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夜の町
1
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:18:44 ID:???
辰哉はぶらぶらと歩いていた。明るいネオンが照らす街は、1世紀も昔の人間が歩けば腰を抜かすであろう。
夜は深いというのにまるで昼間のような活気を持つこの街は未だに呼び込みを続ける接待客も多かった。
『ふん・・』
やや機嫌が悪いのか辰哉はガンをつけるような眼差しで気楽に歩いているサラリーマンに睨み付けた。
睨み付けられたサラリーマンは面倒ごとが嫌なのか、すぐ目をそらし道の脇に移動しソロソロと歩いていく。
だが辰哉の視線から離れるとまた千鳥足でヘロヘロと歩いていくのであった。
『ち、まったくついてないぜ』
競馬やパチンコに連続して金銭が乏しくなったことで辰哉は、気が悪くなっていた。
いっそ誰かからたかろうとか、腹いせに万引きでもしてやろうか、などと辰哉は何か事を起こしてやろうかとすら考え、先ほどから目ざといものが無いかを見ているのだ。
だがすぐに行動に起こそうとは考えなかった。これでも執行猶予中の身である。警察に捕まればまた面倒なことになるだけなのだ。
2
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:20:37 ID:???
『おい、お姉ちゃん』
辰哉はふと目にとまった女に声をかけた。見た目はあきらかに派手であり露出もあるグラマーな女だ。
しかも声をかけてくれとばかりに男に流し目をしていた。となれば手の早い辰哉はすぐに声をかけるほかない。
「あら・・?何かしら?」
『暇か?よかったら俺と遊んでいかねえか?』
「・・クス、それじゃせめてお酒くらいはおごってよ。そうしたら考えてあげるわ」
『ち、まあいい』
金はあまりないが奢れないことはない。多少ならツケのきく店も知っている。辰哉は先ほどまでの嫌な気分を少しでも拭うつもりで女を誘ったのだ。
むろんこの手の派手な女なら、こちらの事情も理解してくれるだろう。
ニヤニヤと笑う辰哉に女は妖しげな笑みで応えた。
3
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:21:10 ID:???
辰哉の予定は崩れてしまった。女はやけに酒に強く、簡単に酔い潰れてくれなかったからだ。
『姉ちゃん、つええな』
「そう?クス・・」
派手な格好に対照的で、その物腰は冷静で静かである。女は大人の雰囲気を見せつつ度数の強いアルコールを躊躇もせずに飲んでいく。
「あなたも結構いけるクチじゃない」
『ああ、まあな』
辰哉も負けじとアルコールを体の中にいれていく。自身も相当アルコールに強いのは自負しているからこそ、女には負けるわけにはいかなかった。
「それで・・」
ある程度の時間が過ぎ、女は流し目で辰哉に問いかけた。
「もちろん後もあるんでしょ?」
『お?そっちから誘ってくれるとはな』
クス、やっぱりね・・と言う様な笑みを浮かべ女はもう一杯酒を頼んだ。
4
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:21:42 ID:???
派手さは女に劣るものの明るいネオンに包まれた1件のホテルに辰哉と女は入っていき、すぐにある一室へと中に入った。
「セックスはどういう感じで?」
『積極的な女だな。まあ慌てるなよ』
すぐに服を脱ぎ始める女に辰哉はニヤっと笑っていた。ここまで積極的な女は早々いない。
まるでこちらの気持ちを理解しているかのようでもある。
『・・まぁ、大概の女はここで潰れちまうがな』
女には聞こえないように辰哉はつぶやいた。だがそれが聞こえたのか、女は「そうかしら?」と相槌を打って見せた。
「ハァ・・ハァ・・・、いいわ、激しい・・!」
『フ、フ・・・フッ!』
男と女の激しい息遣いが部屋に木霊する。アルコールも頭にまわり辰哉は気分のよさにいつも以上に体を動かしていた。
「ハァ・・ハァ・・」
女のほうも激しく体を動かし、吐息を漏らしている。だが女はそれでも疲れを見せず辰哉の体に完全に合わせていた。
『お・・ふう・・なんてすごい女だ』
その女の動きに辰哉はある種の感動すら感じてしまった。
5
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:22:13 ID:???
