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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆

846UNDERDOGS 第二十五話⑨:2009/05/23(土) 23:31:01 ID:AvRlB5jM
「そんな格好悪いことしたら、あの世で呆れられるかも………ね」

そして、カルタスは抗うことを止めた。
生きようとする意思を手放し、朽ちた体が急速に死へと加速する。
最早、激痛すら感じなくなったカルタスの心に、マリアージュの意思が侵蝕を開始する。
楽しかった思い出も辛い記憶もかき消され、屈強な肉体が麗しい女性のものへと変わっていく。
すると、用途を成さなくなった外骨格が次々と弾け飛び、金属板が辺りに散らばっていく。
その中には、常に両足に装着していたギンガの形見も含まれていた。





その時、スバルはカルタスの声を聞いた気がした。
今から預かっていたものを返すから、受け取ってくれと。
それが何なのかはすぐに思い当たった。この重くなった左足を、見えぬ左目と無防備な左腕を守ってくれる武具。
そして、目の前の仇敵を叩きのめすことができる最後の武器。今こそ、幾年の月日を隔てて欠けていた半身が
母のもとへと戻ってくる。

「あれは、デバイスか?」

宙を舞う紫紺の宝石を認めたスカリエッティが、スバルに先んじてその手を伸ばす。
本能的に、あれを取られてはまずいと思ったのであろう。だが、スバルは咄嗟にウィングロードを伸ばして
スカリエッティの跳躍を阻むと、自身は渾身の力でウィングロードの壁を蹴って待機状態のブリッツキャリバーを掴み取り、
己の魂が命じるままに左腕を高々と掲げて両の拳を打ち鳴らせた。

『さあ、いくわよスバル』

『ぶつけなさい、あなたの全てを』

「ギン姉、母さん…………キャリバーズ、フォース・ドライブ!」

《Ignition》

《Get set》

衝撃波が大気を震わし、純白のローラーが半壊したマッハキャリバーに代わって左足に装着される。
正規の主を得て全ての機能を取り戻したブリッツキャリバーは、即座に右足のマッハキャリバーとデータをリンクさせ、
互いに不完全な面を補完しあう。そして、自身に備えられたリボルバーナックルとのリンク機能を発動させると、
空拳であったスバルの左腕に鋼の拳を転送させた。

《データ共有完了、ギア・エクセリオンとの同調率82%》

《ライトナックル、レフトナックル、共に異常なし》

《限界稼働時間まで残り120秒》

《問題ありません、いつでもいけます》

二対のデバイスの言葉を受け、スバルの意識は覚醒する。
初めて装着したにも関わらず、左半身に違和感は感じられなかった。
満身創痍の体は呼吸すら苦しかったが、不可思議な力が全身に漲り、自分の闘志を鼓舞している。
これは姉と母の魂の鼓動だ。2つのデバイスに込められていた想念が、自分の中に流れ込んできているのである。
ならば負ける道理はどこにもない。怒りも憎しみも捨て去り、偽りのない思いのままにこの拳を振るう。
ただそれだけだ。




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