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【Fate】アースセル「真なる聖杯を手に入れろ」【避難所】

1028/5 01:00-13:00したらばメンテ、LR変更につきご一読ください:2014/08/04(月) 02:28:15 ID:HtrGgEoQ

いやマジで式さんは出したら愉悦王じゃ勝てないと思う
本気の英雄王なら「」として完全に開放しない限り大丈夫だろうけど

103 ◆XFKJOt0a3Y:2014/08/09(土) 11:55:06 ID:h4M6dleM

一夜明けて、冷静になってログを読んでみる


IDを偽装されたとしか思えない程の、世界観


再開の構えをする

104 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:32:42 ID:rB2rZR8.
 言峰教会にある事務室では、言峰璃正が涙を流していた。

 仕事をしながらも、丸一日泣いていた。
 神秘の漏洩を防ぐ為、自分の息子が死んだのだ。

 代行者になった時から覚悟はしていた。
 しかし、だ。
 目と鼻の先で、自分は何もすることが出来ずに死んでいったのだ。

 これが泣かずにいられるだろうか。

 そんな時だった。

綺礼「何を嘆いておられるのです。我が父よ」

璃正「綺礼……!」

 自分の息子が、五体満足で目の前にいるのだ。
 璃正は主に感謝をした。

璃正「綺礼! 生きていたのか……!」

 感極まり最愛の息子に抱き付く璃正。

綺礼「ええ、生きていましたとも。泳いで何とか致命傷は避けました。色々と時間はかかりましたが」

璃正「そうか……! そうか! ……大変だったな!」

 綺礼を抱きしめながら、歓喜の涙を流す璃正。

 祝いだ。今夜は麻婆豆腐で振る舞ってやろう。

綺礼「父上」

璃正「なんだ?」

 顔を上げ、自分の息子の顔を見る。
 今までに見たことも無い様な笑みを浮かべる。
 自分の息子が、こんな風に笑えるとは知らなかった。
 璃正にはそれが嬉しく思えた。

綺礼「――――どうか、私の在り方を理解して下さい」

 一瞬――――璃正は自分の身に何が起こったか分からなかった。

 胸が張り裂ける様に、痛い。
 下を目を向けば、黒鍵が胸に突き刺さっている。

璃正「……どういう、ことだ。――――綺礼」

 他の誰でもない、最愛の息子である、言峰綺礼によって。

綺礼「私は蝶よりも蛾を愛する」

 璃正の首をしめ、天高く掲げる。

綺礼「私は美しいものを、美しいと感じる事が出来ない歪んだ人間」

 ――――それはまるで神に供物をささげる、敬愛な羊の様。

綺礼「父は私を立派な人間だと評するが、それは違う」

 璃正の首に掛けている手に、じわじわと力が入る。

綺礼「生まれながらにして善よりも悪を愛し、他者の苦痛に愉悦を感じる」

璃正「何を、何を言っている……!?」

 璃正が苦しそうに顔を歪める。

綺礼「簡潔に言ってしまえば――――」

 綺礼の笑みが、深まる。

綺礼「――――貴方の理想の息子は、幻想に過ぎんという事だ」

 骨が砕け、血肉が飛び散る。

 璃正の首と体が分離した。

綺礼「本当の言峰綺礼とは」

 璃正の髪の毛を掴み、垂れる血をもう片方の手で掬う。

綺礼「 貴方の命を嘲笑い 」

 その掬った血を、この世を去る間際の璃正の顔に叩きつける。

 理解しろと。そして主に悔いながら死んでいけと。

綺礼「貴方の心を殺したいと願う、羊の皮を被った悪魔でしかないのだ――――!」

 その言葉が届いたのか、璃正は悲しみの表情を浮かべ、

 言峰綺礼の手によって、その命は絶たれた。

.

105 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:40:41 ID:rB2rZR8.

綺礼「――――は」

 無残極まりないその光景を見て、言峰綺礼は笑みを浮かべる。

綺礼「―――――はは、」

 嬉しくて可笑しくてたまらない、そんな想いが、胸に熱く充満する。

綺礼「ははははははは―――――!」

 腕を広げ、胸に秘められた自分を抱きしめる。

綺礼「ああ、なんて――――すばらしい」

 膝をつき、愉悦に浸る綺礼。

 答えはまだ得ることはないが、とても晴れ晴れとしている。

 父を殺した禁忌の悦楽が、ここまでの程のモノとは思っていなかった。

 この手で父を葬ることが出来て、心の底から歓喜していた。

 ――――ああ、この笑みが剥がれない。

ギルガメッシュ「そこまでにしておけ、綺礼」

 振り向けば、黄金の王が居座っている。

 そのまま立ち上がると、璃正の死体から令呪を剥ぎ取り、綺礼の腕に移す。

綺礼「私はマスターではない。令呪は意味の無い者だ」

ギルガメッシュ「バカ者。令呪は持つ者の力を底上げする効力もあるのは、貴様も知っていように」

ギルガメッシュ「――――それに、だ。次はお前とあの山猫の、遊戯の時間であろう?」

 時計を見る。

 どうやらかなりの時間を要したらしい。

綺礼「ああ、そうか。ではいくか」

 礼拝堂へと、足を運んだ。

.

106 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:41:56 ID:rB2rZR8.

 間桐雁夜は混乱していた。

 教会へ行けば、金髪の少年が監督役の代わりに手紙を差し出してきた。
 手紙の内容は、夜に遠坂時臣と合わせるといった物である。

 ――――これ位使い魔で伝えろよ。

 そう思って家に帰って来てみれば、焼け野原と化していた。

 聖杯戦争は停戦協定を結んでいる筈だから襲ってくるわけが無い。
 それに妖怪蟲爺の姿も無い。蟲達に探させても桜ちゃんの気配さえない。

 何が何だか分からないといった状況でここまできたといった次第だ。

 礼拝堂の扉を開く。

 奥の方に、赤い背広を着た時臣の後ろ姿が見えた。

雁夜「時臣……ッ!」

 ツカツカと歩いていき、時臣の肩を掴む。
 汗をかいているのだろうか、背広が湿っているのがわかった。

雁夜「お前にはなあ、言いたいことがたくさん有るんだ! 殴らせろ!」

 だが、肩を掴むと、時臣は容易く床に転がった。

雁夜「おい、何をふざけてるんだ時臣――――」

 転がっているのは、時臣だけではない。

 時臣の青い目玉も、顔の傍に転がっていた。

雁夜「……あ、あ」

 自分の手を見て見れば、手が血によって赤く彩られていた。

雁夜「じょ、冗談はやめろよ時臣! こ、この目玉だって、オモチャだろ!」

 顔を見る勇気はなかった。
 代わりに、素早く目玉を掬い取る。

 ニュルニュルと生々しく、蟲達と同じように気持ち悪く感じた。

葵「――――雁夜君?」

 その声に気が付き、後ろを振り返る雁夜。

雁夜「あ、葵さん……!」

葵「……なんで、時臣さんが倒れているの?」

葵「その手に持ってるのは――――何?」

 口元を手で隠し、悲しそうな目をする。

 雁夜の手の中には、先ほど持った時臣の目玉があった。

雁夜「ち、違う! これは!」

 それをとっさに隠して、葵に手を伸ばし迫る雁夜。

葵「来ないで!」

 葵の拒絶に、戸惑う雁夜。

 手で顔を覆い尽くし、嘆く葵。
 恐らくは、泣いているのだろう。

葵「雁夜君! 貴方って最低よ!」

葵「私の夫って知ってるのに、殺すだなんて!」

葵「あの人の、綺麗な瞳まで取り除いて! 人間のやる事じゃないわ!」

雁夜「こ、コイツが悪いんだ! コイツが、桜ちゃんを……」

 葵の激昂に、狼狽するしかない雁夜。
 自分の想いの矛盾点も気が付いていないのだろう。

葵「ふざけないで! 何が私の為よ!」

葵「聖杯で自分の願いを叶えてもらうためでしょ!」

葵「あんたなんかに何が解るっていうのよ!」

葵「あんたなんか――――誰かを好きになったことさえないくせにッ!」

.

107 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:45:18 ID:rB2rZR8.

 ――――その言葉が、雁夜の中にある、大切なものを壊した。

雁夜「う、うあわあああああああああ!」

 首を締めに襲い掛かる雁夜。
 だがそれは、いともたやすく翻される。

 気が付けば、雁夜は床にキスをしていた。

雁夜「……うぇ?」

 雁夜は自分が葵に蹴り倒されたという思考に、結びつかなかった。

葵「最低。最低よ雁夜君」

雁夜「ぐふっ!?」

 葵の足が、雁夜に突き刺さる。
 的確に、痛みを感じる場所を蹴られる。

葵「貴方のにっくい恋敵を殺せば、私が振り向くとでも思ったの?」

葵「バカみたい。世界がそんなに優しく出来てるわけないでしょう?」

葵「童貞特有の思考よねー。大人の世界もわかってないおこちゃま」

葵「いや、まあ雁夜君のはそれ以前の問題なんだけどさ」

 なんだ。何だこの葵さんは。
 僕の知ってる、綺麗で、美しくて、儚い葵さんじゃない。

葵「というか、妄想と現実の区別がついてないでしょ?」

葵「頭の中がとっても幸せなのね。無様よ雁夜君」

葵「私が結婚すると知って家飛び出してー」

葵「『桜ちゃんを助ければ僕に振り向いてくれるかも!』って」

葵「そんな妄想で一年くらいその体弄ったんだっけ?」

葵「 変態 、 お花畑 、 犯・罪・者 !」

葵「ああ、笑えない。気持ち悪い。貴方って本当に生きてる価値が無いわ」

 そう言われ、蹴られながらも、間桐雁夜は拒絶する。

葵「ああ、なんて――――ブザマ」

 目の前にいる、遠坂葵という現実を――――。

.

108 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:47:27 ID:rB2rZR8.

麗羅「はい、できあがり」

 綺礼とギルガメッシュのいる所まで、雁夜を蹴り飛ばす黒い少女。

ギルガメッシュ「見事に腑抜けたな」

綺礼「そう雑に扱うな虚木麗羅」

綺礼「利用価値はまだ十分とあるのだぞ?」

麗羅「キモくて触りたくない」

 綺礼は口を開きかけるが、少し考え直し、改めて口を開く。

綺礼「気持ちは分からんでもない」

麗羅「でしょう?」

 綺礼の言葉を聞き取ると、麗羅はギルガメッシュに振り返った。

麗羅「じゃあ早速、お願い王様ー!」

ギルガメッシュ「……何だ雑種?」

麗羅「この人操って、アイリスフィール誘拐してきて」

 頭が痛くなってきたのか、ギルガメッシュは頭を押さえる。

ギルガメッシュ「……何故我がそんな事をせねばならんのだ」

麗羅「綺礼君の為なのに?」

 チッ、と嫌そうに舌を鳴らす英雄王。

ギルガメッシュ「一々癪に障るな貴様は。仕方があるまい、やってやろう」

 そう言って、ギルガメッシュは宝具を取り出した。

.

109 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:48:45 ID:rB2rZR8.