「さすが辰哉さんね、見事な騎乗だわ」
『そうか?・・・ん、おい、なんで俺の名前を知ってる?』
これだけ二人は体を交えながらもまだ名前を言っていなかった。だからこそ辰哉は女に警戒した。
「もちろん知っているわ。高校、大学在学時代に婦女暴行・・いわゆるレイプを繰り返し、窃盗や強盗なんかは数知れず、いまも執行猶予がついているのが不思議なくらいだもの」
『・・・・』
女の言っていることに辰哉は少し驚きを見せた。先ほどの内容に一点の間違いもないのだ。
この出来事は知り合いでもごく一部しか知らない・・この夜の街ではいくら辰哉が有名だからといってもここまで的確に言えるとなれば、それは警戒に値する人物であることを辰哉は知っていた。
『お前、何もんだ?』
「今村美沙・・警察よ」
『警察か。なるほど。俺を逮捕しにきた・・ってわけじゃないよな』
辰哉はゆっくりと気分を落ち着かせ冷静に美沙を見つめた。
『俺を捕まえにきたっていうなら、ヤるまえに捕まえるだろうし、捕まえるにしてはやり方がおかしすぎる。そもそも今のこれは合意の上なんだしな』
「あら合意っていうのはいくらでも捏造できるものよ。それにあなたお金もほとんど持ってないんでしょ?このホテルの代金は私持ちにさせようとしたでしょ?」
『ふん・・できりゃ酒の席もそうさせるつもりだったがな』
腹を割って話しかけてきた美沙に、辰哉も自分の腹の中の言葉を吐き出した。それで美沙がどう動くかを調べるためである。
「ふふ・・」
しかし美沙は警戒する辰哉に笑みをうかべた。
『・・・』
「それで続きはどうするの?」
『ハッ!やっぱりお前はこっち側かよ。いいぜ、もっと遊んでやるよ』
警察だからといってまじめな人間ばかりじゃない、辰哉はこの女はそのタイプと考えた。
6
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:22:44 ID:???
「ねぇ、あなたには仲間もいるんでしょ?彼らもつれてきてよ」
美沙はベッドの上でねだる様に辰哉に声をかけた。
『ああ?まさか一緒にしょっ引くなんてつまらない真似はしねぇよな?』
「クス、そんなこと考えていたとすれば、あなたをさっさと捕まえて仲間を割り出すわ」
『まぁいい。そこまでやり手の女とは思わなかったぜ。そうとう飢えていたんだな』
「こういう仕事をしてると、遊びも派手にしたくなるものなのよ」
『ハハハ、警官とは思えない発言だな。まあいい、それじゃ仲間も呼んでやるが・・場所は変えさせてもらうぜ』
「いいわよ。もちろんここのお金も払ってあげる?もともと私を眠らせてそうさせるつもりだったんでしょ?」
『チ、いちいち勘にさわる女だ。まあいい、そのかわりあとで泣いてもしらねぇぜ?』
ククク・・と笑う辰哉だが、美沙はそれでもケロっとした様子で辰哉を見つめかえした。
7
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:23:18 ID:???
「・・いたい!アア・・!!!」
『ほらほら、どうした!!ああぁ!?さっきまでの威勢はどうしたんだよ?』
廃屋と化したライブハウスの一室で女は悲鳴をあげるような声をあげていた。
裸となった美沙は手足をロープで縛られ、まるで奴隷のようにされていた。
そんな奴隷に対し、辰哉が呼びつけた仲間達もまた裸姿でとっかえひっかえ美沙に暴行行為を繰り返していたのだ。
『おいおい滝島、つぶすなよ』
『わかってるって。そういう零次も前を潰すなよ』
『ちげぇね、零次は巨乳に目がねぇからな。やり過ぎちまう可能性がある』
『うっせーぞ、ジュン!』
辰哉も含めた4人の男は、バイブやムチといったアダルトグッズを手に美沙をゆっくりと傷つけていく。
美沙もそれには堪らないのか悲鳴にちかい叫び声をあげるものの、それでも嫌がるような姿勢は見せずむしろまだまだ物足りないような仕草すら見せていた。
『本当にすげぇ女だな。どんな調教すらこんな女になんだよ?』
滝島は関心するような視線で美沙の裸体を見つめていた。
『クク、俺が見つけたんだぜ。すげえもんだ』
『だけど辰哉、この女をまだ目がいイッてないぜ?まさか化け物じゃないだろうな』
『まぁ、確かに化け物と言われても仕方ねぇ体してるな』
『じゃこれもいっちまうか?いいクスリが入ったんだ。これキメちまうと女は一気に昇天する気持ちになるらしいぜ』
ジュンはカバンから注射針を取り出した。
『おいおいクスリかよ。こいつ警官だぜ?いいのかよ』
『警官だからだよ。これ打っちまえば、あとは麻薬欲しさに俺らにねだるしかなくなるさ。警官だからクスリ打ったなんて職場で言えねぇだろうし』
『さすがジュンはヤク中だな』
『ってことだ、美沙さんよ。最初は痛いかもしれねぇけどよ、すぐに頭がぶっとぶからビビる必要はないぜ?』
美沙は先ほどまでの暴行にまだ息を切らしているのか、俯き加減で顔を伏せていた。
8
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:24:00 ID:???
