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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆

838UNDERDOGS 第二十五話①:2009/05/23(土) 23:23:08 ID:AvRlB5jM
駆動炉の破壊に成功したことで防衛システムの機能が大幅に低下し、クロノ達は膠着していた戦況を一気に巻き返すことができた。
抵抗は未だ根強いものの、ガジェットの連携にも乱れが生じており、彼らは道中で孤立してしまった仲間を回収しながら態勢を立て直し、
一丸となってスカリエッティのもとへ進軍していく。

「敵は浮き足立っている。怯むな、突撃!」

「うおおおおぉっ!」

ギャレットの号令で十数人の魔導師達がガジェットの群れへと切り込み、無数の攻撃魔法が鋼の戦闘機械を鉄くずへと変えていく。
被害は多いものの、立て続けにゆりかごの要所を制圧できたことや、クロノやユーノのようなエース魔導師が体を張って前に出ていることで、
彼らの士気はかつてないほどに高ぶっていた。ガジェット達はその勢いを止めることができず、無様な鉄の塊を増やしていくばかりだ。
だが、圧倒的な物量差だけはどうしようもない。50の敵を薙ぎ払ったところで、後ろには100の兵力が待ち構えているのだ。
いくら士気が高くても、その物量差を覆すのは容易なことではなかった。

「クロノ、僕が押さえている間に!」

非魔導師をバリアで庇いながら、ユーノは無数のチェーンバインドを発動させてガジェットの群れを拘束する。
それを見たクロノはギャレットに部下を下がらせるよう命じると、自身も後衛へと後退し、
デュランダルに登録されている中で最も威力のある魔法の詠唱を開始する。

「ぐっ………AMFが濃い。クロノ、早く!」

「後2秒保たせろ! よし、ユーノいくぞ!」

詠唱を終えたクロノが無数の氷柱を頭上に出現させると、ユーノはガジェットの拘束を自ら解除する。
そして、バインドの維持に回していた魔力の全てを防御魔法へと集中させ、来るべき衝撃に備える。

「クロノ、撃て!」

「スティンガーブレイド・エクスキューションシフト!」

撃発音声と共に無数の氷柱がガジェットの群れに降り注ぎ、身を裂くような冷気が通路を満たしていく。
いつもより余分に魔力を込めたそれはデュランダルの氷結強化機能によって生み出された本物の氷柱であり、
着弾するとごく狭い範囲ではあるが凍結作用を持った冷気をまき散らすように改良された破格の対AMF仕様だ。
例え全滅させることができなかったとしても、敵の大部分を無力化できるはずである。

「やったか?」

全員が固唾を飲んで見守る中、視界を遮る白い靄が少しずつ晴れていく。その向こうから現れたのは、
装甲をズタズタに引き裂かれて氷漬けにされたガジェットであった。張り詰めていた空気が僅かに弛緩し、
何人かは歓声を上げてクロノを称えた。だが、その安堵は次の瞬間、絶望へと塗り替えられた。

「何………だと……?」

凍り付いたガジェットの後ろには、傷つきながらも未だ稼働している大量のガジェットが蠢いていた。
その数はクロノが予想していたよりも遥かに多く、凍り付いた仲間を無慈悲に破壊しながらこちらに向かってきている。

「こ、これは!?」

クロノの攻撃の余波から仲間を守るために張っていたバリアが音もなく消失していき、ユーノが驚愕の声を上げる。
それだけでなく、シャマルが張っていた治癒の結界も消えており、飛んでいた者も次々に墜落している。
ゆりかご内部を包み込むAMFの濃度が増していっているのだ。それによって氷柱の凍結効果が無効化され、
後方にいたガジェットは被害を免れたのである。

《聖王陛下、反応ロスト システムダウン。艦内復旧のため、全ての魔力リンクをキャンセルします》

無機質な合成音のアナウンスが流れたかと思うと、今までに体感したことのない濃度までAMFが高められていく。
艦の要である聖王が消失したことで、ゆりかごのメインコンピューターが自身の安全を最優先とするプログラムを
発動させたのであろう。それはつまり、生死は別として聖王が無力化されたことを意味する。

(フェイトがやったのか!? くっ、彼女は無事なのか? エリオ達は?)

飛来した熱線が、クロノの思考を中断する。咄嗟にただの鈍器と化したデュランダルで襲いかかってきたガジェットを叩き潰すが、
その後ろから更に数体のガジェットが赤いケーブルを触手のように振り回しながら飛びかかってくる。
その距離は致命的で、防御魔法も加速魔法も使えぬ現状では左右から繰り出される敵の攻撃から逃れることができない。




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