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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆

903Cursed Lily:2009/05/25(月) 23:17:12 ID:sUH0HdF.
 はーい、と返ってくるシャーリーの能天気な言葉に小さくため息を吐いて、フェイトが退室した。
 扉の向こうからは、フェイトがいなくなったからか先ほど以上に白熱しているシャーリーの声。
 聞こえた声には自分の名も混じっていた。多分、シグナムと戦っている辺りの映像でも見ているのだろう。当時を思い出し、僅かに顔が熱くなる。
 あの時は、シグナムに全く歯が立たない状況だった。
 過去の失敗を思い出すのは良い気がしない。今ならもっと上手く立ち回れると思うからなお更に。

「後悔したって仕方ないよね……よし――」

 一人頷いて、フェイトがクラウディアを出る。
 時間も丁度良いくらい。空腹を感じる腹を撫でながら、フェイトは通信ウインドウを立ち上げる。
 通信の相手は夜にでも連絡しようと思っていた相手。
 今日はとことん、娘の話を聞かせてもらうとしよう。


* * *


 心地よいエンジン音が鼓膜を揺らす。アクセルを気持ち強めに踏めば車が加速すると共に、夕日に染まった背
景の流れる速度が速くなる。
 窓を全開にし、入り込む夜風の冷たさを感じながら、フェイトはステアリングを握っていた。隣にはなのはが。
 特に目的地がある訳ではない。なのはに入学式の時の話を聞くついでの、久しぶりのドライブだった。

「風気持ちいいね。六課にいる時は全然だったけど、やっぱりたまには良いね」
「うん」

 なのはの口数は意外な程に少ない。てっきり、興奮した様子で入学式の事を話してくれるのかと期待していた
のだが、フェイトが話しかけてそれに相槌を打つ程度。
 初めての事になのはも疲れてしまっているのかもしれない。ヴィヴィオも熟睡してしまっているそうだから恐
らくは。
 自然、交わす言葉の数は減り次の言葉までの間は伸びていく。苦ではない。口数は少なかったけれど、なのは
の横顔は笑っていたから。

「もっと凄い嬉しそうなのを予想してたんだけどなぁ」
「にゃはは、さすがに何時間も経ってるからね。もうちょっと早く連絡してくれれば良かったのに」
「しょうがないよ。仕事だったんだから」
「うん、お疲れ様。そうだ、ティアナはどう? ちゃんとやってる?」

 全く心配していない様子でなのはが言う。心配していないのはどうでもいいからではなく信頼の表れだ。

「まだちょっと環境に慣れきってないみたいだけど、頑張ってるよ。優秀な子だし、やる気もあるから助かって
る」
「慣れかぁ……確かに、ティアナはその辺りはちょっと苦手かもだね」
「緊張って感じじゃないんだけどね、頑張りすぎてるのかな。スバルくらい力抜いてくれたら理想なんだけど。
なのははどうだったの? 今日緊張したりとか」

 うーん、となのはが考え込む。何故か困ったように眉を下げ、何かを言いあぐねているている様子。どうした
のとフェイトが言葉を投げかけても、なのはの様子は変わらない。
 そのまま待つこと数分。溜めていたらしき息を吐き出して、なのはが言った。

「実は緊張し過ぎて、いつの間にか終わってた感がありまして……」
「もぅ、何それ。せっかくのヴィヴィオの入学式だって言うのに――」
「で、でもっ、ちゃんとヴィヴィオの事見てたもん! ヴィヴィオ、凄い頑張ってたんだから!」
「覚えてないとか言ってるくせに」

 なのはが悔しそうにこちらを睨みつけてくる。何やら良い訳があるようだが聞く耳なんて持っていない。
 そのままなのはの反論を適当にやりすごし、頬を膨らませる姿に声を出してフェイトが笑う。
 怒りを露にして顔を真っ赤にしているなのはは、母親である事を忘れそうな程に可愛らしい。仕事中はあまり
こう言った表情を見せる事は少ないけれど、そんな子供っぽいなのはの反応が好きだった。

「こっちの話聞きもしないでニヤニヤして……話聞かないなら、ヴィヴィオ寂しがるし帰っちゃうんだからね?」
「どうやって? ここ、どこだか分かってる?」
「……なんか、今日のフェイトちゃん凄い意地悪だよ」
「そんな事ないよ。いきなり何言ってるの」
「いーや、意地悪だ」




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