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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆
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外道流れ旅 SWORD&BULLET 召還師陵辱編
長剣を持つ隻腕の男、そして槍を構えた少年が草原の中央でにらみ合う。
隻腕の剣鬼、ジャック・スパーダは、目の前の少年が見せる勇姿に嬉しげに楽しげに、爽やかな程の笑みを浮かべている。
対する少年騎士、エリオ・モンディアルは汗を交えた苦悶。
自身と相手との実力差は十二分に承知している、故に見せる表情だ。
されど彼に敗北は許されない。
もし負けたのならば、傍らでこちらを嘲笑と共に眺めている外道の毒牙がパートナーを、キャロを襲うのだ。
負けられない、この身に何があろうとも絶対に。
決意を固め、戦意を奮い立たせ、少年は手の槍を力強く握る。
こちらを見つめる剣鬼に裂帛の気合を込めた視線を返し、エリオは叫んだ。
「ストラーダ! フォルムツヴァイッッ!!」
瞬間、愛槍であるデバイスが応える。
空気が炸裂するような激発音を伴い、カートリッジが中空を舞ったかと思えば、少年の愛機はその機構を変化させた。
穂先の後部に出現したスラスター、爆発的な推進力を得る為に生まれたそれが魔力を炎と燃やし、猛る。
速く、もっと速く。
あの化物を倒す為に、自分の持つ最大の売りである加速度を追求。
穂先のスラスターが爆ぜると同時、少年は身体加速の魔法術式ソニックムーブを行使する。
瞬間、踏み込みの力によって足場の草と土が激しく吹き飛び、エリオの身体が高速の領域へと加速した。
真正面から一直線に、少年騎士の繰り出し得る最高最速の刺突が唸りをあげる。
ストラーダの穂先に魔力で形成された刃が、物理保護とバリア破壊の庇護を受けたその鋭い一撃で敵を穿たんと輝いた。
少年の五体はさながら疾風と駆け抜け、大気を引き裂きながら剣鬼、スパーダへと迫る。
小さな騎士の繰り出す一閃、必殺の一撃が閃く。
が、相手は怪物・魔物・鬼、常人のいる地平を超越した存在である。
高速で繰り出されたエリオの刺突は、次なる刹那、火花と金属音と共に弾かれた。
だらりと剣を下げた状態から、一瞬で刃の軌道を見切り、槍の穂先を斬り上げる。
隻腕の剣鬼は、まるで造作も無く少年騎士の絶技を防いだのだ。
されど、エリオに後退の二文字は存在しない。
ストラーダの穂先を斬り上げられた勢いを利用し、その場で踏み込み、跳躍。
愛槍の炎を滾らせ、足元の草と土を散らし、少年の五体が宙を舞う。
飛行魔法を使えぬ身で空中を選ぶ、一見すると無謀と思える行動。
が、それをエリオは愛槍の能力で捻じ伏せた。
第二形態と変わったストラーダのスラスターが凄まじい炎の息吹を吐き散らし、少年の身体に急制動をかける。
鮮やかに、急激に、宙で回転したエリオは渾身の力を込めて槍の穂先で斬撃を振るう。
数回転して得た遠心力とスラスターの推進力を以って繰り出す一撃が、スパーダの脳天を割らんと下ろされた。
無防備な、少しの警戒もない頭部への攻撃。
魔法で高速化した思考の中、エリオは勝利を確信する。
しかし次なる刹那、槍の穂先が捉えたのは剣鬼の頭ではなく、虚空。
高速の斬撃はただただ虚しく、空気を薙いだ。
少年は斬撃の慣性に従い、宙を旋回しながら見た。
軽く身体を反らせただけでこちらの会心の一撃を回避したスパーダが、首をこちらに回して満面に笑むのを。
視覚がそれを捉えた後、腹の底から背筋まで駆け抜ける怖気と身体に衝撃が走るのは同時だった。
エリオの身体を捉えたのは斬撃。
空中で無防備な少年騎士の身体に、大地が砕けるほどの踏み込みと共に放たれた上段の刀身が踊る。
ストラーダがオートで展開した防御障壁をいとも容易く斬り裂き、兇刃はエリオの胴に裂傷を刻んだ。
美しい朱色の鮮血が銀色の剣閃と共に宙を彩る様はある種芸術的ですらある。
その戦闘芸術が織り成す色が大気を染める間に、少年の肉体は再び草地に落ちた。
柔らかな草を千切り、硬い地面を凹ませながら、小さな騎士の身体は何度も跳ね、転がる。
これで勝負が決したと、剣を振りぬいたスパーダも、その様を見ていたバンディも思う。
が、草の上を転がっていた少年の動きが唐突に止まった。
転がる惰性の動きが終着したとか、なにかにぶつかった訳ではない。
少年が己の脚と槍の石突きで停止したのだ。
胴を斜めに、先ほど斬られた浅いが大きな傷口から血を流し、そして口元も濃く血で汚して、されどまだ戦意を捨てぬ意志の強い眼差しで。
エリオ・モンディアルは立っていた。
もはや満身創痍、体力も魔力も消費して、ボロ雑巾のようになっている。
だが、それでも彼は戦う意思を放棄していない。
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