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一時投下スレ

1 ◆x0A8sCOhf.:2008/05/19(月) 02:05:57
主な使用例は
「展開に問題がある可能性があるSS」
「或いはSSが完成したものの自信が無くて心配」
「本スレで指摘された所の修正部分」
そんな時はここに投下してください。

951 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:19:27 ID:zkV93DG.
「法皇の結界…僕のスタンドで簡単ですが警戒ラインを敷きました。これで安心して情報交換ができますね…。」

ソファーに座り直し、顔の前で手を組む。花京院はそうした後、組んだ手の向こう側から覗きこむようにあたしと目を合わせてきた。

この殺し合いに巻き込まれてからのことは歩きながらある程度は話終えていたから主だったものは自分達の境遇と互いの知り合いについてだった。

花京院の話が終わって真っ先に考えたことは花京院にあたしが犯罪者であることを言うべきかどうかだった。
花京院の正義感の強さは話だけでなく実際に荒木の部屋でもあたしは目撃している。
そしてその過酷という言葉が生ぬるいほどの冒険とその発端。
…普通友達のお母さんのためとは言え命をかけれるか?
あたしだったら少なくとも二つ返事で答えることも、躊躇いもなく首を縦に振ることもできないだろう。
そんな正義馬鹿…とまではいかないが、とにかくこいつがあたしが犯罪者であることを知ったらどうだろう…。


あたしは悩んだ。
相槌をうち、話を聞きながら必死で考えた。
適当な質問で話を引き延ばしながら脳みそをフル稼働させた。
そうして大袈裟なリアクションをとり時間を稼ぎ、あたしは結論を出した。

「――――…と、まぁ僕の話はこんな所でしょうか。」
「それじゃ、次はあたしの番だな。」
ソファーに改めて座り直す。姿勢を良くして背筋を伸ばすとあたしは口を開いた。

「まず最初に、花京院だから話しておく。あたしはアメリカにあるグリーン・ドルフィン刑務所に服役中の犯罪者だ」

重々しい口調を意識した。
驚愕に見開かれた目を見つめなおしまたあたしは口を開く。

「……はめられたんだ、あたしは。たぶんこんなこといっても信じてくれないだろうけど…信じてくれ、花京院。あれは確か夏だったかな…?」

正義感が強い花京院、だからこそなのか、こいつは甘ちゃんだ。それもあたしがびっくりするぐらいの。
だからきっとこいつはあたしを信じる。
気の毒でしたね、なんて同情を示してあたしが正真正銘の犯罪者なんてこれっぽっちも思わないだろう。

……罪悪感がないかって?友達を裏切ることにならないかって?
…それじゃなんて説明すればいいんだよ。
あたしは放火に殺人未遂に仮釈逃亡を重ねて刑期が12年あるベテラン囚人です、って言えばいいのかよ?
小心者で他人に嫌われるのが嫌で人生失敗してきました、なんて言えばいいのか?

……そんなこと………そんなこと言えッかよォ!

偽りの表情を貼り付けながらあたしは胸を痛めた。
きっと花京院はこの話を信じ、いもしない犯罪者に怒り、ありもない冤罪を被ったあたしを慰めるだろう。
罪悪感で胸が張り裂けそうだった。


それでも、あたしは初めてできた『友達』を失いたくなかったんだ……。










「それにしても不思議ですね。『空条』なんて苗字はそうざらにあるものじゃないんですよ」
「でもあたし自身、あいつのフルネームは知らないからな…。かもしれない、だけであって違うかも」
「それでもなにか運命的な物を感じますね。同じ知り合いが同じ苗字…もしかしたら親戚かもしれない」

憂鬱な気分だったがそれをおくびにも出さずあたしは花京院の後に続く。
警戒を怠らずに次々と部屋を回っていく中で、あたしは気分を落ち込ませまいと無理に振舞っていた。
幸い状況が状況だったから、いつもと違うあたしでも怪しまれることはなかったようだ。

部屋の扉を開く。
相も変わらず高価な机やらソファーやらで部屋は快適に過ごせそうだ。
あたしには全部一緒に見えるが隣にいる花京院が言うにはその部屋その部屋で応接室、来客室、従者室等々……。
とにかくあたしが言いたいのはここが安全だと主張するにはまだ早い、ってことだ。
途方もなくある部屋の多さにあたしはいい加減勘弁だった。

952 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:20:08 ID:zkV93DG.
ただでさえさっきのことがあって気持ちが落ちてるあたしには、部屋で隠れてる参加者をひたすら探すのはキツい作業だった。
まったくもういいだろ…。
少し投げやり気味に入り口から死角になった物陰を覗きこむ。
いなかったことにほっとしながらもあたしはうんざりし、隣に繋がる扉に手をかけた時だった。

花京院があたしの肩を掴む。
普段物腰が柔らかいコイツにしてはやけに強い…というか強引過ぎる。
そのまま部屋の壁際まで押し込まれるように移動を強制された。
少し痛む肩に顔をしかめつつ、見上げる花京院の顔は何処までも強張っている。
何かを言おうとして視線をさ迷わせ、花京院はそれでも黙ったままだ。

…あたしは覚悟した。
ああ、きっとさっきの嘘がバレたんだな。いや、もしかしたら最初から気づいてたのかもしれない。
それでも優しい花京院は口に出せなかっただけで。あたしがこうやって気持ちの整理をすることを見越していたのかもしれない。

でも…だからこそあたしは花京院が許せなかった。
お前が言ったんじゃない、友達だって。自分の言葉に責任とれよ、お前は。
お前がいう友達ってのはそんな軽いものなのか?気を使い合う必要があるのかよ。
空条ってヤツの母親のため、飛び出したお前と空条の間にはそういう遠慮があったのかよ。


八つ当たりだって……?
矛盾してるんじゃないかって?
そんなの知ったことかよ…ッ!

あたしの感情の昂りに合わすようにグー・グー・ドールズは姿を現す。
顔を歪めまいと堪える気持ちはきっと自分の傲慢な気持ちなんだろう。
それでも押さえきれなかった。耐えることなんてできなかった。

花京院…お前が言った『友達』が偽りだっていうなら……あたしは……あたしは…………ッ!


甲高い奇妙な音と銃撃音。
二つがあたしの耳に入った瞬間、体は突き飛ばされバランスを崩ししこたま頭をぶった。
振り返ったあたしの眼に映ったのは肩から血を流して崩れ落ちそうになる花京院。
そしてその向こうには部屋の切れ目から体を半身だけ出し片手に銃を持った青年。

瞬間身体を動かした。
怖いという気持ちが自分の中で湧き出る前に這いずるような格好で花京院に近づく。
歯をガチガチぶつけ合う音が自分の物とは思えず、それでも花京院の身体を無理矢理引っ張っていく。近くのソファーの裏側まで行かないとこのままじゃいい的だ。
もちろん襲撃者がそんなことを許してくれるはずがない。青ざめやけに若い、少年といっても通ずるようなそいつは今度は身体を完全に乗り出させて銃を持ち上げる。

あたしの脳裏に浮かんだのは一瞬で命を刈り取られた老人の最期。
あいつは直前まで自分の死に気づかなかった。痛みもなく、でも髪の毛一本も残さず瞬きする間に文字通り消された。
走馬灯のように駆け巡る映像の中でもあたしが感じた感情はひとつだった。


死にたくない。


少年がそうしてるのか、脳内に分泌された何かがそうさせているように見せているのか。
やけにゆっくりと狙いをつけている間にもあたしは命を諦めれなかった。

953 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:20:57 ID:zkV93DG.
死にたくない。死にたくない。死にたくない。
這い出る恐怖と諦めきれない後悔。
いったいあたしが何やったんだって言うんだ…ッ!
なんだよ、殺し合いって!
何であたしが殺されないといけないんだよ…ッ!

なんで……誰もあたしを助けてくれないんだよッ!

少年が引き金に指をかけたのとエメラルド色の閃光が走ったのは同時だった。
不意をつかれたのか、少年は顔をびっくりさせ眼を見開く。
それでも反射的にスタンドを出現させるとものすごいスピードで宙を舞う宝石を叩き落とす。
視線を固定されたまま首根っこを捕まれ、あたしは後ろに引っ張られる感覚に身を任せた。

あたしを庇うかのように広げられた手。
細身の身体をそらすようにして胸を張る。
傍らに並び立つはその気高い精神を象徴する叡知のエメラルド。

「法皇の緑ッ!」
多方から無数に飛びかかってきた射撃に流石の少年も対応しきれない。

一発、二発をスタンドの両の手で弾くのが精一杯。
三発目を射軸上から身体をずらした後は後退しながらなんとか直撃を免れるように部屋の扉から出ていった。

「グェスさん…」

花京院が振り向きあたしに語りかける。出血が続く肩を押さえながらも視線を合わせようとその場で片膝をついた。

「貴女のおかげです…。貴女が僕をこのソファーの後ろに導いてくれた。たったそれだけ、と貴女は言うかもしれません。
でもそのたったそれだけが僕と貴女の命を救ったんです。あの少年の襲撃から僕たちを救ったんです。」

肩に温かみを感じた。
なぜだか狭まった視界だが今は気にならない。
遠くでぼやけたように見える花京院の姿と声を必死でかき集める。

「貴女は誇るべきだ。友達の危機を救ってくれた、僕の最高に頼れる友達だと胸を張ってください」

少年はまだ隣の部屋にいる。
安心が慢心に繋がりかねない状況にも関わらずあたしはそれでも込み上げてくる何かに身を任せて眼を瞑った。

友達、か…。

「だったらよォ、花京院…。」
見開いた瞳で花京院を見つめ返す。今度はあたしが肩に手を置く番だった。
怪我をしてないほうの肩にあたしの手を重ねるとほんのりと花京院の体温を感じた。

「あたしにも助けさせてくれ。さっきみたいにお前の危機を救わせてくれよ…」

あたしが先に立ち上がる。花京院の手を引っ張って立ち上がるのを助けてやった。
手を握ったままあたしはまた言葉を重ねた。

「友達なんだから」

控えめながらも笑みを浮かべ頷く花京院を見てあたしは本当に嬉しかった。



     ◆




グェスさんが戦力として計算できるのは嬉しい誤算だった。
情報交換の段階でスタンド使いになったのも最近で戦闘の経験が皆無に近い彼女にあまり負担が大きいようのことは任せれないがそれでも一人より遥かに戦略が広まった。

廊下側の警戒を彼女に任せると僕はするすると法皇の緑を潜行させる。
不安がないと言ったら嘘になるが一直線で死角もなく、視野も通ずる廊下なら彼女でも大丈夫だろう。
なにより彼女はさっき僕の危機を救ってくれた人だ。ここで信頼しなきゃいつする?