『グワッ!!』
『・・!!!?』
ドンと鈍い音が聞こえたかと思うとジュンは注射器を持ったまま地面に蹲った。
『おい、ジュン・・どうした?』
零次は崩れ行くジュンに近づき、ようやくその意味がわかった。
美沙がいつのまにか手の拘束を外し、ジュンのみぞおちに拳を叩き込んだのだ。
『おいお前・・!』
抗議するかのように美沙に掴みかかろうとした零次もまた一瞬のうちに腹に拳を受けた。そしてゆうに1メートル以上は後ろに吹き飛ばされる。
「ハァ、まったく・・クスリはないわよ。私これでもクスリには手を出していないんだから。まぁ、別の薬はいっぱい持ってるけどね」
『おい、女!なんのつもりだ!?それにいつのまにロープを外したんだ!』
「ロープってこれ?こんなので手足を縛ったつもりになったわけ?やるならもっと縛りなさいよ、あまりにゆる過ぎて、何度か自分で結びなおしたりしたのよ?」
『ハァ?!何をいってやがる!このアマ!』
そういって叫んだのは滝島であった。あらかじめ近くに隠し置いていたスタンガンを取り出し、美沙へと殴りかかった。
「クス、相変わらず君はスタンガンなのね」
滝島はそうとう喧嘩の場数を踏んでいたつもりであった。だが相手はそれをはるかに上回っていた。
美沙はすぐさま滝島からスタンガンを奪うと逆にその電圧を滝島自身へと当てつけたのである。
『ぐあ・・・』
一瞬のうちに3人の男達は地面に倒れ、残った辰哉は得体の知れない美沙にある種の恐怖を感じた。
『いったいこれはどういう事なんだよ・・』
「教えてほしい?クス・・君達がレイプした女の子達を覚えてる?植山 美優ちゃんって子」
『・・・』
「その子、すごく可愛くて・・私はその子の隅々まで知っていたんだけど・・つい最近自殺しちゃったのよ」
『仇討ちか?・・だったらなんでこんな手のこんだ事を』
「仇討ちはちょっと違うわね。私としてはコレクションを汚されたことに怒っているのよ」
『ハァ?コレクション?何を言っているんだ・・?』
突然意味の分からないことを言い出した美沙に辰哉は飽きれるような仕草をしてみせた。だが美沙はさらに意味不明なことをつづけた
「あの子の体を手に入れたときはまだ処女膜が残っていたわ。それから三日後だわ、彼女は電車の接触事故で死んだ。結構ショックだったわよ。なにせ苦労して手に入れたスーツが使い物にならなくなったんだもの」
『スーツ・・なんのことだよ。意味不明な事をいいやがって』
辰哉はじりじりと下がり、ようやく手に木材を掴めた事に笑みをうかべた。これならスタンガンを奪った美沙にも対抗できると考えたのだろう
『ちょっと眠ってろ!』
木材を持ち、辰哉は美沙の頭目掛けて振り下ろした。
ズドッ
鈍い音がした。木材は美沙の頭にはあたらなかったものの、頭を庇おうとしたその細い腕に命中したのである。
『う・・』
だがその細い腕はまるで鉄骨が入っているかのように傷一つつかない。まったく怯まない美沙を見つつ、辰哉はゆっくりと電圧を腹に感じながら意識を失った。
9
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:24:33 ID:???
