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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆
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夜景見渡せる瀟洒なレストランのテーブルで、二つのワイングラスが凛と小さな音を奏でた。
向かい合う男女は、通りすがりの誰しも、一流としての教育を施された筈のウェイターさえも振り返る程の美男美女だ。
男は、白いタキシード姿の細身の美男子だ。
グラスを唇に運ぶ僅かな挙措からも育ちの良さと品位が伺え、それでいて誠実さと純朴さが滲み出す優しげな顔立ちをしていた。
女は、黒いドレスの凛烈な美女。
鮮烈な色香を立ち上らせているが、決して下品ではなく、己を正しく律する大人の女性としての玲瓏さを併せ持っている。
男であっても女であっても、羨みながらも納得せざる得ない完璧なカップルだった。
「……本当に、夢みたいですよ。僕のような男が、クアットロさんのような方にお食事を誘われるなんて。
その、すみません、上手く言葉がまわらなくて。女性と食事をご一緒する機会なんて、殆どないもので……」
ひたすらに恐縮する男に、女は優しく微笑んだ。
「いいえ。こちらこそお忙しい中ご一緒頂き光栄ですわ。
グリフィスさんには六課に伺った時にお世話になりましたし……。
私の方こそ、今夜は年甲斐もなくはしゃいでしまって御免なさい。
私のような仕事ばかりしている女に声を掛けて下さる殿方なんて、全然いらっしゃらないのよ」
「そんな、勿体ない! 僕だったら―――」
「貴方でしたら?」
「その、僕だったら、放っておかないのに、と……」
「まあ、グリフィスさんったら、お上手!」
少年のように赤面して頭を掻く男と、手を叩いて喜ぶ女。
女は男の本性を、端整な美形の下に隠された、その欲望に黒く汚れた内面を知っていた。
男は女の正体を、淑女然としたナイトドレスを脱ぎ捨て、ボンテージを纏う本職を知っていた。
そして、互いに相手がそれを知っていることも知っていた。
つまり、これは最初から全てが茶番劇。
この高級ホテルでの食事も、この談話も、この先の「本番」の前菜でしかない事を知りつつ、二人は初めて恋を知った少年少女のように語らっている。
相手の仮面に手を伸ばし、虚飾を剥ごうとするような無粋など行う筈が無い。
急ぐ必要は無い。
どの道、決着がつけば相手は地に這い無様を晒すことは重々承知している。
「―――ごめんなさい、少しお酒が回り過ぎたみたい。少し休ませてもらっていいかしら」
だが、思いのほか早く、女はメインディッシュを希望した。
ならば是非もない。男は女に掌を広げる。
「大丈夫ですか? 下のホテルの一室を予約しているんです。体調が良くなるまで、そこでゆっくりと休んでいって下さい」
「ええ。ありがとうございます……」
弱々しい仕草ながらも、女は固くその手を握り締めた。
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