中庭は僕自身の視覚で確認する。隣の部屋がどうなってるか、わからないが庭に面してる以上そちら側からの襲撃にも警戒を怠ってはならない。
なんせ敵は少年だけじゃないんだ。最悪他の参加者が襲い掛かってくるパターンもある。
なにより銃を持ってる彼に対して位置を把握してないのは致命的だ。今の僕の最優先事項は少年の位置を把握すること。

最大の利点、射程距離には自信のある僕のスタンドを広げ進めていく。この状態なら最悪塊になっている頭部の法皇さえ攻撃されなければ重症には到らないだろう。
隣の部屋は…バスルームか。政府公邸に恥じない広々とした優雅な空間も今の僕には厄介なものでしかない。
天井を伝って少年の姿を探る。気配を消して部屋中、それこそバスタブの中も、便座の内部も覗きこんだが彼を見つけることはできなかった。
こうなると彼はもうひとつ隣の部屋ということになるか…。

扉はガラス張りで閉めきったその状態でも僕のスタンドには充分な隙間だった。
音をたてることなく忍び込むように身体を捩じ込んでいく。もちろん、少年の捜索と警戒は怠ってない。グェスさんが何の合図を出さないことを考えるとやはりこの部屋に潜んでいるな……。

部屋はベッドルームだった。
英国風の四隅の柱が高い、いかにも高級感漂うベッド以外にこれといった家具はなく隠れそうなスペースもなかった。
…しかし中庭に人影はない。廊下にも少年はいない。となると…。

954 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:21:48 ID:zkV93DG.
馬鹿らしいが隠れれるスペースは子供の遊びで一番候補になりそうなベッドの下しかない。
覚悟を決めて攻め込む。
ここでエメラルドスプラッシュは使わない。仮に射つ瞬間と少年が飛び出るタイミングが重なりようものなら、僕のスタンドは射撃の後の無防備な姿をさらすことになる。
そして法皇の緑を細くベッドの下に潜りこませるという手段もとれない。
僕が思い出したのはさっきの僕のエメラルドスプラッシュを弾いた時の少年のスタンド。
可能性でしかないが、見たものは確かだ。
弾いた両の手の甲にあった玉のようなものから煙が漂っていた。そして僕の戦いの勘があれは危険だと警報をならしている。

スタンドの能力がわからない以上迂闊には攻めれない。そうなると僕がとるべき手段は…。
意識を集中させて紐状になっていた法皇の緑を集結させる。人型に形づくっていくそれを臨戦態勢にすると僕は声を伝えた。

「抵抗するなら容赦しないッ!ベッドの下にいる少年、今すぐ出てこいッ!」

エメラルドスプラッシュを放てる態勢をとる。頭の片隅ではベッドの周りに法皇の結界を張るという選択肢も浮かび、とにかくどのタイミングで少年が出てきても対応できるよう神経を集中させた。
驚くことに少年は簡単に姿を現した。降伏を示す態度を微塵も見せず、堂々と僕のスタンドの前に立っている。

「…なんの真似だ?」
法皇の緑が僕の言葉を繋ぐ。少年は気だるそうに黙ったままいると、次に両手を挙げて克服の姿を見せた。
…不可解な行動だ。何が彼をそうさせた?
最初ベッドの下から這い出てこなかった理由は?すぐに降伏の意を示さなかったのは?
そして僕はその理由をこの身をもって知ることになった。
両手が少し閉じられるようになっていたのはその理由か。指に引っかけられた二つの爆弾が宙を舞った。
僕が最後に視認できたのは少年の口角が皮肉げにつり上がったことだった。


轟音と閃光。


「ぐぅ………ッ!!」
手榴弾でなかったのは彼が持ってなかったからか、或いは自分のダメージを考えてか。
スタンドを経由して本体の僕も視覚と聴覚を失い、頭を抱える。
法皇の緑を自衛のため呼び戻した僕に僅かだが扉を開く音と人間が走るような音が耳に入る。

「――――………い、花京……――!廊下から…――」

グェスさんの言葉が耳に入るが事態はそう暢気にしてられない。
聴覚に直結している三半規管もやられバランスがとれない僕はふらつきながらも廊下側の扉に静態した。隣にいるグェスさんを引き寄せて襲撃に備える。

扉が吹き飛んだ。狂暴なスタンドを携え銃を片手に少年が乗り込んで来た。
扉前に張った、法皇の緑の結界その中に。

「食らえ、このエメラルドスプラッシュをッ!」

範囲を広げることなく集中させた緑の弾幕が360度より飛来する。その密度の高さは僕の最高の攻撃ッ…!
相手のスタンドのスペックは恐るべきものだ。パワー、スピード、精密機動性。承太郎のスタープラチナには及ばないが、それでもその水準の高さでも僕の攻撃は捌ききれない…ッ!

弾かれた光弾は無数。それでも襲いかかる弾数は数知れない。致命傷は与えることができないのも計算の内。僕はふらつく視界のなかで法皇の緑が床を這うように少年に向かっていくのを見て勝利を確信した。

カラン、と乾いた音を立てて拳銃が転がる。
弾幕が消え失せた時、そこにいたのは僕のスタンドが右手に巻き付き、拳銃を叩き落とされた少年がいるだけだった。
幾つか直撃を避けたものの僕の結界は少年に確実にダメージを与えていた。唇を切って血を流している少年に僕は語りかけた。
「…さぁ、大人しくしてもらおうか。肩にかけてるデイバックをお「チェスの駒……」

言葉を遮られたことに眉を潜める。幾らか拘束を強められながらも少年は息を乱し言葉を続ける。

「ポーンって哀れな駒だと思わないかい…?大抵のポーンはオープニングゲーム、中盤の中央の支配権争いで散ってく。
生き残ったと安心した終盤にはそれでも足を動かすことを強制されてしまいには終着点にたどり着いても、今度は更なる働きを要求される…。
哀れな駒だよ、ポーンって奴は」
「何が言いたい…?」
「勝負には何が必要かって話さ…。結局最後に勝負を決めるのは感情じゃないし、覚悟でもない…。」



「勝負を決めるのは犠牲にするものが何かってことさ」

955 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:22:38 ID:zkV93DG.
少年の左手が持ち上がる。僕の視線はそれを追い、凍りつく。
法皇の緑は全身に巻き付いているとは言え、彼自身、そしてスタンドの無力化を主にして配置を割いている。
つまり僕は彼の攻撃手段の拳銃とスタンドを完全に押さえ込んでいた。

少年の左手には二丁目の拳銃が握られていた。

法皇の緑の力じゃ彼の身体を絞め殺すことや、骨を粉砕させることは不可能。
加えて彼は指の引き金を引くだけでよくて、僕は意思を伝えスタンドを操らなければならない。

間に合わない。
さらに狙いは僕じゃない。
グェスさんだ。

スローモーションのように少年が拳銃で狙いを定めるのを脳が処理する。
揺れる視界の中身体をなんとかグェスさんの前に入れようとする。
射軸上に遮蔽物である僕を入れて彼女を助けようとする。
くそ、間に合わない…ッ!

