泊りしても構わないのだが、ささやかな贅沢といったところか。
「甘かった……」
頭を抱えるヴァイスの視線の先には、ダブルベッドの鎮座するラブホテルの一室があった。
-
「目的地に近く、最も安価なのがこの宿泊施設でしたので」
セッテは澄ました顔で解説をし、煩悶するヴァイスを一瞥してシャワー室に入った。
今回の任務の主体は、セッテなのである。
階級や彼女の監視という理由から、ヴァイス指揮の名目になっているが、実質的な裁量はほぼ彼女に任せている。
実質的な仕事はヘリの運転のみなので、作戦の個別具体的な部分についてはセッテの計画案に任せていた。
彼女の計画案は、一読するに微塵の隙もなかった。最短距離で目的を達成するためのシンプルで効果的な作戦。
宿泊施設のような些事は、気に留めてすらいなかった。
「身体洗浄、終了致しました。宜しければお次をどうぞ」
女性にしては短すぎるシャワータイム。頭を抱えた姿勢でフリーズしていたヴァイスは面を上げる。
そこには、全裸のセッテの姿があった。
モデルのような長身には一分の贅肉も無い。総身は野生動物のようにしなやかな筋肉が薄く包んでいた。
伸びた背筋、立っているだけで判る身体バランスの良さ。まるで、海中を泳ぐカジキのよう。
美しい、と素直に思った。
だが、それは普段女性の裸身を見て感じるような肉感的な意味で美しさではない。
CGでモデリングされた図形を見て感じるような、幾何学的な美しさだ。
人間は生物である以上、どんなに整っているように見えても、完全な均整を取れた肉体というのは存在しない。
人の顔の中心に鏡を置き、完全に左右対称な表情というものを作成すると、元の表情と全く異なったものへ変化する。
骨格、筋肉の発達、歩行時の重心の変化、全て左右で微妙に異なっているのだ。
しかし、完全な均整をもった肉体がそこにある。それはもはや神の産物たる人の子ではなく―――。
「はぁ、いいけどよ、目の毒だから早く何か着てくれ」
「はい」
セッテは手早く下着を身につけた。まるで色気のない、スパッツのような下着とスポーツブラである。
『裏表ない、見たままの子です』というギンガの言葉は本当だった。
短い付き合いに過ぎないが、セッテのことは大体把握できたとヴァイスは感じていた。
その上で、無駄と思いながら彼女に愚痴る。
「全く、男と女が一つ部屋なんてどうかしてるぜ。一発抜きたくなったらどうすりゃいいんだ、俺は?
こんな部屋に二人きりなんてさ、ムラムラきた俺が襲い掛かってもいいのかよ?」
腐れ縁のアルト辺りに聞かせたならば、即座にセクハラで訴えられるような台詞だったが、彼女に限ってそんな可能性は0である。
加えていうなら、ヴァイスが全武装を投じて彼女に襲い掛かったところで、指一本触れることすらできまい。
そんな考慮にすら値しない言葉を垂れ流すヴァイスの台詞は、どこまでも唯の愚痴でしかなかった。
「一発抜きたくなる、というのはどのような状況でしょうか? ムラムラくる、という表現も理解不能です」
「へ?」
「対人能力の向上のために、知らない単語や慣用表現は積極的に学習するように設定しています」
「あー、それは、だな……。俺の口からはちょっと説明しにくいんで、知ってそうな奴がいる時にでも聞いてくれ」
「了解しました」
すちゃ、と取り出したのはシンプルな銀色の通信デバイス。彼女は迷わず短縮ダイヤルをプッシュし、それを耳に当てた。
「クアットロですか? ……はい、またお聞きしたいのですが、『一発抜きたい』と『ムラムラくる』という言葉の意味を―――」
「おい、ちょっと待て―――」
流石に想像の斜め上を飛んだセッテの行動に、ヴァイスは叫び声を上げるが時既に遅し。
数分後。
「諒解しました。『一発抜きたくなる』とは、射精を行いたくなる、『ムラムラくる』とは、興奮を覚えるという意ですね」
彼女は項垂れるヴァイスを見つめ、歯切れの良い口調でキッパリと告げた。
バサリ、とセッテが差し出したのは、ラブホテルの机の上に置かれたいた古いポルノ雑誌だった。
金髪の美女があられもない姿で、赤いヒールを履いた両足をぱっくりと広げている。
「どうぞ、一発抜きたくなられた時は、お好きなようにマスターベーションなされて下さい」
「…………違うぅ」
-
諦観の表情で呆と視線を宙に彷徨わせながら、弱々しい手つきでヴァイスは煙草に火を付けた。
セッテは一瞬だけ思案するように動きを止めたが、淀みなく続ける。
「男性が能動的に射精を行う場合、手段は自慰行為と性行為の二種類に大別されると学びました。
自慰行為でないということは、性交を行いたいという意でよいでしょうか。
では、ムラムラきて一発抜きたくなられた時は、私の肉体をお使い下さい」
「―――は?」
「それでは、私は全裸で待機しておきますので、何時でもお申し付け下さい」
そう言って、彼女は身に付けたばかりの下着をするすると脱ぎ捨てた。
この女は、一体、何を言っているのだろう。
ヴァイスは蝋人形のような白皙の肉体を見つめながら、頭を捻る。
目を背けるだの、大慌てで彼女の行動を制止するだのといったタイミングは、とうに通り過ぎてしまった。
あまりに常識からかけ離れた彼女の行動に、ただぽかんと口を開けるばかりだ。
ヴァイスは知りえぬことだったが、セッテに対して性的なジョークをぶつけたのは彼が初めてだった。
彼女は、性的常識に関しては、ほんの最低限のプリインストールも同然の状態だったのだ。
「えーと、どうすりゃいいんだ、俺は……?」
セッテは、無言でヴァイスを見つめている。
やめさせなければ、というごく真っ当な理性の判断と、女性に性交を許された男としての本能。
それが脳内で鬩ぎあって、言葉が出ない。
優勢なのは理性だ。彼女は男に抱かれるということの本質を何一つ理解していない。
性交を、呼吸や歩行と同じ生理的行為、動物の交尾と何ら変わらないものとして把握している。
人間の行う性交が、どれだけ深い意味と感情を孕んでいるのか、全く知らないのだ。
そんな彼女を抱くことは、年端もいかない少女に性的な悪戯をするのと同様の、卑劣で罪深い行為だと理性は断ずる。
だが。
そんな彼女だからこそ、抱いてみたいという黒い衝動が、腹の底でぐるりと蠢いた。
性欲というより、好奇心に近いものがある。
こんな機械のような女が、人が最も動物に近づく瞬間であるセックスの際にどんな顔を見せるのか、興味が湧いたのだ。
否、好奇心というのは誤りか。ヴァイスは―――彼女に、一種の畏怖に近い感情を抱いていた。
こんな女が、こんな、人間性の剥落した人間が居る筈ないと、彼の中で常識が警鐘を鳴らしている。
だからこそ―――セックスの際ならば、彼女にも僅かな人間らしさが見られるのではないかという、そんなか細い希望を感じていたのだ。
ヴァイスは、自分の衝動に従った。
「ああ。ムラムラしてきた。一発抜きたくなったぜ。一丁、宜しくたのむわ」
口元を吊り上げ、煙草を灰皿に押し付ける。立ち上がると同時に、セッテはベッドの上に仰向けに横たわった。
これから情交を始めようとする女性の姿ではなく、解剖を待つ検死台の上の死体のようだった。
ヴァイスは彼女にそっと覆いかぶさり、彼女に静かに口付けた。セッテは、目を閉じすらしなかった。
求めれば、彼女はどんなことにも応じてくれるだろう。
そんな予感はあったが、ヴァイスはセッテに何一つ求めなかった。静かに、彼女に尽くすことに没頭した。
―――唇を離す。セッテの真一文字に結ばれた唇は、最初から最後まで固く閉じたままだった。
ヴァイスはついばむようなキスを繰り返しながら唇を下げる。首筋に、項に、胸元に、そして尖った先端に。
セッテの肌はやや冷たく、陶器のように滑らかだった。
均整のとれた乳房を緩々と揉みしだき、先端をそっと口に含む。
彼女は顔色一つ変えなかった。それどころか、行為が始まってから身じろぎ一つしていない。
無論、緊張や羞恥のせいではない。彼女はそれが自然体であるが故に、ただ人形のように為されるがままにされていた。
ヴァイスの丹念な愛撫に、セッテは何一つ反応を示さなかった。快楽も、歓喜も、好意も、嫌悪も。
最初から、予想できていたことだった。
それでも、ヴァイスは徒労でしかない愛撫を続け、彼女の秘所に辿り着いた。
己の最も秘された部分を男に弄われようとも、セッテは眉一つ動かさなかった。
ヴァイスはそっと指を挿し入れる。彼女の内部は、口中のような自然な湿り気を帯びていた。彼の愛撫など関わりなく、あるがままの状態だった。
自然体の仰臥の姿勢の彼女の両足を、そっと手で押し開く。こればかりは、動かさなければ行為に及ぶことが出来ない。
遂に、彼女の中にヴァイスが進入した時も、彼女は冷たく宙を見据えていた。
「……やべぇな、これは」
-
一方、挿入したヴァイスは、千々に乱れる呼吸と鼓動を抑えるのに必死だった。
背筋をゾクリと戦慄が駆け上っている。セッテの内部は、別段他の女と変わるところは無かった。きつくもなければ緩くもない。
しかし、死体のように五体を投げ出している彼女を抱くことは、人形でも抱くような背徳的で倒錯的な行為だった。
抽送を開始する。
セッテは動かない。
ただ、ヴァイスの動かす腰の動きに合わせて、小さく体が跳ね続ける。
屍姦という言葉が脳裏を過ぎる。
この期に及んでさえ、彼女の挙措には人間らしさの欠片さえ存在しなかった。
