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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

99名無しさん:2014/04/22(火) 21:54:44 ID:wwR12Xww0

「……どういうこと?」

 諏訪子に手を引かれるがまま、石段を下りて進む。
 繋いだ手から伝わる温度が運動からかじわりじわりと温かくなっていくのを感じて。

「言葉通りの意味さ。さっきのはたての話、不完全だったろう? その空いたスキマは私が知っているということさ」

 石段を降り切ったあたりで諏訪子は答える。

「肝心な所はわからない……大妖は知っているかもしれない……奴はそんなことを言っていたはずだ。そしてそれは正しい。外の者が幻想郷をも喰らい尽くす様な力を持っているとするならば、幻想は何のためにある?
 妖怪は人に恐れられる存在でなければならない。すごく簡単に言ってしまえばそれが存在理由。それよりも恐ろしい力を持つ者が外に居るとわかってしまえばこちらの世界の存在理由が危ぶまれる。
 長らくその存在を知っていながらも、誰も詳しくは知らなかった。『それ』がここまで大きな力を持つと思っていなかった」

 手を大きく広げ、仰々しい口調と身振りで演説する。その姿は、先の変貌ぶりを強調させる、支配階級の頂点に立つ者の纏う雰囲気。
 ……それを察知した瞬間、ドッピオは諏訪子に向かって駆け出し距離を詰めていた。

「わかってるじゃあないか、少年」

 と、と諏訪子が後ろに下がるように跳ねるとそれと共に先ほどまでドッピオの居た場所に多数の木々が生えてくる。何かしてくる、その予感が働きいち早く駆けだしていたからこそ、ドッピオはそれを躱すことができた。
 もし自分の予感を信じずにおとなしく聞いていたなら木々に囲まれ身動きが取れなくなっていたか貫かれていただろう。
 僅かな距離を完全に無くそうと、その離れた距離をさらに詰める。彼女に、息つく暇を与えずに。
 そんな彼を嘲るかのように、後ろに下がった諏訪子はそのまま地面に倒れこむ。

「何!?」

 そのまま彼女は地面に潜り込んでいった。まるで、水面にそのまま飛び込んだかのように吸い込まれていった。
 想像を超えた出来事に一瞬、隙が生まれてしまう。

「「ゾッとしたみたいね」」

 背後から、右後方左後方の両方から諏訪子の声が聞こえる。
 それとほぼ同時に、背後から飛び掛かるように両腕を抱え込まれ、その勢いで地面に叩きつけられる。先ほどの諏訪子とは違い、地面に潜ることはない。そこは固い固い石畳のままだった。

「がふっ!」

 身体の前面に衝撃が走り、体内の空気が吐き出される。
 冷たい石畳に這うドッピオの眼前に、ずるずると、諏訪子は這い出てくる。沼から現れる蛇のように。
 全身を浮上させると、うつぶせになっているドッピオを見下ろしながら、

「『宝永四年の赤蛙』」


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