したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

8深紅の協奏曲 ―嘘と真の三重奏 2―:2014/02/22(土) 22:51:24 ID:xOPXXY6Y0
「……カメラ」
「そ。ちょっと前に結構な量が幻想郷に入ってきたからね。これを適当な奴に配って写真を撮ってもらってるんよ」

 ドッピオの手の中に入ってきたものはインスタントカメラだった。
 撮影すればその場で写真が現像される。手渡されたそれは安物で精度の高いものではないが、初心者の写真撮影には十分に足りうるだろう。

「で? それで撮った写真をわざわざ手元に集めて、結果これが手に入ったってこと? 自分のカメラがあるっていうのに」
「いいえ。そこからさらに」

 そう言ってはたてが自分のカメラをいじりだす。
 そして、手元から特に動かさずにカメラのシャッター音を出す。

「うし、ほら、これ見て」

 自信ありげにはたてはカメラの中を見せつける。
 そこには縁側で茶を飲んでいる霊夢が画面に映っている。

「これはちょっと前に文が撮った写真かな? 今適当なワード入れて見せたげたの。他にはねー」

 やや早口で語る。その姿はどこか楽しんでいるようにも見えた。
 自分の事を喋るのは好きなのだろうか。最初のやや愛想の無い時とどうしても比べてしまう。

「ほれ。今度は『外来人』をワードに探してみた」

 再び見せつけた画面にはドッピオに手渡した写真のうち一つが現れている。

「……えーと、つまりどういうこと?」
「わかんないの?」
「全然わからん。説明に言葉が抜けすぎてる」

 正直に思いをぶつけると、後頭部を掻きながら面倒くさそうな表情を浮かべる。
 見せつけて、理解しなければ腐れて。その態度にドッピオも苛立ちを感じてしまう。

「まだ聞きたい言葉が一言も出てきてないぞ。そっちがいろいろ教えてくれるのはありがたいことではあるけれど質問にはそれに合った答えを返してほしいな」
「察せよ、そのくらい……私はね、念写ができるの。わかる? キーワードを添えて使えば、過去に撮影された写真を私の手元にそれにちなんだ写真が見つかる」

 ドッピオの手からインスタントカメラをひったくり、それでドッピオを撮影する。
 シャッターが切られる音が鳴ると少し後からカメラの前面に備えられた口から一枚の写真が出てくる。
 その写真をドッピオへ投げ渡すと、再びはたては自分のカメラをいじくる。

「……あ」
「こういうこと」

 まだ写真は完全に現像されきっていない、黒ぼけた紙切れだがはたてのカメラにはドッピオの何をしているのかわからない呆けた顔が写っている。
 このカメラはドッピオに対しては一度も向けられていないし、そもそも写真撮影された覚えは一度もない。

「流れ着いたそれらをそのまま腐らせるのもあれだし? てきとーな雑魚に渡したのよ。面白そうな何かを撮って楽しみなさいって。
 で、撮られた写真は興味あるものは自然と手元に流れ着く。そう、私の能力ならね」
「……つまり、これは自分が撮影したわけじゃないからどこで撮ったかわからないってことか? 最初に言った通りに」
「あ、でも地名くらいはわかるよ? ほら、この妖精……名前あったかな? こいつの居る場所は霧の湖。山から流れてる川を追ってきゃ着くよ」
「こっちは?」
「情報」

 手のひらを見せつけるように差し出し、開示できる物はここまでと意思表示をする。
 もちろん何も出せるものはないのだが、フリでも、写真を見つめ続ける。
 ……その中で、ふとした疑問。

 今の今まで、先に調べる重要事項があったので後回しにしていた。後回しにしても問題ないと思っていたから。

 ……今のはたての話の中に、とんでもないことを話していなかったか?

 元々写真は何かに駆り立てられるように調べようとしたこと。それよりも前にも疑問を抱いた、もっと根幹的な事――


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板