ダッチワイフでも抱くかのように、ヴァイスはただ己を満足させるためだけに抽送を続ける。
か細い期待は、ついに途切れた。彼女は、どこまでも機械だった。もう、愛撫をする必要すらない。
これは、ヴァイスのマスターベーション。セッテという女の肉体を使った自慰行為に過ぎなかった。
それでも、雄の本能は容赦なく背筋を駆け上り、ヴァイスは静かにセッテの中で果てた。
それなりに、持続力には自信のある彼にとって、随分早い終焉だったが、何の問題もない。そこには、見得を張る相手も嗤う女も居ないのだから。
果てしない疲れを感じた。
ヴァイスは、ぐったりとセッテの上に崩れ落ちた。
豊満な乳房の上に頭を預ける。
ドクン―――。
心音が聞こえた。彼女が生きてここにあるという証。息を長く吐き出し、その音に耳を傾ける。
セッテの心音は、力強く、時計の針の音のように正確だった。
……ヴァイスは息も脈も乱れきっているというのに、彼女は鼓動はどこまでも平常を保っていた。
と、彼女はヴァイスを自分の体の上から退けると、すっと立ち上がった。
「これで、終了ということで良いでしょうか?」
余韻も何もあったもんじゃねぇな、とヴァイスは苦笑しながら頷く。
「今の間に明朝の作戦案を微修正しておきました。具体的には―――」
気が入ってなかったと思ったら、そんなこと考えてやがったのか。
呆れるよりも、感心した。長く長く息を吐く。
ヴァイスは、完璧な作戦を更に完璧に修正するプランを全裸で講釈する彼女に、胸中で拍手を送った。
◆
眠りに落ちる前に、ヴァイスは一つだけ問うた。
ヘリの中での会話で覚えた、ほんの些細な違和感を。
「なあ、お前、機械として生きることを選択した、って言ったような。
お前の姉妹達はみんな人として生きることを選んだんだろ? 何でお前は機械として生きようなんて思ったんだ?」
彼女は、淀みない口調で答えた。
「施設で保護司の方は、私達に、自分がどのように生きるかは自分で選択するようにと仰いました。
自分で生きる道を選択することが、真に人間として生きるための第一歩となるのだと。
他の姉妹は人間として生きることを選択しましたが、私は機械として生きることを選択しました。
私は戦いの為の兵器として製造されました。ならば、その目的に沿って生きるべきであると判断した結果です」
ぼんやりとしていた違和感の正体が、今はっきりとした。
「―――ははっ」
彼女は言った。自分は、機械として生きることを選択したのだと。
それは、誰に指示されたものでもなく、彼女自身が選び取った己の生き方。
定められたプログラムしか実行できない機械には、決してできない魂の選択だった。
-
◆
「現場はもうすぐだ、準備はいいか?」
尋ねる必要が無いことなど承知の上で、ヴァイスは問うた。
「はい、問題ありません、いつでも行けます」
高度数百メートルから地上を見下ろしながら、彼女は静かにそう答えた。
その目に、興奮や緊張の色はない。電子カメラのような瞳で、つぶさに目的地を見つめている。
「もうじきだ。細かい判断はお前に任せる。自分でいいと思ったら飛んでくれ」
「了解しました」
言うが早いか、彼女は大空へ身を投げ出した。鷹のように両腕を広げ、気流に任せて大空を滑空する。
なんて見事なスカイダイビング。獲物めがけて直滑降する隼の偉容だ。
自由落下運動によって、彼女は速度を上げて地面へと近づいていく。それに合わせて、彼女の総身を桜色の魔力光が包んでいく。
空の殲滅者と呼ぶのが相応しい偉容を伴って、彼女達はテロリスト達の潜伏地の中央に下り立った。
無法者達は、ただぽかんと口を開けて、その姿を眺めていた。
セッテは、彼等の驚愕に何の頓着も示さず、高らかと告げた。
「時空管理局地上部隊のセッテと申します。貴方がたは指名手配されいます。投降を―――」
彼女の言葉は、呆気に取られていたテロリスト達に現実を正しく認識させた。
台詞を聞き終えるまでもなく、真正面から砲撃が打ち込まれる。
爆音、爆煙。
一陣の風がたなびき、爆煙を吹き散らすと、そこには当然のように傷一つ無いセッテの姿があった。
その左手には、彼女の固有武装、ブーメランブレードが握られている。
爆音の残響の中、彼女の口は何事かを告げるかのように動いていた。きっと投降勧告の続きだったのだろう。
勧告を無視した上での、殺傷目的の攻撃。彼女は、予定調和の最終手段に着手する。
「―――それでは、強制捕縛を実行いたします」
彼女の言葉に応えるかのように、一斉に射撃や砲撃が加えられ、違法魔導師達のバリアジャケットが展開される。
殲滅戦の、始まりだった。
ヴァイスは、ストームレイダーのスコープ越しに、彼女の挙措をつぶさに見つめていた。
ブーメランブレードを握っていた左腕が、消失するかのような勢いで振るわれる。
同時に、彼女の左側のテロリスト達が暴風にでも薙ぎ倒されたかのような勢いで弾け飛んだ。
右腕にはもう一本のブーメランブレードが出現し、彼女は相当な質量があるであろうそれを機敏に振るい、一斉射撃を全弾撃墜した。
懲りることなく加えられる一斉射撃。
その弾幕を目くらましに、剣、斧、槍といった近接戦闘用のデバイスを備えた魔導師が一斉に頭上から襲いかかる―――。
セッテはそれに目を向けることもなく、盾として使用していた右手のブーメランブレードを射手に向かって投擲した。
そのまま、身一つを低く沈め、ブレイクダンスの要領で頭上からの攻撃を全て回避。
襲撃者が驚愕したのも束の間、両手で戻ってきた二本のブーメランブレードをキャッチし、その勢いを利用し三人を一気に薙ぎ倒す!
第一線のベルカ騎士の一撃に匹敵するという彼女の一撃は、バリアブレイクによる防御魔法無効すら備えている。
有象無象の違法低級魔導師によるテロリストの群れなど、端から勝負が成立する筈がない。
ヴァイスは、ただ彼女に見惚れていた。
戦闘に際した彼女は、思いもよらないほど苛烈で一途だった。
その姿を、ヴァイスは美しいと感じた。何よりも美しいと感じた。
性交の際の裸身など比べ物にならない。今この瞬間こそ、彼女の姿は何よりも輝いている。
戦いの為の機械として生きることを選択した彼女。
そんな彼女が、今正にその本懐を果たしているのだ。美しくない筈がない。
一つの機能を極限まで追求したものは総じて美しい。
例えるなら、数百年間形状が変わっていない弦楽器。
例えるなら、水中を時速数100キロで飛ぶように泳ぐ魚。
例えるなら、現在の技術ではもう復元できない古刀。
例えるなら、音速を超えて飛翔する戦闘機。
そんな、何かを究極としたものだけに得られる美しさを、彼女は持っていた。
-
彼女は今、戦っている。
それだけで、彼女は満ちている。
それだけで、彼女は足りている。
まるで、祈りに全てを捧げて生きる教会の聖女のようだとも思った。
そう、彼女に余分なものは何もない、純粋なる戦機―――。
決着は速やかだった。
瞬く間に過半数が戦闘不能に陥ったテロリスト達は、最も安易な道、投降を選択したのだった。
◆
「今回の任務、ご指導ありがとうございました」
―――靴の踵を揃え、きっちりと30度。
彼女は形式ばった一礼をし、颯爽と踵を反した。
出会った時と同じ、あっさりとした別れだった。
ヴァイスは小さく手を振って、その背中を見送った。
「……さて、ラグナの土産に何買って帰るかな?」
凡夫である自分にとっては、人生など悩んで行き詰ることばかりである。
―――彼女なら、自分が苦しむ雑多な物事で頭を悩ませたりしないだろう。彼女は機械なのだから。
『彼女は、自分の生き方を自分で選びとった、だから、彼女は人間だ―――』
などと、無粋なことを言うつもりは微塵も無い。
彼女は機械だ。彼女自身がそう定めた時点で、定義付けは済んでいる。
彼女は、それだけで満ちている。それだけで、足りている。
人である自分は、人生の些細な選択の度に迷ってばかりだ。
それを、彼女はたった一度の選択で全てを決定してしまった。
……少しだけ、セッテが羨ましい。
彼女ならば、あの時に誤射をすることなど無かっただろう。
例え自分の肉親が人質にとられようと、冷静なその瞳を揺らすことなく敵を射抜いただろう。
機械の部品になりきれなかった自分と違って、彼女は本当の機械なのだから。
「―――と」
思考が陰鬱な方向に傾いたのを振り払うように、ヴァイスは顔を上げた。
短い任務だったが、随分精神的な疲労が溜まっているようだ。
「ラグナの土産買って、さっさと家に帰ろう。帰って―――」
鞄を漁る。一冊の雑誌が目に止まった。セッテに渡されたポルノ雑誌だった。
古びた表紙では、金髪の美女が赤いハイヒールを履いた足を扇情的に広げている。
「帰って、せんずりでもこくか……」
そうだ。妄想の中なら、あのセッテも存分に乱れてくれることだろう。
今回はあの女に己を掻き乱されてばかりだ。その程度の役得は―――許されるはずだ。
こき、こき、と首を鳴らしながら、ヴァイスはゆるゆると帰途についた。
END
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18禁だけど、実用性が微塵も無いとは、こはいかに。
機械として生きることを選択したセッテを書いてみましたが、難産でした。
読後にちょっぴりもやもやしたものを感じて頂ければ幸いです。
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GJ!