『(・・・う?)』
辰哉は数分ほど気絶したのち目を覚ました。
『(なんだ?体がうごかねぇ)』
辰哉はすぐに体に強い圧迫感を感じ、腕や足、腰から首に至るまで寸分も動かせないことに気がついた。
『(これは縛られている・・のか?)』
口は猿轡のようなものをされ、体はロープで固定されて、その上に包帯のようなものでぐるぐる巻きにされ、さながらミイラのように辰哉の体は完全に固定されてしまっていた。
なんとか動かせるといえば、視覚だけでうっすらと包帯の間から周りの様子が見えた。
『(あれはジュン・・に、零次・・滝島・・あとあの女!)』
裸のままジュン、零次、滝島の3人は床に眠らされていた。その上には微笑みを浮かべる今村美沙がいた。
『(何を・・しているんだ?)』
かすかに見える視覚のなかで、美沙はおもむろに顔を抓るような仕草を見せ付けた。
「・・・ん」
小さくもれる美沙の吐息とともに、美沙は指を顔の頬の辺りを掴み、それをゆっくりと引っ張り始めた。
すると同時に美沙の顔の形がゆがみ始めた。
『(・・なっ?!)』
美沙の顔が歪むとすぐに、まるでストッキングを脱ぐかのように顔の皮膚がはがれていく。だが皮膚がはがれて美沙は叫び声をあげるわけでもなく、顔が血まみれになることもなかった。
『(な、なんだ!?顔が・・変わってしまった!?)』
そう美沙の顔は脱皮を終え羽化した成虫のように、先ほどとはまったく別人の顔へとなってしまったのだ。
美沙の顔は床に落ち、かわりに頭についている顔はどこかで見たことのある姿であった。
『(あれは確か・・潮見!?なんであの女の顔が・・いやこれはどういうことなんだよ!?)』
辰哉が見た女の顔は知人である潮見という女の顔であった。だが驚くべきはそれだけではなかった。
美沙は顔だけではなく、その体すら脱皮を始めたのだ。美沙の魅惑的な肉体は顔と同様に蛇が脱皮したかのごとく、中身のない抜け殻とかし、抜け殻から出てきたのは潮見のスレンダーな肉体である。
『(どうなってるんだ・・?)』
疑問に思う辰哉に対し、美沙は一瞬こちらに視線を動かした。まるでその表情はサーカスの演技を追え満面の笑顔を見せているかのようであった。
10
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:25:49 ID:???
だが驚くことはそれだけではなかった。
潮見の姿をした女は、さらに何度も脱皮を繰り返したのだ。そして脱皮を繰り返すたびにその姿は別の女へと変わり行く。
見ているほうとすれば、まるで狐か狸に化かされた気分であろう。
何度も脱皮するその様子に見惚れるかのように辰哉は言葉を失っていた。
「ふう、結構着込んでいたわね」
もはや全く見知らぬ姿になってしまった女は美沙のときと比べると対照的に若い女性へと変わってしまった。年齢にすればおそらく16かそこらだろう。
「結局このあたりの姿は使わずにすんじゃったなぁ」
クス・・と笑みを零し、美沙は脱いだ抜け殻をマジマジと見つめていた。
「ねぇ、どうかなぁ、この体?結構若くてハリがあっていいと思わない?」
だが目の前の3人の男は完全に意識を失っているし、辰哉は口が拘束されて喋ることもできない。
「クス・・」
そんな状況に女はもう一度笑みを零した。
11
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:26:38 ID:???