そう思った時だった。
肩を引っ張られる。横っ飛びで足りなかったベクトルは補われ、僕の身体はちょうどグェスさんの前に着地した。

引っ張られたんだ。グェスさんに僕の体が。
信じられない思いで顔を真後ろに回す。不思議なことに銃弾が飛んでこないのはなんでだろう。

振り返った僕は後悔した。
そこにいたグェスさんは醜かった。誇り高き僕の友人は堕ちたゲス野郎の顔をしていた。
己の誇りより醜い生に執着する人物がいた。

瞳孔が収束し揺れた。
罪悪感があるのか…僕を盾にしたことに背徳感があるのか…。

心底残念だ。
僕は友人を庇い死なず駒のように使い捨てられ死ぬことになった。





甲高い銃声が政府公邸に尾を引いた。




     ◆





カランと無機質な音が響いた。
まったくの無というほどの静寂が部屋にこだまして沈黙が降り立つ。
飛び散った薬莢から煙が一筋漂う。

動いたのあたしじゃなかった。
崩れ落ちたのは花京院じゃなかった。
少年は左手に持っていた拳銃を取り落とすと、呆然とした表情のまま膝から崩れ落ちた。
顔は地を向き見えないが、その後から微かに聞こえる啜り泣く少年の声が悠然と彼の状態を物語っていた。

花京院がなにかをしたわけじゃない。無論あたしがなにかをしたわけでもない。
銃弾は花京院の足元に撃ち込まれていた。何が少年をそうさせたのか。何が銃撃を外す要因となったのだろう。ただ最後の瞬間に彼が意図的に外したのは確かだろう。

真っ先にあたしが思ったことは安堵だった。そしてそう思った自分が恐ろしかった。

恐る恐る顔を挙げる。大きな背中はなく学生服のボタンが並んでいることで花京院があたしと向かい合ってることがわかった。
あたしの視線を捉えた花京院の瞳は靴底に張り付いた汚物を見るようだった。

「ッ!!」

ドンと突き飛ばす。傷口がある肩の辺りに触れたが、花京院は二、三歩よろけただけで表情を変えずに冷めた目付きのままだ。
自分がわざと傷口を狙ったという行為に狼狽しつつも、どこかでそれでも表情一つ変えず冷めた目付きの花京院が憎かった。
なんだよ…その顔は……なんだって言うんだよ………?
あたしは良くやったと思う。今の今まで命を賭けた戦いなんてしたことなかったのに自分の役割を果たせたと思う。
そもそも花京院が死なずに済んだのもあたしのおかげじゃねーか…。あたしがソファーの後ろに引っ張ったってことがあったからこそお前は生きてられるんだぞ?感謝はされても非難はされる覚えはない………。
言い聞かせても歯軋りは止まらない。悔しいのか、憎いのか。
ただごちゃ混ぜになったどす黒い感情が込み上げる。
くそッ…なんだって言うんだよ…。
その眼を止めろッ……!そんな目で…あたしを見んなッ!
あたしを……………哀れむんじゃねえッ!!

956 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:23:09 ID:zkV93DG.
可哀想な物を見る目付きになった花京院をその場に残してあたしは飛びようにその場を去る。
廊下側じゃない扉を潜り、バスルームを脇目も触れず駆け抜けると勢いのままにベッドに身を沈めた。

くそッ、くそッ、くそォ………!
悪いのはあたしなのかよ?この臆病者のあたし?
なんでだよ、誰だって死にたくないだろうが…。助かる可能性があるならそれにすがり付くことは悪なのか?
ぼふっ、と枕が音をたてる。あたしが感情から、怒りに任せて拳を叩きつけたからだ。

罪悪感はある。
自分を友達と言ってくれた花京院の気持ちを裏切ってしまったとも思ってる。
そうだ、悪いのはあたしじゃない。花京院でもない。
あの襲撃者の少年だ。あいつがここにいたから何もかも台無しになっちまった…。
そうだ、あいつが………。
そこまで考えてあたしは考えるのを止めた。言い訳を考えるのも疲れたし、なによりあたしが行動したことは変えられない。
あたしは花京院の気持ちを裏切った。自分の命惜しさに咄嗟にあいつを盾にした。
銃弾が外れた時、自分に害がなかったことに最も安堵した。

…なんだよ、そういうことかよ。
ちくしょう、最初から答えは出てたんじゃねーか…。

「あたしが一番悪いんじゃねーか………」

言い訳してるのもあたし。
裏切ったのもあたし。
殺す覚悟も殺される覚悟もないのもあたし。
ないない尽くし、ははは、情けねぇ……。

でも。
それでも…それでもあたしは、あたしは………


「死にたくない………」


ごろりと体の向きを上にした。天井は無表情のままあたしを見返し、なにもかも忘れようとあたしは右腕で顔を覆った。




      ◆






恥も外聞も捨てて僕は号泣を続けた。
子供の様に泣きじゃくり、口からは嗚咽が、鼻からはみっともなく鼻水を撒き散らしてる。

女性は何処に行ったのだろうか。というかいつの間にいなくなったのか。
潤んだ視界で周りがぼやけ、この場を去ったことにもきづかなかった。
そんな僕を目の前にして青年は冷酷な眼をしていた。しかし、戸惑いを感じているようでもあった。
それもそうだろうな。襲い掛かってきた狂暴な殺戮者は突然殺意を失い、惨めな姿を晒している。
親を亡くした子供のように泣きじゃくり、拠り所をなくしたかのようだ。
…どうしてこんなことになったんだろう。
僕の記憶は遡る。政府公邸に入る直前、男と交わした会話を思い起こした。



『いや、なに取り引きなんて言ったけどねぇ…うん、実際にはお願いって言った方がわかりやすいかな?』

『いやいや、具体的なことじゃないんだ。あーーでも……うん、そうなるとお願いじゃないなぁ……』

『何、そんなに怯える必要はないさ。プレゼント、どうだい?そう聞いたら幾分受け取り方も変わるだろう?』

『そうだなァ…………。ひ・み・つッ!そう言ったほうがおもしろいでしょ?…じゃ、アリー・ヴェデルチ…!』

957 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:23:39 ID:zkV93DG.
僕は渡された物と渡された者としてヤツの狙いを考えた。
そして僕はこれがヤツからのテコ入れと受け取った。
未だ自分の道を決めていない僕に業を煮やしたのだろう。あんな大胆な行動の裏には僕に選択の余地がないと言うことを伝えたいのだと思った。
だけどそれもどうやら違ったようだ。
全てはアイツの想定どおり。思い通りの計画通り。

僕が殺し合いに乗ることも。政府公邸で参加者を待ち伏せすることも。
参加者二人と遭遇することも。躊躇いながらも二人を殺そうとしたことも。
そして…僕が荒木に反抗しないこともヤツの計算のうちなんだろう。

思い出すさっきの戦闘。
二人を追い詰めた瞬間、僕の中にはきっと漆黒の殺意が宿っていたと思う。
引き金は引くつもりだったし、そしたらもう振り返らないつもりだった。

けどそんなことはなかった。荒木飛呂彦、あいつにとって見れば僕は最高に滑稽で哀れなピエロだ。
女性に狙いを定めた瞬間、視界に映った荒木飛呂彦。わざとらしい仕草で抜き足指し足で彼女たちのデイバックに近づき中から何かを取り出した。
そして僕に向かって飛びっきりのウィンクをした。

わかっていたんだ、ヤツは。
僕が拳銃の狙いをずらしてヤツを狙撃しないということを。
襲撃者である有利な立場を投げ捨ててでも主催者殺しという大チャンスにチャレンジしないことを。

僕は所詮半端者で燃えるような正義感もなく、美しいまでの勇気もない。
青年に言ったポーンの件。ははは…なんてこったい。一番の歩兵は僕じゃないか。
荒木に言いように扱われ、中盤戦でポイッと捨てられた惨めなポーン。
あんな大口叩いて、僕はなんもわかっちゃいないんだ…。

情けない。
不甲斐ない。
そして何より…僕はまた選べなかった。

荒木という絶大なる強者。
パッショーネという巨大な権力を持つ支配者。
そう、何時だってそうなんだ。僕は眠った奴隷なんだ。
いつまでも正義に目覚めることなく、自分に不利なことには関わらない。そんなとんだチキン野郎さ…。

利益だけ考えて行動する。
上手く立ち回ってなんとか位置を確保する。
無理してだって保身と安全を最優先。
そうだ、僕は嘘と偽りで固められたパンナコッタ・フーゴっていう情けない男。

でも。
それでも…それでも僕は、僕は………


「死にたくない………」


しゃっくり混じりのしゃがれた声が出る。返してくれる相手がいるわけもなく、涙が頬を伝っていく冷たさがやけに生々しかった。







      ◆

958 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:25:47 ID:zkV93DG.
溜息を吐きながらも自分のスタンドを使う必要がないことを確認する。
少年のスタンドは本人の精神力がやられたのか、すっかり飼いならされた犬のように大人しくなり、終いには姿を消してしまった。
床に落ちてある拳銃も二丁、しっかりと回収済みだ。
けれでも僕の悩みは尽きない。

この少年は何があったのだろう。どうして急に襲撃をやめたんだ?
説得は可能なんだろうか。そもそも本当に殺し合いに乗ってるのか?
そして…もう一人のほうも同様だ。

彼女は…悪い人ではない。
スタンドも最近知った彼女からしたらこの舞台は些か刺激が強すぎた。
精神を消耗した彼女が保身に走ることは仕方ないだろう。

フゥ、とため息が口をついた。
…素直になれよ、花京院典明。
本音は違うということは誰より自分が一番わかっていた。
彼女なら…スタンド使いになれたほどの彼女なら乗り越えてくれると信じてた。
それとも僕の友達が、仲間が気高すぎるのだろうか。

甘すぎた自分自身。でも僕の仲間もこうしたと思う。グェスさんを信じて、そして同じように彼女の危機には身を挺してまでも助けるだろう。

そうだ、それがいいと思ってた。それでいいと思ってたんだ…。
でも駄目だ。僕にはその甘さを貫き通す程の強さがなかった。
だからもう止めだ。
甘いことが悪いことではないと思う。
僕達はそうやって捨てきれなかったからここまで来れた。
でも仲間がそれで困っているっていうなら僕は甘さを捨てる。
それで承太郎が、ポルナレフが、ジョースターさんが、イギーが助かるっていうなら喜んで泥を被ろう。
彼らを盾にするやつ、騙して利用しようとするやつ、問答無用で襲いかかってくるやつ。

容赦はしない。害を成すというなら僕は漆黒の殺意を持って迎え撃つ…ッ!