 その次の朝、アインツベルン城で切嗣は項垂れていた。

切嗣「……ああ、何て憂鬱な朝なんだ」

 一日アーチャー陣営を見張ろうとしたが、何らかの力で疎外された。

 恐らくは、あのアーチャーの宝具の一つだろう。

 舞弥は傍で同じく監視の作業や武器の手入れなどをしている。

 セイバーはアイリの様子見を頼んでいる。
 まったくおだてれば扱いやすいサーヴァントである。

セイバー「切嗣!」

切嗣「うわおう!?」

 悪口を考えている所にその本人が現れたら、誰だってビビる。
 機械からかけ離れた切嗣の思考でもそれは同じだ。

セイバー「大変です。アーチャーがこちらにやってきているとの事です!」

切嗣「何だって!?」

 いや、十分予想できる展開だった。
 今聖杯戦争で信頼を握り、各陣営をある程度動かせるのは衛宮切嗣なのだ。

 倒すならてっぺんからという事なのだろう。

 すぐに監視を森の中に移し、陣営を把握する。

 アーチャー、それに遠坂時臣だ。

切嗣「穴倉を決め込んでいた遠坂時臣……先陣に出て来たか」

舞弥「どうしますか? 切嗣」

切嗣「あのアーチャーは様々な宝具を持っている」

切嗣「あの時臣がわざわざ出て来たという事は、アーチャーから強くなるような宝具でも用意してもらったのか」

切嗣「それとも、余程自分の腕に自信があるか、だ」

 煙草をふかし、起源弾を取り出す切継。

切嗣「僕とセイバーが行く。アイリと舞弥は、くれぐれも戦闘は避けて逃走するように」

舞弥「念の為用意していた第二の拠点ですね。わかりました」

 すぐさまアイリの元に向かう舞弥。

セイバー「では、切嗣」

切嗣「ああ、行こうか。――――僕たちの戦場に」

.

110 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:49:16 ID:rB2rZR8.
 森を進むアーチャーと時臣。

 その前に立ちふさがる、二つの影。

アーチャー「現れたな、セイバー」

セイバー「現れたとも。貴様はここで討ち滅ぼす」

アーチャー「――――ハ! 生娘風情が、無理をするな」

セイバー「私は、子持ちだ! ヤンチャ過ぎて国家を滅ぼすほどの元気っ子だ!」

アーチャー「なん……だと……!?」

 自分の目が曇り、動揺するアーチャー。
 セイバーの眼は嘘をついていないように見えたのだ。
 故に、矛盾が生じ、少しばかし混乱する英雄王。

 これは、セイバーの意図したものではなかったが。

 ――――その隙を逃さず、切りかかった。

アーチャー「おっと」

 しかし、それを優雅に避けて見せるアーチャー。

アーチャー「流石は騎士王。教科書に載っているような模範的な戦い方だ」

 切嗣は時臣と対峙していた。
 が、すぐに後悔した。

切嗣「貴様……バーサーカーだな!」

 近づくまでは分からなかったが、こうして正面から見ると禍々しい狂気を隠せていない。

 これが一介の魔術仕如きにだせる狂気ではないと、切嗣は理解していた。

時臣「■■■■■■――――!」

 その姿が、メキメキと黒い騎士のそれに代わる。

バーサーカー「A――――urrrrrrッ!!」

 時臣ではなく、バーサーカーだった。
 ということはだ。

切嗣(……遠坂時臣と間桐雁夜が同盟を組んだとでもいうのか)

 そういえば雁夜は警告を促した際見つからなかった。
 もしかしたら、間桐邸襲撃時に同盟を組んでいたのかもしれない。

 色々と不味いことになった。

切嗣「Time alter――――double accel!」

 切嗣は逃げの一手に徹する。
 英霊と真正面から戦って勝つ術など、衛宮切嗣には持ち合わせていなかった。

 だが、それでも尚、挑発するように弾丸を撃ち当てていく。

 アイリの所へ行かせない為だ。

バーサーカー「■■■■■――――!」

 近くにあった樹を根元から抜き取り、振り回すバーサーカー。

 それだけで彼は嵐の様な攻撃力を掌握する。

切嗣「チィ……ッ!」

 このままではまずい。

 その時だった。


ライダー「AAAALaLaLaie!!!!」


 突如空から舞い降りて来た戦車が、バーサーカーを吹き飛ばす。

ライダー「大丈夫か。セイバーのマスター」

切嗣「……何をしに来た?」

ライダー「いや何、坊主がな『襲って利があるのは、その中心人物のところだ』と言いおってな」

ライダー「近くに簡易的だが拠点を設け、すぐに駆けつけられるようにしておいたのだ」

ウェイバー「勘違いするなよ! 厄介なアーチャーを片付けられるチャンスだって踏んだだけだからな!」

ウェイバー「お前の所の赤ん坊がどうなった所で、僕は知ったこっちゃない」

ライダー「……そこを一番心配しておったくせに」

ウェイバー「言うなよライダー! 威厳が無くなっちゃうだろう!」

切嗣「成程、いや、助かった」

 ライダーのマスターは実に扱いやすい人種だ。
 ここはバーサーカーの相手を頼んでおいた方がいいだろう。

切嗣「僕は奴らのマスターを探してくる」

切嗣「バーサーカーの相手を頼めるか? 征服王とそのマスター」

ウェイバー「いや、それはいいけど……バーサーカーを撤退させるのは難しいぞ」

切嗣「気遣い感謝するが、そこら辺の匙はそちらに任せるよ」

 そうして、切嗣は深い森の中に入っていく。

切嗣(サーヴァントは囮……なら、奴らが向かうのは)

 聖杯であるアイリ、それを略奪しに来たのだろう。

.

111 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:50:17 ID:rB2rZR8.


 アイリと舞弥は、未だに森の中を抜けられずにいた。

舞弥「マダム、あと少しで車です。頑張ってください」

アイリ「ええ……! 分かってる。わかってる、けど……ッ!」

 なんと運の悪い事か、逃げている途中で陣痛が始まってしまったのだ。

綺礼「久しいな。ご婦人」

 そこに現れる、敵である神父。
 衛宮切嗣が最も敵視した男。

 想定外だった。
 目の前に現れるまで、気付きもしなかった。

 陣痛で結界内の把握が難しくなっているのかもしれない。

アイリ「……あら、どいて下さらない? そこを通りたいの」

綺礼「この後、できればお付き合いを願いたいのですが?」

アイリ「あらごめんなさい。私、旦那以外の男の人のエスコートは受けない主義でしてよ?」

綺礼「ほう、ならば――――力づくで連れていくしかないようだ」

 アイリの視界が赤く染まった。

アイリ「え?」

 隣にいた舞弥の首が、弾け飛んだのだ。

アイリ「――――舞弥さん!」

 そして、

麗羅「こっちは殺しても良かったんだよね?」

 舞弥の首を持つのは、ロングコートを着た小さな少女。
 フードをかぶっており、顔はよく見えない。

綺礼「殺してから確認を取るな」

麗羅「はーい」

綺礼「アーチャーに撤退を促しておけ。それと、処理をしておけよ」

麗羅「了解」

 アイリの首を、トンと叩く。

アイリ「――――あ」

 アインツベルンの人形は意識を失い、吸い込まれるように綺礼の腕の中に倒れ込んだ。

112 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:52:21 ID:rB2rZR8.

綺礼「さて、後の事は任せたぞ」

麗羅「任せてよ」

 綺礼を見送ると、手筈通りに事を済ませる。
 もちろん、後始末である。

 コートを脱ぎ去り黒い異形へと姿を変える麗羅。

 その姿は、アサシンであるハサンそのものだ。

ハサン「随分と……遅かったな」

 後ろを振り返り、やってきた者を見定める。
 一本の槍を構える、一人のサーヴァントの姿があった。

ランサー「……ああ、どうやら俺は、またしても出遅れてしまったらしい」

ハサン「無様だ。ここで消し去ってやろう。アサシンのサーヴァントよ」

 呵呵呵呵呵、と嘲笑いランサーを指す麗羅。

 ランサーは自分がアサシンであると、本気で思っているらしい。

 それが堪らなく、麗羅にはおかしくてたまらなかった。

ランサー「何故貴様が生きているのかは知らないが、ここで討ちとらせてもらう!」

ハサン「何も守れぬというとに、私を討ち取ろうとするか。呵呵呵呵呵!」

 先に動いたのはランサー。

 その紅の槍は、心の臓を確実に穿とうとする。

ハサン「動きが大きすぎるぞ。ランサー」

 懐に潜り込み、心の臓に掌を叩きこむ。

ランサー「うぐ!?」

 身体が停止するランサー。

 その隙に、最後の一本をへし折ってやった。

ランサー「お、俺の槍が……!」

ハサン「呵呵呵呵――――!」

 ――――ああ楽しい!
 楽しい愉しいたのしいタノシイ――――!

 今までにない高揚感に、麗羅はとまどいが隠せなかった。
 しかし、不思議にも思う。

 自分は今までと同じ行為をしているのに、なぜここまでも楽しいのだろうと。



 そう愉悦に浸っていたのが、命取りとなった。



ランサー「――――『壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)』!」


.

113 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 21:55:13 ID:rB2rZR8.

 ランサーが折れた槍を麗羅の顔に投げつけ、魔力を爆発させたのだ。

「な――――!?」

 正面からの思わぬ奇襲に、麗羅の右目が壊れた。

 そして何より、ハサンの姿から虚木麗羅の姿へと戻ってしまった。

ランサー「こ、子供!? しかも、これはサーヴァントではない。化けていたのか!?」

ランサー「……うん、確かに今はサーヴァントとしての気配が感じられない」

ランサー「だが、先ほどは――――」

 目の前の少女に戸惑うランサー。

 無理もない。サーヴァントと思っていた者が、幼き少女だったのだから。

 その戸惑いを、麗羅は見逃さなかった。


麗羅「――――その霊核、貰い受けるわ」


 その小さな右手が伸ばされる。

 目にも止まらぬ素早さで、ランサーの霊核を的確に突き破った。

ランサー「――――が……ハァッ!?」

 何が起こったかも分からずに消えていくランサー。

 一か八かの攻撃だったが、うまくいったらしい。

ソウラ「ディルムッド!」

ランサー「……ソウラ、様。……どう、か。お逃げ下さい。……コイツは」

麗羅「黙れ」

 目の前に繰り広げられようとされる喜劇に吐き気がし、ランサーを蹴り殺す。

 それだけでランサーは消滅した。

麗羅「 後は 」

 崩れ落ちる瞳で、ソウラを捉える。

ソウラ「ヒィ!?」

 踵を返し、一目散に逃げる

 逃がさない。

 見てしまったからには、葬り去る。

 背中を見せる獲物を、歩いて追う麗羅。

 森の中で、ひと時の鬼ごっこが始まった。


麗羅「みーつけた」


 勝者はもちろん、鬼役だった。

.

114 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 22:02:43 ID:rB2rZR8.


          ◇

 あれは一体なんだったのだろうと、麗羅は首をかしげる。

 愉悦、とはまた違うものだと、壊れた目を手に考える。

 自分の行為は、以前と何ら変わりないもの。

 なら変わったのは―――――自分だ。

 英雄王と契約したあの夜。彼は宝具を使い自分に何かをした。

 不思議なもので、虚木麗羅という自分は、惹きつけられるように受け入れたのだ。

 あの宝具で自分は感情を埋め込まれたか?