後日、任務の詳細報告を求められて 全 部 喋るセッテの姿が……w
>>想像して、寒気がした。
>>楽しげにはしゃいで、笑って、じゃれあっていた彼女達。
>>それが全ては仮面と同じ作り物で、部屋に居る時は一言も喋らず、無表情で人形のようにただ在るだけの彼女達の姿を。
ここになんかぞくっと来た。
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記憶違いならスマソが、更正組って5、6、8〜12で
セッテはムショじゃなかったか?
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>>93
ムショやね。
セッテも更正していたら、というifストーリーじゃないかな。
>>91
エロくないけど、その分だけ空虚さが出ていてよかったです。
こういうエロシーンの使い方もあるんだな。
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おお、これは凄い……
完全に機械な存在に、人の悩みや思慮など及ぶところではないのか。
正に戦機、ある意味セッテという存在への真なる理解ある作品なのかも知れませんな。
ただ心配なのは……
――これで妊娠したら半端なくヤバイwww
ほんともう、かなり心配ww
ともあれGJっした!
伊達眼鏡も半裸で待ってますぜ?
そして、感想ついでに気晴らしで書いたSS投下します。
エリオ×キャロ、非エロ、短編、『エリオとキャロのファ〜ストキッス♪』です。
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エリオとキャロのファ〜ストキッス♪
逆立った赤毛の少年、エリオ・モンディアルは息を飲んだ。
目の前の少女の姿に魅入られて。
少年の対面には一人の少女がいる。
ふわりと肩まで伸ばされた桃色の髪を持つ女の子、ライトニング分隊でエリオの相棒を務める召喚師、キャロ・ル・ルシエだ。
キャロは落ち着きなく自分の指を絡め合わせて、モジモジと動かし。
そして顔は僅かに俯き気味で、上目遣いにこちらを見ている。
眉は困ったように下がり、頬は真っ赤に染まっていた。
そこにあるのは羞恥の二文字。
恥じらう少女に、少年は問う。
「あ、あのさ……キャロ、その……良い?」
問われ、乙女は答える。
言葉はなく、小さく顔を頷かせて。
それは堪らなく愛らしかった。
ほんのりと紅潮した頬で、まるで小動物のように身体を小刻みに震わせる様は見る者の保護欲を狂おしいほどにそそる。
エリオは胸の内で鼓動がワルツのように踊るのを感じた。
いつも見慣れた少女の筈なのに、近くで恥らう姿を見ただけでときめく心が抑えられなくなりそうだ。
少年はもう一歩、目の前の少女に近寄り、そっと手を伸ばした。
触れるのは、小さな少女の小さな肩。
儚さすら感じるキャロの両肩に、少年は自分の両手を重ねる。
触れた瞬間、小さく震える乙女の身体。
そしてゆっくりとキャロは顔を上げる。
少し潤んだ、濃いインディゴの瞳がこちらを見つめる。
綺麗だ。思わずそう言いそうになった。
この色を見ていれば、それだけで心が満たされる。
と、少年は思う。
いつまでも曇りなき双眸で見つめて欲しい、そんな事まで考えた時だった。
少女の表情に動きが生まれた。
エリオを見つめていた瞳がそっと細められ、閉じられる。
この意が分からぬ彼ではない。
これからせねばならない事を思い、頬が熱くなってきた。
恥ずかしい、だが引く事はできない。
キャロが決意を決めているのだ、男の自分が怖気づいてどうする? そう自責する。
そして、おもむろに自分の顔を彼女に寄せていった。
瞬間、横合いから野次馬の声。
「おらおらぁ〜! はやくチューしろぉ〜!」
酒臭いスバル・ナカジマの声。
それに続くように他の女性陣、ティアナやシャーリー、ロングアーチの面々から、そうだそうだ、とはやし立てる声も続く。
これら外野の声に、エリオは辟易とした顔をする。
「あぁ……なんでこんな事に」
と、嘆きを呟きながら。
□
事の始まりはシャリオ・フィニーノ、通称シャーリーという少女の言葉だった。
明日は休日だし、久しぶりに皆で集って騒ごうよ。
と、彼女は言った。
集ったのは6人の少女と1人の少年、機動六課のフォワードメンバーとアルト・ルキノ・シャーリーといったロングアーチの面々。
とりあえずスバルとティアナの部屋に集った7人は、お菓子やジュースを手に姦しく騒いだ。
日常のささいな事を話したり、ゲームをしたり、年相応の少年少女らしい事を。
そんな中、混沌をもたらしたのはアルトの持って来た飲み物だった。
曰く、ヴァイス先輩から貰った、というそれはどこかアルコール臭がした。
というか、実際にアルコールだった。
甘めのリキュールの為、全員はそれを単なるジュースと思い込んでいたようだったが。
酒が入った瞬間、状況は一変した。
酔っ払い、理性のタガの外れた面々は王様ゲームを始めたのである。
最初のわきあいあいとした雰囲気はどこへやら、一気に場はカオスとなった。
スバルがティアナの足を舐めしゃぶったり、シャーリーがアルトの微乳をモミクチャにしたり。
ともかくカオスだった。
そして、その命令は発令された。
2番と5番がキスをしろ、と。
エリオが持っていたのは2番で、キャロは5番だった。
かくして今に至る。
「ぐずぐずしないでチューしろー!」
「それでもおとこかー!」
「ヴァイスせんぱいとちゅーしたーい!」
と、少女らは姦しく囃し立てる。
若干自分の願望を叫んでいるだけの人もいた気がするが、きっと気のせいだ。
ともかく、囃し立てられた方は堪ったもんじゃない。
なにせ、二人はまだ手を繋ぐだけでも恥ずかしがるようなお年頃だ。
それをいきなりキスである。
そう簡単にできる訳がない。
(うう……恥ずかしいよ)
目を瞑り、口付けを待つ少女の様を前に少年は思う。
頬が燃えているかのように熱く、頭の中は羞恥心でグチャグチャだ。
目の前に差し出されたキャロの唇に目が釘付けになる。
-
薄い桃色の、柔らかそうな乙女の唇。
異性との口付けなど一度も経験した事のない、穢れなき聖域だ。
そこに自分が触れるという事が、酷く罪深いような気さえする。
少年は躊躇し、羞恥し、戸惑う。
そんな風にエリオが硬直していると、おもむろに少女の瞳がそっと開かれた。
「エリオ君」
「ふえ!? な、なに?」
いきなり声を掛けられ、思わず調子の外れた声を漏らすエリオ。
慌てる少年に、キャロはふわりと微笑んだ。
恥ずかしげに、でもそれ以上に優しげに、柔らかい微笑を浮かべる。
ほんのりと朱色に染まった顔で見上げながら、乙女はそっと囁いた。
「私も、その……恥ずかしいけど……大丈夫だから」
天使の笑顔と共に、心地良い残響は続く。
「エリオ君となら、全然嫌じゃないから」
とくん、と胸の奥で鼓動が一つ高鳴るのをエリオは感じた。
今までの緊張とは違う、甘やかな旋律を心臓が奏でた。
「キャロ……」
少女の肩に置いた手に、僅かに力が込められる。
もう迷う事無く少年は目を瞑り、顔を寄せた。
少女も彼に習い、また瞳を閉じる。
静かに、音もなく近づき合う唇と唇。
今正に、少年と少女の初めての口付けは成され……
「あうッ!?」
「いたッ!」
ゴチンッ、と音を立てた。
まあ、仕方ないだろう。
なにせ生まれて初めてキスをするという二人だ。
目を瞑り、顔を寄せ合って唇を重ねる。
たったそれだけの事でも、エリオとキャロにとっては未知にして至難極まる行為だった。
ならばこうなるのは自明の理。
歯と歯がごっつんこ、するのもまた然り。
突然のハプニングに、あうあう、と口元を押さえて痛がる微笑ましい二人に周囲は笑う。
「ハハハ! かわいー♪」
「初々しいわねぇ」
「二人とも大丈夫?」
問われ、二人はコクコクと頷く。
だがしかし、そこでエリオは一つの事実に気付いた。
「キャロ! 口元から」
「ふえ?」
少年の声に、疑問符を浮かべるキャロ。
エリオに指摘された通り、そっと口元を指でなぞる。
すると、指先には一筋の朱色が付いていた。
鮮やかな乙女の鮮血だ。
「あ、ちょっと切れちゃったみたい」
良く見れば、キャロの桃色の唇には縦に裂けた小さな傷が出来ていた。
歯と歯がぶつかった際に切れてしまったのだろう。
可愛い唇が傷を負う姿は、見ていて少し痛々しい。
少年はこれに即座に動いた。
「大丈夫? 痛くない!?」
口付けに恥らっていた事が嘘のように、顔を寄せて問うエリオ。
彼の勢いに少しびっくりしたのか、目を丸くしながらキャロは答えた。
「だ、大丈夫だよ。そんなに痛くないし……」
そう言うが、案外に傷が深いのか血は止まらない。
さて、ところで小さな傷を負った際どうするだろう。
状況にもよるだろうが、多くの人はその場合、傷口を舌で舐めるのではないだろうか。
エリオもそうだったし、ならば今もまたそうだ。
故に少年は、考える事もなくそれを成した。
言葉もなくキャロに顔を寄せたかと思えば、朱色の鮮血を流す唇にチロリと舌を這わせる。
「ひゃぁッ!?」
愛らしい乙女の、半ば悲鳴染みた声が上がる。
だがそんな事などお構いなしに少年は続けた。
桃色の唇に出来た赤い傷口を、まるで子犬がミルクでも飲むように何度も何度も舌で舐め上げる。
こそばゆい、されど心地良い唇への愛撫に、幼い少女は甘やかな声を上げ、細やかな肢体を震わせた。
流血の残滓が消え去った頃、ようやくエリオは舌の奉仕を止めた。
後には愛らしい桃色の唇と、そこにうっすらと残る傷跡だけがあった。
「もう大丈夫かな。痛くない?」
「……うん」
恥じらいに頬を真っ赤っかにしながら、キャロは小さく頷いて答える。
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まるでリスかなにか、小動物のような愛くるしい所作。
少女の答えに、エリオは優しげな微笑を浮かべて、良かった、と漏らした。
微笑ましく、初々しく、愛らしい。無垢なる少年と少女のやり取り。
それは、見ている方が恥ずかしくなるような甘さだ。
そして、それを間近で見た者達は死んでいた。
いわゆる一つの糖死である。
あまりの……空前絶後の甘すぎるストロベリーワールド。
思わず背中がむず痒くなり、悶絶したくなるような世界。
それが目の前で織り成されたのである。
耐性のない少女らが耐え切る事ができよう筈もない。
彼女らは次々に口から砂糖やハチミツを吐き、悶絶し、倒れたのであった。
翌日からしばらくの間、機動六課隊舎の食堂では激辛メニューが大人気だったという。
終幕。
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投下終了。
私は思うんだ、エリキャロは下手にエロい事するよりも甘酸っぱいストロベリー展開のが可愛いんじゃないか、とね。
仲良く手を繋いだりキスとかチュッチュしてれば良いよ!