そう思ったけど僕の心をチクリと刺すものがあった。
名簿にあるモハメド・アヴドゥルの文字が何も言わず僕をじっと見ている気がした。

959 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:26:38 ID:zkV93DG.
意識を移すと僕はほかのことを考え始めた。
まず終わったこと、目の前の結果だけを処理しようか。

グェスさんは…もう信用できない。少なくとも命を預けるようなことは出来ない。
彼女は僕を捨てゴマにした。
変えることのできないこの事実は慎重に判断を下さないと…。
彼女自身が何を想っているか、それも後で話し合わないといけない。
ここは地図の端で参加者も好んでここにやって来るとは思えない。場合によっては、彼女が身の安全を最優先するというなら彼女の意思を最大限尊重したい。

そしてこの少年。
今はまだ大人しい。涙や抵抗を一切見せないことからきっと殺意はもうないだろう。
けれど彼が明確に僕達を殺しにきたのは確かだ。拳銃を向け、スタンドの拳を振るという判断を下したのは彼が自身だ。
思うに修羅場も多く潜ってきたんじゃないだろうか?そうなると勝ち残る自信や覚悟もあるっていうのか…?
ならばこの涙はなんだ?何が彼をそうさせた?

…焦ることはないか。情報を聞き出し理由も聞こう。
そして……場合によっては…始末するしかない。


「死にたくない、か」


少年がぽつりと吐いた言葉が耳をうつ。
きっと本心からの言葉なんだろう、そう思わせるほど少年の声は憐れみを含んでた。
僕は駄目だと思っていながらも同情心が沸き上がってくるのを抑えれなかった。
それを打ち消すため懐に手を入れる。ずっしりと感じた黒光りする武器が僕に現実を思い起こさせた。

ふと僕はどうなんだろうと思った。目まぐるしく、事が起きすぎた僕は改めて考えてみる。
けれどそれを考えると先の誓いが揺らぎそうだった。
少年やグェスさんを切り捨てることができなくなりそうで、僕は自分の呟きを打ち消すようにそっと息を吐く。


早く仲間に会いたい。信頼できる彼らと合流したい。
疲れに眼を擦りながら、とりあえず止血のため僕は辺りを見回した。

960 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:27:26 ID:zkV93DG.
【C−8 政府公邸 /1日目 午前】
【グェス】
【時間軸】:脱獄に失敗し徐倫にボコられた後
【状態】:精神消耗(大)、花京院に屈折した思い(嫌われたくない/認めて欲しい)、罪悪感、現実逃避
【装備】:なし
【道具】:支給品一式(地図・名簿が濡れている 水全消費)
【思考・状況】基本行動方針:?????
1.死にたくない
【備考】
※グェスは、エルメェスや他の刑務所関係者は顔見知り程度だと思っています。
※空条承太郎が空条徐倫の父親であると知りました
※花京院と情報交換をしました。
※花京院に自分ははめられて刑務所に入れられた、と嘘をついています。



【パンナコッタ・フーゴ】
[時間軸]:ブチャラティチームとの離別後(56巻)
[状態]:苦悩と不安、重度の鬱状態、傷心、人間不信、精神消耗(極大)
[装備]:ミスタの拳銃【レボルバー式】(4/6)、ミスタがパくった銃【カートリッジ式】(5/6)
[道具]:ディアボロのデスマスク、吉良吉廣の写真、支給品一式、閃光弾、予備弾薬40発 不明支給品?
[思考・状況]
基本行動方針:「近付くと攻撃する」と警告をし、無視した者とのみ戦闘する?
0.死にたくない
1.?????
[備考]
※結局フーゴはチョコラータの名前を聞いていません
※荒木の能力は「空間を操る(作る)」、もしくは「物体コピー」ではないかと考えました(決定打がないので、あくまで憶測)
※地図を確認しました
※空条承太郎、東方仗助、虹村億泰、山岸由花子、岸辺露伴、トニオ・トラサルディー、ジョセフ・ジョースターの能力と容姿に関する大まかな説明を聞きました
※吉良吉影の能力(爆弾化のみ)を把握しました。しかし、一つしか爆弾化できないことや接触弾、点火弾に関しては聞いていません。
 また、容姿についても髑髏のネクタイ以外には聞いていません
※吉良吉廣のことを鋼田一吉廣だと思い込んでいます
※荒木がほかになにか支給品をフーゴに与えたかは次の書き手さんにお任せします。



【花京院典明】
【時間軸】:ゲブ神に目を切られる直前
【状態】:とても喉が渇いている、中度の人間不信、甘さを捨てる覚悟、グエスに落胆、フーゴに戸惑い、右肩に銃撃(出血中)
【装備】:なし
【道具】:ジョナサンのハンカチ、ジョジョロワトランプ、支給品一式。
【思考・状況】 基本行動方針:打倒荒木!
0.二人に対処。場合によっては…
1.自分の得た情報を信頼できる人物に話す。(承太郎、ジョセフが望ましい)
2.仲間と合流しなければ…
3.巻き込まれた参加者の保護
4.安心して飲める水が欲しい。
5.荒木の能力を推測する
【備考】
※水のスタンド(=ゲブ神)の本体がンドゥールだとは知りません(顔も知りません)
※ハンカチに書いてあるジョナサンの名前に気づきました。
※水や食料、肌に直接触れるものを警戒しています。
※4部のキャラ全員(トニオさん含む)を承太郎の知り合いではないかと推測しました。
※1で挙げている人物は花京院が100%信頼できて尚かつ聡明だと判断した人物です。
 決してポルナレフやイギーが信頼出来ないという訳ではありません。
※荒木から直接情報を得ました
「脅されて多数の人間が協力を強いられているが根幹までに関わっているのは一人(宮本輝之助)だけ」


     ◆

961 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:28:02 ID:zkV93DG.
そっと両手を開く。宝石を扱うかのように丁重な送迎のもと入り口から一匹が出発していく。
何事もなく飛び出ていったそれをじっと男は見つめる。

朝日を背に受け飛び立つ一匹に、背景である自然が妙にマッチしてるよう思え、男は思わず涙ぐむ。
ノスタルジアを思い起こさせたその光景に感銘を受けしばらく飛び去ったその方向から目が離せなかった。
自然の雄大さと生物の力強さに改めて感じた人間のちっぽけさに男は一人頷きを繰り返した。

そのままどのぐらいか、その光景を目に焼きつけようと男はじっとそのままでいた。
そして満足気に笑みを浮かべると腕時計を覗き込む。

もう朝食の時間じゃないか、そう言うと男は慌て始める。
手元に開いた手帳のようなものに走り書きをする。トン、と句点を打つような音を合図にパタンと日記を閉じる音が小気味良く響いた。

そして後にはなにも残らなかった。
木から落ちた木の葉がひらりと舞うと唐突な風に運ばれ、男が見続けていた方角、西にはこばれていった。





【備考】
※日記は取り戻しました。
※フェルディナンドの恐竜がこの後主の元に戻るのか、南に向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※恐竜がどの程度政府公邸での出来事を見たのかは次の書き手さんにお任せします。

962 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/13(水) 00:29:56 ID:zkV93DG.
投下完了しました。
誤字・脱字、矛盾点・修正すべき点、他気になる点などありましたら指摘お願いします。

・グェスのキャラクター性及び精神移動
・戦闘に矛盾がないか
・荒木の積極介入(フーゴ贔屓・フェルディナンドへの情報操作)
以上三点について意見をお願いします。
ではよろしくお願いします。

963ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/13(水) 02:49:00 ID:ACh1PKx2
投下乙です
鏡の世界否定派VS体験派か…おもしろいカードですねw
荒木介入はむしろロワの醍醐味でしょう。これくらいは大丈夫かと…

少し気になったので、フーゴが所持している2丁の拳銃についてのウンチクを少し…
まず、ミスタが普段使っているリボルバー式の拳銃は、
S&W(スミス&ウエッスン) M49、別名"ボディーガード"と呼ばれる拳銃です。
装弾数が六発、弾詰まりなどの不具合も少ない為、
セックス・ピストルズと非常に相性がいいと言えると思います。
もう一丁の、ミスタが警官から奪ったオートマチック式の拳銃は、
ベレッタM92F、通称"M9"というイタリアやアメリカなどの警官に採用されている拳銃です。
装填がバレルなためセックス・ピストルズには不向きな拳銃のようです。
ベレッタは装弾数が15発なので、(5/6)にはならないので修正をお願いします。
またM49とM9とでは使用する弾薬の種類が全く違うので、予備弾薬40発というのが
どういう内訳なのかも明記が必要でしょう。

964ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/13(水) 18:25:12 ID:xgIDv7rs
花京院が前の話でおもいっきり黄金の精神にめざめてんのに
すぐ漆黒の意思になりかけるのはおかしくね?
グェスに対しては落胆だけでいいと思う

ともかく投下乙って世界だ

965ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/13(水) 20:38:05 ID:???
投下乙です!