 いや、だとすると、それは言峰綺礼にでもくれてやればいい品物だ。

 そう、それは違う。それは理解している。

 あれはそういうものではない。

 あれは――――開花させるもの。

 ただの、きっかけに過ぎぬモノ。

 殺人の才以外に自分に何かがあるとは思えないが、多分そういう事だ。

 そう考えているうちに、言峰綺礼の隠し場所にたどり着いた。

.

115 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 22:05:45 ID:rB2rZR8.

 ――――かつてのキャスターの根城にて。

 麗羅が綺礼を見つけると、暗い場所で妊婦の首を絞めていた。

 それにしても……これはまた、面白そうなことになっている。

麗羅「ダメじゃない綺礼君。折角のお人形さんを壊すだなんて、勿体ないわ」

綺礼「こればかりは、貴様にも譲れん。この至福を味あわせてもらおう」

 そう言って綺礼は振り向き、麗羅を睨み付ける。
 すると、驚愕した。

綺礼「どうしたその右眼は? 衛宮切嗣にでもやられたか」

 ニタニタと笑みを浮かべる綺礼。

 ムカつく。

麗羅「ランサーよランサー。片しておいたけどね」

 さらりと、サーヴァントに打ち勝ったと、虚木麗羅は言った。

 その言葉に驚いた綺礼であったが、山育ちならば仕方がないと納得した。

綺礼「……ならば、その右眼くらいは安いものだろう」

麗羅「後で直してちょうだい」

綺礼「英雄王にでも頼むことだ」

 ふんとつれない態度をとる綺礼。

 愉悦に目覚めてから、少し冷たくなった気がする。 

 その証拠に、そそくさとアイリスフィールの拷問に戻ってしまった。

麗羅「確かに、そうやって苦痛に歪めた顔を見るのも面白いと思うわ」

 でも、と言葉を付け足す。

麗羅「……私だったら、もっと美味しく調理できるけど?」

麗羅「もしかしたら、葵さん以上の、甘ーい蜜になるかもよ?」

 綺麗はアイリの首から手を放し、やってみろと麗羅に譲った。

 アイリは空気を取り込もうと、床でのた打ち回っている。

 ――――いいだろろう。

 出て来た獲物に、舌なめずりする麗羅。

 ――――この妊婦に最悪を。

 アイリの傍に麗羅は座り込んだ。

麗羅「貴女が衛宮切嗣さんの奥さんね。アイリスフィール・フォン・アインツベルンさん」

アイリ「……そういう貴女は誰?」

 体を懸命に起し、麗羅を睨み付けるアイリ。

麗羅「アーチャーのマスター。りっぱな聖杯戦争の立派な参加者よ」

アイリ「そう、それで私に何をするつもり?」

アイリ「切嗣のことなら、そちらの方に教えて差し上げたわ」

麗羅「私、妊婦をどうこうする趣味は無いの。強いて言うなら……」

 麗羅は表情筋を動かした。

 歪な音をたてながら、その無機質な顔が、崩れる。

 そして、彼女は――――


麗羅「――――その赤ん坊、私に頂戴」


 ――――アイリスフィールの腹を抉り、小さな命を掬い取った。


.

116 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 22:06:18 ID:rB2rZR8.

 血が舞い、麗羅は赤く染まる。

 アイリスフィールは声にならない叫びを上げ、綺礼は思わず笑みを浮かべる。

アイリ「ガハッ――――がァあ!」

 口と腹から血を溢れ出させ、アイリは痛みにのた打ち回る。
 それはまるで、夏場に地に落ち蠢く蝉の様――――。

 綺礼は笑い出そうとするが、麗羅が綺礼の口に人差し指を当て、赤ん坊を預ける。
 その次にアイリの顎を左手で掴み、右手で次の行動を行おうとした。

 が、その顔に埋め込まれている二つの眼を見てみれば、綺麗な赤い瞳をしている。
 腹を抉られたというのに、強情にも麗羅を睨み付ける、美術品の様な瞳。

 眼を潰そうとしたが、それはあまりにも勿体ない。

麗羅「あ、丁度いいから、その眼も私に頂戴」

 なので、眼球に傷がつかないように、二つ抜き取った。

アイリ「あああああああああああああああああああ!」

 腹が痛み、目が痛み、声を上げ静かに泣き声を上げるアイリスフィール。
 そんなアイリの姿を眺めながら、この目は温かいなと想いに耽る。

 綺礼は赤ん坊を抱えながら、口を押えて笑いをこらえている。

 麗羅はアイリの目玉も綺礼に預けた。

 なぜ渡すのかと一瞬不思議に思ったが、あっさりと綺礼は理解した。

 ――――さて、ここからが本番だ。

.

117 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 22:08:42 ID:rB2rZR8.

「オギャア! オンギャア!」

 アイリの耳に、赤ん坊の声が聞こえた。
 産声だ。未熟児であろうが、無事にこの世に生を成したのだ。

アイリ「イリヤ!」

 アイリは既に名前を付けていた赤ん坊の名を口にして、声の聞こえる方へと手と足を動かす。

 目は見えていない。耳だけで赤ん坊の元へ向かっているのだ。


 その身は聖杯の影響で、人としての体の機能は著しく低下していた。

 それに腹を抉られ、目を抉られているのだ。動けないのが当然だ。


 ――――しかし、アイリスフィールは母親だ。


 我が子が泣いているのなら、母親として、抱きしめ、慰めてあげなくてはならない。

 もう自分がいるから大丈夫だと、貴女はこの世で安心して生きていいんだと。

 そして、ようやく泣き声の元にたどり着いた。

 手探りで探し、小さく、そして暖かな命に触れる。

アイリ「イリヤ……!」

 触れた瞬間、アイリスフィールは抱きしめた。

アイリ「ああ、イリヤ! 私の可愛い、イリヤスフィール……!」

 本当に、本当によかった。

 自分が聖杯になる前にこの子を生み出そうと、頑張っていた。

 この世に誕生することが許されて、本当によかった。

 ――――アイリ、大丈夫だ。絶対に君とイリヤを救って見せる。

 ――――僕が、聖杯戦争を行われないように頑張るから。

 切嗣との思い出が鮮明に浮かび出した。

 ――――え? 養子が欲しい? 構わない……構わないけど。

 ――――……アイリ。僕は君も、お腹の赤ちゃんの事も諦めたわけじゃない。

 ――――君は、僕が守って見せるから。安心していいんだ。

 そういえば、士郎はもう自分がこの子を産めないと諦めて引き取った子だった。

 イリヤの代わり、というわけではない。

 ただ、母親として生きて見たかった。

 妻ではなく、母親。

 ――――こ、こんにちわ。今日からよろしくお願いします。

 ――――アイリさーん! 洗濯物やっておいたよ。

 ――――ああ! アイリさん! 米をあらうのに洗剤は使っちゃダメだ!

 ――――うん、やっぱり母さんの料理はおいしいや。

 始めこそはよそよそしかったけど、それでも最後には自分をお母さんと呼んでくれた。

 血は繋がっていなくても、親子になれると、家族になれるのだと知った。

 もう、悔いはないなんて思っていた。

 けど、けれども――――

アイリ「――――イリヤスフィール、貴女と離れるなんて、私嫌よ」

 その言葉は、母親の愛に満ちていた。

 生きたい。そう思ってしまう。

 聖杯になる前に、もう自分は目が見えないし、そろそろ死んでしまうだろう。

 もう体はこんなにボロボロだけど、生きたいと願ってしまう。

 この子の母親でいたいと、願ってしまう。

 ――――お願い神様。せめて、せめて死ぬまで、この子と一緒にいさせて。

 それは、アイリスフィールの、最期のわがまま。

.

118 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 22:09:25 ID:rB2rZR8.











「――――残念でした。全部嘘です」





 それは、いともたやすく喰いちぎられる。









.

119 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 22:10:00 ID:rB2rZR8.

 腕の中にいたはずの赤ん坊が、突然大きくなった。

 小さい赤ん坊が大きく成長し、今、言葉を発した気がした。

 それはおかしい。ホムンクルスの赤ん坊でも、いや、だからこそおかしい。

 この大きさ――――自分の眼球を奪った黒い少女と、同じ大きさではないか?

「貴女は自分の子供も抱けずに死ぬのよ。アイリスフィール」

 嘘だ。

「ねえ、自分の赤ん坊と私を間違えちゃうなんて、お馬鹿さんにも程があると思うの」

 これは嘘だ。

麗羅「――――ねえ、貴女から全てを奪った人間を愛おしく抱きしめるって、どんな気持ち?」

 アイリの背後から、男が笑っている声がした。

アイリ「あ、ああぁ、ああああぁぁああああ!!」

 アイリは奇声を上げながら、腕の中にいる少女の首を絞める。

麗羅「ねえ綺礼。こっちに来て顔を見て見なよ。 この人、今とっても面白い顔をしているわよ?」

綺礼「とことん、私のツボを捉えているな。麗羅は」

アイリ「ああ! 黙れ! 黙れ黙れ黙れ黙れ黙れえ!」

 しかし、麗羅には余裕があった。

 何度も言うようだが、アイリスフィールという人形は、人間の機能がかなりの所まで停止しているのだ。

麗羅「首を絞められても、痛くも痒くもなーい」

 そう麗羅はアイリに囁くと、アイリは首を絞めあがようと、大きく口を開けて泣き叫ぶ。

麗羅「いい加減、うるさい」

 麗羅はアイリの首を掴む。

 すぐに声はやんだ。

アイリ「……や、やめ、て」

麗羅「自分がされて嫌なことを、相手にもしちゃいけないって、習わなかった?」

麗羅「それは、メッ! よ。アイリスフィール」

 無機質に、淡々と。それでいて嘲笑うかのように少女は語る。

麗羅「あ、でもそんな道徳感、貴女にわかるわけないか」

 ――――だって、お人形さんだもんね。

 首を握りつぶし、赤い鮮血が麗羅に降り注いだ。

麗羅「……ねえ、どうだった綺礼?」

 赤ん坊を抱いている神父に、麗羅は問いかける。

綺礼「――――ああ、最高だった」

 神父は、実にそれらしく笑みを浮かべた。

.

120 ◆K7pqbvuGjs:2014/08/15(金) 22:11:53 ID:rB2rZR8.
ダイナミック☆帝王切開

今日はここまで


あ、ちなみに愉悦ちゃんの高揚感とかは因子がギュインギュイン高まってるからです。

感情=対極の欠片の因子 みたいな感じで勘違いしちゃってます。
イライラしちゃってるのは因子が高まって安定してないから。
自分でも分かってないから仕方がないね!
ましてや五歳にも満たない幼女だから仕方ないね!

それもこれも、全部対極の欠片ってやつの所為なんだ!