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夕食がカレーだったからいい具合に中和されますた
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青春万歳!これは糖死せざるを得ない
さて、担担麺でも食ってくるか
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⊂⌒~⊃。Д。)⊃
このスレでこのAAを使うことになろうとは・・・。
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ハバネロさえも中和しそうな甘さですな
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劇甘万歳!
これは、天の恵みかな。
次の仕事が、ちょうどこの二人だったのも運命ですね。
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>>99
無垢ゆえに秘めたる猥褻さがたまらんです……
こんばんは。
100スレ目おめでとうございます。感慨深いです……
でもネタSSですみません
【キャラ崩壊注意、特にはやて・レジアス】【他作品パロ要素多数注意】
・脱ぐけど非エロ
・はやてが麻雀最強な前スレ作品の続編
・10割ネタ。元ネタ探しクイズ的な作品
ではどうぞ。
-
海鳴市中央部にある商店街には、『翠屋』と言う名の喫茶店兼洋菓子店がある。
平日でも自慢のスイーツを求めて人が絶えない超有名店だ。
しかし翠屋には、一般の客には知られていないもうひとつの顔があった……。
「はいはやてちゃん、ツメシボとアリアリね」
「ありがとうございますー、桃子さん」
ムダヅモ無き管理局改革 〜ミッドチルダ電撃作戦〜
「ローン!! ホンイツ2000てーんっ!!」
翠屋の奥から、かわいい声でアガりを宣言する声が聞こえる。
店の奥にひっそり設置された全自動麻雀卓。
それを囲む女性たち。一人はこの店のオーナーの娘、残り三人は常連客。
「くっ、またアリサちゃんにバカホンされた……」
眼鏡を頭に乗せた美由希は、タコスのメキシカンな香り漂う麻雀ルームで悔しそうにつぶやいた。
その香りの発生源であるアリサは東場ですでにノリノリである。
「まぁまぁ美由希さん、あとで捲くったればええんですよ」
「あらはやて、そんな事許さないわよ? この半荘はアリサ・バニングスが頂きます!!」
金髪のショートヘアーを揺らし、点棒を数本指に挟みポーズを決めながらアリサは高々とぶっちぎり宣言をした。
その様を見て、はやてとすずかと美由希が燃えないわけが無い。
17牌2段の麻雀牌が現れると共にすぐに次の局の準備が始まる。
「アリサちゃんばかりに勝たせるのも何だか悔しいな……」
なぜかノエルのメイド服を借りて気合を入れたすずかが、山から牌を取る。
しかし、その九萬は残念ながら望んだものではない。
(あー、これはちょっと……捨てよう)
一瞬で判断したすずかは、そのまま牌を卓へと静かに置いた。
しかし牌を捨てた瞬間に声が上がる。
「すずかちゃん、それロン」
「ええっ……!?」
「チャンタや」
にっこり笑って手元の牌を開き、はやてはご満悦である。
振り込んでしまった悔しさに軽く目に涙を浮かべたすずかとは対照的に、
はやては嬉々として卓のスイッチを押して牌を混ぜる。
その時、現代日本にはおよそ似つかわしくない空間モニターがはやての前に展開した。
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『はやてちゃん! ごめん、フェイトちゃんに大変なことが起きたの!』
「あれ、なのはじゃない! 管理局の仕事がんばってる?」
『え、あ、うんお姉ちゃん。まぁそれなりに……じゃなくて!!』
モニターの中には、陸士の制服を着たなのはが映っていた。
今日ははやてが休みで、なのはとフェイトはどうしても仕事があって地球に来れなかった。
機動六課がらみで何か事件でもあったのか。はやての顔色が一瞬で仕事モードに変わる。
「なのはちゃん、まず状況説明や。何があったん?」
「あのね、……………という訳なの」
「あー、それマジなん? かなり厄介やな……」
―――――時空管理局地上本部、レジアス・ゲイズ中将がいるその部屋に、
ミッドに急いで帰ってきた制服姿のはやてが乗り込んだ。
ドアが自動で開くと、部屋の奥にはレジアスとその副官オーリス、それに別の女性局員が一人。
対峙するのは高町なのは一人だけ。
「なのはちゃん」
「はやてちゃん、フェイトちゃんが……っ!!」
はやてが声をかけると、なのははすぐに反応して振り向いた。
よく部屋の奥を見ると、レジアス中将の足元には黒い下着姿でなぜか縛られているフェイトがいた。
その姿は、フェイトの成長しすぎと言っても過言ではない胸や尻をさらに扇情的に……
いやそんなことは今はどうでもいい。
「はやてっ!!」
「フェイトちゃん!? どないしたんその格好!?」
「レジアス中将が『私に勝ったら六課の予算に幾らか回してやる』って言うから、少しでもはやての役に立ちたくて……」
半裸のフェイトはそこまで叫ぶと、悔しげに唇を噛んだ。
どうやらフェイトはレジアスと『政治的取引』をした挙句、スカンピンになったようだった。
しかし政治的取引に麻雀を持ってくるくらいなら、フェイトは相当な腕前の雀士なはず。
幾らなんでもここまでぼろ負けと言うのはおかしいと思われるが……
「でもレジアス中将の麻雀、ジャ○アンもの○太くんもいないんだ! こんなルールわからないよ!! ノーテン罰符って何!?」
「……フェイトちゃん、それ麻雀やなくてドンジャラや」
どうやら根本的にゲームを間違っていたらしい。
半裸のフェイトを足蹴にしかねないレジアスは、表情を変えずにはやてに告げる。
「八神、お前のところの部隊はどういう教育をしているんだ? この執務官、一ミッドも持たずに鉄火場に来よったぞ」
ちなみに一ミッドは現代日本の一円相当の金額である。
レジアスの台詞には、表情には出ていない嘲笑の感情がやや含まれていた。
はやてはそれを感じ取り、拳をぎゅっと握り締める。
「レジアス中将、フェイトちゃ……いや、ハラオウン執務官をどないするおつもりですか」
「どうしようと私の勝手だ。すっこんでろ八神」
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タイゾーwwww
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その物言いで、はやての導火線に火が点いた。
元々楽しい休暇がお流れになって少々イライラしていたのだ。それにレジアスとは、ある因縁がある。
表情そのままで静かに闘志を燃やすはやては、レジアスの挑発にこのまま乗ってしまうことにした。
「……わかりました。麻雀を打(ぶ)ちましょう。なのはちゃん、入ってくれへん?」
「え、でも私……家族麻雀くらいしか打ったこと」
「ええから!! 部隊長命令やっ!!」
「は、はい!!」
はやての尋常ならざるオーラを感じ取り、なのはは自分でも驚くほど素直にはやてに従っていた。
これが数々の交渉を乗り越え、齢十九で一部隊を築いた少女の『気』なのだ。
東・オーリス。南・なのは。西・はやて。北・レジアス。
部屋の真ん中から全自動卓と椅子が自動的にせり上がり、局が始まった。
「ハラオウンだけでは物足りんな……レートはどうする、八神」
「そうですね、点アインへリアル(1000点につきアインへリアル一機分相当の予算)でどないですか?」
「……よかろう。お前が負ければ六課は当然予算不足で削減対象だがそれでいいのか?」
「かまいませんよ? 負けへんかったらええわけですし」
「その減らず口、いつまで続くかな」
局が始まり、皆卓に意識を落とす。
なのは以外の三人は牌の捨て動作からして洗練されている。
フェルト張りの卓から、ビシビシと牌を捨てる乾いた音がしていた。
「ロン。1000は1300です」
東二局、オーリスは二フーロの後にアガり。
オーリスが手牌を晒すために牌を指で撫でた瞬間、触った牌に光が点ったような幻想をなのはは見た。
魔法が使えないはずのオーリスの見せた芸当に、つい反応してしまう。
(ほ、蛍返しだ……!!)