>・グェスのキャラクター性及び精神移動
丁寧かつ解りやすい心理描写がいいですね。
プッチ神父がミラションにDISCを挿したシーンを感じさせました。
「ゲスは上手く取り繕っても結局どこかで卑しい〜」の。

>・戦闘に矛盾がないか
銃器の扱いについては割愛。大まかな流れは大丈夫かと。

>キャラ描写
荒木の積極介入は、これが中々難しい。
花京院のようにランプで願い〜といったケースは全くの別物ですから。
1stでジョルノ殺害並みの「ただの横槍」レベルの介入ではないでしょうか。
フーゴは荒木のほぼ思い通り(メタ視点で?)に動いてくれたのは、何よりですが。
後のことを考えると「全てのケースに都合よく荒木が介入して何とかしてくれる」がまかり通ることに。
ただ……見ようによっては、これ「フーゴのジョーカー化」で通せるんですよね。
明確なジョーカーはまだいませんし、例外として「荒木のジョーカー」というくらいにいっそ持ち上げたほうが、言われが少ないと思います。
フーゴは荒木の贔屓と引き換えに大事なものを失うわけですから。

>フェルディナンドへの情報操作
これも難しいところではあります。
でもこれに目くじら立てても大きな損害や支障がないので……むしろ博士は南西に行って空気脱(ry

966ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/13(水) 21:07:01 ID:???
>>964
花京院はロワが始まってから支離滅裂気味。
ロワで絶望→打ち勝つ→絶望→漆黒の意志と来てるが、明らかにおかしい思考じゃない。
なんか切り替えの早さがデフォというか。

そもそも原作で恐怖を乗り越えられたのは「DIOを承太郎一行と倒しにいく」と皆で一致団結したから。
そして、自分だけだと思っていたスタンド使いと初めて触れ合う機会を得られた安堵によるもの。
向かってくる敵は全員DIOの刺客と、どっしり構えられたおかげもあるわけで。

スタンド使いにも悪人はいると充分思い知らされた上で、ロワに放り込まれたら精神的動揺はありえる。
ロワ始まって一日も経過してないし、ある意味ジョナサンより錯乱気味なんじゃないだろうか。

正常なフリをした異常だと思う。

967ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/13(水) 23:49:29 ID:???
投下乙。感想は本スレまで待ってるけどいかにもロワらしい話で良かった。

見当違いな指摘かもしれないが
1:パープルヘイズは精密動作性Eだからエメラルドスプラッシュもう少々くらってもおかしくない。
2:フーゴの視線と花京院の視線は同じ方向だから花京院の目にも荒木が写る可能性もあるのでは?一度直接対決してるくらいだから服装だとかは把握してるだろうし。
と言うのが浮かんだので書いておく。

968966:2009/05/14(木) 10:17:51 ID:???
一晩考えたら、花京院は別に支離滅裂じゃなかった。スマン、ありゃ嘘だった。
荒木とじゃんけんするまでの流れは至極真っ当だ。
ひたすら続く恐怖をなんとか克服して、じゃんけんに勝ったわけだし(これ露伴がじゃんけん小僧に言った「もっとも難しいのは自分を乗り越えることさ」のオマージュだったんだね)。昨日一晩読み漁ってようやくわかったよ。

だから花京院の思考にはグェスに失望して漆黒の意思になる今回の話のみに絞って話し合ったほうがいいと思う。話し合うのなら、の前提だけど。
ブ男にチクリとしてるので、良心はあるみたいだ。
どうしたものか。

ジョジョロワの花京院の全てを否定してしまったことには、心より謝罪する。

ごめん。

969ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/14(木) 10:29:44 ID:???
・グェス、フェルディナンド恐竜→問題なし
・フーゴ→銃の修正は必須
・荒木→フーゴを贔屓した 理由を書き手氏は伏線として何かしら考えているのか?荒木らしさってなんだろう。
・花京院→賛否あり。今後のリレーで補完?

書き手氏の正直な意見を求む。

970ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/14(木) 16:28:53 ID:iSSkG4RY
花京院がグェスに失望したってのは表現がキツい気もする
こんな状況だし、せいぜい出会ってまだ数時間の付き合いだし、相手は戦闘素人の女性だからな。
(戦闘能力に関して)期待はずれだった、とかが妥当じゃないかな?

それと、次スレはいつ頃立てるべきなのかな?
em4fuDEyHM氏の修正再投下を待ってその後くらい?

971ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/14(木) 17:33:24 ID:???
荒木がアリー・ヴェデルチと言っていますが、アリーヴェ・デルチじゃないですか?

972ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/14(木) 18:30:47 ID:???
em4fuDEyHM氏は上で言われてるが規制で投下出来ないらしい。
最近2ちゃんで大規模な携帯規制とDION規制があったと聞いてる。

花京院がグェスに失望したのは、期待してたほどの黄金の精神力じゃないからでは?
すごく人間臭いけど、信頼に値しないというか(グェスの本音は善なんだけど)。
「クラスで人気者の彼はアドレス帳に百人記録されている……それは本当の友情なのか?」と花京院は友情について語ってたが。

973ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/14(木) 20:00:16 ID:???
俺はフーゴがポーンの話をしたから完全に荒木に寝返ったと思った。
荒木はフーゴを、自発的に殺し合いに乗ってほしい、ただの参加者にしか思ってないの?
それともダービーや吉良親父みたいな、主催者側以上、部下未満ってことか?

974ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/14(木) 20:42:50 ID:iSSkG4RY
>>972
いや…だからem4fuDEyHM氏が2ちゃんで規制されているので
ここに投下するだろ?って話なのだが…

975ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/14(木) 23:50:07 ID:???
ポーンうんぬんの話って、放送で流れたか・・・?
あれは放送し終わってからの話なので、フーゴが知ってるのはおかしくない?

976ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/14(木) 23:53:45 ID:???
>>974
ああ、修正版の投下のことか。勘違いしてたわ。
>>975
じゃあフーゴと荒木はたまたまシンクロニシティしてたってってことか。

977キングクリムゾン:キングクリムゾン
キングクリムゾン

978 ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 20:54:15 ID:???
流れを断ち切って申し訳ありませんが、修正したものを投下します。

979Whatever she brings we…… ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 20:55:40 ID:???
深い深い螺旋階段の底に、すやすやと眠るお姫様。
さりとて職業は、姫を茨の壁に閉じ込める魔女。
女看守長ミューミュー(ミュッチャー・ミューラー)は、無防備をさらけだしていた。

「……ん、う〜〜〜〜〜〜〜〜ん」

右手は重たい瞼をこすり、左手は筋肉を緊張させながら天高く伸ばす。
3時間ほどの睡眠も、激務の彼女にとっては貴重なカンフル剤だ。
しかし彼女は知らなかった。
手のかかるお転婆ファーストレディ、スカーレットがいなくなっていることに。
スカーレットが『ジェイル・ハウス・ロック』の呪縛から逃れたことに。

「――ん? ハッ!」

ミューミューのスタンド『ジェイル・ハウス・ロック』は相手の記憶能力を3つまでに束縛する。
痴呆と化した人間は、3つの思考を堂々巡りにして生き続けるのだ。
その能力は永遠に気づかれない絶対の非戦闘系最強スタンドの一角……のはずだった。

「あたし何で眠……あの女? ――まさかっまさかこの私にッ!? 」

バトルロワイアル主催者、荒木飛呂彦は彼女の知らないところで待ったを掛けた。
圧倒的なな力……このロワイアルに水を差す能力を、健全な状態で修羅場に巻き込ませるのは好ましくない、と。
今のジェイル・ハウス・ロックは欠陥品。ある条件下で自動的に解除されてしまうのだ。

例えば――本人が眠ってしまった場合。

「一服盛りやがったのかァァァァァァァ!!! 」

吼えるミューミューの膝元には、丁寧に置かれたウェッジウッドのティーポットセットがある。
彼女の支給品であり、美味しい紅茶が何杯かいただける優雅な食器家具だ。
わがままを言うスカーレットを宥めるために、何度も煎れてあげたというのに。
当のスカーレットは外出を静止していたミューミューを見限っていたのだ。

「あたしが隕石を見に行ってる隙に……クソッ、完全に油断してたッ!! 」

ちなみにミューミューが飲んだ睡眠薬は2分間で目が覚める程度の代物なのだが……。
スカーレットに付き合わされた精神的ストレスと紅茶の温かさが彼女の睡眠欲を増やしたことを、知る由も無い。
……だがミューミューは己に置かれている恐ろしい状況を理解し始める。
自分の意思でしか解除されない『ジェイル・ハウス・ロック』、その謎の不調。
そして第一回目の放送を聞き逃すという致命的なミスに。

980Whatever she brings we…… ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 20:56:12 ID:???
■ ■ ■ 

川尻早人の頑固さに呆れ、説得を断念してから、はや数十分。
進路はH-3サンタ・ルチア駅から真っ直ぐ北に。
途中リゾット・ネエロとペッシの戦闘を遠目に確認し、現在地はF-3。

(仗助が死んで、重ちーが死んで、早人が生きてて……)

馬の胴にもたれて名簿にト書きをする男、ラバーソール。
彼の足元から首元に纏わり着くスライムのスタンド『黄の節制』は、縦横無尽に形を変化させている。
他人に成りすませるラバーソールにとって、他者の生死のチェックの比重は誰よりも重い。
うっかり死者に変装するようでは、この状況で生き残れはしない。

(次の変装に相応しい相手、よく考えねぇとな)

ラバーソール本人→空条承太郎に割れている→却下
ヴァニラ・アイス→外を歩けない→論外
片桐安十郎→どこかで殺人を犯しているはず→危険人物に化ける→却下
J・ガイル→片桐と同じ(特定の相手には使えるかもしれないが)→却下
川尻早人→本物が負傷して動けないのでアシがつきにくい(オイシイ!)→1人で馬に乗る小学生→微妙、馬を捨てるか?