121 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/08(月) 22:47:44 ID:ICTbnzb2
てすと


            /´/:i:i/:i/:i:i/:i:i:/:ハヾ:iヾiヾミi:ミi:ミiミヾ;_},....,_       ....|
.          / /:i:i:i/:/'i:i:i:ア:i:i:i/:i:iリ:i:iVi:i',:i:iVミi:ミi:ミiニヾ`ヽ: `ヽ、     ..|
         /  ,:i:;i:i:i:i/://:i:ア:i:i:/':i:iハ:i:iⅥ:i:i',:iVミi:ミi:ミ:iミヽ: : : :`: ーミ: ,、  |
        '′/;イ:i:i:i/:///:i:/ /:i:/  ';i:i:Ⅵ:i:i',i:iミi:ミi:ミ:=≠{、.: : : : : : :/  |
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       /' /i:/:i'i:i{;ニ,_ミヽ  /i/´ ̄ ̄ !:i:i:}:i:i:i:i:i{ミi:ミi:ニ彡彡〉' `: : '′    .|
        / i:i:7:i'i:l:i{ {心;゛ 〃 ‐'彡r≠ドミ!:i:i:i:i:}ミi:ニ≠彡アア: : : : {    ......|
.        ,  !:i:{:i:!:i:i{乂マ刈/"   ´ {゚圦刈!i:i:i:i:i}ミiミ_=彡'//: : : : : !      |
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           |:i:{ /i>'-.、/:i:i:i:i:i:i:7   ノi/:/: : : : : ィ: ミ:、i{          ......|
       ,. ィ|:i:{: : ;ィ弖三>ィ‐′ ///: : : : :>‐=、ヾー:、          .|
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   /: : < : : ゙、 〉{'   //ゝ   /: : /:イ´: : : :_ : 、:}: : : : :ヽ、',          |
                                            ....|

122 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/08(月) 22:48:42 ID:ICTbnzb2
Jan StyleとSS速報の文字コードが違うからズレるのだろうか…それにしては酷過ぎだろ…

123普通の名無しさん:2014/09/12(金) 07:39:28 ID:wBg3bYwk
エディタ上でチェックしてもズレるのか

124普通の名無しさん:2014/09/19(金) 22:30:06 ID:AouIuU2M
どうやらSS速報さんがメモリ増設作業中だそうな……

VIPService 荒巻
‏@aramaki_vip2ch
ご無沙汰しております、夏休みの広告収入が若干黒字を達成しましてー
今からメモリ大増設大会を行います。
ええ、プラス16GBの合計32GBへ大変身です。
作業完了まで今暫くお待ち下さい。。。

125普通の名無しさん:2014/09/19(金) 22:43:14 ID:GSLHoCis
マジか
ああ、最近送信のラグがあったし、それの解消の為の作業かな?
ありがたやありがたや

126普通の名無しさん:2014/09/19(金) 23:05:59 ID:3GIsEosw
全然動かないと思ってこっち来たけど、あー、メモリ増設中なのか。把握
書き込み遅かったから時間指定以外は安価取るの難しかったんだよな、ありがたやありがたや

127普通の名無しさん:2014/09/20(土) 07:35:12 ID:x/hWIfiM
これは長期化待ったなしですね……

VIPService 荒巻
‏@aramaki_vip2ch
ちょっとサーバがあがってこないっすね。。
またNICの問題再発かなぁと原因探求中。
申し訳ないです。もう少しお待ちを。

128 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/20(土) 17:16:27 ID:Mv5jTEAc


これはしばらく掛かりそうですねー

おかげでプロローグとか出来たからいいっちゃいいですけど

129普通の名無しさん:2014/09/20(土) 17:19:56 ID:N7meCzpM
こっちでやるわけにもいかないし……
なんという生殺しか

130普通の名無しさん:2014/09/20(土) 17:46:22 ID:x/hWIfiM
小ネタ連射でもええんやで……

131普通の名無しさん:2014/09/20(土) 17:47:09 ID:x/hWIfiM
すまぬsage忘れ
wikiもちょっと避難所メインにしとくか

132普通の名無しさん:2014/09/20(土) 17:49:07 ID:SaGVy5Jk
逆に考えるんだ
その分支援準備に時間が割けると

133普通の名無しさん:2014/09/20(土) 17:56:18 ID:M7JM56Ik
如何やら、更に時間かかりそうな気配…
コレは今週末動かないんじゃと思えて来た

134 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/20(土) 18:09:29 ID:Mv5jTEAc


【なんとなく練炭をアバターにしましたが】
【スキルがもしかしてそのまんま?】
【正田さんの中二力が高すぎて、ちきゅうくん付いて来れなかったのでDiesも神威もやっていないという】

              彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,. -‐''"ソ              /
            ノ-:::::::::::::::;;;;;;;ノ:::;;;;;;;;;;;ゝ;;;;;;;;;;彡             /
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          ,イ:::::::彡ミ::::::::\::\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;トミz_       /
         /:::::::::::::::ミ::::::<::::::::::\;;;;;;;ト;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;llト     /   /         _,,. -
        彡ニ;;;;;=;;;==-;;ミ:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ   /  /        /
       //::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ:::::::::::::::lノ::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;彡--/  /    /  /
       <:::::::::::::ハ:::::\::::::::メ:::::::::ヽ:::::::::ト:::::ゝ:::::;;;;;;;ノ    \ ;;;;    /   /
        l\:::\::ヽ:≧:ゝ=--ゝ =--:::::::::::::::::;;;;;;≧      ̄7;;;  /    /
       `, ハ:ヽ::::::トヽ=- 彳=彳:::ヽ:::::::ヽ:::::ゝ:::::l        < _,,. -‐''"´ /
         ll ヽ::::ヽ:::::ヽ::\弋5乂::::{\:::::::/  ヽ:l       /      /
        ノ ゝヾ:::::::::lヽ ̄`   ヽ::::X//   リ     /        /
           ヽハl::::::! __  _,,.-''"´          /        /
            \ヽ _,,`/ `           /        //
         ┌-ト‐-z_/ _,,. -‐''"´         /       _  /
         /    ̄ `y'         / l   /       /:::X::::ヽ
        / /  ̄ . <        /  l   /  _,,. -‐''"´:::/:::::::::\::ゝ
       -  __x ̄`-Y 气             /:/::::::/:::::::::::::::::::::::Yj
        l  :::::::::::/ /:::7   ̄  /--七---x/::::/:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::l:l
       .l   ::::::: ̄::::/ゝ    ノ /   l::::::::\:/::::::::://::::::::::::::::::::::::::::::lヘ
       l    / ::::/:::::::`--j/  /    l:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::l
    _,,.--l     ::/::::::::::::::::l  /    l:::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::ハ
 /l/:::::::::: l      / :::7:::::::::::::/l:/     l::::::::::::::::::::::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::ヽ
 {::l::::::::: l     l_,,./ ヽ::::::/:‖:      }:::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::ヽ
 l:l\  _,,. -‐''"´/:::/:::::/ヾXzz     l:::::::::ヽ::::::::::::ll:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;lヽ:::::::::::ヽ
 lゝ--------''''''::::::::/::::/;l ‖      l:::;;;;;;;;;:::;;;;;;;;;;;;;ll::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lヾ::::::::::::::ヽ

135普通の名無しさん:2014/09/20(土) 18:15:44 ID:Tuqy2L5E
それは勿体無い、今からでも遅くはない

136 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/20(土) 18:20:22 ID:Mv5jTEAc



後は、時期が悪かった…あの時はユーザー怒りの日とか言われてたんで、

手を出しずらかったのもありましたね

137普通の名無しさん:2014/09/20(土) 18:20:59 ID:bvCGfv3w
能力は似てるけど違うんじゃね
原作は更に付加効果あるし、というか厳密には時間停止じゃない
AAはばっちり合ってると思う

138普通の名無しさん:2014/09/20(土) 18:21:38 ID:x/hWIfiM
型月作品と正田作品は厨二のベクトルがちょっと違うからねぇ
ワイにもちょっと毒性強すぎて避けてた

139 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/20(土) 18:22:20 ID:Mv5jTEAc


【フィガ・ロッソさんのアバターの素晴らしきヒィッツカラルドさんがツボに入ったんですがどうしてくれる】
【指パッチンしながらダンスするんじゃねぇ!】

            /: : : : : :ィ´\ヘ/Wヽ イ: : : : : : : : ヽ
.           /: : : : :,  、ヘハ/\/´: ,.   、: : ::ハ
           /: : : :/   \: : : : : : : :/.    \: : ハ
.          l: : : 〔       `ー― ´        〈: : : l
.          l: : /  _          /: : :`ヽハ: : :l
.          l: :l  /´: : : ::>.、      /: :/ ``  l: : :l
          」_::! // ``ヽ: : : :〉   ∠: :∠ _.   l: : :L
         /__〕l  ヽ、 ̄ ̄ ̄〉     〔 ̄   ノ   l:l´  ヽ
        l ´ l:l.    ̄ ̄/   i    \ ̄ ̄    l:l´   !
        ヽ  l:l     /   ::::!     \.     !:!.  /
.     __ 〕く.l:l    /     :::l      ヽ    l:l _/、__,.ィ
    ヽ: : : : : : : : : l.   /      ::!      、ヽ.  l: : : : : : : : : : /
    _ヽ、 _: : : ::l  /  ,、______,ィ} ヽ.  !: : : : : : : : /,.ィ
   ヽ: : : : : : : : : : : :、    !ー―――――― ノ    イ: : : : : : ̄: : : :/
    ヽ、::_: : : : : : :lヽ    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   / l: : : : : : : : : /_
   ヽ ̄:: : : : : : : : :: l  ヽ     ̄ ̄ ̄.    /  !: : : : : :  ̄: : : : /
     ヽ、: : : : : : : : :l    ヽ          /    l: : : : : : : : : : :/
       ヽ: : : : : : : !      ヽ ___ /     l: : : : : : : : :イ
         ̄_/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_ ̄
      _/ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/\_
   ,. イ  l   ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::/ ̄ ̄\::::::::::::::::::::::::::::/   l   ` ヽ、
,. <.     l    ヽ:::::::::::::::::::::::::::|      |:::::::::::::::::::::/.     !      > 、
.       l     ヽ::::::::::::::::::::::::〉 ´   〈::::::::::::::::/       !

140普通の名無しさん:2014/09/20(土) 18:26:28 ID:SaGVy5Jk
ジャイアントロボは曲なら知ってるけど話とかキャラとか全然知らなかった
素晴らしきヒィッツカラルドさん「素晴らしき」まで入れて名前なんだなワロタ

141普通の名無しさん:2014/09/20(土) 18:29:15 ID:M7JM56Ik
時間停止というより、無限の減速を押し付けて自分は無限に加速する事で疑似的な時間停止になってたはず
追加効果もあるから、そのままじゃ決してない。AAはぴったりだと思いますよ
あ、あと、この貴方のスキルってNOUMIN枠じゃないかと個人的には思うのですが

142普通の名無しさん:2014/09/20(土) 18:33:38 ID:Tuqy2L5E
そんな枠はない(断言)
さてさてどんなサーヴァントと組むのか

143普通の名無しさん:2014/09/20(土) 18:34:50 ID:GPbvyOGs
鯖を見たかったのだが、鯖は既に落ちていた

144普通の名無しさん:2014/09/20(土) 20:31:16 ID:N7meCzpM
どうやってサーヴァントのクラス決めるんだろうか?
前回と同じ感じ?

