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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

73深紅の協奏曲 ―嘘と真の三重奏 3―:2014/03/24(月) 16:16:00 ID:V1cqd/cI0
 少し話は変わるが、以前にも夜を止めて月を隠すという異変があった。……ん、違うな。月を隠されたから夜を止めて〜、だったかな?
 まあそれはいいや。夜を止めて、っていうのが重要。時間を停滞させることはできないことはない。その異変の最後は停滞された夜が解放されて、圧縮された時が一気に進み、朝になった。
 パンパンに空気を詰めた袋の口を押えて、力いっぱい押してから口を放した時のように、一気に時間が過ぎていった。それがその異変の最後。
 だから、今回もそれをやった吸血鬼の仕業かな、と思ったんだよ。
 そう思ったその時には、反対側からまたお天道様が昇ってきた。
 わかる? その時の背筋の凍るような思いが。私は直感的に思ったよ。『これは幻想郷の中だけじゃない』って。
 だって、いたずらに時間を進めてどうしたい? それも、皆が困るようにするなんて。
 確かに似たような異変はもう一つ、春を集めたが故にいつまでも冬だった、なんて異変もあった。
 その時も、先の永夜異変、あ、さっきの異変ね。冬が〜、っていうのは春雪異変。とかは、どこか当然とも思えて。『幻想郷だから』というおちゃらけた様な感覚。
 だけど、この時はそうは思わなかった。幻想郷も含めたこの世界全てがこの事変に巻き込まれていると。
 なんでかわからないけどとにかくそう思ったし、隣にいた文も顔を青ざめながらそう思ったみたい。
 この時、すでに太陽は視認できるほどの速さで動いていた。間もなく正午になるような高さになった時、突然、全てが暗闇一色に染まった。
 また何か、と困惑したよ。時間がどんどん早くなっていく次は、光でも失われるのかと。
 世界が突然終わったのかと。
 全然追いつかない頭の中で、そうぽんやり思った時、暗闇が晴れたと思ったら、いつもの昼間に戻っていた。
 風が無く、嘘みたいに普通に飛べる。木々のざわめきが普通に聞こえる。パッと見、揺れを感じないほど小さく小さくゆっくり揺れている。
 しばらく私は眼をぱちぱちさせてたよ。いつの間にかくっついてる文を引っぺがそうともせず。
 それでも、何も起きない、何も変わらない。さっきまでの出来事が嘘みたいのように。
 夢じゃないか、と思って文の顔をひっぱたいてみたけど、乾いた音と共に手のひらに残る痛みは、何か起きたけど、元通りになりましたよーって言ってる。
 事変自体は、本当にその一瞬だけで終わってしまったんだ。


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