思わずなのはは息を呑む。通常の勝負の枠を超えた麻雀だけが魅せる光景。
牌を掴むなのはの手に気持ち悪い汗が伝った。
一方のはやては冷静に局を薦めていく。
オーリスやレジアスの打ち方を見ながら、二人のクセの研究を続ける。
「ロンだ。七対子で裏ドラも乗ったな」
次の局は早めに勝負がついた。なのはが捨てた牌を見てレジアスがアガりを宣言。
レジアスに点数が追加され、逆になのはの点数が下がる。
なのはは責任を感じ、半分涙目になって上家のはやての顔を見た。
「はやてちゃん、ごめん……!!」
「大丈夫。なのはちゃんはなーんも心配せんでええ」
そんななのはを見てもはやてはまったく動じない。むしろ余裕さえ感じる。
はやてはいつもの通りのスロースタート。
時にはオーリスに振り込み、時にはなのはを助ける。
そうこうしているうちに調子が上がってきた。
(ほな、行こか! リインフォース!!)
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はやての気配が一気に変わる。
はやての体からオーラが吹き出し、真っ黒い翼が背中から生えたような幻想をレジアスもオーリスもなのはも見た。
オーリスはその様子にたじろぎながらも、はやての手を封じようと牌を打つ。
(八神二佐の得意手は嶺上開花でのツモアガり。それだけは阻止する!)
レジアスとオーリスによるコンビ打ち。
これに先ほどは局員を加えてフェイトを狙っていたのだ。
オーリスが回し、レジアスが決める。まさにゲイズ親子の阿吽の呼吸がなせる技だ。
今回もそれではやてを撃破するつもりだった……のだが。
「甘いわオーリス三佐。ロン」
「え?」
はやてはオーリスが捨てた牌に即座に反応した。
オーリスが警戒していたリンシャンツモなどはやては端から狙っておらず、
出来た役には東牌が3個、北牌が2個。
「東北新幹線や!」
「そ、そんな役聞いたことがないわ!! 認められませんっ!!」
「しゃあないですね、ローカル役やしなぁ。ほんなら一気通貫と混一色と……」
「くうっ……!」
はやてに振り込んだオーリスが唇を噛む。
しかしこの程度でへこたれる様では百戦錬磨の副官は務まらない。
さっきよりも警戒を強め、徹底的にはやてにアガらせない。
(あー、さすがにちょおキツいなぁ……オーリス三佐、なかなか絞るの上手いやん)
さらに、オーリスは一計を案じる。
指でトントンと数回卓を何気なく叩き、レジアスにサインを送る。
(父さ……中将、あれで行きましょう)
オーリスの手には牌が握られていた。
それは、レジアスの河から予想した『レジアスの欲しい牌』だった。
通称・エレベーターと呼ばれるれっきとしたイカサマ。
気づかれないように表情も変えず目線も一瞬だけ合わせ、それを伝える。
(待て、幾らなんでも)
(方法はどうあれ撃ち落とせばいいんでしょ、八神二佐を!)
(そうか、お前が言うなら……)
レジアスはそっと卓の下に手を伸ばした。
幾多の勝負どころで使ってきたイカサマである。その動作は洗練されており、後ろから見ない限りまず気づかれない。
オーリスから渡された牌を、なのはやはやてに気づかれないように自分の手牌に混ぜた。
その後は何事も無かったように繕い、ゲームを進める。
(今年度の予算の件、忘れたとは言わせんぞ八神!)
イカサマをしてでも勝ちたい理由がレジアスにはあった。
数ヶ月前に行われた今年度の地上本部予算争奪麻雀大会で、はやては見事に優勝。
対するレジアスは、よりによって決勝戦ではやてに狙われて点数と予算をごっそり奪われた。
長年管理局に勤めてきてキャリアも人望も厚かったレジアスにとって、
みっともない負け方をしたと言うことは面目にかかわる。
-
「ロン。大三元だ」
レジアスが自慢げに手牌を倒し、役を見せた。
にやりと歯を見せながらはやてに向かって笑い、はやての動揺を誘おうとする。
「おー、役満やないですか。いいなぁ……」
当のはやては、きれいに揃ったレジアスの手牌を見て素直な感想を漏らす。
そして、動揺する代わりにややうつむきながらぽそりと一言付け加えた。
「でも、今度からは牌はちゃんと山から取ってくださいね♪」
「っ!?」
はやての台詞に、逆にレジアスの精神が揺らぐ。
はやてがどんな表情をしているのかは、前髪の陰に隠れてよく見えない。
しかし、明らかにはやての意識が変わったのだけは感じ取れた。
(失敗は無かったはず……でもそれを見抜きながら、しかもあえて見逃したですって!?)
オーリスも当然その一言が耳に残って離れない。
イカサマに気づいたならば、その瞬間腕をつかんでしまえば当然無条件ではやての勝ちである。
しかしはやては何も言わなかった。獲物を狙う肉食獣のようにその影を潜めている。
(かましてくれるやんか……ほんならこっちもやったろかな、イカサマ。覚悟しいや……!!)
一度流局した後、はやてが牌を引く番がやってきた。
はやてが親指と人差し指と中指を使い、包むように牌を持ってくる。
その時、なのはははやてから違和感を感じた。
(この気配……!?)
オーリスやレジアス達は気が付かない様だが、どう考えても魔力だった。
しかし牌をすり換えるために仮に転移魔法を使ったとしても、一瞬だけではどうしようもない。
魔法陣が派手に出て、幾らなんでも視覚的に即バレてしまうだろう。
だが先ほどのはやてから感じた魔力は一瞬で消えた。
いったいはやて何を考えているのかわからないまま、なのはも牌を捨てた。
(ん、あの捨て方はまさか)
レジアスはふとはやての捨てた牌がある河に目線を落とした。
字牌と老頭牌があからさまに無い。
それらを狙って集めているのが容易に見て取れる。
(国士無双……? 万が一アガられるとさすがにまずいな。オーリス、白を集めてくれ。あるんだろ?)
(わかりました)
はやての手を封じるために、慎重に通しサインが交わされる。
卓の下での一瞬のやり取りの後、オーリスの手元に白牌が四枚揃った。
しかしオーリスはカンをかけずにそのまま四枚を集めて持つ。
この局が終わった時にオーリスの手牌を見て悔しがるはやての顔が、レジアスには容易に想像できた。
緊張感からやや開放されたレジアスは、一筒を場に捨てる。
「ロン」
「なにっ!?」
しかし、はやてはレジアスの捨てた牌にすぐ反応した。
パタパタとはやての手牌が倒れ、はやての役が晒される。
-
「御無礼。ダブル役満でええですか? これ」
一・九萬、一・九筒、一・九索、東・西・南・北・白・發・中。
それにレジアスが放った一筒を加えれば唯一無二の役が出来上がる。
発祥の地である地球の国では『天下に並ぶ者の無い優れた人物』を表す言葉となるその役を見た瞬間、
レジアスの額から冷や汗が噴き出した。
「ばっ……ばかなっ!? 国士無双十三面(ライジング・サン)だと……!?」
にこやかなと言うよりは奥に何かどす黒い感情を秘めたような、冷たい笑み。
手牌を開いた時のはやての表情はいつもとは違っている。
はやては右手を卓に、左手を腰に当ててレジアスに詰め寄った。
「何ですか? まさか白が五枚あるんですか? そんなオカルトありえへんですよねー♪」
イカサマだろうと分かってはいても、現行犯で指摘できなかった時点でどうしようも出来なかった。
はやてのその目線に、レジアスは苛立ちと同時に19歳の少女らしからぬ凄みへの恐怖も感じていた。
その後数局打ったが既にはやてを止める術は無い。
希少な役も飛び出しながら、レジアスをどんどん突き放す。
「御無礼。門前清一色平和でドラは……あー、裏ドラ乗らんかったか」
「御無礼。嶺上開花断幺九対々和三暗刻三槓子ですね」
「御無礼ですー。リーチ一発門前混一色チャンタ二盃口にドラドラっと」
はやてが点数と予算をごっそりとかっさらい、部屋から出て行った後。
レジアスはデスクで絶望に打ちひしがれながら頭を抱え、オーリスはそんな父に詰め寄っていた。
「どうするんですか父さん!? アインへリアル何機分の予算を八神二佐に……!!」
「わからん……ワシにも、わからん……っ!!」
動揺した姿の父を見て、オーリスは唇を噛んだ。
窓の外の夕日を見つめれば、深層心理が自然と口からあふれ出す。
「八神はやて……まるで人の姿をした鬼だわ……」
無事開放され、三人は足早に地上本部を後にした。
執務官の制服を取り戻したフェイトと陸士の制服姿のなのはが、はやてと並んでミッドの街中を歩く。
レジアスをコテンパンにしてすっきりしたのか、はやての顔色はすこぶる良い。
と、なのははふとさっきの対局で疑問に思ったことをはやてに聞いてみた。
「はやてちゃん、さっき魔法使ってた気がしたんだけど……何かしたの?」
「あーあれな。なのはちゃん、ちょおコレ見て。こっそり途中ですり替えといたんよ」
上着のポケットから、はやてがタバコチョコと共にある物を取り出した。
それはさっきまで使っていたはずの麻雀牌。
はやてはその牌を、なのはの手の上に置いた。
「これはさっきの局で使ってた牌……あれっ!? け、削れてる……!?」
なのははその白牌の異常にすぐ気づいた。
中央部分が異様にえぐれている。
まるで何かで削り取ったかのように、新たな面が出来上がっていた。
「『轟盲牌』や。私の力じゃ握り削るのは無理やしな。魔法使わざるをえんかったんや」
-
この牌をツモった時にはやてはちょっとした魔力を手の先にこめていた。
その魔力で魔力刃を生成し、牌の表面を削り取ることによって白牌を作り出す。
魔力の無いレジアスとオーリス相手だったからこそ出来たイカサマであった。
「あ……ありえない、あの局面で……」
フェイトは目を丸くして、はやての大胆なイカサマに驚いていた。
確かにレジアスもオーリスも魔法の素質は無いものの、それなりに部屋にセキュリティを敷いている可能性はある。
何らかの形でイカサマがバレれば、今頃どうなっていたかなどわからない。
「さて、フェイトちゃんも無事帰ってきたし、今から六課メンバーと打(ぶ)たへんか?」
「え、ええっ!? でも私……」
「だーいじょうぶ。フェイトちゃんには私が麻雀とドンジャラの違いをしっかり教えたるさかい」
咥えていたタバコチョコをパキンと歯で割り、はやてはにこっと微笑んだ。
―――――同時刻。
『……ドクターですか? ……ええ、『八神はやて』はなかなかの玄人、いや雀士です』
「そうかそうか。ありがとうドゥーエ」
局員としてレジアスの傍で諜報活動をしているドゥーエからの通信を切ると、スカリエッティはまた卓へと体を向けた。
対面にウーノ、上家にトーレ、下家にクアットロ。
全自動卓によって牌が混ぜられ、17牌2段の山が現れる。
「どうしました? ドクター」
「いや、これから始まる宴に思いを馳せていただけさ……」
クアットロの問いに、スカリエッティはそれだけ答えた。
ビシィッ!! と音を立て、スカリエッティの手から卓へ一筒が捨てられる。
貨幣の形を象ったと言われるその大きな丸が、卓の真ん中で自己主張していた。
-
以上です。
はい、フェイトさんは某タイゾーです。
何だか楽しくなってきたぞ?