145普通の名無しさん:2014/09/20(土) 20:36:15 ID:Tuqy2L5E
そう言えばwiki更新お疲れ様です
今は過去スレもよめないけど

146 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/21(日) 01:15:40 ID:hp3ZTkKA


サーヴァント決めは、原作的にバサカとアサシンは優先的に決められるようにするか

触媒召喚にするか、完全ランダムにするか

どうするか…

147普通の名無しさん:2014/09/21(日) 01:20:51 ID:cXp.pFqI
どちらでも楽しいものがあるのから困らないのに悩んでしまう。

個人的には触媒からサーヴァントの推測とかできるから、そっちが好きかな。
でも、何が来るかわからないドキドキ感も嫌いじゃないわ。

148以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2014/09/21(日) 01:21:50 ID:uSprW0ew
オンラインゲーム的にはランダムが一番ありそう
もしくは課金して触媒召喚

149普通の名無しさん:2014/09/21(日) 01:47:01 ID:IlslrQUU
基本はランダム召喚で、課金アイテムか、キャンペーン時の入賞アイテムを使うとある程度選択召喚が出来る、とか?
後は、HWOでは触媒はカードって形らしいけど、書いてある触媒名とかわかるとサーヴァントの正体推測にもなって楽しそうだね

150普通の名無しさん:2014/09/21(日) 01:48:41 ID:2BUqw.Uo
最初に特典として触媒か霊地か礼装か選んでもらうのも面白そうね

151普通の名無しさん:2014/09/21(日) 02:04:13 ID:QQqpG4MU
>>150
選べるスタートアップ特典的な奴か
礼装と触媒はfate/goにマジでありそうな話

152 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/21(日) 02:05:20 ID:hp3ZTkKA

【避難所特典その1】

前回は完全ランダムだったので

今回は、普通に決めるのもあり

触媒召喚はこんな感じ

1.『木の鳥型』
2.『土埃のついた簪』
3.『袋に入った土』
4.『熱を帯びた鎧』
5.『白きの笛』
6.『灯心草』
7.『虫に食われた手稿』
8.『翼の化石』

153 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/21(日) 02:09:27 ID:hp3ZTkKA


                                 __   ‐- .、
                          . -=ニ : ̄/:ー_ノ.: 丿
                       ア´.: .: .: :./.: .:アー<:、
                     〃./ .: ′/.: .:./.: .} ヽ:. :.\
                        / .:/ :/ :/.: .:./.: .: .: .∧.:. :. :\
                    / .:/.: :/.://.:.:// .: .: .: イ:. :. :. : i:. \、
                      / .://.:7.:/_':∠., / .: .:/.,_|:i .:l:. :. l:: :i 》  >>150 それ採用
                  / .://!i7:/〃 う >:.:.:/ . _ リ! :|:. :: l:i: |〃
                     / .:/∧|:i|:{i:/ `/.:/  '7ぅミ{|i:i|:: l:: l:i::|′       えらいわアナタ百万年無税
                   / .:/:/:/i|:i|:|i:{/ ´     ` ー〈从l:i:i}:i:|:i:i|
                 / .:/:i:':/:i:i|:.l:|从    ′     ノ /i:i:/:i:i|:i:i|
               .: ./:i:i:/:i:i:i:|:.l:|:i:、  `..ー‐     ∠ノi:/:|:i:i|:i:i:|
              .: .:/:i:i:/:i:i:i:i:i|:.l:|i:| 丶  __ . イi:i:i:i:/i:i:|:i:リ:i:i:|
              .: ..:イ:i:i:/:i:i:i:i:i:i:|:.l:|i:!     |i:i:i:i:i:i:i:/:i:i:i:|イ:i:i:i:i|
          / .:/.:i:∠、-- == |:.l:|^ 、   ,{<:i:i:i:i:{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:リ
        / .:/γ´,   \ ` 》、{.,  `σ´ }ム    ̄ > 、i:i:/i:.
      / .:/.: :/  , し  }'\/ニ7  `゙  ´ }=ムr:/´    ∨i:i:i.:.
     / .:/.: .:,:7   ′   辷 ゝ=∟,.,.,. ___.,.ノニア辷{   , 、 Vi:i:i.:.
   / .:/′.i:/:ゝ }    ; 辷  `ヽ/ ... 、_ヽ´と  ̄ヽ :   ハi:i:i:.:.
  / .:/ ′.:/:i:i:i〈-ゝ _j '{ 辷  /´..,¨´<    厂ヘ _V , ノ:i:i:i:i:i:.:.
/ .:/  / .:i:/:i:i:i:i:i:辷=ー ミ) 辷_/ ‐-、\ノ__ _ ノг彡- Vィ:i:i:i:i:i:i:i:.:.:.、
. :/  / .::i:/:i:i:i:i:i:i:{ニニ二{  ノ_{   t /<二 、, ニ.._!{┌− V{i:i:i:i:i:i:i:i::.:.:.\
"   / .::i:/:i:i:i:i:i:i:i:i〉ニニニ{_ノ=_{  `´ ... --' ー- 、 ヽi_г  ∨!i:i:i:i:i:i:i:.:.\:.\
   / .::i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i{ニニニノニニ廴_∠ア´O!    鄯`ー‐、   ∠}|i:i:i:i:i:i:i:i:.:.:.:.\:.\
.  / .::i:/.::i:i:i:i:i:i:i:i:i:}ニニ/ニニニニア  } |     {  》≧≦_={7i:i:i:i:i:i:i:i:i::.:.:.:.:.\:.\
  / .::i:/.::i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{ニニニニニニア    } |     {  〈リニニニリ{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.:.:.:.:.:. \:.\
. / .::i:/.::i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}ニニニニニノ    .}Ol      {   〉二二二{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.:.:.:.:.:.:.:. \:.\

154 ◆XFKJOt0a3Y:2014/09/21(日) 02:19:38 ID:hp3ZTkKA
                                     `ヽー:、
                            _____     }:i:i:i:\
        ___             >=‐-‐≦: ̄/:i:i:i::ベ',  ノi:i:i:i:i:ノ
         {: : : ≧ : 、  >'":〃:i:i:/:i:/i:i:/:/⌒ー=ァ/:i::>'"
         | : : : : : : : '/イ/:i:i:/:i:i:i:/i:/:/:/i:/i:/}⌒T´i:ミi:x
        !: :____ : .:./彡゙7:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/゙//i:/i:/ /:i:i:i:i:i:i:i:/:i:ヽ\    じゃあ、礼装は以下から選択かしらね(全部使い捨て)
.       , : Ⅵili鄽彡イ':i:i:鄱:i:i:i:/:/≠< //、 /:i:i:i:i:i:/:i:i:i:i:|\\
        } : Ⅵi√彡イ!:i:i:鄱:i:i:i:i:/.心..ハ\ヽ゛ノ:i:i:i:i:/___!:i:i:i:i|:i| 丶:':,  1.ハーピィの羽箒 効果:1度完全撤退
       〃: : _ヽ√彡イ|:i:i:鄱:i:i:i:/==- '、  /:i:i:i:/___ |:i:i:i:i|:il   Ⅵ
      厶ィ⌒~鄯r=ミ1:i:i:鄱i:i:i:{       /::>'" {.心.}ヽ:i:i:i:l从  }:i  2.光の封殺剣 効果:3ターン必ず有利+1 不利:-1を付与
          >:ミ Ⅵ v゛l:i:i:i:鄱i:i:i:|     / ´     〉ーく,_ }i:i;iリ:i:Λ jリ
      /: : / }、ゝ|:i:i:i:鄱:i:i:i|          ` ′  /'/i:i:i:i:i:Λ'′.  3.強欲な壺  効果:必ず、エクストラターンを発生させる
     /: : /  /:i:i>|:i:i:i:鄱:i:i:i|       、          Λ/:i:i:i:i:i:i:\
    /: : /   /:i:i:i:i:i:|:i:i:i:i鄱:i:i:i|         一     / ∨:i:i:i:i:i:i:i:i:\
  /__ -==ニニ二三三|:i:i:i:i:鄱:i:i:il、                 イ、  V:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\
r≦ニ二x≦ァ´-=ニニニ|:i:i:i:i:鄱:i:i:il->         ≪:i:Λ  Ⅵ:i:i:i:i:i:i:i:Λ\: 、
Ⅵニ-=>イ-=ニニニニニ|:i:i:i:i:i鄱:i:i:iⅥΛ:.:>   <i:i:i:i:i:i:i:i:i:Λ  酛\:i:i:i:i:Λ \: 、
. `^^´/-=ニニニニニ从:i:i:i:i:鄯:i:i:i:∨‐',  Ⅵ.....ヽニ\:i:i:i:i:i:i:i:i:\ }:!  Ⅵ:i:i:i:Λ  ヽ:,
  /ア´-=ニニ__ニニニ∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨_{_  Ⅵ.......Ⅵニ',≧x:i:i:i:i:i:i:iリ、  Ⅵi:i:i:i:i:!     ′
_/´^-=ニニ/⌒;ニニニΛ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨{〜、`\.....Ⅵ_]ニニ>‐x':i:i:\ Ⅵ:i:i:i:i|
=‐-ニ二ニ=彡≦ニニニニニ}リ\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\㌃〜㍉',..}ニ!{-=ニ二〈i:丶:i:i:゛}:I:i:i:i:i|
ニニニニニニニニニニ-=ノⅣ{\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\Λく〜Ⅵ]=\ニニ/:i:i:i:i:i:i:i|:i:i:i:i:リー --- ―‐
]二ニニニニニノ\ニ-=//ⅣΛニ\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\-、__j..}]=ニノニニ/:i:丶:i:i:i:i|:i:i:i:/-==ニ二三
]ニニニニニ〃==Λ-=//_/ノΛ-= \:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\......Ⅵニニ/、:i:i:i:i:i:i:i:i:リ:i:/-=ニ二三三

155普通の名無しさん:2014/09/21(日) 02:38:10 ID:2BUqw.Uo
宝具から名前だけ借りたプチ礼装だと参加者が釣られそうだなー
「これで今日から貴方もセイバー」みたいな

156普通の名無しさん:2014/09/21(日) 02:59:19 ID:IlslrQUU
>>152
如何しよう、触媒の名前からどんな鯖が採用されたか予測しようと思ったけど、
頭抱えるほど全くわからねぇ…。とりあえずキャスターは作家なんじゃなかろうかというのは予測したが

157普通の名無しさん:2014/09/21(日) 03:19:32 ID:Bjqz8t3k
有名な手稿といったら、レオナルド・ダ・ヴィンチとかかな

158普通の名無しさん:2014/09/21(日) 03:25:45 ID:7pXExb3.
木の鳥型はカルナさんのライバルくさいがさて

159普通の名無しさん:2014/09/21(日) 03:45:46 ID:BKPHSyCY
礼装からデュエリストが侵食して来そう

160普通の名無しさん:2014/09/21(日) 05:02:16 ID:kAFFb1kk
やばい、あの触媒明らかに俺の考えたサーヴァントのやつじゃないか!
嬉しすぎて眠れねぇwww

161普通の名無しさん:2014/09/21(日) 06:40:05 ID:cXp.pFqI
お、SS速報のログ読みこんだな。とはいえ、すぐに安定するかは判らないけど。

162普通の名無しさん:2014/09/21(日) 07:08:52 ID:Vowva7oA
ふえぇ……灯心草で軽くググってみたら神武天皇とかナガスネヒコとか出てきたよぉ……

163普通の名無しさん:2014/09/21(日) 07:32:40 ID:8WFjohWo
英雄王が蛇の化石だったからまぁいい
土に入った袋は多分土地がファクターなんだろう
...草?

