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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆

843UNDERDOGS 第二十五話⑥:2009/05/23(土) 23:28:19 ID:AvRlB5jM
『覚えている、スバル? 努力の時間は決して自分を裏切ったりしない。回り道したのなら、それだけ何かを得たはず。
だから、後は自分らしく…………自分なりに羽ばたくだけ。不屈の心は、その胸に……………』

「はい、なのはさん。私は空を飛べないけれど……………駆け抜けることはできる」

力強い頷きと共に、蒼い翼が雄々しく羽ばたく。
それを形作っているのは、ここにいる全ての英霊達の思いであった。
そして、尊敬する恩師が見守る中、たくさんの人達の思いに支えられたスバルは、白い闇の向こう側へと駆け出していった。





どんな人生においても予想外の事態とは起こり得るものである。
例えそれが、スカリエッティのような生まれる前から己の生き方を決定付けられていたとしても、
時に神は気紛れを起こしたかのように有り得ない事象を引き起こす。
その最たる具現を、人はこう呼ぶ。
奇跡と。

「バ、バカな…………」

殴られた頬を押さえながら、スカリエッティは自分の前に立ち塞がる理不尽を睨みつける。
痛みはなかったが、酷い屈辱感が湧き起こった。例えるなら、チェックメイトの宣言を終えた瞬間に
チェス板を引っくり返されたような気分であろうか。確定した勝利を有耶無耶にされることほど腹立たしいことはない。
だが、それ以上に疑問なことがあった。それは、どうして目の前の少女が立ち上がっているのかということだ。

「何故だ、確かに致命傷だったはず! 圧倒的な絶望を前にして、何が君を突き動かす!?」

「それは………あたしが1人じゃないからだ!」

怒涛の如く繰り出されるコンビネーションの勢いに圧され、スカリエッティは思わず防御しようと身構えた。
しかし、スバルの攻撃は鉄壁のはずのフィールド防御を揺るがし、不定形なはずの力場に見えない亀裂を走らせる。
AMFによって完全に魔法を封じられた状況で、絶対防御たる自身の障壁が崩れようとする有り得ない出来事を前に、
スカリエッティは動揺を隠せなかった。その僅かな隙をこじ開けんとスバルは殴りかかり、スカリエッティは益々追い込まれていく。
だが、彼とて伊達に天才と呼ばれている訳ではない。すぐにスバルの瞳が金色に染まっていることに気づき、
普段の冷静さを取り戻してスバルから距離を取る。

「なるほど、機人エネルギーか。源は違えど、魔力と機人エネルギーは類似した点が多い。
瀕死の体を一時的に立ち上がらせることもできるだろう。だが、疑問が1つ残る。
私の絶対防御は君の振動破砕が天敵だ。理論上、君の攻撃を受け止めた時点でこの体はバラバラに砕け散るはず。
だからこそ解せない。どうして、私は生きている?」

触れたものを瞬時に粉砕する彼女のISは、手加減などできる代物ではない。仮に直撃を免れたとしても、
振動エネルギーを少量でも流し込まれれば全身の骨や筋肉がズタズタに引き裂かれてしまう。
彼女は振動エネルギーを拳に纏うことで触れた箇所のみを破壊する技を有していたが、
それにしたって肉体に密着しているフィールド魔法だけを傷つけるなど不可能なはずだ。
科学者として不可解を許容できないスカリエッティは、当然の如く疑問を投げかけた。
すると、スバルは足下に転がっていた金属片を床に零れた培養液の水たまりへと蹴り込み、小さな波紋を立てて見せる。

「振動エネルギーは波紋と同じだ。小石を落とせば水たまりいっぱいに広がっていく。
けれど、大海原に小石を落としても、波紋は広がり切らない」

「流し込むエネルギー量を減らしたというのかい? そんな芸等ができる訳が……………まさか?」

ある仮説に思い至ったスカリエッティは、まだ波紋が広がっている水たまりに別の金属片を投げ入れた。
すると、水面にできた2つの波紋が互いにぶつかり合い、波打ちながら消えていく。程なくして、水たまりは元の静寂を取り戻した。




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