ではさようなら!
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まさかのムダヅモ無き! 先のトライガンネタといい、ここの懐は随分深いですね……
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>>99
ひさしぶりのエリキャロGJ!!
チュッチュしてHまではいかなくてもベッドに押し倒してお互いのキスの虜になるのは見てみたいです
-
>>99
あんっっまぁ〜〜〜〜い!!
甘すぎてさらに糖死続出すること間違いなし!
ごっつぁんでしたw
>>114
タイゾーwwwww
して聖王教会法皇の出番はまだですかw?
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>>114
なんというムダヅモwww
そういやこれもアニメ化されるんでしたっけ。
GOサイン出したやつだれだよと思わず突っ込んでたなwww
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>>114
白いほうが勝つわ(キリッ
いがいと皆知ってるんだな
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↑D・U牌(劣化ウラン牌)ならぬレリック牌で天地創世(ビギニング・オブ・ザ・コスモス)をかましたら脱ぐのか…?
と考えた濡れは末期なんだろうな。
-
マターリ夏休みなので久々に投下。
キャロ陵辱モノ。超鬼畜・救い無し・死にネタなので、そういうのが嫌な人はスルー汁!
生半可な覚悟で読むと気分を害する可能性が高いので気をつけて。
★閲覧にあたって★
・全部で26レス分あるので、前中後編に分割しています。今回は前編
・美しく成長したキャロタソを想像してください(つーか新作のキャロの画像見た人いる?)
・カッコよく成長したエリオ君を想像してください
・最後はキャロがお亡くなりになりますのでご注意ください
・最後はフェイトそんが狂うのでご注意ください
-
「はあっはあっ、はあっ、はあ……」
真っ暗な森の中を、少女――キャロ・ル・ルシエは一人で必死に走っている。
いや、それは走っているというには程遠い速さだった。体力も、魔力も、ほとんど底を尽いていた。
何とか呼吸を整えようとしても、限界に近づいている彼女の身体は、それを許してくれない。
それでも、今の彼女は、少しでも遠くに逃げなくてはならなかった。
「あうっ!」
足元の蔓に足を引っ掛けて、ベシャッと派手にすっ転ぶキャロ。
「う、う……」
疲労のあまり、そのまま地面に張り付いてしまいそうになる身体を必死に叱咤し、立ち上がろうとする。
死の恐怖に後ろから追い立てられ、なんとかキャロは立ち上がった。
が、一歩踏み出した途端、脚がガクガクして動けなくなった。いよいよ限界だった。
膝が崩れ、傍に生えていた木に、身体を預けるようにして倒れ込むキャロ。
「ひあっ、はあっはあっ、はっ、はあ……」
ぼんやりと霞がかった頭で、呆然と彼女は考えた。
――どうして、こんなことに……
-
いわゆる『ジェイル・スカリエッティ事件』の後、それまで所属していた機動六課の解散に伴って、
キャロは自然保護隊へと移ることになった。
機動六課時代からずっと共に戦い、今では最も信頼できる少年、エリオ・モンディアルも一緒だ。
自然保護隊とは密猟者の摘発や自然保護業務など行う部隊で、機動六課所属前のキャロはここにいた。
つまり、自然保護隊に復帰したわけだ。それに対して、エリオは自然保護隊の経験がない。
最初は仕事の要領がわからず、随分と戸惑うことも多かった彼だが、そのうち慣れてきた。
そして――なんやかんやで3年が経って二人は13歳になり、今や自然保護隊のエース的存在である。
その頃、キャロ達が管轄する森で大問題となっていたのが、密猟である。
今、キャロ達が管轄する森、と一口に言ったが、『森』はとてつもなく広い。
銀の龍の背に乗って上空から見渡す限り、森は森森森森森森森林森森森森森森森……。
管轄するキャロ達でさえ、その全貌を把握することなど不可能なほど、森は広く、深いのである。
そんな広くて深い森には、生態がハッキリと解明されていない、珍しい動植物がたくさん存在する。
ひとたび、真夜中の森に足を踏み入れれば、
「あひ゜ゃぁー」
「アバババハ ゙ババババ!!」
と、奇怪な鳴き声や物音が聞こえる。もっとも、真夜中に一人で森なんかに入ってしまったら人生終了だが。
最近、森の珍しい動植物が密猟者達によって捕獲され、裏世界で高値で取引されていた。
エリオ・キャロ達は今まで何十という数の密猟者組織を突き止めては壊滅させていたが、
どうも今回問題になっている組織は、今までと比べてかなり大規模な組織らしい。
さて、地道な追跡調査の結果、自然保護隊は組織のアジトがあると思しき範囲を絞ることに成功した。
この広い森の中に、動植物捕獲のための現場というか、最前線の拠点があるらしい。
そしてこの度、準備万端、いよいよ密猟者組織を壊滅させるために大掛かりな遠征が行われることになった。
自然保護隊のエース格であるエリオとキャロが同行しないはずはない。
-
アジトがあると思しき場所まではかなり遠く、初日は森の中でキャンプをして一晩過ごすことになった。
そんな中、テントで一人、エリオは異様な感覚に襲われていた。
(この辺りの森……なんだか変な感覚がする……)
言葉ではハッキリと言い表せないが、何か一つ感覚が抜け落ちるような、そんな感じがした。
機動六課解散から3年、エリオは以前にも増して、着実に実力を上げてきている。
その実力は、かつての保護者であり、時空管理局のエース級魔導師であるフェイト・T・ハラオウンに
勝るとも劣らない領域……とまではいかないが、それに近いレベルまで達していた。
そして、このレベルになると、小手先の技術だけではなく、いわゆる『第六感』的な感覚が、
戦いにおいて非常に大きなウェイトを占めてくることになる。
「…………」
その第六感が、夕方辺りからどうも無くなってしまったような、変な感じが続いている。
「ね、エリオ君、ちょっといい?」
釈然としない感じのエリオのテントに、夕飯を終えたキャロが訪ねてきた。
「き、キャロ、どうしたの?」
「ん、ちょっと……」
少しドキドキしながらも、ランタンの薄暗い明かりに照らされたテントにキャロを迎え入れる。
この3年間でキャロは美しく成長していった。それは間違いなく、『女の子』から『女性』への成長だった。
2ヶ月差とはいえ、歳上であることもあって、少し前までは妹みたいな感覚だった。
だが最近、まだ幼いながらもキャロが見せる女性としての仕草に、エリオは何度もドキッとさせられた。
さすがに以前のような過剰なスキンシップや、一緒にお風呂に連れて行かれるということはなくなったが、
キャロは昔とあまり変わらない態度でエリオと接していた。
それが、エリオにより一層、『女性としてのキャロ』を意識させることになった。
もっとも、キャロの方はエリオのそんな事情には気付いていないわけだが。
紛れも無い、キャロへの恋心は、エリオだけの秘密である。
-
「えっと、その……エリオ君は何か変な感じがしない……?」
テントに入ってきたキャロが開口一番、こう言った。
「え……? キャロも?」
違和感を感じていたのは自分だけではなかったらしい。
なんだか一つ感覚が抜け落ちるような……、そんな感じだよね……、などという
結論の出ない会話がしばらくの間続いたが、結局違和感の原因はわからずじまいだった。
自然保護隊のキャンプが密猟者組織の奇襲攻撃を受けたのは、その日の真夜中のことである。
エース級の二人を擁していたにも関わらず、自然保護隊は壊滅して散り散りに敗走した。
寝込みを襲われるという、全くの不意打ち。真っ暗闇の中での戦闘、混乱、同士討ち。
だが、魔導師の質で圧倒的に勝る自然保護隊が敗れた決定的な理由は、他にあった。
――戦闘用の魔法を、ほとんど使うことができなかったからだ。
エリオとキャロが感じた違和感は、彼らの勘違いでもなんでもなかった。
自然保護隊が足を踏み入れたエリアは、磁場の激しく乱れた場所であったのである。
AMF、という技術がある。かつて、ジェイル・スカリエッティ事件を機に世界中に流出した技術だ。
平たく言えば、AMFは魔法の力を弱体化・無効化させる技術である。
自然界にもごく稀にだが、磁場などの影響でこのAMFに近い環境が発生することがある。
自然保護隊のキャンプは、そんな魔の場所に足を踏み入れてしまったのである。
もちろん、密猟者組織の奇襲部隊はそのあたりの事情を織り込み済みで襲ってきたのである。
森こそがメシのタネなのだから、あるいは彼らは自然保護隊以上に森のことを知っているのである。
密猟者、というよりはむしろ戦闘のセミプロ集団でもある彼らは(密猟だって危険な生物相手で命懸けだ)、
魔法に頼らない武器を持ち出して縦横無尽に暴れまわり、エリオ達を敗走せしめた。