164普通の名無しさん:2014/09/21(日) 08:05:54 ID:v5mqViZM
羽根箒が優秀過ぎてヤバい 実質令呪2画のアドバンテージは超デカい
弱鯖なら弱鯖で同盟やらなんやらのやりようがあるし礼装のが美味いわこれ

165普通の名無しさん:2014/09/21(日) 08:46:17 ID:SmdAJgf6
土埃のついた簪ってアレしか思い浮かばないがどうだろ

166普通の名無しさん:2014/09/21(日) 10:03:03 ID:IlslrQUU
何で皆この触媒群からサーヴァントが予測できるんだよ…www
そして速報、直ったみたいだよー

VIPService 荒巻
@aramaki_vip2ch

見ろ!メモリが32GBのようだ!

167普通の名無しさん:2014/09/21(日) 10:20:05 ID:Jp6vHE92
袋に入った土・・・ 甲子園球児かな?(すっとぼけ)

168普通の名無しさん:2014/09/21(日) 10:58:57 ID:5sv5q3.o
自分のが採用されてるとすれば触媒は土だけど、多分同じように考えてる人多いだろうなあ
どこの土かによって色々だし

169普通の名無しさん:2014/09/21(日) 11:07:13 ID:vuYjOZoU
土で特定するなんて俺には出来そうにない……
俺が採用されてるなら笛だな
……嬉しすぎるww

170普通の名無しさん:2014/09/21(日) 11:19:53 ID:JeI0H7Pg
勝つ事を優先するなら、言うまでもなく地力が高い鯖を選びたいが
(追加行動=基本的に鯖の強さが行動の強さに反映)
誰が呼ばれるか見当つかないからどうしたものか

171普通の名無しさん:2014/09/21(日) 11:24:35 ID:vuYjOZoU
本来サーヴァントなんて召喚されないとわからないからな
運営はそういったものを感じて欲しいんじゃない?(設定的に)

172普通の名無しさん:2014/09/21(日) 11:43:12 ID:1sHLDZhE
翼の化石……アーケオプテリクスかその関係者?

173普通の名無しさん:2014/09/21(日) 12:15:57 ID:.rLXQGUI
鯖に合う鱒を選んだっぽいし、その辺りの融通はどうなってるんだろ
好きな鯖選びたいのもそうなんだけど、敵主従も相性良いコンビがいいな。燃える

174普通の名無しさん:2014/10/05(日) 15:20:25 ID:CQEzzKc6
今のところ良好な関係の鯖鱒ってどの組が居たかな?
自分的には狂組、槍組、騎組、魔暗同盟組かなーと思うんだけど
特殊組は鱒と鯖の基本方針があまりよろしくなかったけど、ペアとしては悪くなかったんじゃないかなと

175普通の名無しさん:2014/10/15(水) 20:39:29 ID:f1piV7Rs
エクストラ組は描写が少ないから仲良かったか悪かったかは分からんなー
剣組も同様だけど手品見せて喜ばせてたらしいから悪くなさそう

176普通の名無しさん:2014/11/01(土) 20:31:57 ID:Du1Z1vGc
レアルタのラストエピソードを彷彿とさせる

177普通の名無しさん:2014/11/01(土) 20:33:05 ID:Du1Z1vGc
興奮しすぎて書き込む場所間違えた……

178普通の名無しさん:2014/11/08(土) 03:53:12 ID:.mrRhLjc
 「独りで迷子は心細いけど、二人一緒なら冒険だ」

練炭のこのセリフほんと好き
ぼっちでトコトコ歩いてるヒルデちゃんの手を笑顔で握って一緒に歩くんだろ練炭?

179普通の名無しさん:2015/04/05(日) 23:15:43 ID:jPbp1rUg
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今のアースセルの戦況はマスター連合側が不利だった。圧倒的と言ってもいいぐらいには。
マスター達が持つ札は多い。だが勝ったことなど数える限り。その現実が現在の参加者達の生存圏だ。

敵の手札が分からない上に、どれだけ通用するのかも分からない。その癖、相手はこちらの手の内を覗くかのようにカードを伏せて配置する。

霧深い夜の街中を彷徨うような先の見えない戦いは集中力も下がる。ミスが続けばあっという間に影送りだ。
守れた領域は一分程。そのなけなしも気を抜けば悪魔は刈り取りのように支配権を奪うだろう。

あの終わりのなかった本戦と同じように、修羅道の中に落ちるのだ。
それを青年は知っている。あの日、戦う事の意味を知った。
対戦相手の胸を焦がさんばかりの渇望を。情報の海に消えていく最期を。
なにより寄り添う女の憎愛を。紡いだ筈の親愛と睦言を。

全てはこの胸の中に。心臓の、魂の奥に刻まれた。彼らの想いは大切に仕舞われた。

だからこそ認めない。

苦難という鎚を、試練という火を。
焼べられ叩かれ心はいつしか鋼を鎧纏う
なるほど闘争の生存競争は人を剣へと鍛えるだろう。
だがそれは触れ合いの健全ではありえない変貌と呼ばれるものだ。

変わらぬ日常こそ価値がある。その営みでこそ育まれる光がある。
安寧は戦争と比べれば遅い歩みであるかもしれないが決して停滞だと切り捨てていいはずがない
堕落と断ぜられていいはずがないのだ。

血では決して贖えない刹那/輝きを知るが故に、男は決して玉座を許さない。

180普通の名無しさん:2015/04/05(日) 23:17:14 ID:jPbp1rUg
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悲鳴。

怒号。

雄叫び、断末魔。

実体なき虚数の影絵があった。
月より産まれ、地を侵す悪性腫瘍。
黒を纏った少女は影の群勢を引き連れて地獄の釜を開け放す。

防衛機構の反転、領域を自らのメモリに変えるだけの人食鬼。
エネミーなど生温い。侵し、潜み、増殖するのみのウィルス。
無形で蠢く海月のような外見は名状し難い不吉さを伴っている。

喰らいつき、潰し合う怪物に戦術が入り込む余地はない。
ただ正面から殲滅させるのが最適解であるから小癪な策など足枷にしかならない。

逃れる術もない怪物が現れた直後に暗い沼に引き込まれる。
誰かが仲間を救い、直後に消えていった。戦士の命は等しく強度を試される。

応戦するマスター達、 多くを削ったが滅するまでは至らない。 襲撃者の正体もわからず結局は物量に圧殺された。

そうして、終わった戦場で誰かがつぶやいた。守りきった、と。

目の前の景色を見て、青年が。サーヴァントは自分を助けるために火に身を委ねた。
だからこそ自分は生きている。その点では、目的を果たせたとも言える。次に繋ぐ希望を残せたのだと思う。

―――大敗なのは確かだ。が、ただ負けたわけでは決して無い。役目を果たし、目的は果たせたのだと。

「……………………………ふざけるなあ!!」

誰かをが叫んだ。生き残った誰もが同じ気持ちを持っていた。
感情が掻き乱れる。声を上げて泣き喚く。それが何に対しての涙なのか、それすら分からない。

―――――負けた。

負けて、負けて、負けて。最後には、逃げた。あの影から。あの、地獄から。
屈した人物は居る。大勢が心を折られていた。

だけど、それでも変わらず空を見上げる青年が在った。

181普通の名無しさん:2015/04/05(日) 23:17:37 ID:jPbp1rUg
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hollow Earth theory : CCC
王国の反転、仮説世界
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182普通の名無しさん:2015/04/05(日) 23:18:06 ID:jPbp1rUg
アースセルに築かれた空洞は同時に奈落でもある。
あらゆる行いは虚構に留まり真実に足りえない。
目の前に有っても存在として成立しない事実は仮説として集積するだけ偽りの楽土。
魂すらプログラムとして有るだけの伽藍堂。

古来よりシャンバラなどの楽園と関連付けられた地底世界は、同時に冥府や地獄としての側面の方が遥かに強い。
必然、その悪性情報の奔流の防波堤/ファイアーウォールたりえる存在も禁忌中の禁忌に限られる。
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予兆なく始まった戦闘、一方的な侵略が終わった時には夕焼けに染まっていった。
時間の概念などない筈のアリーナの空に、橙に染まった雲が風に運ばれ彼方へと流れていく。
その空を見ながら、次なる決意を抱く姿が。
彼こそは、戦火の中に生き残ったもの。

ああ、だがその外観はなんと痛ましいものか。
火を思わせる赤髪と同色の血の涙跡を残す瞳は男が魔に属することを意味する。
現状に抗う決意が端麗な容姿を歪めるのならばこれ以上の皮肉はないだろう。

�������� Denn der G���tter Ende d���mmert nun auf.��
「 誉を頒ち栄光の舞台に幕を引く時が来た 」

彼に許された事象は無窮の加速と無間の視座。
過ぎ去る愛しい景色が美しいままであって欲しい。
何の変哲もない日常でさえ素晴らしき日々と仰ぎただひたすらに繰り返していたい。
それがこの者の願いである。��

So, werf' ich den Brand��in Walhalls prangende Burg.��
「故に永遠なる神々を刹那の内に焼き尽くすのだ」

しかし、その想いは穢され砕かれた。
魔人の行軍によって人食街に呑まれかけた男は女の献身によって生き残る。

すなわち、力ある者たちの残酷な運命

���������������� ラグナロク
「 終楽章・天魔失墜 」

かつて竜殺しの英雄の魂と呪いを天界に届けた破滅の焔。
愛を求める誰もを愚かな役者と嘲るローゲの対界宝具。
かつての巫女の預言の再現によって彼女を対価に生き残ることを余儀なくされた。

183普通の名無しさん:2015/04/05(日) 23:18:43 ID:jPbp1rUg
ただ感じたのは悲憤。
押し寄せる絶望に対比して膨らむのは、守りきれなかった己の非力さに対してか。
その思いは烈火のような憤怒にも似て、膝をつくことを認めさせない。

男に与えられた自身を改造するスキル。��
AIの原則から外れた例外アバターは嘆きに任せて語源通りの維持の化身に男を拡張させた。
バグの増大による自己崩壊も厭わぬ後付け増築。

事実、記憶の多くはすべからく不鮮明。
記憶と呼べるものはまさに砂のように埋もれてただ流されていくだけのモノ。
しかし、それでも失うことの絶望的なまでの恐怖感と憤怒の感情をけして忘れたことはなかった。

許せない、認めない。��
駆け抜けた過去を無駄になどさせない、誓った未来を無為にしない。
光のような一瞬の真実をうつろだと嗤わせてなどなるものか。

消えゆく女の残照を掻き集め、約束された刹那の先の消滅を永遠に引き伸ばし異界を展開し続ける。
他のことなど見えない、聞こえない。堕天して魍魎と化し、魂が焼き尽くすまで唯一つの想いを持ち続ける。��

絶対停止の命令はフロアに黄昏の帳を落とす。
全体からすれば芥子粒程。だが残っている限り栓となり胎蔵曼荼羅を押し留める。
あらゆる生命が飲み込まれる筈の影の再侵略を自身の階層で留め、拮抗を続けている。

愛する日常を守護る限り男は決してうつろわない。

守るという事だけがそれにとっての全てであり、それを侵そうとする者には全霊を以て攻撃するのみ。

ここは求め続けた天上楽土。ここが永遠に続けばいい。
ここは二度と渡さない。

そう渇望を歌い上げながら、それは鳴動を開始する。
かつての舞台の主役が全身全霊で世界に抗おうとしている。

男のことを世界はツァラトゥストラと語った。

184普通の名無しさん:2015/04/05(日) 23:19:22 ID:jPbp1rUg
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命にて満たす
定命なる人間の命にて
力持つ者らの城を朱に染める

いつかノルンが語った古い詩篇の欠片

だから目を開けたときから、これは夢だと分かった。
だから目を瞑らないように必死で擦った。
そうして、恐る恐る、震える声で。

「レン……」��

その言葉は届き、けれど呼ばれた彼の方が驚いたような顔をして。��

「……ああ、おはようヒルデ」��

彼はいつものような声で、いつもより少し強張った表情で――多分、無理をして、笑みを浮かべた。��
疲弊した躯を薪に火を灯す痛ましさ
嘗ての女の相似であることを男は気付いているのか

何故自分が生きているのかと訊くと男は、ごめん、とだけ呟いた。
それが、今の自分と彼との距離を感じさせて悲しかった。

ぱちぱちと音を立てて燃える残り火が、彼の顔を仄かに染め上げている。
目覚めた場所は何処とも知らぬアリーナの端。

いつものように隣ではなく、正面に座ったのは、どこまでが本当なのか分からなかったからだ。

狂気を脱いだ自分が彼を見間違えるはずがないだろう
嘆きの水底から引き上げた彼の言葉を違えるはずがない
ーーーでは触れることはできるのか。��

安らぎの中で呼んだ名前も、駆け抜けた日々も、繋いだ指の感触も、噛み締めた幸福も確かだったと確信できる。
例えこの身が座に還っても忘れるものか

でもその姿はあまりに儚くて、触れれば崩れてしまいそうで
ただ男の存在を確かめることだけが怖かった。

185普通の名無しさん:2015/04/06(月) 23:36:28 ID:615LA7m.


