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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆
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近頃のクアットロとディエチの不和もあり、空気が悪くなりがちだったソープ・ナンバーズの控え室。
しかし、その日は以前のような和気藹々とした団欒に包まれていた。
「うわっ、お〜いしぃ〜、このクッキー、クア姉が買ってきてくれたのっスか?」
「ええ。最近行き着けのお菓子屋さんのお気に入りなの。今度はシュークリームも買ってきてあげるわね」
「ありがとうっス、クア姉、楽しみに待ってるっスよ! こう、仕事の合間に食べる甘いものは最高っすねぇ!」
「食い気もほどほどにな、ウェンディ」
そんな喧騒を単純に楽しむものもいれば、狐に抓まれたような面持ちで、訝しげにクアットロを見つめる者もいた。
チンクは妹達と歓談するクアットロに首を捻り、静かにコーヒーを口に運ぶウーノに視線だけで問うた。
ウーノはチンクに視線に応えるように、少しだけ首を傾げると、再び気品ある仕草でコーヒーカップに唇をつけた。
一体どうしたのだろうか?
気に入らない客との不和やディエチとの対立で、最近のクアットロは気が立っているように見えたのだが。
解らないとかぶりを振って、チンクもクッキーを一つ摘む。
心地よい甘みと香ばしさが口中に広がった。
杞憂だろうか。気分が落ち込むこともあれば、持ち直すこともある。
それが人間というものだ。そう、自分達は人間として生きているのだから。
―――そう、自分を納得させることにした。
きっと杞憂なのだ。
クアットロの笑顔に、今までの不機嫌な表情よりも不安を覚えるのも、きっと自分の考えすぎなのだ。
「ウーノ姉様もお一ついかがですか? これは甘さ控え目で、きっと姉様好みですわよ」
当のクアットロは、今までに無い高揚感を覚えていた。
胸中にかかっていた靄が晴れたというだけではない。
ヴァイスを奴隷として従えた瞬間、言葉に出来ない興奮と達成感が背筋を走りぬけたのだ。
「不感症である」ということを誰よりも蔑んでいたのは、他でもないクアットロ本人だった。
ヴァイスへの嫌悪感も、その近親憎悪から生まれた部分が大きいだろう。
夜に街を出歩き、欲望に釣られた男を破滅させて遊ぶのも一種の鬱憤晴らしだ。
自分は、客を癒す女神たるドゥーエのようにはなれない。彼女はそう確信していた。
―――だが、彼女は手に入れたのだ。自分の大切な人を幸せにする方法を。
それは、唾棄すべき男たちを破滅させてきた外道の業だった。
自分も、ドゥーエ姉様と同じように、人を幸せにすることが出来る。それも、自分らしい方法で。
その体験は、クアットロに深い自信と満足感を与えた。
確かに、仕事に見せかけて客と接触し、脅迫まがいの事をしたのは褒められたことではないだろう。
でも、仕方ないことだ。
だって、ティアナの為なんだから。
彼女は、自分が正道を歩んでいることを信じて疑わない。
どんな外道の手段を用いようと、例え法に触れることを行おうと、頓着しない。
これは、ティアナの幸せの為なんだから。
「お疲れ様、今、上がりです」
控え室にディエチが顔を出し、上機嫌のクアットロの表情は一瞬だけ強張った。
そう、ディエチとグリフィスの関係も、クアットロの抱える重大な懸案事項だったのだ。
しかし、クアットロの脳裏に、電撃が走るかのように解決策が閃いた。
―――そうだ、あの男を、ディエチから寝取ってしまえばいいんだ!
ああ、自分がもどかしい。どうして、こんな簡単な事に気付かなかったのだろう!
そうすれば、もうディエチと対立することも、ディエチが下種男の食い物にされることもない。
これ以上単純明快な解決方法が他にあるだろうか!
自分の特技を、愛する人を幸せにするために使うことが出来るのだ。
どうして今まで、詰まらない男の家庭を崩して遊ぶような、無為な事ばかりしてきたのだろう。
自分の頬がどんどん上気していくのが、クアットロにははっきりと自覚できた。
ディエチは随分とあの男にぞっこんのようだから、振られた時には深く悲しむことだろう。
でも、仕方がない。
だって、これはディエチの幸せの為なんだから。
……ディエチ、この私が幸せにしてあげる。
含み笑いを堪えながら、クアットロは控え室を後にした。
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