-
(エリオ、君……)
いつも自分のことを守ってくれた少年は、暗闇での激戦の最中、はぐれてしまった。
彼は無事なのだろうか、それとも……。頭によぎった最悪のシチュエーションを、キャロは必死に否定した。
(フリード……)
使役竜・フリードリヒとは途中まで一緒に逃げてきた。フリードも、無事ではなかった。
辛うじて飛翔はできる状態だが、身体中からボタボタと真っ赤な鮮血を噴き出させていた。
とても、キャロを乗せて一緒に飛んで逃げられる状態ではない。
だからキャロは、最後の望みをこの使役竜に託した。私のことはいいから、一人で飛んで逃げて、と。
自分から離れようとしないフリードを半ば追い払うかのようにして行かせるまで、相当時間がかかった。
とにかく、自然保護隊の本部に誰かが逃げ戻ってこの状況を伝え、救援を要請する必要がある。
もちろんフリードは人間の言葉など喋れないが、仲間の元へ辿り着きさえすれば――
がさっ
「――――ッ?!」
心臓が止まるかと思った。音のした方向を弾かれるように振り返るキャロ。見つかったのか。
歯が、ガチガチと鳴った。怖くて怖くてたまらない。それでも、必死に息を詰めて気配を絶とうとする。
だが、予想に反して、音のした方向からは真夜中の森の静寂が伝わってくるだけだった。
ふうっ……と、キャロが安堵のため息をついて肩の力を抜いた、その瞬間だった。
「 み ー つ け た 」
耳元で、低く、甘ったるい声がした。
-
「…………!!」
蛇のような視線――それも、一つや二つではない――に背後から晒され、金縛りにでもあったかのように、
キャロは動くことができない。血の気が引いていくのが、はっきりとわかった。
「鬼ごっこはもう終わりだぜ?」
「おいおい、女じゃねぇか。こりゃあ『らっきー』だな、フヒヒ」
捕まったら、殺される……。逃げなくては……。頭ではそうわかっているのに、身体が動いてくれない。
この状況から逃れる手を考えなくてはいけないのに、頭が真っ白で何も考えることができない。
冷たい汗が、背中を伝っていく。
「それじゃ、お嬢ちゃん。俺たちと一緒に 来 て も ら え る か な ぁ ? 」
へたり込んでガタガタ震えているキャロの肩を、猫なで声の男が掴んだ。
途端、恐怖が最高潮に達し――キャロの中で何かが弾けた。
「……いっ……いやああああアアァァアアァ――――ッッッッ!!!!」
-
かつてない恐怖が、キャロの身体をバネのように勢いよく突き動かした。
逃げようとした。が、この状況でそれが叶うはずもなく、あっさり地面に押し倒される。
パニック状態に陥ったキャロが、手足をバタつかせながら絶叫した。
「いやあああっっっ!!やめてぇっ!放してえっ!!」
「鬱陶しいな。おい、大人しくさせろ」
「はいはいっと、ほれ」
男達に押さえ付けられて大暴れするキャロの身体に、何かが押し当てられた。
「!!ぁぎゃっ……!!」
ばぢ、という嫌な音と共に、キャロが普段の可愛らしい声からは想像もつかないような濁った叫び声をあげる。
一瞬ビクッと強張った身体からは力が抜け、白目を剥き、一瞬で気絶するキャロ。
気絶してしまったキャロを抱きかかえてアジトへと戻っていく男達の顔は、これから行われる『宴』への期待で、
そのどれもが醜い欲望丸出しの下卑た笑いを浮かべていた……。
-
※ ※
(……………………)
(……う……?…………ここ、は……)
鈍痛の残る頭で、キャロはうっすらと目を開ける。灰色の無機質な天井が目に映った。
どこかの部屋の中に仰向けで寝かされているようだ。湿気を帯びた埃っぽい空気が気持ち悪い。
「よぉーやくお目覚めかい? お・嬢・ちゃん♪」
「……ぅぁ……?」
その声のする方向に首を動かして視線を向けるキャロ。
そこには――自分をいやらしい目でニヤニヤと見下ろす男達の姿があった。
男の一人が唇の両端を吊り上げ、これ以上ないであろう下卑た笑みを顔一杯に浮かべて言う。
「 よ う こ そ 、 我 々 の ア ジ ト へ 」
「……え……! あ、ああああっ?!」
気絶する前の出来事。意識を取り戻してみれば、見知らぬ部屋に見知らぬ男が大勢というこの状況。
全てを悟ったキャロの表情が、一瞬にして恐怖に染まる。この男達に、捕まった……。
そう、ここは密猟団のアジトの地下室で、時折催される『宴』の開催地でもあった。
「……ッ! ――えっ?!」
思わず逃げようとして身体を動かそうとしたが、それができないことに、キャロはようやく気が付いた。
パイプベッドの上に仰向けに寝かされた彼女の身体は、四つの手錠で拘束されていた。
両手首と両足首、それぞれに嵌められた手錠が、ベッドの四隅のパイプにしっかりと繋がれている。
つまり、キャロは仰向けX字の状態でベッドの上に拘束されているというわけだ。
-
「……ッッ!! ぐぅっ! なにっ、これぇっ!」
力ずくで手錠を引き千切ろうと全力で手足をバタつかせた。
が、そんなことで千切れるヤワな手錠があるわけないだろ、常識的に考えて……。
男達は、そんな『獲物』の様子を実に楽しそうな目でじっくりと眺めている。
続いて、キャロは魔法で手錠を破壊しようと試みたが……
(……っ?! な、なんで……?)
キャロの意図に気づいた男達は、ニヤニヤと笑いながら、からかうような口調で教えてやった。
「魔法は無駄だぜ、お嬢ちゃん」
「その手錠は特注品でな、嵌められた人間の魔法の力を無効化しちまうのよ。クカカカッ」
そう、ご想像の通り。この手錠には、AMFの技術が使用されていた。
魔法の力を無効化されたキャロなど、ただの無力な少女でしかない。逃げられない……。
そう悟った途端、初めて男達のゾクリとするような視線が身体中に突き刺さっていることに気が付く。
「……っ!…………っ!」
指一本、動かすことができない。急速に喉がカラカラになり、声も出せない。
全身から嫌な汗がジワジワと噴き出すのがわかった。
「お〜? なんだなんだぁ、ガタガタ震えちゃって。カワイイねぇ」
その時、ギィィィィ……という重い音を立てて、部屋の扉が開いた。
「おい、連れてきたぜ」
後ろ手に手錠――無論、AMF仕様の――を嵌められた誰かが、引きずられるようにして部屋に入ってくる。
その人物を見た途端、キャロは我知らず叫んでいた。
-
「――――!! え、エリオ君?!」
それは間違いなく、キャロがもっとも身を案じていた少年だった。
キャロのその声に反応したのか、エリオがゆっくりと顔を上げる。
死んだかもしれない、と思っていたエリオが、生きていた。少しだけ、希望が見えた気がした。
「ぅ、ぅぁ、あ……キャ、ロ……? ――ッッ!! ぅぐあ……!」
「エリオ君?! エリオ君どうしたの!!」
だが、ホッとしたのも束の間。エリオの声は、苦痛に満ち満ちていた。
酷い暴行を受けたのだろうか、顔は真っ赤に腫れ上がっている。
バリアジャケットはボロボロになり、剥き出しになった肌には痛々しいアザがいくつもできていた。
「このガキ、何にも答えてくんねーから、ちぃーっとお仕置きしてやったんだわ」
「ぷはっ、これでちぃーっとか」
「おう、ちーっとな。ま、今のやりとりでこのガキ共の名前はわかったな」
名前を知られたから別にどうなるわけでもないが、自分達の情報が相手に知れ渡ってしまったような気がして、
エリオとキャロはさらに精神的に劣勢に追い込まれた。
エリオの脇に立っていた男が、エリオの前髪を乱暴に掴んで顔を上げさせる。
「さぁて、エリオ君に来てもらったのは他でもない。ぜひ、見てもらいたいものがあってなぁ」
「見てもらいたいもの、だと……?」
「ああ。『男』の君なら、きっと喜んでくれると思うがね。……さて、始めちまってくれ」
目で合図を受け、ベッド脇に立っていた男が懐から立派なナイフを取り出す。
ニタニタしながら怯えるキャロの頭を押さえ付け、左の頬に浅く刃を突き立てた。
キャロの身体が一気に硬直した。その光景に、自分の身体の痛みも忘れ、エリオは獣のように叫ぶ。
「お嬢ちゃん可愛いねぇ。でもさ、赤ぁ〜いお化粧してあげたら、もっと可愛くなるんじゃないかなぁ?」
「なっ?! キャロに手を出すな!! やめろっ、やめろおおぉぉ――――ッッッ!!」
「ひっ?!ひぃぃっ!!痛っ、痛い!やめてぇ!」
「くそおぉっ! やめろっ、やめグブウッ?!」
絶叫するエリオに、たちまち数発の鉄拳が見舞われた。
スーッと滑るようにナイフが引かれ、糸のように引かれた傷から、真っ赤な血液が溢れ出す。
目を固く閉じ、恐怖に震えるキャロを見て、男達の嘲笑が室内に渦巻いた。
「あーあ……もう嫁にいけねぇわ、このコ」
「けっこう可愛い顔なのに、キズモノじゃあな〜貰い手がいないだろ」
「でもよ、それだったら……」
「 俺 ら が 嫁 に も ら え ば い い ん じ ゃ ね ? 」
-
前編終わり。残りも書き上がってますけど、まあゆっくりいきませう。
-
ヒャッハー!ぬるぽ氏の陵辱物待ってたんだぜw キャロの拘束ktkr
今回は結構ハードそうだけど期待
全裸待機しとく
-
早く続きを頼む!