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Gott ist tot
神無月にて
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186普通の名無しさん:2015/04/06(月) 23:37:03 ID:615LA7m.


■■■が人理の定礎となった運命から数年後。

『城』と呼ばれる砦がある。

欧州奥地に人知れず佇む館だった。
便宜上、城と呼ばれていたが由来も正式名も知られず、名称も外見からつけられたにすぎなかった。
ただ在ることにこそ意味がある。そう言わんばかりの、奇妙な砦だった。

曰く、あの砦は獅子の別荘である
曰く、封印指定をうけた魔術師の領土である
曰く、あの鮮血魔嬢2世が監禁されている
曰く、世界を裏から操る魔術結社のアジトである

魔術を知るものは様々な憶測を立てるがどれも真実に足りえない。

その砦の大広間には、今、ふたつの人影がある。

ひとりは黒い姿をしていた。黒い男は笑みを顔に貼り付けている。
背の高い、仕立ての良いコートに身を包んだ男。彼の瞳には隠しきれぬ喜悦があった。

ひとりは白い姿をしていた。白い男は決意を瞳に宿らせている。
白色の何処か水晶を思わせる兵装。彼の瞳には揺るぎない意思があった。

黒い男に名前の類がない。
祝福の人、と集う人もいるという。
だが、その言葉が皮肉にもならないことを白い男は知っていた。
獣の王の祝福など、末法論者や教会の懐古派のことも笑えない。

187普通の名無しさん:2015/04/06(月) 23:37:48 ID:615LA7m.


『ようこそ。貴様の到来を待ち侘びていた』

微笑を貼り付けたまま、黒い男が言った。
その灼熱の生き様に似合わぬ声で、冷酷な王者にそぐわぬ声で、静かに。穏やかに。

敵意はない。
同胞を迎え入れるかの所作はこの場において限りなく不整合であると同時に適切だ。

『まずは讃えさせてくれ。私に貴様の勇気を』

「勇気か」

白い男が言葉を返す。僅かに震えるその声に込められた感情は、ただひとつ。

「君はそう言って世界を捻じ曲げる。民を嘲笑う残酷な魔王。ようやく君を追い詰めた。ここを失うのは惜しいか」

『私が惜しいと思うのは貴様の存在だよ。錬鉄の騎士より、五大の元素使いより、誰よりも先に貴様はここに辿りついた。
 魔道に挑む尊き者よ、私はその勇気が世界から失われることを心から惜しんでいる』

「抜かせ。君は人間を選り好みしているだけだ。君の語る楽土など目で分からないと安心できない独善の理想でしかない」

魔術王、双角王、蒼き狼、第六天魔王、伍長閣下。
魔王の側面を持つ王たちの示す道は確かに人類の範図を広げただろう。
だが彼らの存在は常に戦と犠牲の業の夢にしかないと白い男は告げる。

『だが抑止はアレを受け入れた。人類のシンカを対価に、訪れる破滅のみを制する契約を』

言葉を切ると同時に黒い男は表情を削ぎ落とした。

人らしさを捨てながら優しさに満ちた少年王の笑みを捨て去って。
人らしい強さの為に人に試練を与える冷酷なる魔王のそれへと。

『気高き人よ。外法にありながら誰よりも人間であった者よ。私と共に人類のシンカを見届けようじゃないか』

「返答はひとつだ」

『ほう』

「ふざけるな」

瞬間、白い男は群体と化していた。
結晶化した飛蝗蟲が命の熱量を全身へ伝え体皮を鎧へと変える。

現れるのは燃え盛る炎に生き物がたじろぐように、広間に差す影が揺れるかのような錯覚。
それを見て黒い男は再び目に喜悦を灯す。

「夢と区別出来ないような世界より俺は子供が笑える明日が欲しい」

誇りを薪に、魂を糧に、自らの存在をより高みへ。
特別なスキルではない、あらゆる人間が持ち得る意志の力。

それでこそと惜しまぬ礼賛と共に黒い男は前に、前に。
白い男の跳躍は人の限界とっくに突破して石床に罅を入れ、虫食いの如く浸食した。

振り抜いた腕が互いに交差して振るわれる。
受け止めるのも同時。激突し合う戟音。

片方は右手に銃を、片方は短剣を。

「だからこそ俺の欲/エゴで魔王、今、ここで君を」

『今、ここで?』

「倒す」

188普通の名無しさん:2015/04/06(月) 23:53:34 ID:615LA7m.


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189普通の名無しさん:2015/04/30(木) 15:44:34 ID:XWIDSXUs
そこは、まるで地を浸蝕する星空の海面 。
青空を模した大地には水が張られ、空には星を模した海峡が続く。
部屋と呼ぶには果てが遠く、周りを檻の如く黒い箱のような機械が埋め尽くしている。

渺茫な空間。事象決定樹、フォールンアンジェリカ。

天上を模倣した海下の世界。
制者の夢/世界を人類史に刻む聖杯そのもの。
40億のサーバーが紡ぐ実体無き量子精神網の仮想空間。

「では、君はこの事態に直接動くつもりはないと?」

その梵に最も近い構造領域にて語る2人の男がいる。
一人はトワイス・ピースマン。
二十世紀末の臨床医学の貢献者にして多くの紛争に従事した医学者。
氷の大地に突き刺す様々な石柱の一角に座っている。

一人はユーサー・ランスロー。
内紛の果てに滅んだ亡国の王にして協会嘱託魔術師。
そして復讐者として多くの戦地で武威を奮い惨めに最期を終える、と観測された騎士の末裔。

共に二つの聖杯戦争の深淵へ辿りついた男たち。
その在り方は無色透明、その中にどこまでも大きい使命感を感じさせる、二人の男性。

190普通の名無しさん:2015/04/30(木) 15:45:22 ID:XWIDSXUs
「場合による、とだけ」

「それは指導者の言う『前向きに検討する』ではないのかい?」

特有の空虚さを放ったまま、トワイスはある種の皮肉を送る。
その口調は、非難というより困ったものだと落胆するように。

「やはり、君は選ばないのだね」

表情に乏しいままにトワイスはメガネを持ち上げる。
氷の大地の真下には、箱型の何かから光が漏れている。ユーサーは、そこからゆっくりと振り返った。

「私としては貴方が彼を拒絶したことが少し意外でした」

「黄金期を迎えないアセンションでは、可能性を潰しかねないというだけだよ。定命の人間が夢を叶えるには世界のリソースは少なすぎる。結果として強者となる者が理想を掴む権利を持つ、それを否定しては人類史は語れない」

すべての人間が望みを叶えることなどできはしない。
様々な要素を満たした人間だけが望みに手を伸ばすことができる。その過程で、争いが生まれることは否定できない現実だ。
流血を忘れて歩み続けるには人間の精神は成長していないと、トワイスは語る。

191普通の名無しさん:2015/04/30(木) 15:46:04 ID:XWIDSXUs
「君がそうであったように成長の為に多くを食い潰した。その喪失を前に、それを無視して完成するなど許されない。君なら、理解できる筈だ」

独善。偏執的。
トワイスの言葉はそんな独り歩きに満ちていながら彼自身がそれを正しいと認めていない。
歪んでいながら真っ直ぐな信念であるのは、それだけ願いに対し真摯であるからだろう。

「その為に聖杯戦争を?」

「地に嵐を。世界を己の色に染める個人を鍛えるのにこれ以上の舞台はないだろう?」

戦争の犠牲者であり、それを憎みながらも過ちだと否定できなかったトワイスが至った答え。
人類が存在する意義であり、本能。

「それは亡霊の言い分ですよトワイス。唯一の結論を得た者が今を生きる者達に干渉すべきでない」

なぜならそれは自由をさ迷う中でこそ選択する生者の価値を貶めることに他ならないから。

真に生きたいと思う時にだけ、人生が生きるに値するのなら、あの戦場こそが至高であり、そんな暴論が通るなら人類は争いを忌諱しない。
それは長い時間をかけて人間が学び、語らい歩んできた証ではないか。

「未来を奪うことなど許されない。機械仕掛けの英雄は最後の最後。終わりきった後でなければならない」

「例えそれが、四万と二千三百を殺し、九千と八百二十四の流浪を無辜の民に課すことになっても?」

「......気に入らないからとやり直して、作らされた笑顔を前に満足するならば、それこそ責任がないでしょう」

192普通の名無しさん:2015/04/30(木) 15:46:46 ID:XWIDSXUs
そんな王はきっと次の危機が瀕した時に国をあっさりと見棄てる。
過去が許せないから未来を用意する。聖杯を以て結末を授け、後悔に喘ぐ必要性を取り除く。
人々に欲などいらない。夢などいらない。
ただ生き、ただ満ち、ただ死ねばいい。それで、すべてが解決する。

「そんなものは思考停止ですらない」

未来は“未だ来ない”
それは現在こそが未来である死者にはない特権だ。

生前の信条に縛られるトワイスは過去を粗末に存在する未来の在り方に怒りを持った。失ったものを嘘にしない為に、どうか歴史をやり直してくれ。

しかし、ユーサーは思う。
人間はそれでも前に進んでいる。
手が届かない程に遠く、息がかかるほどに近い世界。人はそこを目指してどこまでも歩いていける。
現に128人の現在を生きるマスターとそれに応えた過去を刻んだサーヴァントがいたではないか。

そう宣言したユーサーにトワイスは、優しげな――それでもやはり冷めた視線を向ける。

「何であれ、君の決断は戦いに帰結している。中枢に座そうと帰還できるのはただ1人だけ。これは自分以外の世界を消去できなかった君の甘さが招いた結果だ」

「余白があるうちは、絵は完成しない。だからこそ最後の一欠片であり続ける。他ならない貴方の在り方だトワイス」

193普通の名無しさん:2015/04/30(木) 15:47:22 ID:XWIDSXUs
完成してしまった絵は、それで終わり。
どんな生命も、どんな文明も、いつかは終わる。だけども終わる事と続かない事は違う。
終わりを知るということはその物語を閉じ、次へと無慈悲に進むこと。

