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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

70深紅の協奏曲 ―嘘と真の三重奏 3―:2014/03/24(月) 16:13:13 ID:V1cqd/cI0
「……何だって?」
「来たのはつい最近って言っていたのに、そんな前の事……時間が歪みでもしない限り、そんなことはあり得ません」

 そこまで言うと早苗は踵を返し、本殿の中へ向かう。

「ちょっと待て、どこに行くんだ!? どういう意味だ、今のは!!」

 何も言わずに去ろうとする早苗に喰ってかかる。
 返答次第では手が出てしまう、それほどの勢いで。

「……? ありましたよね、分からないはずがない。ここだけでなく、外でも同じことがあったはずです。それで忘れているだけじゃないです?
 ……そういっても納得しないでしょう、ドッピオさん。だから、証しを見せてあげます。……しばしお待ちを。本当に心当たりがないならはたてさんにでも聞いてください」

 そんな彼を少し振り返り、目線だけやると奥へと向かっていく。
 残された二人は、向けるべき対象がいなくなってしまったことで、矛先を変えるだけ。

「どういうことだ……何が何やらわからない。何があったか、だと? それはいちばん僕が聞きたいっていうのに……!」
「……やっぱり、怒るよなぁ。けれど、説明だけなら誰でもできるが……」
「はたて、お前もだぞ! 何かあるっていうならそれをまず言うべきじゃあなかったのか!?」
「いや、それはそれでしょ! というか、まさかそれを知らないと思ってなかったし……! 第127季、今年の二月程度前の話だ、あんた本当に知らないの!?」

 本殿の前で置いて行かれた二人は、大きな声で互いに責めあう。
 ドッピオは知らないことの増加とそれを知らされていたなかったことに対する怒り、はたては知っていて当然の話を知らないことによる驚き。
 その二つの感情が、発せられる声量が二人を熱する。

「知らないね、何があったかわかりゃあしないッ! 僕が目覚めたその時から、それほど経っているだなんて思ってもいなかった! 想像もしなかった!!」
「まさかその間中ずっと眠っていたんじゃないの!? あんだけ大規模な事件、知らないはずがない! 結果的には大したことなかったけれども、どう考えたってそれはこの中だけの話!
 隔絶されているとはいえ時の流れまでは変わってはいない! 外の技術が時空間まで揺るがすような空想を実現させているとは到底思えない! だったら知ってるはずでしょ!?」
「だから、それが何かって聞いているんだッ!!」
「おーいー、あなた達何話してるの、人の寝床の前で」

 熱くなった二人の前に、大きくあくびをしながら小さな少女が現れる。
 ふわわ、と間延びした声を上げながら、けだるげな眼で二人を見据える。

「……あ」
「客人がうるさいと思ったら、早苗は早苗でどんより自室に戻ってるし……その理由はお前たちの痴話ゲンカかい? いけないなぁ、いけないなぁ」
「……何だ、ガキが仲裁に入ることは何もねえぞ」
「子供じゃないって、この方は洩矢諏訪子。ここの主神の片割れだよ」
「うす」

 その紹介を受けた少女―洩矢諏訪子―は左手を軽く挙げ、頭を同時に小さく下げる。

「神奈子は大天狗と昼間から酒盛りしてるし、早苗は人形遣いと遊んでるしで暇々だったから寝てたらさー、あんたらがちゃがちゃこんなところで……クツワムシか」
「こんなのが、神?」
「幻想郷じゃあ大体こんなものだよ、そこは突っ込まないであげて。諏訪子様は」
「いいよ別に、立てなくても。……ところで、何話していたんだい? 二度聞きになりそうだけど、私が納得できない話だったなら静かにさせてもらうよ」


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