(仗助のときは上手くいったが、アイツは俺の能力を知らなかったからな)

承太郎たちが俺の能力を誰かに話しているかもしれない→ジョースター一行に化けるのは危険
もし接触した相手が化けた奴の知り合いで、“スタンドを出してくれ”と言われたら→ウェザー・リポートも危険
近くでウロウロしている参加者(ペッシ)に化ける→あいつスタンド使いなのか?

(となると、こいつしかねぇよなぁ、『今』は)

『黄の節制』は大振りのマントに形を変え、悩ましげな顔を象り、長い一束の前髪に曲がる。
その姿はサンタ・ルチア駅で出会った策士ブラックモア。
雨が無ければスタンドが使えないと語っていた彼ならば、誤魔化しはききそうだ。

(ブラックモアの知り合いは、会いたくねぇな……)

ブラックモアがアメリカ大統領の護衛官の1人であること。17世紀生まれの人間であること。
彼の素性のほとんどをラバーソールは知らない。他人の身辺調査は変装を趣味とする人間の宿命なのに。
もっとも、彼の知る『他人』のほとんどが、素性の知れない者たちなのだが。

981Whatever she brings we... ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 20:57:23 ID:???
「――ひぃっ! 」

大きく開けそうになった口を慌てて抑えるも、防ぎきれず。
そんな印象を与える叫び声だった。
ラバーソールは有無も言わず、馬に飛び乗って手綱を揺らした。
馬の頭を声の主に合わせて、力いっぱい腹を蹴る。
自分のスタンドがぐねぐねと変身する姿を見られたと、ラバーソールは考えていた。

「ま、待って! そんな、ブラックモアなの? どうしてあなたが……死んだはずじゃ」

微かに聞こえた一言は、ラバーソールの手を強く動かした。
手綱を引かれた馬が、4本足を必死に踏ん張って勢いを止める。

(放送は、聞き間違えちゃいねぇ)

ラバーソールには天地がひっくり返っても気づかぬことだが、この言葉は真実である。
そして彼と邂逅した女性――スカーレット・ヴァレンタインの言葉も真実である。
彼女はブラックモアが死んだ後の世界からバトル・ロワイアルに召還されたのだから。
このブラックモアが本物であろうとなかろうと、スカーレットは同じ質問をしただろう。

「……すみませぇん」

ラバーソールは――真実には辿りつかぬが――彼の口癖をつぶやいた。
ブラックモアが早朝まで生きていたのは、彼の目が見た紛れもない真実。名簿にも認められている存在。
サンタ・ルチア駅から遠く離れたこの地にいた女に、何がわかるというのか。奴の死を語るとは。
この女が一杯喰わそうとしているのか、ブラックモアが己に何らかの形で一杯喰わしていたのか。

「心中お察ししますがぁ、私はこの通り健在でございます。申し訳ありませぇん」

ごくごく当たり前の気持ちを、ラバーソールは吐露した。
演技であろうと無かろうと、向こうが己をブラックモアとして扱うのならば、こちらもその様に振舞う。

982Whatever she brings we... ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 21:00:53 ID:???
「――お気持ちはわかりますが、ファンタジーやメルヘンのような物、ではない世界です」

例え、女の付き添いの男(マイク・O)が怪しげな風船を金属から作り始めても。
例え、女の付き添いの男(マイク・O)が怪しげな風船を鳥に型を取り始めても。
例え、女の付き添いの男(マイク・O)が怪しげな風船を犬に型を取り始めても。

「大統領夫人(ファーストレディ)に挨拶も無しとは大統領補佐関係者失格の世界だ。
 我が風船はお前が何者なのか調査し、かつ偽者ならば危険人物として処刑する世界を兼ねたッッ!! 」

ラバーソールは……7人同盟を結んだ時の行動を少し後悔し始めていた。
物騒な雰囲気から人様に話せない職業を持つ連中の集まりと先入観を持っていたことに。
まさか全身をコートに包んだ卑屈な男が、政府関係者と誰が考えるだろうか。

「お気持ちはわかります。礼を怠った事実は誠に申し訳ありませぇん。責は後ほど受けましょう。
 しかし……私にも解せない世界です。名簿をご覧になられましたか。私は確かに存在(い)ますよ? 」

いつものラバーソールならば、即座にこの2人を始末していただろう。
彼がわざわざ問いただしたのは、『ブラックモアが死んでいる』を疑わない人間の存在。
何を持ってこの2人は確証を得ているのか。
断っておくが、ラバーソールはこの謎が荒木の仕業である――例えば並行世界の統括――とは考えていない。
『他者の生死確認が彼の能力にもっとも重要である』ゆえに、ブラックモアの謎をはっきりしておきたかっただけ。

「ちょっとマイク・O! 名簿ってこれのこと!? どうして話してくれなかったのよ! 」
「既にあなたが読了している世界かと。名簿は不可解な世界です。確かにブラックモアの名が載っています」
「死人なのに……この世界に、どうしてあなたはいるの? あなたはいったい誰なの? 」

彼らの言う『ブラックモア死亡』は、この世界で起こった事実ではない。この世界に招かれる前の出来事。
ラバーソールは……この事実を(推測の域を出ないが)理解した時点で考えるのを止めた。
ブラックモアに関しては謎が残るが、早い話が『ブラックモア変装はリスクが高い』だけ。
ラバーソールの思考回路にある最優先事項決定は、まったく別の方向へとシフトし始めていた。

「私は何者であろうと大統領に使える身。必要とあらば大統領夫人(ファーストレディ)にお供しまぁす。
 怪しいと感じるのならば、今すぐ立ち去ります。我がスタンドは……雨が無ければ何もできませぇんので」
「そうだな……所詮、貴様は雨がなければ何も出来ない世界だ」

パカラパカラと踵を返し、北へ進むラバーソールの馬。
いぶかしむ2人に完全に背中を曝け出している。隙だらけだ。
マイク・Oの野次に振り向くことなく、ラバーソールは背中を見せ続ける。
捨てられる者の悲哀を背中で語ろうというのか。

「つまり雨が降る南に向かわない貴様は、偽者の世界ッッ! 」

983Whatever she brings we... ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 21:02:51 ID:???
しかし対応者はその背中に容赦なく鞭を奮う。
マイク・Oの『バブル犬』と『バブル鳥』の群れは一斉に巨大な得物へ襲い掛かった。
一度得物に触れれば、体内に入り込み、中で破裂を起こす。
風船は相手の体内を突き破り、まるで水風船が破裂するように、血を撒き散らす。
盛大に破裂する風船たちの断末魔に耳を傾ける、それがマイク・Oの日課。

「いいぞ!我がスタンド『チューブラー・ベル――」

今日も、日課は守られる。

「ううっぷぷ!? 」

聞きなれた破裂音のせいで、マイク・Oは判断が一瞬遅れていた。
風船は確かに割れた。ブラックモアに化けたラバーソールのスタンド『黄の節制』に食い込んで割れた。
ところが割れた場所は本体であるラバーソールの体内ではない。

「エメラルド・スプラッシュならぬ、イエロー・スプラッシュかね。警戒を解かなかったのは見事だ。
 さすがSP……気にすんな、背中からスライムの散弾が飛んでくるなんて普通わからねぇよ」

マイク・Oは自分の風船たちが『黄の節制』の飛沫にくっ付いて割れたことを理解した。
ラバーソールの匂いがついていれば『バブル』たちは本体以外も追尾して割れてしまう。
たとえ金属による開放があれど、『黄の節制』には痛みも何もない。
顔に纏わりつくスライムを必死に取り除こうとするが、もがけばもがくほど深みに嵌ってしまう。

「やめろよ……お前はそのまま楽に気が遠のいて『逝く』だけ――だっ!? 」

そのとき、着々と集まり得物を絡め取っていた『黄の節制』が突然爆発と共に吹き飛び、周囲に飛散した。
爆発は一度だけに収まらず、何度も何度も地面や壁を破壊していく。破壊はラバーソール本体付近にもかすった。

「あんたウチの護衛官に何してんのよォォォーーーーーッッ!! 」
 
■ ■ ■ 

「このすけこましがァァーーーッポ○コチン削りとってやるッ! 」

まさかの反撃にマイク・Oは驚きを隠すことが出来ない。彼の想像を雄に越えていた。
その正体はスカーレット・ヴァレンタインの持つエイジャの赤石。
赤石が通した太陽光は威力を増幅させ、船のエンジンを破壊するほどの怪光線になる。
スカーレットは無我夢中で赤石の秘密を使い、手当たり次第に光線を撒き散らしていた。

「おかげで顔にくっ付いていたスライムがほとんど取れた世界だ」

マイク・Oの顔に覆われていた『黄の節制』は本体ラバーソールの援助のために撤退したのだ。
じゅるりと地を這う姿がなんとも情けなく、マイク・Oはいつの間にか笑い始めていた。
これではどちらが守られているのかわからない。護衛官としては名折れである。
とはいえ、スカーレットのお転婆ぶりを見て、マイク・Oはそれでもいいと思い始めていた。

984Whatever she brings we... ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 21:05:57 ID:???
「あれこそが、我らが大統領夫人(マイ・ファースト・レディ)」

スカーレットと早朝に合流したとき、彼女はマイク・Oの怪我を心配していた。
そっと傷口に触れる手は震えていたのを覚えている。彼女は恐怖してたのだ。
己の身に起こる事実が、夢ではなく現実だと受け止めねばならないことに。
今、目の前の敵を追い払っているが、内心はこの上なく怯え、逃げ出したいはずなのだ。

