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RPGキャラバトルロワイアル11

941錆びた鎖に翼絡め取られても、繋いだ手だけは離さない ◆wqJoVoH16Y:2014/11/02(日) 23:07:11 ID:JmVc2pRQ0
フォビア達の姿が、狼の背に跨がったストレイボウの背中に遮られる。
アナスタシアの眷属であるはずの魔狼と共にある姿は、不思議と違和感がなかった。
突如の乱入に、フォビアは4人と集まり、ストレイボウを見つめ続けている。
「退いていろ、貴様では――」
勝てぬ、とまるで気遣いのようなこと言おうとしたのは、太陽の下で少なからず会話をしたという事実故か。
だが、ストレイボウの背中から迸る何かが、ピサロに恥をかかせなかった。
手負いとはいえピサロを追いつめるほどの者たちを前にしたストレイボウの表情は伺えない。
しかし、あの矮小の極みだった背中が大きく見えるのは、決して狼上にあるだけが理由ではないだろう。
決意、というよりは……歓喜にも似た高揚に、ピサロには思えた。

「「「「―――――――――――」」」」
「なっ!?」

だが、ストレイボウの期待を裏切るように、流すように、フォビア達はわずかな膠着の後、素早くバルコニーから逃亡する。
鮮やかとさえ言える遁走に、甲高い一歩が響く。
フォビアに向けて踏み出したストレイボウの右足は小刻みに震え、そして何とか収まった後、ピサロへ向き合った。

「大丈夫……だなんて言うなよ」
「まさか、貴様に助けられるとはな……」

ストレイボウの視線がピサロの足に向く。この応酬の間も石化は進行し、もはやピサロは直立もままならない有様だった。
ひとまずストレイボウは肩を貸し、ピサロは玉座に身体を預けながら、互いの状況を確認し合う。
「まだ奴らはくすぶっているのか」
苛立つようなピサロの感想に、ストレイボウは苦笑いを浮かべた。
「だけど、立ち直るって信じてるんだろう」
「……当然だ。こんな持たざるもの共如きに砕かれる程度なら、とうに私が砕いていた」
図星を突かれたピサロはそっぽを向いてそう答える。だが、ストレイボウは逆に目を細めた。
「持たざる者、か」
回復魔法を自分に施すピサロは、彼の寂寥な声色に眉根を潜めた。
屍に人形たち。小者の残骸で出来た小兵に、王を気取るように示された誰もいない廃城。
そんな有象無象をかき集めて急造された魔王の軍勢に、いいように追いつめられている。
そこに不快こそあれ、噛みしめるようなものなどピサロには無かった。
「……多分、今もこの城はアキラと戦っている。その割りには静かだと思わないか」
ストレイボウは城の内壁を撫で、指先に苛烈な振動を感じながらひとりごちる。
「この城がどれほどに未練を抱いたかなんて想像もつかないが、この城が凄いってことは分かるよ」
ルシエドと共に城内を駆け抜けたストレイボウの、技師としての感想はその一言につきた。
耐候性、居住性を持たせながら、これほどの大規模な構造物に砂漠潜行機能を持たせる。
落成から相当な年数を経ているだろうに、機能としてのかげりを微塵も感じさせない。
おそらくは、作られてから幾度も修繕と改良と試行錯誤を繰り返していたのだろう。
ルッカの視点から理解できるこの城の想い出に思いを馳せれば、
この城が愛されていたことと、この城のある国を愛した者たちと、そしてこの国を束ねた国王を思わずにはいられない。
この城は王を飾るためでも、国の威光を示すものでもなく、きっと砂漠に生き続けた彼らの……“家”だったのだ。

「フィガロ。名は聞いていたが、きっと素晴らしい国だったんだろうな」


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