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母親が他人に侵される 漫画・小説 #避難所

44名無しさん:2012/10/21(日) 11:23:47
288 名前:大林圭支 ◆M9BaxOHZFs [sage] 投稿日:2012/10/18(木) 21:28:23.15 ID:mLB/D21/ [1/4]
「ならば、聞け」
その声は明らかに、湯壷の真ん中から聞こえた。
湯壷の真ん中。腰を滑稽に揺すっている母いさの、目の前だ。
「ああ。お武家さま、あああ」
「お前は一族の女だ。知っているな」
「はい。はい。いさは、分かっております。ですから、あああ」
「我が一族は、再び世に討って出ねばならぬ」
「ああ、ですから。知っております、分かっております。ですから、ああ」
「しかし我らには姿がない」
また恐ろしいことが起きた。藤次の目の前で、湯壷の景色が変わったのだ。
確かに声は、姿がないと言った。しかし、姿が現れたのだ。
村の子供が言っていたのは間違いではなかった。
薄ぼんやりとしてはいるが、その姿は確かに落ち武者だった。
「もう一度聞く。気をやりたいか」
「ああ、それは」
「気をやりたいか。女」
落ち武者は、母にも見えているはずだ。定まらなかった瞳がしっかりと中心を見据えている。
恐ろしい物の怪を目の前にして、まだ淫らに尻を振っている。
「ああ、もう。気を、やりたい。後生ですから、ねえ。ねえ」
母はぐいと首を伸ばして、まるでその物の怪に覆いかぶさらんばかりに迫る。


289 名前:大林圭支 ◆M9BaxOHZFs [sage] 投稿日:2012/10/18(木) 21:30:31.23 ID:mLB/D21/ [2/4]
「ならば、入れてやる。あとは知らぬぞ」
落ち武者の手が、ずいと母いさの肩口を押した。
その力でうねっていた体はよろりと倒れ、あの振られていた腰は湯壷の縁に座らされる。
「あ、あ、ああ。お武家さま、ああ。いいいいい」
それは、藤次が初めて聞く母の声だった。
先刻までの声も、ひどく甘ったるい切羽詰った響きだった。
しかし、そんな声が更に強く高く変わった。
湯壷に響くその母の声は、まるで獣のような音に聞こえた。
「おお、女。入っていくぞ。お前のほとの奥に、俺のまらが」
「はあ、あああ。いい、ひいい。お武家、さま。ほとに、ああああ」
「もっと食い締めよ。なにを一人で弛ませている」
「ああ、はいいい。奥を締めます、締めます。うう、あああ」
「まだだ、まだだ。気をやらしてやるのだ、応えよ」
「はいい、お武家さま、はあ、ああ。あ、もっと奥、ひあああ」
縁に座った母の上半身が、ぼんやりとした落ち武者に押され揺さぶられている。
先程まで湯に浸かっていた背中は、ひどく反ったまま湯気立たせている。
豊かな乳は、先から雫を滴らせてゆさゆさと珍妙な方向に揺れる。
余った肉が多い太股は、半分ほど湯に浸かりぴんと力が込められている。
そして。
そして。
腰は密着している。密着したまま動いている。
落ち武者の腰と密着している。透けたその物の怪の向こうに、母いさの動く腰がある。
僅かに見える黒い茂りの中に、何かを飲み込んでいる母のどこかが見える。


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