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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説第100話

182名無しの蔓 ◆PVEksKylgI:2009/08/16(日) 02:39:27 ID:tcUu.JZk
仕事の一 兄妹狩り(11)

「これから、どうするん? 」
「親戚の叔父が、働くところを紹介してくれるそうです。お金がないですから」
「な、なんやて!? 遺族年金とか特別弔慰金とかは、でえへんの? 」
「あ、あの・・・・・・」
「残念ですがヴァイス陸曹は、陸士として今回の狙撃犯を追ったのではなく
個人で行動し たというのが地上本部総務課の見解です。ですから特別弔慰金
の対象となりません。更 に付け加えますとラグナさんは、ヴァイスの配偶者では
ないので遺族年金も支給されま せん! 」
 噛みつくように無言のラグナに代わってはやてに答えた狙撃班の男の声は、怒りに震えていた。
「そ、そんなん無いわ。理不尽すぎる・・・・・・ 」
「主、はやて興奮してはいけません。傷に響きます」
「はやてちゃん、落ち着いて」
「はやてよ〜。せっかく繋いだ腕が落ちたらヴァイスが犬死にだぜ」
 鉄槌の赤騎ヴィータの皮肉のこもった言葉で周囲の空気が凍り付いたのが盗聴マイクを、
通じても感じられた。
「わーってるよヴィータ、ヴァイス君のおかげで拾った命とこの腕、大事にせんとね。
 でも、この腕の落とし前はきっちりつけたる」
 冷たく言い放ったはやてを双眼鏡で確認した俺は、夜天の書の主というより、かって
幾多の次元世界を破滅に追い込んだ闇の書の主を思わせる顔を見てニヤリとした。
 これで”陸”と”海”の対立と軋轢が、ますますヒートアップしていくだろう。 
「ラグナちゃん、家が良い働き口探したる。今からうちに来ない? 」
「でも、叔父と話し合わないと、今日の夜、兄のマンションに・・・・・・来るんです」
 そこまで言うとラグナは、筋書き通り、涙を流して嗚咽を始めた。
「そうやね。急な話やものね。ええよ、明日にでも、私が行くから」
「そんな・・・・・・悪いです」
「ラグナちゃんは、気にせんでええの。あなたのことは、八神はやてが責任もって引き受
 けたる。大船に乗ったつもりでええよ」
 いくら機動六課の隊長を務めていたとはいえ、所詮は二十歳そこそこの小娘である。
ラグナの涙と嗚咽に見事に引っかかったはやての言葉を聞きながら、私は含み笑いを
こらえるのに苦労した。
 これで、準備は完了した。
 後は、仕上げを明日のミッドチルダ犯罪報道チャンネルで確認するだけだ。私は、00
2にランドクルーザーを発進させるよう命じた。
 次元航行旅客船”ペイルライダーⅢ”の二等客室B402のシートに腰を下ろした私は、
ルームサービスの来るまでの間、客室備え付けのモニターをオンにするとミッドチルダ犯
罪報道チャンネルにチャネルを合わせた。
「本日のミッドチルダ犯罪報道をお知らせします。本日、8時20分、陸士隊専用アパー
 ト”スプリングフィールドA11”401号室で爆発事故が発生しました。爆発現場か
 ら中年男性の死体が発見されました。なおこの爆発に巻き込まれ、隣室の403号室の
 ハリー・フラップさんとその妻ペニーさん、長男のジムちゃんが死亡しました。ガス爆
 発が原因と思われますが、部屋の所有者であるラグナ・グランセニック嬢の行方がわか
 りません・・・・・・ 」
 そのニュースを聞きながら、ルームサービスが持ってきたモーニングサービスのクロワッサン
を取り上げた私は、数ヶ月後、次元世界の闇ルートに流出するであろうラグナの裏ディスクを
見たはやての顔を想像して、含み笑いをこらえるのに苦労した。

                  了

相変わらず遅筆ですが、ご勘弁ください。
次の仕事は「エリキャロ」。
題名は仕事の二「首はいらない」です




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