したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆

905Cursed Lily:2009/05/25(月) 23:18:28 ID:sUH0HdF.
「大丈夫?」
「う、うん……平気。ごめんね」
「いいよ。私も分かるから」

 自分の事に苦笑を隠せないでいるなのはは、頬を紅く染めている。一年前は考えもしていなかった母親として
のなのはの表情だ。
 見ているだけで心が温かくなっていく。なのはの手を握り、その手が握り返してくるのを感じながらフェイト
も自分の子を想った。

「私ね、ヴィヴィオのママになれて良かったなぁ」
「それ、ヴィヴィオに言ってあげたら喜ぶよ」
「恥ずかしくて言えないよ……フェイトちゃんだから言うんだからね。私、フェイトちゃんのおかげでヴィヴィ
オのママになれたと思ってるから」
「私の?」
「うん……フェイトちゃんが、ヴィヴィオがいなくなった時抱きしめてくれたから。多分、私フェイトちゃんが
いなかったらヴィヴィオの事助けられなかったかもしれない……」
「私はそんな大それた事してないよ。それに、なのはの事励ましたのだって私だけじゃないでしょ? 六課のみ
んなとかユーノだって。他のみんなもなのはの力になってたと思うけどな」

 返事は聞かずに、フェイトは立ち上がる。
 夜も大分本格的になり、風も肌寒さを伴いはじめている。運転し続けて重たさを感じていた肩や腕も大分楽
になっていた。休憩は、そろそろ終わりで良いだろう。

「そろそろ帰ろうか。あまり遅くなっちゃうとヴィヴィオも心配するかも」

 そう言いなのはに背を向けて歩こうとして、

「あっ、フェイトちゃんあのっ――」

 何故か、なのはに腕を掴まれていた。

「なのは? そろそろ帰ったほうが……」
「う、うん……ヴィヴィオも心配してるよね……帰らないと……」

 不意に腕を掴んできたなのはの手には、痛いくらいの力が込められていた。
 帰ると言いながら、なのはは中々手を放してくれない。どうしたのと首を首を傾げてみても、何も応えようと
はしてくれない。
 なのはの突然の様子の変化に、フェイトは対処しきれなかった。俯きがちななのはの顔を隠す前髪から覗くこ
とが出来た表情は、何か大きな不安を感じている。
 思い出すのはエリオがまだ幼い時。何か言いたい事があるのに、それでも自分を困らせる事を恐れてしまって
言い出せないでいるのを見ているような感覚。
 だから黙って、なのはの言葉を待つことにした。急かしては駄目だ。なのはの勇気が出てくるまでいくらでも
待つと、そう意思を込めて大丈夫だよとフェイトは微笑む。
 そして、ようやくの事。
 なのはが、静かに言葉を紡ぎ始めた。

「あ、あのね……フェイトちゃん――」




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板