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生体実験下書き、その3

7作者:2011/04/16(土) 23:43:52
地球から、遠く離れた惑星アムー。1万光年の距離にある、その惑星へは、地球人の科学力では、絶対に到達することが出来ない。惑星の主産業は、牧畜で、地球系の動物を始め、多くの家畜の飼育されている。銀河系の支配者グ・レイは、傘下にある他の知的生命体を、家畜として飼育して食べることで、自分達が銀河系の食物連鎖の頂点にいることを知らしめしていた。
「困ったことだ。どうして、俺がこんな目に合わなくてはならないんだ!」
食肉業者のジ・モル・モンは、行政官に食ってかかった。ジ・モル・モンも行政官も、共に爬虫類型生物グ・レイの出身である。身長120センチ、瞳の無いダークブルーの大きな目と灰色の皮膚、3本指と、性器の無いツルツルの股間が特徴だった。
「あなたの所有する家畜の一頭から、涎指病のウイルスが検出されました。防疫管理法に基づき、殺処分を執行します」
アムーの行政官、コ・ケル・クスは、無慈悲に通達した。
「待ってくれ、通常の家畜は,いくら処分しても、かまわん。だが、セイリンカンだけは見逃してくれ」
ジ・モル・モンは、必死に懇願した。最高級の人肉として、成長促進剤を使わず、繁殖させてきたブランド、『セイリンカン』は、通常の人肉の20倍の値段が付く特産品だった。これを失えば、ジ・モル・モンの経営する牧場は、廃業に追い込まれかねない。
「銀河警察から地球人1000頭の払い下げを受けて以来、どれだけ、投資して来たと思っているんだ!」
「ここで、特例を作れば、感染が拡大し、ア・ムー全体の牧畜産業が壊滅するかもしれません」
コ・ケル・クスも、一歩も引かなかった。
「殺処分の対象には、優秀な種人間も含まれている」
「仕方ありません、感染の疑いが少しでもあれば」
「発症もしていないのに、殺せと言うのか!」
「防疫管理法では、そうなっています」
話し合いは、平行線をたどるだけだった。ジ・モル・モンは、焦った。接点が見い出せない場合、行政側の意見が通ってしまう。


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