「我々は、それを踏まえた上で1つの世界に永遠に留まるか、それとも進んでいくのかを選択しなければならない。そうでしょう?」

「それはこの世界を諦めるということかい?」

「いいえ。明日に至る可能性を残し、期待するということです」

今日より明日がいい日でありますように。
そもそも人が生きるということは、その繰り返しなのだから誠意を持って進まなければならない。

未来を残す為の一欠片となってでも、この手で誰かを守れたなら、その時こそ、俺は私を赦せるのだろう。

「その時まで己が栄光の為でなく―――」

許されるなら戦場に漂う悲劇を払う、あの聖剣の輝きのように。
全てを戦場に置いてきた自分を導いてくれたあの騎士王のように。

「………………」

そんなユーサーの言葉を、トワイスは無言で受け止めた。
なぜだか、ほう、と一つだけ息を吐いて。

結果から過程を選び、そのうえで進んだ贖罪の王は堕天の御座より、地上の反転を俯瞰して。
かつての日を偲び、いつかの日をを思い、それを成す時を尊んでユーサー・ランスローはただ見守っていた。

194普通の名無しさん:2015/05/07(木) 22:25:55 ID:CFIRwXk2


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Guardian of Avalon

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195普通の名無しさん:2015/05/15(金) 20:23:48 ID:g0Ae1IeE
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時計が/軋む/音がした。
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キヒヒキヒヒと呻くソレは機械仕掛けの哄笑にも似ていて一度気付いてしまえば微睡みの淵を掻き乱す。
浅い眠りの中で一つの小さな世界を救済した聖者の夢を見ていた。
善でありたい。正でありたい。楽でありたい。清かでありたいと。
我々は天秤の咎なき方であるが故に悪たれ邪たれ苦たれ穢たれと。
二元論の対を自分以外に求めずにいられなかった弱き人々。
例え唾棄され名を奪われ概念に堕とされ人への憎悪が執着せど確かにソレは救いを成したのだ。

故にソレはこの褥に招かれた。
地の底に根付く無窮の闇。鬼子母神の胎盤。
我が身の他に罪はなく、我が身の外に咎はない。
奇しくも遠い日に託された祈りと相似した容を福音に、ソレは再び夢を見る。

196普通の名無しさん:2015/05/15(金) 20:24:39 ID:g0Ae1IeE
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深海に沈んでいる。
繋ぎ合せた意識が主体性を虚ろなままに認識した比喩はある面において的確であり、事実本来ならば2分と持つ前に男は拉げているだろう。
だがそれでも男は暗がりに不遜と考察を重ねている。

不思議な感覚だった。
意識は限りなく鮮明なのに脈絡ある思考が纏まらない。
男自身の精神ではなく、取り巻く世界が混濁し意味を失っているからだろう。
そうでなければ凡夫たる己がコレに浸っていられる道理がない。

『胎児の夢...いやコレは...』

矢継ぎ早に数多の景色が移っては消えていく。目に映る情景は悲劇に満ちていた。
慟哭があった。屈辱があった。無念の怨嗟と喪失が、殺戮が、略奪が、背信があった。
流血の焦土に裏切りと報復を失意と迷走の生命遊戯畦放溝埋樋放頻蒔串刺生剥逆剥屎戸生膚断死膚断白人胡久美近親犯強姦上通下通畜犯罪昆虫災高津波災高津鳥災蓄仆蠱物罪種種ノ罪事此出逆巻一切病苦厄を天狗外道に坐す我が身に返り給えば今日より始て罪と云罪は不在と祓賜ひ清賜事森羅万象諸々憎悪し邪とし醜いと断じて尚認めよう許そう私がこの悪の責を負おうと声高らかに詠いあげるーーー

197普通の名無しさん:2015/05/15(金) 20:25:33 ID:g0Ae1IeE
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全ての罪咎余さず見渡す天望回廊。紡ぐは全人類への呪詛にして祝詞。
こんなものがある場所など、閻魔殿か数多の悲劇の焦点に違いない。

即ち、怨天祝奉“この世最後の悪”

そしてようやく理解する。悪夢の精髄で編み上げられた魔城...ここはかつての男自身の夢/過去そしてその渇望の果てだった。

『全ての悪を負う聖者の杯...例え歪だろうと性善の肯定であることだけは違いない...か』

自らを悪と定めたのは果たして何時だっただろうか。
反定立の軋轢/革新によって時代は航海の血路を転輪する。
時にそうした莫大な犠牲を担う英雄達、その受け皿となる王者が現れる。
秩序とは多数決が善と見做す行動規範。
大衆が正義と奉じるがゆえに強固でありながら移ろいやすく、身を任せる安心感/堕落を代償に個人に対し恐ろしく脆い。

独りだけの英雄では世界を変えられない。救うだけの王者では停滞を止められない。
その事実にこそ男は絶望し破戒者となった。
王や英雄の資質などなくとも意志を持って踏破せよと無理難題を刻んだ。
その夢こそ末法の再現、黙示の受理。
人間に神の如く復楽園を築き上げろなど狂気の理想に他ならない。

198普通の名無しさん:2015/05/15(金) 20:26:20 ID:g0Ae1IeE
今更になって男は自嘲めいた笑みを浮かべる。
秩序の檻、法の守護。どちらも世界に欠かせないものだ。そもそも一人に滅ぼせる世界なら初めから秩序などあるはずがないのだ。
だが男が歩みを止めることはなかった。気づいてしまったなら為さねばならない。
それこそが己の原点、“この世最後の悪”の存在意義。

『ああ、なるほど確かにそんなものは魔王でしかない』

自称したことは数える程しかない筈だが、と零す男こそは魔人の長。
その銘は王器。その試練は血税。拓く荒野は魔道楽土。
遍く戒律をまずは壊そう。己の誇りを世界に示せ。
その願いは確かに多くの勇者を生み、数多の秩序は燃え落ちた。
この世界で庇護者でいる事は難しい。誰もが主人公になる代わりに弱者に甘んじては何も変わらない。
故に今、辿り着いた眼前の扉を前にした時も一切の躊躇はなかった。

199普通の名無しさん:2015/05/15(金) 20:27:30 ID:g0Ae1IeE
『――――』

だが、それを開けたその光景を前にした時、流石の男も瞬間言葉を失った。
窓からは夕日の光が射し込んでいる。黄昏の室内。黄金に照らされた風景。
窓を覗けばきっと疎らになった校庭が目に入るかもしれない。
踏み入れた途端まるで甘い芳香を残す部屋の清潔感に圧せらた錯覚を覚える。
そこは健康管理衛生室、俗にいう保健室だった。
.
.
「――義兄様」

ふと見ると、傍らに少女がいた。
規定の制服を纏っていたが、アシンメトリな前髪に隠した妖しく揺れる瞳が、僅かに染まった頬が、彼女をただの保険委員でないことを語っている。

「あらあら。随分と粗雑な開け方をなさる殿方がいらっしゃると思ったら義兄様だったなんて。こんなのが感動の再開だなんて、わたくし義妹として悲しいですわ、ええ、悲しいですわ」

...訂正。その言動が彼女がアンチ癒し系に属することを雄弁に語っていた。

「どうなさいました?ついに記憶力まで残念になられまして?まあ大変、義兄様から口賢しさを除いたら悪巧みくらいしか能がないではありませんか。貴方の義妹、遠坂胡桃ですわ」

二つに分けて前に垂らした艶やかな長い髪を揺らしながらこちらを小馬鹿に嘲笑う彼女の声。
彼女は男に触れる寸前まで近づくと首元に指を這わせるように腕を回した。
その仕草が脳髄の底を擦るように思考を乱す。混じる花の香りが受け入れよと囁く。
声の主は知らない。だが確かにその声には覚えがあった。

200普通の名無しさん:2015/05/15(金) 20:28:47 ID:g0Ae1IeE
「うふふ。でもよく来てくださいました、義兄様。わたくし、とてもとても嬉しくて、体がぼーっとして...身体が熱くて...」

『インターフェイスを用意するならば彼女の方が最適ではなかったのか?』

話を切り、真実を突きつける。
演出された焦燥感の中で少女の言葉は蜜のようだ。凡庸な己が身にその声は抗いがたい。
手玉に取られてしまえばいい、彼女は自分を害しない。
そう知っているからこそ彼女の前で無様を晒す訳にはいかなかった。

『いや...そうだな...そういうことか。ならば願われた通り斯く在るのが私達だ』

窓を覗くと逢魔ヶ刻の校庭は渦巻く黒い泥に変じている。
深紅の空に黒い雨が降る中で吹き渡る風はまるで怨嗟の様。
それを支える漆黒の太陽に浅く溜息を吐き捨てて男は女に向き直った。

『...あれから十年よく持った方か。だが同じ願いを叶え続けるには足りないすぎてしまったな』

「ええ。お陰で最後に聖杯が触れた願いがこうして体現したようですわ」

女はどこか諦めたかのよう呟くと二歩下がる。
わざわざ領域を確保してまで造った舞台をあっさり看破された事に拗ねているのかもしれない。
もしくは仮に茶番だと分かっていても偽りの逢瀬を続けていたかったのか。

『 ......この世界は楽しいか?』

思考が途切れる。男は不意にそんな事を訊ねた自分に驚いてしまう。
混濁した思考の中でもこの男は人に問わずにいられない性らしい。
それとも、それは在りし日の感傷か。

「ええ、ええ。もちろん。誰も彼もが一生懸命で、退屈で、素敵で、わたくしつい嫉妬してしまいそうですわ」

『ならば私にそう願えばいい』

横目に見た彼女の様子は――静かだった。
男の言葉にも動揺した様子もなく、冷静そのもの。
それはこの願いの問答をすでに終えているものだから。

201普通の名無しさん:2015/05/15(金) 20:29:42 ID:g0Ae1IeE
『未来に興味がない、人間は既に十分幸福だなどもう誰も思わない。人類は再び足を踏み出した。ならばシステムでいる必要はないだろう...君はどうしたい?』

人間が仮に何が正しいかでなく何かを悪だと批判することでしか測れないというならば正義など前提から語るべきでない。
ならば、目前の悪に対し行うべきは勇気をもって糾すこと。
それが何を意味するのか...二人の最悪は理解していた。

「全く貴方はいつも試すようなことばかり言って。わたくしが確かに在た筈の場所は他にありますの」

言葉をあっさり払い除けて、彼女は男に宣言するように語る。
道を示したのは彼、助けてくれたのも彼。だけども選んだのは確かに自分だったから、例え罪深けれど■■■には誇りがあると。

「だから“私”が再び歩き出すなら、それはその場所の筈なんです」

その言葉に男は眩しいものを見るかのように目を細めて、かつての彼女を重ねて間違っていなかったと確かめるように。

『ああ、分かった。 決断する限り私は君の味方だ』

「ええ、わたくしは魔王のエージェントですもの」

頭を侵していた雑音が消える。
同時に、目の前にいたはずの少女の姿も消え去った。
後には1人、保険室に残される。


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