新作でエリオは若干大人っぽくなったかな。キャロはそんなに変わってない感じ。
身長差が結構開いてた。
-
GJ! できれば早く続きをwww
-
さて、ぼちぼち次行きますか
★閲覧にあたって★
・全部で26レス分あるので、前中後編に分割しています。今回は中編
・美しく成長したキャロタソを想像してください
・カッコよく成長したエリオ君を想像してください
・最後はキャロがお亡くなりになりますのでご注意ください
・最後はフェイトそんが狂うのでご注意ください
-
「……となると、嫁にする女にすることなんざ、決まってるよなぁ?」
「……え? あっ?!いやあああぁぁあっっ?!」
ざくっ
ナイフの男が、薄汚れたキャロのバリアジャケットに刃を入れ――一気に切り裂いた。
強固なバリアジャケットがこんなもので切れるはずはない。
おそらく、魔法を使って刃に何か特殊な加工を施しているのだろう。
男達が数人で、キャロの手を、脚を、頭を、ガッチリと押さえ込んだ。
「いやだっ、ぃゃあっ!!やめてやめてぇ!!やめてェェ――――ッッッ!!」
バリアジャケットを切り裂かれて素肌を剥き出しにされる度、キャロは泣き叫んだ。
いつの間にか溢れ出した涙が、ボロボロと目尻から落ちていく。
バリアジャケットの残骸がベッドの周りにばらばらと散らばり、比例してキャロの肢体が顔を覗かせる。
男達の期待と股間が、爆発的に膨らんでいく。
ついに、キャロの大事な部分を守る、最後の砦に手が掛けられた。
「そこはっ、そこだけはやめてぇ……お願い……!」
「さぁて、一番最後のここはどうなってるのか、なっ!」
「――――ッッ!」
「……おおお、このコのアソコにはうっすらと毛が生えてるぜ!」
「髪の毛と同じピンク色だわ。ぴ・ん・く・い・ろ。ひゃっはー、萌えるなぁオイ!」
鉄拳制裁で悶絶しているエリオに聞こえるように、男達はわざと大きな声で言う。
振り乱されたピンクの髪が汗と血で頬にぺったり張り付くと、それはまた男達の欲情を爆発的に煽った。
13歳の、子供から大人へと成長しつつあるキャロの若々しい肢体に、男達の手が一斉に伸びた。
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「ヒッ!?やだぁっ、やめてぇっ!!助けてぇ!助けてエリオ君!」
ごつごつした手が、無遠慮にキャロの身体を蹂躙していく。
発育途上でまだ硬い乳房を乱暴に揉みしだかれ、薄桃色の乳首に歯を立てられ、苦痛に喘ぐ。
誰にも穢されていない聖なる茂みを、乱暴に掻き回される。
女の子らしく真っ白でむちむちした太腿は、涎でべとべとに汚された。
「ああああちくしょう、もう我慢できねえ! 今日は俺が一番手だったよな?!」
「クソッこんな可愛いコ、俺がヤりたかったのによぉ」
「おいおい、てめーはこの前トップバッターだったろ?」
「あんときゃひどい『ハズレ』だったじゃねぇか」
そう言いながら、『一番手』の男は穿いているものを脱ぎ捨てる。
「――――ッ?!い、いやあっ!」
男性器への認識が『ちんぽ』ではなく、未だに『おちんちん』であるキャロは、目の前の光景に恐怖した。
もうキャロはお子様ではない。男性器が持つもう一つの顔を、知識では知っている。
だが、実際に目にしたことなどない。初めて見る、知らない、ということがキャロの恐怖心をさらに煽った。
「た、助けて……!」
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90°以上の角度でそそり立って腹にピッタリとくっつき、先端からは粘液が溢れている。
女の淫液を吸い尽くし、どす黒くなっているそれは、まるでビール瓶が股間にそびえ立っているようだった。
この槍でキャロを串刺しにし、突き殺すまで男は満足しないだろう。
「ぐ、はっ……ちく、しょう……キャ、ロ……!!」
キャロが助けを求めて泣き叫んでいるのに、エリオは地べたに這い蹲って見ることしかできなかった。
その声でエリオの存在を思い出し、ふと悪魔の業を思いついた男がエリオの下半身に手を掛ける。
バリアジャケットを、強引に引き摺り下ろす。驚きの声が上がった。
「なっ?! 何をするっ、やめろおっ!!」
抵抗むなしく、数秒後にエリオは下半身を全て曝け出されていた。そこには――
「ハッハッハ、おい見てみろ! このナイト君の槍はなかなか立派なもんだぜ!」
「うっわすげえなあ! いっちょまえにおっ勃ててやがる、クカカカカ!」
悲しいかな、大好きな少女が目の前で裸に剥かれて悲鳴を上げているという状況にも関わらず、
エリオの下半身は三大欲求の一つである性欲に忠実であろうとしていたのである。
「あのコのハダカ見て興奮してんだろ? なあそうだよなぁ!」
「ち、違う!」
「ひでぇなあ! 仲間の女が素っ裸に剥かれて助けてぇ〜って泣いてんのに、それ見てチンポデカくしてんのか」
「違うッッ!! やめろぉっ……!」
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エリオが今までで一番苦痛に満ちた声を上げた。確かに――キャロの裸体を見たくなかったといえば嘘になる。
キャロの泣き叫ぶ声を聞いて興奮しなかったといえば、それも嘘になる。
だがそれは、全てキャロへの裏切りであった。
そして、そんな裏切りを無情にもキャロに知られた瞬間――エリオの心に修復できない決定的なヒビが入った。
信じられない、といったキャロの視線に気付き、エリオは目を逸らして必死に叫んだ。
「……ッ! 違うんだキャロ! 違う……っ!」
「ははっ何も違わねぇよガキィ! てめーはこのコが俺達にヤられるところ見て興奮してんだよ!」
「マジ最低だわコイツ。同じ男の風上にも置けねぇ……なーんてな、な〜んてなぁ。アヒャヒャ」
必死に首を横に振り、違う、違うと力なく繰り返していたエリオだったが、やがてがっくりとうなだれた。
心が、砕けたのだ。男達に暴行を受けて体力を失い、弱気になっていたこともある。
が、それ以上に、キャロに自分の裏切りを知られたという精神的ダメージの方が大きかった。
エリオとキャロ。お互いを支える心の絆が一つ、崩壊した瞬間だった。
「そんじゃあ全然濡れてないところ悪いけどよぉ、早速挿れさせてくれよなあ!」
行為をしやすくするために、キャロの足首の手錠を外すや否や、男は獲物にむしゃぶりついた。
身体をこすりつけ、汗ばんでしっとりとした幼い肌の感触をしばし楽しむ。
褐色と白の肌のコントラストが、なんともいえない卑猥さを醸し出していた。
「ひいぃっ?!」
男がキャロの割れ目に肉棒の先端をあてがった。
必死に身体をよじり、上へ上へと逃げ、なんとか肉棒のロックオンから逃れるキャロ。
その様子を面白がり、男は逃げるキャロの割れ目を執拗に追い回し、タテスジを肉棒で上下になぞる。
その感触にキャロが再び悲鳴を上げ、身体をよじって上に逃げようとする。男はそれをまた追いかける。
キャロの割れ目と男の肉棒の鬼ごっこが、しばらくの間続いた。
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「いやっ!」
「ほれほれっ、このままじゃ俺のちんぽがグサリ! だぜ。クククッ」
「やあっ!」
キャロを拘束している手錠が、ジャラジャラと目障りな音を立てる。
なんとか手錠を外そうと必死にもがくキャロの両手首には、痛々しい傷が次々と刻まれ、赤く染まっていく。
しばらくすると、キャロが動かなくなってしまった。抵抗を諦めたのか、それとも純粋に体力が尽きたのか。
はあはあと息を切らせてぐったりしたキャロの様子に、いよいよ男が犯る気になった。
「クヒヒ。さぁて、そろそろ挿れるか」
「さっさとフィニッシュしてくれよ。後がつかえてんだからよぉ」
「あーはいはい、わかってますって」
キャロの太腿をがっしりと力を込めて握り直し、男は腰を一気に押し進める。
もう逃がすつもりは無い。太すぎる亀頭が、キャロの未知の領域をグイッと押し拡げる。
股間に押し当てられた熱い肉の感触に、キャロは裏返った悲鳴を上げた。
「あ、いやあぁ……っ!」
反射的に、助けを求める視線を必死に向ける。
だが、視線の先の少年は、虚ろな瞳でこちらを見ているだけだった。
「みっ見ないでエリオ君ッ!! 見ちゃダメえええェェ――――――ッッッ!!」
もう犯されるのが避けられないと悟ったキャロが最後にした抵抗――それは、自分の大好きな少年に、
自分の犯される姿を見ないでと叫ぶことだった。
キャロの絶叫と共に、男の肉棒がキャロの割れ目を強引にめくり上げ、ピンクの茂みへと埋没していく。
ずぢゅっぐぢゅうっという粘着質な音を立てて、そそり勃った剛直がキャロの胎内にめり込んだ。
め゛りっ
その瞬間――キャロは自分の身体が真ん中から引き裂かれる無惨な音を、確かに聞いた。
「あっあ゛あっ?!!いやああっ!ぐぎゃあぁあァアア゛ァア゛ァ――――ッッッッッッ!!!!!!!」
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