「野放しの暴力に屈せぬ毅然とした誇り、たれ。流石はあの方が見初めた女性ッ!! 」

スカーレットに、そして彼女の下で働いてる自分に誇りを馳せるマイク・O。
懐にあった金属の束を五指に挟み、口一杯に空気を吸いこむ。
ぷううーーっと膨らむ風船が、彼のやる気を比喩するかの如くムンムン拡大していく。

「ひっひィイイイイああああああああああああ……!! 」

スカーレットに追いかけられているブラックモアは、間抜けにもマイク・Oの射程距離に飛び込んだ。
飛び散るスライムに触れないよう、絶妙な距離をとってバルーンアートを象るマイク・O。
その形はアメリカに、アメリカの主たる女に捧げる特注の薔薇。

「拷問の世界は無い! 今ただちにッ! 処刑するうぅぅぅぅーーーーッ!! 」

薔薇は『黄の節制』を全て覆うほどの特大サイズだった。もはや逃げ場はない。
必死に逃げようともがくも、獲物は薔薇に押しつぶされて動くことができない。
これでは流石の『黄の節制』も中にいる本体ごとまとめて始末してしますだろう。
息切れを起こすスカーレットを抱えて、マイク・Oは風船から離れる。


バンッ


張り裂けた後の残ったのは
緋色に染まる地面とスライムだけだった。

「お疲れ様、マイク・O」
「お疲れ様でした、大統領夫人」

仰々しく改まるとマイク・Oは静かに立膝をつく。
家臣の礼に答えるかのように、スカーレットはしゃがみ、マイク・Oと目線を合わせた。


ゴキッ


そして優しくマイク・Oの首を折った。
天高く伸びる向日葵の茎をねじるように、大きく歪曲させて。
曲がった顔でマイク・Oが見たものは、先ほど自分が生けた薔薇の金属風船による残骸。
その中にある、スライムの塊から見える、長い黒髪の女。

「ガハッ……『彼女』は、ぞごのぞの『死体』は……何だど?……まざが…まざが……」

マイク・Oは知らない。
ラバーソールの『黄の節制』は単なるスライムではなく、変身能力も持ち合わせていることを。
ブラックモアが大きなマントを被っただけの服装なので、彼は気づけなかったのだ。
ブラックモアの全てがスライムから作られているということに。

「ぎざま夫人に何をじだぁぁぁぁぁーーーーー! 」
「とっくに入れ代わってたんだよ。お前が顔のスライム取ろうと必死になってる間にな。
 何のためにお前の顔を覆ったと思う? 一瞬でも目と耳の情報を奪うためだろーが」

スカーレットの反撃は完全にすり替わっていた。
エイジャの赤石の光線も、エイジャ自身が『黄の節制』に包まれてしまえば、太陽光を取り入ることができない。
赤石をスライムで包んだ後、スカーレットの身体全体を覆ってしまえば、呻く人形となる。
ラバーソールはスカーレットに成りすまし、赤石で追い詰めれば、スライムから逃げ惑う餌がマイク・Oに接近する。
マイク・Oに『ブラックモアらしき者』が近づいてきたのは至極真っ当な行為だったのだ。

「てめーでてめーの主人サマ殺しちまったら……世話ないよなぁ!? ヒヒヒヒヒヒヒヒ! 」
「う゛お゛お゛お゛お゛ーーーーーーーーっ」
「ゆっくり寝てな」

スカーレットは部下に助けを求めていた。懸命の抵抗していた。
それなのに家臣は主人を――。


ゴキャリ


「……かはー……」

任務はこれにて終了。護衛官はうめき声を上げて地に伏した。反転させた首が虚ろに宙を仰ぐ。

985Whatever she brings we... ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 21:25:29 ID:???
「さ〜て、このままDIOの館に行くか、駅に戻るか」

緋色に染まる2つの物体を、スタンドに食べるよう指示させて、ラバーソールは考える。
サンタ・ルチア駅で悪態をついた川尻早人のふんぞり返りっぷりを。
“余計なことをしてみろ! 僕が死んだらウェザーさんが黙っちゃいない!”――と。
あの時は渋々引き上げたものの、激化するスタンド使いとの戦いに、ラバーソールの不安がよぎる。
マイク・Oやスカーレットに変装せず、川尻早人に変装を選んだのも、極端な戦闘を避けるためだ。
大統領護衛任務の関係者は、マイク・Oの偽者とあらば、容赦なく襲ってくるのだから。

「ケッ足元みやがって。だが敵の情報は多いに越したことはねぇんだよなぁ。
 ……俺の能力に弱点はない。けど面倒くせーなぁ、選択肢が削られていくこの感じ……イラつくねぇ」




【市街地(F-3北東部)/1日目/日中】
【ラバーソール】
[時間軸]:承太郎と戦闘中、ザリガニ食べてパワーアップした辺り。 川尻早人に変装中。
[状態]:健康。仗助、重ちー、マイク・O、スカーレットを食べてパワーアップ!?
[装備]:ヨーロッパ・エクスプレス
[道具]:支給品一式 ×5(内一食分食料と方位磁石消費)、ギャンブルチップ20枚、ランダム支給品×1 (未確認)
    スーパーエイジャ、サブマシンガン(消費 小)、巨大なアイアンボールボーガン(弦は張ってある。鉄球は2個)
    二分間睡眠薬×1、剃刀&釘セット(約20個)
[思考・状況]
基本行動方針:勝ち残り、優勝。溺れるほどの金を手に入れる。
1.やっぱり早人から承太郎についての情報を聞きだすべきだったか?
2.参加者をできるだけ減らす。
3.状況によっては誰かに化ける(ブラックモアは死んだら使うのやめればいいかね、気になるけど)。
4.20時にDIOの館に向かう
5.この鳩、いったいどうしようかねぇ…?

[備考]
※ラバーソールは承太郎、花京院とロワで会った人間に変装できます(その場の状況で考えるようです)。
 偽のスタンド像も出せますが性能はイエローテンパランスです。
 死者の変装は“特殊な状況”にならない限りやらないようです。
※ラバーソールは仗助が自分自身の怪我も治せると勘違いしています。
※鳩は早人が同封した返事分、一回分の便箋を持っています。
※J・ガイル、アンジェロのスタンドについては理解し切れていません。水、及びそれに順ずるものを媒介とするとだけ把握しています。
※悪魔の虹メンバーとほとんど情報交換を行っていません。お互いの名前と姿ぐらいしか正確には把握していません。
※また、駅にいた悪魔の虹メンバーはイエローテンパランスの能力を「顔を変える」と誤解している可能性があります。
※ラバーソールは川尻早人の顔です。素顔を承太郎以外に見せていません。馬を乗り捨てるかどうかは保留。自分より小さい人間にも変装可能のようです。



【二分間睡眠薬】
スカーレットの支給品その1。SBR出典。13巻登場。
ホット・パンツがルーシー・スティールに渡したもの。
飲めば誰でも最低2分間は眠る。スカーレットが原作で飲まされた。
ミューミューが2分間以上寝たのは、この薬+ストレス+紅茶の温(ry
薬は2つあり、うち1つが消費。

【ラング・ラングラーの金属片】
スカーレットの支給品その2。第六部出典。68巻登場。
ラング・ラングラーが無重力による遠心力弾丸の補充用に用意していたもの。
マイク・Oがラバーソール戦で使った金属はこれ。
マイク・Oがラング・ラングラーから奪い取った物ではなく、偶然によるめぐり合わせの模様。


【スカーレット・ヴァレンタイン 死亡】
【マイク・O 死亡】

※マイク・Oとスカーレットの死体はほとんど食べられました(金属が邪魔したせいで丸飲みは面倒だった模様)。
 オエコモバと同じような状態です(死体の残骸がかろうじてわかる程度で、個人特定は不可能)。

986Whatever she brings we... ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 21:28:16 ID:???
■ ■ ■ 

ミューミューが覚醒し、ことの現状に慌てふためいているうちに、時計は午前八時を過ぎていた。
その同時刻、同場所にて……探る者が2人。
会話はしない。物音はたてない。目的は施設の調査。
リゾット・ネエロとペッシ両名は、ナチス研究所地下の侵入に成功していた。
正確にいえば、彼らが施設に侵入したのはミューミューが覚醒するずっと前の話だが。

(あの女はただの馬鹿か、自分に自信タップリのどっちなんだろうな)

慎重に慎重を重ねて行動しているが、自身が偶然によって助けられているとは、思いもしないだろう。
もし『ジェイル・ハウス・ロック』が発動し続けていれば、彼らも痴呆の海に飲み込まれていた。
リゾットたちは眠るミューミューを警戒し、接触を後回しにしたのだ。
彼女が眠っているフリをしてこちらの様子を伺っていたとしたら。強力な戦力としてスカウトできる。
今になっても襲われる気配がしないことにも、リゾットはミューミューに対する評を高めていた。
必要以上の戦いを進んで行わない者は、死に急がない。短気だった仲間のギアッチョのようなヘマはしないだろう。

(それにしても……先に調査を優先して正解だった)

いずれにしろ、彼らは今、ナチス研究所の最下階の大きな空洞にいる。リゾットはその異様さに唾を飲んでいた。
『F-2・ナチス研究所駅』と説明のついた時刻表。
エリア中に点在する駅ととここの施設は地下鉄でつながっていたのだ。

(E-7のネアポリス駅と、H-3のサンタ・ルチア駅は地図で確認していた。この駅も経由先の一つか?
 暗い構内を調べたいところだが、灯りを点けるわけにはいかない……まだ見ぬ同居者を探さないとな)