『(な・・なんだと・・!?)』
何度驚けば気が済むのだろうか。辰哉は目の前の出来事に目を飛び出すかのような勢いで目を見開いた。
女が抜け殻を持ったかと思うと、その抜け殻を滝島、ジュン、零次の3人それぞれに抜け殻を重ねていったのだ。
若く引き締まった筋肉を持った滝島の体は抜け殻に覆われると、無骨な姿からふっくら丸みに帯びた体へと変貌する。
肩幅は狭まり、スポーツがりした髪はその長さが数十倍の長さへと変わる。抜け殻に覆われた股間すらもその痕跡を完全に消し、平べったい形へと変えてしまうのであった。
『(滝島が・・女になっちまった)』
そしてジュン、零次も同様に抜け殻を重ねられるとやはりその体は女性のものへと変貌してしまったのだ。
『(ど、どうなっているんだよ!?)』
しかし言葉を出せない辰哉に対し、女は疑問に答えることはなかった。
「あとは服を着せてあげれば終わりかな」
女は自分の持ってきた鞄を開けるとそこから3着もの衣類を取り出した。
『(お、おい・・まさか)』
その3着の衣類を見て、辰哉はある種の恐怖を感じた。その3着の衣類は見たことがあったからだ。
だがその記憶はすぐに確信に変わった。女がその衣類を元が滝島、ジュン、零次であった女に着せてしまったからだ。
『(あれは・・あの姿は・・俺達4人が昔、犯してやった女達じゃないか!?)』
涼原桂子、楠原真央、朝霧宇美・・それが彼女達の名前であった。辰哉たちが見境なく犯した女達は、あるものは学校を転校し、あるものは引きこもってしまったものもいる。
そんな女達が今まさに目の前にいる。しかもその正体は、彼女達を犯した張本人である。
「クス、君達が目をさましたとき、どういう反応をするかしら?まさか昔ヤった女になってしまったなんて思わないでしょうね?」
女は悪魔のような笑みを見せた。それに対して、3人の女は向くな寝顔を見せているのだ。
「そのスーツは体の形から体重、声や筋力、それに体の感度まで本人そのものになるわ。いえ、本人そのものにしてあげたわ。もちろん私が脱がさない限り、永久に脱ぐこともできない」
零次達であった彼女達に、女はそのスーツがしっかりと体に定着していることを確認し、再度笑みを浮かべた。
「もちろん、あなた達が彼女達に成りすますのは無理でしょうし、そのままこの夜の街で体を売って食っていくしかないわけよ。ああ、本人たちはとっくにこの近くにはいないからバッタリ本人たちと出くわす心配はないはずよ」
誰に言い聞かせるわけでもない、なにせ女はいまだ姿を変えられていることに気がついていない眠っている3人の娘達に問いかけているのだ。
だが辰哉はその意味がようやくわかった。
『(まさか・・俺が目を覚ましていることに気がついているのか!?・・ということは次のターゲットは・・俺!?)』
抜け殻を着せられると女になる、そんな馬鹿げた話があってたまるかと思うが、こう現実離れした状況を見せ付けられてしまっては辰哉は恐怖するほかない。
『(やばい・・やっぱり俺に気がついてやがる!)』
体が固定され身動きが取れない辰哉に、女が不適な笑みでこちらを見たのだ。辰哉は何とかしてこの拘束された状態を脱出しようと試みた。
『(ク・・クソ・・!!)』
必死に体を上下左右に揺らし、さらに体をグルグルと床に転がってみる。もちろんこんなことをしても女から逃げられるものではないのだが、辰哉に出来る最大限の抵抗がそれしかない。
『(・・・!!)』
ジタバタと倒れた状態で体を動かしているうちに、少しずつ包帯が緩みを帯びはじめた。ゆっくりと包帯がほどけ始めていく。だが辰哉を完全に拘束しているロープだけは解けることはなかった。
「あらあら、美優ちゃん・・そんなに暴れてどうしたの?クス、髪の毛がくずれちゃってるわよ?」
女はいつのまにか辰哉の背後に回っており、倒れている辰哉の視界の前に手のひらサイズの鏡を置いた。
「ほら、髪の毛がバサバサだよ」
鏡に写っていたその姿は、レイプを苦に自殺した植山美優そのものであった。
12
:
よんよん
:2009/11/06(金) 00:28:51 ID:???
『ねぇねぇ、聞いた?あのライブハウスの事件』
『うん、制服姿の女の子4人がレイプされたって話でしょ?ひどい話よね。なかには中学生の子もいたみたいだし』
『しかもレイプされた女の子たち、みんな頭がおかしくなって、突然男口調であばれだしたりしたんだって』
『へぇー、それでその子たち、どうなったの?』
『さぁ、身元も不明らしくて、結局どうなったか知らないよ〜』
『で、相手の男は?まさか・・』
『それも噂があるのよ。だってその日から辰哉さん達の姿が見当たらなくなったんだもの。とうとう捕まったんじゃないかしら?』
夜の街を歩く女性たちは噂話をするものもいれば、男に声をかけるものもいる。
だがその中に年齢不相応な女の子がフラフラと道を歩いていた。
『・・・・・・・』
身なりはボロボロであり、髪の毛も汚く顔も汚れている。元は可愛らしい姿であったのだろうが、今はそんな状態をまったく見せていなかった。
『俺は・・』
女の子は男言葉でつぶやいていた。
フラフラと女は歩く。もはや生きるには男に体を売らなければならないのだろうか、それとも別の手段があるのだろうか・・
『・・俺は・・・誰なんだ・・・』
誰にも聞こえない小さな声は、夜の街の騒音にかき消されてしまった。
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