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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆
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性懲りも無く、件の男は翌日もソープ・ナンバーズの4号室に顔を出した。
昨夜は流石にやり過ぎたかと、クアットロも少々反省していた所だったのだ。
頭に血が上っていたとは言え、矢張り公私混同は行ってはならない。あくまでこれは仕事なのだから。
あの男。あの泣き喚き方からして、どうやらトラウマを本気で抉ってしまったらしい。
よく足を運び金を貢いでくれた男だったが、これっきりになるかもしれない。クアットロは薄々そんな事も考えていた。
―――でもまあ、十二分に繁盛しているソープ・ナンバーズのことだ。常連客の一人が減ったところで、大勢に影響は無い。
寧ろ、自分のストレッサーの一つが消えてくれると考えれば帳尻も合う―――。
そんなことを胡乱に考えていたが、目の前には馴染みの辛気臭い顔が俯いている。
「俺を打ってくれ。……打って、詰ってくれ。―――でも、昨日のような事だけは、頼むから……やめてくれ」
注文が一つだけ増えたようだ。だがまあ、どうという事の無い話だ。
普段と同じように、ただ己の務めを果たすのみ。
そう、ただそれだけの話なのだ。
クアットロは、嗜虐的な笑みに唇を歪ませ、バラ鞭を手に取る。
部屋の明かりが落ちる。さあ、ショウタイムだ。
鞭の音が高らかに響く。ミッド最高のSMショウの観客は、真新しい花瓶に活けられた深紅の薔薇だけだった。
―――此処は『ソープ・ナンバーズ』ただ一晩の春を求めて男達が集う、ミッドチルダの不夜城―――
『伊達眼鏡と狙撃銃』 第五話:二人の共犯関係
傾いた天秤を元に戻さなくては。
ヴァイスがまず考えたのはそれだった。
昼は周囲を欺き温かく迎えられるような虚飾の自分を作り上げ、夜は打たれ詰られる事で周囲を欺く事への罪悪感を麻酔する。
そんな、危ういバランスの二重生活を続けてきたヴァイスだ。
こんなシーソーの中央に立つような危うい生活が、いつまでも続けられる筈が無いことなど、最初から判りきっていた。
崩壊の日が近づいているのは、自分が誰よりも知っている。。
それでも、守れることなら守りたかった。ぬるま湯のような安楽な生活を、いつまでも続けたかった。
……昨夜の彼女の言葉は、紛れも無い自分への攻撃だった。
寝ぼけ眼で全てから目を反らしていた自分が、一体どんな存在なのかを改めて見せ付けられた。
寒中で、突如身に纏った衣服を剥がれたような衝撃。
彼が、己に温もりを与える小さな炎に手を伸ばしたのは当然の事だろう。
―――それが己を破滅させると解っていても止める事ができない薬物中毒者のように。
「―――――――――」
繰り返される日常と化した昼食時。ヴァイスの言葉に、ティアナは首を傾げた。
ヴァイスの言葉は確かに音としてティアナに届いた筈なのに、彼女はその言葉を理解できずにいた。
ずっと待ち望んでいた言葉だった筈なのに、余りに唐突過ぎて、それが現実なのかを認識できずにいた。
不安げに瞳を揺らしていたティアナの顔に理解の色が広がり、頬に赤みがさす。
ヴァイスは、もう一度同じ言葉を繰り返した。
ティアナが、ぱっと顔を輝かせる。普段は凛とした表情の下に隠している、彼女の齢相応の少女としての笑顔が顔に溢れた。
「――――――!! ―――――――――!!!」
身を乗り出して、全身全霊でヴァイスの言葉に応えた。歓喜の気持ちと、幸福の想いの丈を一度に伝えようとして、言葉に詰まる。
もどかしい。普段の自分なら、もっと冷静に対応出来たはずなのに。はしたない自分を窘めようとするが、上手く行かない。
ティアナの目尻には、嬉し涙さえ光っていた。
ティアナ・ランスターはとても優秀で聡明な少女だ。しかし、過度の恋愛感情は人の眼を曇らせる。
加えて言うなら、彼女は未だ17歳の少女だ。純粋過ぎ、幼な過ぎたのだろう。
ヴァイスの友人を自称するグリフィスなら、あるいはソープ・ナンバーズの1、2番あるいは4番なら即座に看破しただろう。
愛を語るヴァイスの瞳が見つめているのは、『ティアナ・ランスター』という少女ではなく、無垢な笑顔を向ける彼女の反応だけだということに。
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