その矢先だった。
片手をバタつかせジェスチャーするペッシに、リゾットが気がついたのは。
ただ、その行動は言葉に表しにくい印象を与えていた。

(ペッシ……俺はお前に近づかない)

リゾットは地下鉄の駅を調べる前に、ペッシに以下の3つを命令していた。
1つ、ナチス研究所と地下鉄駅をつなぐ扉のノブに、スタンド『ビーチ・ボーイ』の釣り針を常に仕掛けておくこと。
1つ、『ビーチ・ボーイ』の針に誰かが触れたらすぐにジェスチャーで伝えること。
1つ、釣竿のスタンド『ビーチ・ボーイ』のパワーとテクニックで、得物を大人しくさせること。

ペッシはこの3つの動作を終える度に、まるでコンセントを抜いた掃除機のように脱力するのだ。
そして一時的な挙動不審になり、再び任務を繰り返す。鸚鵡返し鸚鵡返し鸚鵡返し鸚鵡返し。
……もう、おわかりだろうか?
ペッシが釣り上げた得物は、ミュッチャーミューラーその人。
釣り針に『ジェイル・ハウス・ロック』をかけながらも、暴れるリールに悶え苦しむスタンド使いであった。

「ぶげえぇッ! ば、ばたしが、ばるがっだ……だのぶ、ごろざないべ……」

数分後、ミューミューは『ジェイル・ハウス・ロック』を解除し、正気になったペッシに束縛されることとなる。
強くぶつけた赤い顔を無様に晒す女に、リゾットが真価を見抜くのは時間の問題だろう。
2人とも奇襲タイプのスタンド使い。直接的な戦闘には向いてはいない。初手で全てが決まる。
一歩間違えば、彼らは血を交えながら命を散らしていたかもしれない。

「お前は一人か? この施設にいるのはお前だけか? 返答次第では容赦しない」

痣をさすりながら半ベソをかくミューミューは、少し考えて返答した。

「わだじは、ひどりでず。ごごには、だれぼ、いばぜん」

ミューミューはリゾットにスカーレットのことを話すつもりは無いだろう。
ミューミューもまたスカーレットを見捨てていたのかもしれない。
互いが裏でこっそり三行半をつけて、別れた。お互い損得はなかった。

987Whatever she brings we... ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 22:17:29 ID:???
937 :Whatever she brings we... ◆em4fuDEyHM:2009/05/12(火) 10:10:56 ID:???
【ナチス研究所地下鉄駅ホーム(F-2)/1日目/日中】
【暗殺チーム(現在メンバー募集中)】
【リゾット・ネエロ】
[スタンド]:メタリカ
[時間軸]:サルディニア上陸前
[状態]:頭巾の玉の一つに傷、左肩に裂傷有り
[装備]:フーゴのフォーク
[道具]:支給品一式
[思考・状況] 基本行動方針:荒木を殺害し自由を手にする  
1.ナチス研究所を拠点として確保するか考え中。ミューミューをどうする?
2.首輪を外すor首輪解除に役立ちそうな人物を味方に引き込む。
3.暗殺チームの合流と拡大。人数が多くなったら拠点待機、資材確保、参加者討伐と別れて行動する。
4.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断、皆殺しにする
5.荒木に関する情報を集める。他の施設で使えるもの(者・物)がないか、興味。
[備考]
※F・Fのスタンドを自分と同じ磁力操作だと思いこんでいます
※F・Fの知るホワイトスネイクとケンゾーの情報を聞きましたが、徐倫の名前以外F・Fの仲間の情報は聞いてません
※荒木=パッショーネのボスを倒す。
※リゾット、及びペッシのメモには以下のことが書かれています。

[主催者:荒木飛呂彦について]

荒木のスタンド → 人間ワープ…見せしめの女の空中浮遊、参加者の時間軸の違い(並行世界まで干渉可能)
         → 精密機動性・射程距離 ともに計り知れない

開催目的 → 不明:『参加者の死』が目的ならば首輪は外れない
           『その他』(娯楽?)が目的ならば首輪は外れるかもしれない 

※荒木に協力者がいる可能性有り


【ペッシ】
[時間軸]:ブチャラティたちと遭遇前
[状態]:頭、腹にダメージ(小)、喉・右肘に裂傷、強い悲しみと硬い決意
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品(数不明)
    重ちーが爆殺された100円玉
[思考・状況] 基本行動方針:『荒木』をぶっ殺したなら『マンモーニ』を卒業してもいいッ!
1.誰こいつ?
2.誰も殺させない。殺しの罪を被るなら暗殺チームの自分が被る。
3.チームの仲間(特に兄貴)と合流する
4.ブチャラティたちを殺す?或いは協力するべきなのか?信頼できるのか?
[備考]
※100円玉が爆弾化しているかは不明。とりあえずは爆発しないようです。
※暗殺チーム全体の行動方針は以下のとおりです。
基本行動方針:首輪を解除する
1.首輪解除のためナチス研究所を拠点として確保する。
2.首輪を分析・解除できる参加者を暗殺チームに引き込む。
3.1・2のために協力者を集める。
4.荒木飛呂彦について情報収集
5.人数が多くなれば拠点待機組、資材確保組、参加者討伐組と別れて行動する


【ミュッチャー・ミューラー】
[スタンド]:『ジェイル・ハウス・ロック』
[時間軸]:幽霊の部屋から出た直後
[状態]:全身に軽い打撲。腫れ上がった顔。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、フーゴの辞書(重量4kg)、ウェッジウッドのティーセット一式
[思考・状況]
1:ゲームには極力乗らない。身の安全を最優先。 ごめんなさい勘弁して。
2:他のスタンド使いを仲間にして、アラキを倒したい。
3:もうスカーレットを仲間だと思うようなことはしないよ(鉄塔に行ったのだろう。勝手に行け)。
[備考]
※ジェイル・ハウス・ロックは特定の条件下で自動的に解除されるよう制限されています。
 ミューミューが寝ると解除されるのは確定しました。
※荒木のスタンドを「ホワイトスネイク」だと思っています。
※スカーレットがどうやってジェイル・ハウス・ロックから逃れたのか、焦っています。
※第一回放送を聞き逃しました。

【ウェッジウッドのティーセット一式】
第四部に登場する川尻早人のママ、川尻しのぶのお気に入り。
おいしい紅茶を味わえる高級品質。カップ、ポッド、茶葉が揃っています。一杯飲むと気分が落ち着くぞ。
スカーレットはこれに睡眠薬を盛った。ミューミューはキチンと洗浄してディバッグにしまった模様。


【女看守と大統領夫人  双方の合意の下、解散】

988Whatever she brings we... ◆em4fuDEyHM:2009/05/15(金) 22:19:18 ID:???
タイトルは「Whatever she brings we...」です。

指摘のあったとおり、誤字脱字etcの修正。
ラバーソールは早人の変装も可能に。馬を捨てるかどうかは保留としました。

989ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/16(土) 01:15:37 ID:I970T7Tg
マイク・Oの「O」が全角だったり半角だったりしてますね
全角で統一すべきだと思います。

990ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/16(土) 09:19:27 ID:GH4zS96Y
「チートな力」 の修正箇所が「圧倒的なな力」になってます
代理投下する人は再修正を

991ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/16(土) 09:30:28 ID:???
それはwikiで修正すればいいんじゃね

992ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/21(木) 20:13:01 ID:hGmkuIv.
◆em4fuDEyHMさん非常に対応が遅れて申し訳ありません
誰も投下しなかった場合、土日の空いた時間を使って投下させていただきます
一週間近く本投下可能の状態であったにも関わらず、放置してしまって本当にごめんなさい

993 ◆hNG3vL8qjA:2009/05/21(木) 21:27:35 ID:???
了解いたしました。
感謝いたします。

規制に巻き込まれてこの体たらく……申し訳ありません。

994 ◆em4fuDEyHM:2009/05/21(木) 21:29:29 ID:???
何度目のうっかりミスなのやら。
もはや隠す必要もないでしょうが、切実な対応、本当にありがとうございます。

995 ◆Y0KPA0n3C.:2009/05/22(金) 22:25:10 ID:???
ああああサルった orz
代理できそうな方、いらっしゃいますか?
いなかったらまた解除されてから自分で投下しますんで

996ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/22(金) 22:29:55 ID:???
ってここじゃ目立たんか
ageときます。

997ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/22(金) 22:30:25 ID:r8oJ7La.
age

998 ◆em4fuDEyHM:2009/05/26(火) 13:37:23 ID:???
すみませぇん。感想スレの指摘なんですが、具体的に修正すべきなんでしょうか?↓
よろしければ、意見をば。

>マイク・Oは知らない。
>ラバーソールの『黄の節制』は単なるスライムではなく、変身能力も持ち合わせていることを。
>ブラックモアが大きなマントを被っただけの服装なので、彼は気づけなかったのだ。
>ブラックモアの全てがスライムから作られているということに。

999ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/26(火) 22:17:17 ID:???
どう無理があるのかよくわからんから、気にしなくてもいいんじゃない?
書きこんだ本人がちゃんと説明してくれればそれが一番いいんだろうけど

1000ゲロ以下のにおいがプンプンする名無しさん:2009/05/26(火) 22:24:24 ID:???
俺もよくわかんなかったね
書き込んだ人を待ってもいいけど、別に気にすることでもない気がする

ついでに>>1000ゲット




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